インコとのお出かけ用にバードキャリーを持っている方は多いと思いますが、このような悩みや疑問を抱えていませんか?
ここではインコがキャリーを嫌がる時の対処法と克服トレーニングについてご紹介します。
これはインコが新しいケージに慣れない!と悩んでいる飼い主さんにも使えるしつけの方法です。
キャリートレーニング!インコが新しいケージに慣れない時のしつけ法
日常でバードキャリーを使うシーンはたくさんあります。
インコがキャリーに入らないときは無理に入れなくてもいい?
まず前提として、もちろんその時の事情にもよりますが、インコがキャリーを嫌がる時には 無理にキャリーを使用する必要はありません。
その理由は 無理やり入れたり入れようとすると、現在手乗り・べたなれの鳥でも信頼関係にヒビが入り、手に乗らなくなる可能性が高いからです。
鳥が手乗り崩れになる原因でもっとも多いのが「鳥を追い回す」ことで、これはいちばんやってはいけないことです。
手乗り鳥が手を「怖いもの」と認識するようになってしまいます。
もちろんのっぴきならない深刻な状況下にあればこの限りではありませんが、お散歩や日光浴などの短時間の軽いお出かけなら必ずしもキャリーを使う必要はなく、普段使っているケージのまま移動して大丈夫です。
ケージのまま移動する時にも ロスト対策が必須です。
鳥カゴの上下が外れないようゴムバンドや金具等でしっかりと固定しましょう。
バードキャリーの代用になるプラケースと洗濯ネットはすぐれもの
バードキャリーを嫌がっても他のケースなら入ってくれることもありますので、そちらを使ってみるのも一つの方法です。
キャリーの代用、おすすめは虫かご(プラケース)で、これはホームセンターや100円均一でも入手できます。
…と思う人が「これからインコを飼いたい」と考えている方の中にはいるかもしれませんが、大丈夫です。
手乗りインコのほとんどが 挿し餌の雛時代から人の手で育てられたプラケース出身です。
ペットショップで販売されているインコの雛もガラス水槽の中にいますから、プラケースに抵抗はほとんどないはずです。
さらにキャリーを嫌がるインコは意外と多いのです。
そこで「鳥カゴでは大きすぎて移動に不便だから」と キャリーケースにプラケースを使っている人は多いです。
プラケースでも一時的な外出の時だけならインコにとって十分な大きさですし、無理矢理キャリーに入れるよりインコにとってはストレスになりません。
プラケースのサイズは、インコが羽を広げてもぶつからないサイズを選びましょう。
ただ、怪我や骨折・体調不良などで安静にしなければいけない時には 羽を広げられない(暴れられない)小さいサイズのほうが安全です。
インコとの移動はキャリーやケース内の温度管理も非常に大事ですが、プラケースなら保温効果も高いので温度管理がしやすいメリットがあります。
ちなみに、プラケースで移動する時にロストに役立つアイテムが「洗濯ネット」です。
誤ってプラケースの上蓋が開いてしまっても、ケースを丸ごと洗濯ネットに入れてからインコキャリーを入れる鞄に入れていれば ロスト対策は万全です。
こちらのインコキャリーを入れる鞄は プラケースのSサイズがすっぽりおさまる大きさで人気があります。
インコがキャリーに入らないと困ることはある?
インコとのお出かけ時にキャリーに入れられないと、健康診断や通院などの時にもかさばるケージでの移動となるので非常に外出が不便になります。
自家用車での移動ならそれでも問題ないかもしれませんが、タクシーや電車での移動となると 普段使っているケージの持参は大きくてかさばりおすすめできません。
移動中は思わぬトラブルも起きやすいものです。
大きな鳥カゴでは急な振動や揺れでインコがぶつかったり、パニックになったり、止まり木から落下したりと危険が多いです。
そういう危険や心配事が多いと外出も億劫となり インコとの生活が狭まる要因にもなりますので、インコとのお出かけ時に備えてキャリーに入れるように練習することをおすすめします。
月に一度くらいの外出頻度のご家庭でも、キャリーに入れるようにトレーニングしておいて損はありません。
もしもこの先災害避難を余儀なくされることがあったら、大きなケージを避難所に持ち込むことは難しいケースもあります。
キャリーに慣れておくことは災害やトラブルに見舞われた時に必ず役立ちますので、ぜひこの機会に挑戦してみてください。
インコがキャリーに入らない理由は「悪いイメージの植え付け」が多い
インコの性格によりますが、慎重派が多いインコは、黒いもの、大きいもの、圧迫感のあるものを嫌う特性があります。
キャリーを最初から好きなインコはなかなかいません。
見慣れないものはまず拒否を示すと思っておきましょう。
インコがキャリーを嫌がる理由は2つ考えられます。
インコがキャリーに入らないのは「嫌な場所へ連れて行かれる」思い込みもある
バードキャリーを通院時のみに使用している方は多いですが、インコは非常に賢いため、キャリーと病院を関連づけて覚えてしまったことが考えられます。
インコがキャリーに入らないのは飼い主が怖くなるから(←身に覚えないですか?)
