…と思っている方は結構いると思います。
オカメインコは丈夫で大きな病気もあまりせずに20年くらいは当たり前に生きる鳥です。
ルチノーの寿命も同等ですが、巷ではルチノーは特別弱いと思われているフシがあって、そんなイメージと現実とのギャップは意外と大きいものです。
「ルチノーが虚弱」という情報は「ノーマルと比べたら」のひと言を付け加えればある意味納得できますが、ルチノーも平均寿命の20年くらいは普通に全うしている個体が多いですから弱くはありません(犬猫より長生きしますし)
オカメインコルチノーが記録に残されたのが1950年代末。固定種である現代では「ルチノーは弱い」はナンセンスで「今は昔」と思ってください。
そもそもオカメインコは強健な鳥種ですし、鳥の食事情や医療技術が日進月歩の昨今では、インコ・オウムの寿命は飼い主の裁量次第です。
オカメインコルチノーの寿命は短い?弱いと思われてる原因と対策の話
とはいえ、日本では絶大な人気を誇るオカメインコルチノーは国内での繁殖数も流通も多いはずで、そうなると様々な要因から寿命をまっとうできなかったり、人災で落鳥させる数が多いことも否めません。
そこから「オカメインコルチノーは弱い」神話が浮上しているのだと思いますが、声を大にして言いたい!
今回はそんなお話です。
オカメインコの寿命の原種(ノーマル)最強説は事実!でもルチノーだって負けてない
まずはご長寿オカメインコの2本の動画を紹介します。
これらのスーパーご長寿オカメさんはどちらもノーマルでした。
こういう言い方はちょっとアレだとは思うんですけれど…どんな種でも原種(ノーマル)が強いというのは真実ですよね。
オカメインコルチノーも平均寿命は20年前後
オカメインコの平均寿命は18~20歳と言われますが、ルチノーもほぼこの通りだ…と個人的には思うのは、うちの子も知り合いのうちのルチノーも ほぼ平均寿命を全うしているからです。
原種に近いノーマルグレーたちが頑張って30年とか長生きしても、ルチノーやその他の色変わり品種のオカメインコの寿命が極端に短いのであれば、平均寿命が18年とかになるはずがないです。
それにルチノーだけが特別弱いということはないです。
実際、うちには強健でほとんど病気をしないシニアルチノーがいますから「ルチノーが特別弱い」認識は 私の中にはゼロです。
というか、ルチノーだから弱い…なんてことはありません。
オカメインコはインコではなくオウムです
最近のオカメインコルチノーは 東南アジアから大量輸入されていた時代とは比べ物にならないほど元気で体質が強くなっています。
もちろん裏で無謀な繁殖を繰り返してるブリーダーが世に送り出してるオカメインコは この限りではないかもしれませんが、オカメインコは基本的に強健なのです。
しかもオカメインコはオカメ「インコ」と名付けられていますけど、実はオウムの仲間…と聞いただけで、すごく長生きしそうなイメージが沸いてきますよね。

平均寿命が20年前後って短いですか?
猫や小型~中型犬ならともかく、大型犬種などは20年なんて絶対無理じゃないですか。
そう考えると、ペットとしてトップレベルのご長寿のオカメインコが「弱い」はずがないのですよ。
オカメインコの寿命はブリーダーのモラルに大きく左右される【言うまでもない】
オカメインコルチノーが「弱い」と言われてしまうことに対してはいろいろな原因や理由があるものの、
…もまた事実です。
高齢な親鳥を繁殖させている(オカメインコは10歳すぎでも産卵する子がいます)
若すぎる親鳥で繁殖させている(オカメインコは早い子で8カ月前後で産卵します)
親鳥が繁殖適齢期であっても 毎シーズン立て続けに繁殖を繰り返している
これでは健康で元気な雛が生まれるはずがないことは誰の目から見てもわかりますよね。
虚弱な雛が生まれるのは必然です。
ブリーダーの中にはこういう無茶な繁殖を繰り返して、親鳥を使い捨てにしている人もいます。
特にオカメインコルチノーは大人気品種ですから、悪質ブリーダーにとってはドル箱でしょうね。
…などと思ってる人も少なくないです。
商売ですから採算を取るためには当然…と言われればそれまでですが…こういう輩は関わってはアカンやつですな。
優秀なブリーダーやペットショップは、衛生状態に気をつけて、健康診断や感染症検査を行い、健康であることを確認して販売していますが、小型鳥ではまだまだ少ないのが現状です。近くにあるからと言う理由ではなく、拘りを持った優秀な企業を選ぶことが鳥のためになると私は信じています。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 16, 2021
