オカメインコは丈夫な「オウム」で、大きな病気もあまりせずに、20年くらいの寿命を「当たり前」にまっとうする鳥です。
オカメインコルチノーが記録に残されたのが1950年代末。
すでに70年以上の月日が流れた現代、ルチノーはノーマル並みに強健な固定種で「ルチノーは弱い」は「今は昔」です。
ではなぜ…オカメインコ、とりわけルチノーは弱いと言われてしまうのか?
オカメインコルチノーの寿命は短い?弱いと思われてる原因と対策
この4月で25歳になったオカメインコのみかんちゃんです。目も見えなくなり、趾も曲がらなくなりましたが、元気に過ごしています。25年前のオカメインコのヒナの状況はとても悪く、台湾からの輸入も多く、感染症が現在よりも蔓延していました。そのため、現在20歳以上生きているオカメインコは、そんな… pic.twitter.com/BZTHZ5EbYE
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 15, 2023
オカメインコのルチノーは、他の品種よりも長生きする傾向がありますね。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 16, 2023
巷で「オカメインコは弱い」と
思われている理由は
セキセイインコや文鳥などの
小型鳥に比べると、
雛鳥時代(1年未満)の落鳥率が高い
ことからきています。
つまりオカメインコは
雛育てが難しいのです。
オカメインコは育て方の不備から落鳥させるケースが多い
オカメインコの雛の死因は
食滞による餓死が
かなり多いです。
食べた餌がそのう内に
滞って動かなくなるもので
「お湯を飲ませてマッサージすればいい」とか
「エサを吐き戻させる」といった方法が
ネット検索すれば出てきますが、
素人療法で雛を苦しめるのはやめてください。
食滞を起こしたら
すぐに鳥の診療に長けた獣医がいる
動物病院で処置してもらってください。
感染症が原因で
食滞に陥ることもあるので
素人療法で回復するほど
単純ではないことも多いです。
食滞以外にも
雛が餌を食べられなくなったら
強制給餌が必要ですが、
チューブやゾンデ を差し込んで
給を食べさせる強制給餌の技術は
素人が一朝一夕に
できることではありません。
餌を食べられなければ
死んでしまいます。
即刻 鳥を診られる動物病院を
受診しなければ命が助かりません。
雛が体調不良になった時に
「助けてください!」
「どうしたらいいですか?」などと
悠長につぶやいている
Twitterを時々見かけますが、
正直イラッとします。
そんな余裕はないです。

成鳥になるまでの温度管理とオカメパニック対策を怠らないで
生物に淘汰される個体が
一定数いるのは当然ですが、
オカメインコの場合は
「飼い主の育て方の不備」から
死なせてしまうケースが
とても多いです。
オカメインコは 雛が成鳥になるまで(生後1年半くらいまで)の管理に 特に気を遣わなければいけない鳥種であること…寒暖の差への注意や適切な保温など。
オカメインコは気質が繊細で 他の鳥と比べるとパニックが頻発するため 事故やケガをする確率が高い。
落鳥率の高さの原因は
このあたりにも起因します。
東日本大震災時にオカメパニックで
負傷して病院を受診した鳥の患者には
オカメインコが群を抜いていた!
という話があります。
また、オカメインコは
1歳未満の落鳥率が
ダントツに高いデータも
あります。
一人前になるまでの
温度管理を徹底することや


オカメパニック対策を
強く意識することが大切です。

オカメインコルチノーが特に繊細なのは赤目(ブドウ目)で弱視のせい!?
オカメインコの中でもルチノーは
特に性格が繊細だと言われることが多く、
実際にそれは一理あると
私も思います。
…とシニアルチノーを見ていると
思うことが時々あるからです。
ルチノーの弱視傾向は
「赤目」の宿命でもあるのかな?と
感じることがあるのですが
全員が白内障になったり
全盲になったりするのではないし
体質や個体差もあると思います。
白内障の対策としては
日光浴時の紫外線に
注意することが有効です。

白内障や弱視は
加齢とともに進行するので
回避できないこともありますが

老鳥のケージやレイアウトの
見直しや現状維持は
老鳥の暮らしの安全対策に重要なので
うちの子に合うスタイルを
見つけてください。

健康なオカメインコの雛選びのチェックポイント
健やかな鳥人生を送らせて
あげられるかどうかは
飼い主さん次第ですが、
そのための初めの一歩は、
オカメインコルチノーに限らず、
雛をお迎えする時に
健康な個体を選ぶことです。
ペットショップの水槽の中にいる
ヒナたちはお客さんが来ると
騒いで右往左往する子が
けっこういますよね。
それを見て「運命の出会い」と
思わないでください。
…という気分にさせられるほど
右往左往する雛はいますが、
雛のその行動は単に
お腹がすいていて
挿し餌を催促して
騒いでいるだけのことが
多いです。
残念ながら
運命の出会いではありませんが、
そういう勘違いから、
お迎えの準備や
飼育知識が不十分なまま
雛を連れて帰ってしまう人も
少なからずいるでしょう。
雛がそういう行動をとる原因は、
ショップ店員がド素人で
挿し餌のやり方がまずかったり、
その店の生体の管理が不十分とか
人手不足で手が回りきれていない
…しょせん そんな単純な理由であり
一般的なペットショップでは
あるあるです。
もちろんお客さんが出向いた
タイミングが悪い場合もあります。
体重80gはハードルが
高いかもしれませんが、
うちのオカメ雛の場合は
生後2週で80gくらいになるので
とりあえず「80」と書きました。
生後4週だと100gくらいに
なっている場合もありますので
(この段階から飛行するために1割程度自分自身で体重を落としていきます)
最終的にはご自身の目で
判断してもらうのが
いいでしょう。
その子が健康かどうかは、
インコの目を見るのが
わかりやすいです。
こういう言い方はアレですが・・・
雛選びに失敗しなければ
オカメインコの飼育で
苦労することは少ないです。
そうはっきりと
言い切れるくらい
オカメインコが
強健な鳥であることを、
常に30羽以上のオカメインコの
世話に明け暮れてきた私には
断言できます。
オカメインコは丈夫であまり病気をしない強健な鳥です

フライトケージにて
鳥の病院を
受診しなれている方なら
感じたことがある…と思うのですが
鳥の患者の多くは
セキセイインコや
コザクラインコばかりだと
思いませんか?
セキセイインコや
コザクラインコの
飼育の絶対数が
ダントツに多いことも
その理由のひとつですが、
もうひとつの大きな理由は
オカメインコは丈夫で
あまり病気しない鳥だからです。
適切に飼育管理されている
成鳥のオカメインコは強健で
病気が少ない個体が多いです。
うちのオカメインコ33羽は
全員がシニアですが、
急な体調不良で
通院を余儀なくされたことも
体調を崩してアクリルケースの
看護ケージに隔離することも
かれこれ5年以上、ありません。
虚弱体質でない
健康体の雛をお迎えして
正しい飼育管理のもとで
愛をこめてお世話すれば
いつも元気で過ごして
20~30年くらいの寿命を全うする
…オカメインコとはそういう鳥です。
元々の強健さだけでなく
鳥の食事内容や医療技術の向上が
日進月歩の昨今では、
インコの寿命は
飼い主の裁量次第です。
オカメインコを
家族の一員としてお迎えするなら
正しい飼育知識を得て
適切な管理をし、
ぜひとも彼らに楽しい毎日を
送らせてあげてください。