インコの健康を維持するには、日光浴は欠かせません。
インコは太陽の光に含まれる紫外線を浴びることで、体内でビタミンD3を生成しますが、これはカルシウムを吸収するのに必要な栄養素。
主に骨の形成を補助する働きがあり、不足すると骨粗しょう症やクル病、メスのインコは卵詰まりのリスクが高まります。
またビタミンD3の不足はストレスがたまる原因ともされていて、精神面でも不安定になり、噛み癖や自咬、毛引きを起こす場合もあります。
日光浴はインコにとって健康維持に必要不可欠であり、体内時計を整えて精神を安定させる大事な役割を持っているのですが…いかんせん、冬場は日光浴不足になりやすいです。
そんな時には日光浴ライトを使って インコに疑似日光浴をさせてあげるのがおすすめです。
日光浴ライト=紫外線ライト=uvライト
インコの日光浴ライトおすすめ!冬の日光浴できない時期を乗り切る話
日光浴は毎日行うことが基本ですが、真冬で外気温が低い時や真夏の炎天下時、天候が悪い時などは思うように日光浴が出来ない場合があります。
窓際にケージやキャリーを置いて室内にて日光浴を行うことも可能ですが、窓ガラス越しでの日光浴は紫外線が大幅にカットされることから、日光浴の効果が得られません。
また、自宅の環境によっては日当たりの関係から日光浴が難しかったり、日中留守をする家庭も多く インコに日光浴をさせられない事情も多くあります。
そんな時に便利なのが、インコの紫外線ライトです。
インコの紫外線ライトは室内でも手軽にインコに日光浴をさせることができ、気温や天候に左右されることなくインコに紫外線を当てることができます。
紫外線ライトはさまざまなものが販売されていますが、インコの紫外線ライトを購入する際の注意点は2つあります。
インコの日光浴ライトはフルスペクトラムライトを選ぶべし
太陽光に含まれる紫外線は、波長の長さによって「UVA」「UVB」「UVC」に分けられます。
UVCは地球の成層圏で吸収され地表には届かないので、普段日光浴で得られる紫外線はUVAとUVBです。
フルスペクトラムライトとは自然の太陽光に近い紫外線を出すライトのことで、インコに照射することにより実際に日光浴を行っているのと近い状態を再現できます。
フルスペクトラムはインコに必要なビタミンD3も摂取できますし、出来るだけ自然に近い紫外線を浴びることで、インコはより健康的に過ごすことができます。
インコの日光浴ライトは鳥用の紫外線ライトを選ぶべし
ペット用の紫外線ライトにはいくつか種類がありますが、インコに使用する際は必ず鳥用のライトを使用します。
ペットショップなどで多く見かけるのは爬虫類用の紫外線ライトですが、鳥用と爬虫類用では紫外線の量も異なります。
爬虫類用の紫外線ライトは種類も豊富で鳥用に比べると比較的安価で購入できますが、インコにとっては紫外線がきつ過ぎるため鳥類には不向きです。
簡単に手に入るからといって爬虫類用の紫外線ライトで代用するのは絶対にいけません。
インコの日光浴ライトを使うシーンは?どんな時に使う?
インコの紫外線ライトをどんな時に使うのかは、住んでいる地域や環境、インコの状態によってさまざまです。
インコの紫外線ライトを常備しておくと、以下の様な時に非常に便利です。
真夏や真冬など外気温が過酷な季節・悪天候・日当たりが悪い住環境
外気温があまりにも高い真夏や、真冬で気温が低すぎる時に屋外で日光浴をさせると、暑さや寒さからインコが体調を崩してしまう危険性があります。
また、天候の悪い日は雨がインコにかかり、身体を冷やしてしまうことも考えられます。
そのような時に紫外線ライトを使用すると、外気温や天候を気にせず室内でゆっくりと日光浴をさせることができます。
インコが日光浴を嫌がる時・ネコやカラスなどの外敵に襲われる心配がある場合
インコの中には、屋外での日光浴を嫌がる個体もいます。
インコは音に対して敏感な生き物です。屋外に出ると車のクラクションやちょっとした物音に驚いてパニックを起こしてしまう可能性があり、屋外に出ることを嫌がるインコがいます。
屋外に出した時に暴れたり呼び鳴きが酷い時は嫌がっている証拠です。
そういった行動が見られた時は、ストレス軽減のためにも無理に外で日光浴をさせず、紫外線ライトで代用することをおすすめします。
寒暖差に弱いインコを飼育している…雛と老鳥
飼育下におけるインコは一般的には寒さに弱いとされていますが、雛鳥や老鳥、初めて冬を迎える若鳥は特に寒暖差に弱い状態です。
暖かい室内から寒い屋外に出ると、急激に身体を冷やすため、免疫力が低下し体調を崩しかねません。
そういった寒暖差に弱いインコに対しては、紫外線ライトで日光浴をさせる方が安心です。
ちなみに、便がいつもより緩かったり、羽を膨らませている時などは体調が優れないサインですが、そのような場合は日光浴は見送ってください。
紫外線を浴びることは体力を消耗するので、日光浴をするのは健康でコンディションが良い鳥に限ります。
飼い主に日中の不在が多く日光浴させるタイミングがない場合の日光浴代わりとして
飼い主さんが日中仕事の場合は、陽の当たる時間になかなか日光浴をさせられない場合が多く、そういった時にも紫外線ライトが活躍します。
紫外線ライトは室内で手軽に使用できるため、飼い主さんの都合に合わせてインコに日光浴をさせることができます。
1人暮らしをしていて日中留守をすることが多い人は、紫外線ライトを活用すると毎日無理なく日光浴を続けることができます。
インコの紫外線ライトの選び方と設置方法・取り扱いの注意点
日光浴が大切だとわかっていても 環境や飼い主の都合で日光浴をさせられない場合がありますし、日光浴が満足にできていないときの補助として日光浴ライト(紫外線ライト・uvライト)は有効です。
uvライトの電球自体は熱をほとんど持たないため、保温目的には適しません。
紫外線ライトの選び方のポイント
照射できる紫外線の波長は?