ペットショップでは「週齢にして2週間強かな?」という感じの小さなオカメインコのヒナが、ガラス水槽の中でひとりぼっちでうずくまっている姿を見かけることが時々あります。
最近は入荷したての生体を「すぐに」販売することはできなくなっていますが、その様子を傍から見ていて
…と老婆心ながら心配してしまうことがよくあります。
雛鳥が精神的に安定していないことが なかなか一人餌になれないとか、後々起こる毛引きや自咬に走る理由でもあります。
「オカメインコは弱い」と思われている原因と対策!こうすれば健やかに育てられる
ここからはルチノー以外のすべてのオカメインコに当てはまる話です。
「オカメインコは弱い」と思われている理由は セキセイインコや文鳥などの小型鳥に比べると、雛鳥時代(1年未満)の落鳥率が高いことからきています。
つまりオカメインコは雛育てが難しいのです。
オカメインコは育て方の不備から落鳥させるケースが多い
オカメインコの雛の死因は食滞による餓死がかなり多いです。
食べた餌がそのうに滞って動かなくなるもので「お湯を飲ませてマッサージすればいい」とか「エサを吐き戻させる」といった方法がネット上で出てきますが、素人がそんなことをして雛を苦しめるのはやめてください。
すぐに動物病院を受診することをおすすめします。
食滞は感染症が原因であることが多いので、それくらいで回復するほど単純な話ではないのです。
食滞以外にも雛が餌を食べられなくなったら強制給餌をしなければいけないですが、シリンジのチューブやゾンデ をそのうまで差し込んで給餌する技術は 素人が一朝一夕にできることではありません。
餌を食べられなければ死んでしまいますから、即刻 鳥を診られる動物病院を受診しなければ命が助かりません。
雛が体調不良になった時に「助けてください!」「どうしたらいいですか?」などと悠長につぶやいているTwitterをよく見かけますが、正直イラッとします。そんな余裕はないです。
オカメインコの挿し餌の作り方と一人餌のペレット食移行を楽にする話
ルチノーが弱いと思われてるのはオカメパニックも一因
生物に淘汰される個体が一定数いるのは当然のことですが、オカメインコの場合は「飼い主の育て方の不備」から死なせてしまうケースがとても多いです。
オカメインコは 雛が成鳥になるまで(生後1年半くらいまで)の管理に 特に気を遣わなければいけない鳥種であること…寒暖の差への注意や適切な保温など。
オカメインコは気質が繊細で 他の鳥と比べるとパニックが頻発するため 事故やケガをする確率が高い。
落鳥率の高さの原因はこのあたりから来ています。
東日本大震災時にオカメパニックから負傷して小鳥の病院を受診した患者には オカメインコが群を抜いていた!という話がありますし、オカメインコは1歳未満の落鳥率がダントツに高いデータもあります。
オカメインコのケージレイアウトと置き場所を決める7つの重要ポイント
ルチノーが特に繊細なのは赤目(ブドウ目)で弱視のせい!?
オカメインコの中でもルチノーは特に性格が繊細だと言われることが多く、実際にそれは一理あると私も思います。
…とシニアルチノーを見ていると思うことが時々あります。
ビビり度が高いことからも「ルチノーは弱い」と言われてしまうのかもしれませんが、メンタルが弱くても体質が弱いと限ったわけではありません。
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オカメインコの雛選びのチェックポイント
オカメインコルチノーも平均寿命の20年くらいは普通に生きる子が多いですし、健やかな鳥人生を送らせてあげられるかどうかは飼い主さん次第です。
そのための初めの一歩は、ルチノーに限らず、オカメインコの雛をお迎えする時には健康な個体を選ぶことです。
ペットショップの水槽の中にいるヒナたちはお客さんが来ると騒いで右往左往する子がけっこういますよね。
それを見て「運命の出会い」を感じてしまう人いませんか?
そういう行動をとるのは、単にお腹がすいて雛が騒いでいるだけのことが多いです。
残念ながら運命の出会いなどではありませんが、勘違いから、お迎えの準備や飼育知識が不十分なまま連れて帰ってしまう人も少なからずいるでしょう。
雛がそういう行動をとる原因は、ショップ店員がド素人で挿し餌のやり方がまずかったり、その店の生体の管理が不十分(というか手が回りきれていない)など。
一般的なペットショップではよくあることです(もちろんお客さんが出向いたタイミングが悪い場合もある)
健康かどうかは、インコの目を見るのがいちばんわかりやすいです。
こういう言い方はアレですが・・・雛選びに失敗しなければオカメインコの飼育で苦労することは少ないです。
そうはっきりと言い切れるくらいオカメインコが強健な鳥であることを、私は断言できます。