もう一つの理由は キャリーが出てくると飼い主が怖くなる…とインコが感じるからです。
キャリーに入れようと無理矢理捕まえたことがある場合は、インコがキャリーを「いやなもの」「こわいもの」と認識している可能性が高いです。
インコがキャリーを嫌うのは好き・嫌いの問題ではなく、「キャリーに入ると嫌なこと」イメージが植え付けられてしまっているからです。
インコがキャリーに入らないなら キャリー克服トレーニングをやってみよう!
インコは賢いがゆえに一度ついた嫌な記憶を書き換えるのに時間がかかりますが「キャリー嫌い克服」はインコの年齢は関係なく、練習を重ねることで可能です。
克服には以下の2点がポイントになります。
キャリーの中に入ると良いことがある!…プラスイメージづけ
キャリーケースを「第二の家」にするつもりでいつものケージの近くに置く
まずはキャリーを日常使いすることで「キャリーケースは第二の家」と考えます。
キャリーケースをいつもインコの視界にある場所に置いてください。
キャリーは嫌なものではない…とインコに覚えてもらうために 鳥カゴのそばに置くのがおすすめです。
キャリーケースのドアは常に開放した状態で、自由に出入りができるようにしておきます。
「キャリーの中に入ると良いことがある」のイメージを植え付ける印象操作作戦
次に、キャリーの中に入っても嫌なことはあまりないよ!…と覚えてもらうことです。
放鳥している時に インコが大好きなおもちゃやおやつをキャリ-の中に入れておきます。
キャリーの中でごはんを食べさせるのもキャリー嫌い克服には効果的です。
インコがキャリーケースに入れたらほめてほめて褒めちぎる!
キャリーの中に普通に入って餌が食べられるようになったり 安心して遊べる場所になるところまできたら キャリー嫌い克服まであと一歩です。
キャリー克服トレーニング中は ほんの些細なことでもインコをこまめに褒めてあげることを強く意識して実践してください。
キャリーに近づけた キャリーの入り口のドアに乗れた キャリーの中に入れた・・・どんな些細なことでもできたらその都度褒めてあげてください。
褒めるときは声でも十分ですが、かけ声の代わりにクリッカーを使うのもおすすめです。
クリッカーは一定の音が出るため、インコが覚えやすくなります。
少しずつキャリーケースの扉を閉める練習をする
キャリーに慣れて自由に出入りが可能になったら、最後は入り口のドアを閉める練習です。
ここが一番の難関です。
ドアを閉めるときは、 楽しく 明るく 自然に・・・を心がけてみてください。
飼い主はドアを閉めるとき緊張してしまったりして ついつい無言になりがちですが、インコは そんな飼い主の緊張を敏感に感じ取ります。
ですから常にインコに向かって話しかけながら、自然な流れで扉を閉めることがポイントです。
閉める時間は短時間から始めましょう。慣れてきたら徐々に長い時間閉めてみてください。
扉を閉められてパニックになるようならすぐにドアを開け、インコが嫌がらないでできる段階までもう一度戻ります。
少しずつ練習を重ねていきましょう。
キャリーに入れたら終わり…ではなく、入ったあともしばらくインコをうんとかまってあげてください。
キャリー越しからツンツンやカキカキをしてあげたり、やさしく言葉がけをしたりして
…と覚えてもらいましょう。
キャリーに入れるようになると、今よりぐんとインコとの生活が豊かになります。
インコにもそれぞれペースがあります。
一羽一羽に合わせて、ゆるく気長に続けてみください。
インコをキャリーや新しいケージに馴らす苦手克服トレーニング 7ステップ まとめ
- STEP1新しいケージに悪いイメージを持たせない鳥にキャリー(または新しいケージ)で嫌な思いをさせないようにする。
- STEP2新しいものを視覚的に慣らすキャリーを全開状態でケージに近くに置きっぱなしにしておく。
- STEP3イメージ植え付け・印象操作キャリー内にインコが興味をひくものを置く。特別なおもちゃやおやつを入れてキャリーを「楽しい場所」に印象付ける。
- STEP4中で朝ご飯を食べさせてみる慣れてきたら、おやつだけではなく ここで朝ご飯を食べさせる習慣をつけてみる。
- STEP5自分から中に入っていくまで 飼い主はじっと待つキャリーや新しいケージにインコが自ら入るようになるまで、飼い主はインコのペースに合わせて気長に待つ。
- STEP6扉を閉める練習自分から中に入れるようになったら扉を閉める練習をする。最初は短時間から始めて 徐々に時間を延ばす。
- STEP7移動やお出かけの練習キャリーなら、飼い主がそれを持って家の中や近所を回ってインコがキャリーごと移動することに馴らす。

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