ケージなどへの取り付け方の注意点は?
紫外線ライトが鳥用かどうか
市販されている紫外線ライトは、「爬虫類用」「鳥用」「水槽用」など用途によって分けられています。
インコに対しては必ず鳥用の紫外線ライトを使用しましょう。
爬虫類用の紫外線ライトは種類が多く手に入りやすいですが、代用していいだろうと安易に考えてはいけません。
なぜなら砂漠など太陽光の強い地域に住む種に合わせて、照射する紫外線を強く設定している商品がほとんどだからです。
鳥(特にインコなどの小型の鳥)には弱い紫外線でよいのです。
必要以上の強い紫外線と光は病気を引き起こしたり、鳥の目に障害が残るおそれがありますので、必ず鳥専用uvライトを選んでください。
紫外線ライトのケージへの取り付け方
市販されている紫外線ライトは ライト本体とソケット、ライトカバーが一体になっているもの クリップでケージなどをはさんで取り付けるもの スタンドを使って設置するもの …など、形状や取り付け方がさまざまです。
紫外線ライトにライトカバーをつけると、照射効率がアップするだけでなく 周りに光がもれないので眩しくない利点があります。
日光浴ライトの設置方法と取り扱いの注意点
紫外線ライトは上から照射すること
鳥用の紫外線ライトは、必ず上からインコに照射するように設置してください。
横や下から照射してしまうとインコの目に直接紫外線が入り、白内障や角膜の炎症を引き起こすおそれがあります。
特に赤目のインコは紫外線から目を保護するメラニンという色素がなく、直接紫外線ライトを見てしまったときのダメージが大きいため注意しましょう。
赤目は弱いと言われる理由はメラニンがないためです。メラニンは目も紫外線から保護しています。老齢性白内障の原因は紫外線である事が分かっています。目にメラニンがないと直接紫外線が入るため目の老化を早める可能性があります。赤目に限らず紫外線ライトは上から浴びるようにしましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 14, 2021
紫外線ライトの適正距離を守ること
インコと紫外線ライトの適正距離は、商品によって差がありますが 約30~60cmが有効照射距離に設定されています。
商品の取扱説明書に従って正しく設置して使用してください。
紫外線ライトがぐらつかないように設置すること
紫外線ライトがぐらつかないよう、しっかりとクリップで固定します。
スタンド型は、スタンドが倒れる危険がないように安定した場所に設置しましょう。
クリップで紫外線ライトを取り付ける場合は、クリップにインコの羽や足がはさまらないように注意します。
放鳥して使用するときは、インコがライトに近づきすぎたり倒したりしないよう目を離さないでください。
ガラスやアクリルは紫外線を通さないのでケースに照射するのはNG
ガラスやアクリルは紫外線を通さないので、アクリルケージケースに入れた状態でライトを照射しても意味がありません。
紫外線ライトをケージに設置する場合は ケージの天井が網状になっていて 紫外線が直接インコに届くように設置します。
ケージ内全体に照射されるのではなく 陰になるよう仕切りやシェルターを置き、インコが自分で移動して紫外線を好きに浴びられるように工夫してください。
インコのuvライトの照射時間は?
インコのuvライトの照射時間はどれくらいがいいのか?
紫外線ライトの照射時間には明確な定義はされていませんし、商品や使用する鳥の種類、個体差、部屋の環境によって変わります。
大手メーカーは6~8時間を推奨していますが、短時間から始めて、飼っているインコの体調や羽毛の様子などを見ながら適切な時間を探っていくとよいでしょう。
購入した紫外線ライトの取り扱い説明書にしっかり目を通して正しく使用してください。
紫外線の効果を調べた研究では、12時間点けていました。そのくらい点けておくことをお勧めしてます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 15, 2021
紫外線ライトは日中に照射する
紫外線ライトは、自然と同じように日中に照射しましょう。
夜間に照射してしまうと生活リズムが崩れてインコの体調不良の原因になります。
また、日中でも照射時間が長すぎると生活リズムに影響し、発情を招くおそれもあります。
日中家におらず帰りも遅いという方は、休みで家にいる間だけ照射するか、時間を設定してON/OFFできるタイマーを併用しましょう。
紫外線ライト使用中はインコをよく観察すること
紫外線ライトを初めて使用するときやインコが紫外線ライトに慣れていないうちは、できる限りインコを見守り、体調や様子の変化に気を配ります。
インコにとって紫外線ライトは見慣れないもので、個体によっては紫外線ライトの存在がストレスで体調を崩しかねません。
インコが嫌がっているときは無理に紫外線ライトを使用せず すぐに取り外し、様子を見ながら利用するようにしてください。
そもそも紫外線ライトは日光浴不足の補助に使うのが正しい利用法です。
直射日光を浴びなくても 曇りの日でも 日陰でも レースのカーテン越しでも 紫外線を浴びることはできますので
インコに日光浴は必要!時間・やり方・毛引き防止のひなたぼっこの話
できる限りナチュラルな日光浴をこまめにさせつつ 不足を補助する意味で日光浴ライトを利用することをおすすめします。
子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人です。
ここには鳥ブログあるあるな「うちの子自慢」や「かわいいでしょ♪アピール」はありません。鳥の飼育本を丸写ししただけの机上の空論解説や、繁殖した雛の販売目的の宣伝PRもありません。鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)が目的のコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新していきます。