オカメインコの飼い主の寄稿です
私のオカメインコ(オス)ルナは手乗りインコで一羽飼いです。
3歳ごろから呼び鳴きがひどくなり、ケージの中にいる時に私がそばを通るたびに「出して欲しい!」とうるさく鳴くようになりました。
オカメインコの呼び鳴きを防ぐしつけの話!鳥に躾けられてたのは私?
オカメインコがあまりにうるさく鳴くのでその都度なるべく出すようにしていたら、呼び鳴きがどんどんエスカレートしていき、遠くから私が見えただけでも呼び鳴きするようになってしまいました。
…と気づいたものの、時すでに遅し。
アハハ… 鳥に躾けられた・・・私(ザンネン)
— K Animal lover (@KAnimallover1) July 2, 2021
いつもオカメインコの要望に応えてやれるわけでもなく、しかし「呼び鳴きすれば出してもらえる」をすっかり覚え込んだルナ自身も要望が通らないことにストレスを感じているようだったので「これは何とかしなければ」と思いました。
「出してー」「お腹空いたー」などの意図があります。注意喚起は人の気を引くのが目的なので鳴いたら人が見た、来た、返事をした、出してくれた、ご飯くれたといった反応をすると呼び鳴きが強化されます。強化されると反応がない時にストレスになるので注意喚起には反応し過ぎないよう注意しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 13, 2021
呼び鳴きの防音のためにケージをカバーで覆ってみたが効果なし
そこで私は、まず最初にビニール製のケージカバーを買いました。
…と考えたからです。
それに季節は秋だったので 保温対策や羽毛の飛散防止にもなるだろうと思ったのです。
ケージカバーは全面が覆われていて、前の部分だけ開閉できるようになっているタイプのもので、色は透明です。
ですが 結論からいうと、私が期待した効果は全くありませんでした。
ルナは相変わらずうるさく「出せ!出せ!」と鳴いていました。
しかもその頃私が口笛でルナに教えた「笑点のテーマ」の冒頭部分を延々と繰り返しながら「出せ!出せ!」と鳴き叫ぶのです。
自分がまいた種とは言え、ほんとうにうるさくて だんだん嫌になってきました。
防音対策は無駄!思い通りにならないことをオカメインコに教えなければ意味なし
それからしばらくはなんの解決策も見いだせないまま日常生活を送っていたのですが、ある日ふと思いついたことがあります。
そこで私は一定のルールを決めて、それをルナに理解させるようにしようと考えました。
私が決めたルールは
ルナがいくら呼び鳴きしても、ケージカバーの前の部分が閉まっているときは、こちらがそれに対応せずにガン無視を貫きます。
それまではルナがしつこく鳴くと こちらが根負けして出してやることが多かったのですが、ケージカバーの前面が閉まっている時には ルナがどんなに鳴いていても絶対に出さないと決めました。
呼び鳴き防止トレーニングはリアクションとフィードバックのタイミングが合わず大苦戦
オカメインコに呼び鳴きはいけないことだとわからせるために考えたルールでしたが、正直、これはかなり根気がいる仕事でした。
リアクションとフィードバックを結びつけるタイミングを計るのが困難だったからです。
ルナが諦めて鳴くのをやめたらケージカバーの前面を開けてケージから出してやるルールにしていましたが、何時間も疲れることなく笑点のテーマを繰り返すので、出すタイミングを見計らうのがひと仕事だったことや、放鳥するタイミングを逃してしまうこともたびたびありました。
しつけやトレーニングにおいては、望ましい行動があった直後にご褒美をもらいますが、ご褒美をもらうことで「自分がどう振舞えばいいのかがわかる」わけで、これがフィードバック機能です。
しかしリアクション(鳴くのをやめた)とご褒美(放鳥)にタイムラグがあったり、同じ条件を提示されることを何度も何度も繰り返さなければ オカメインコがご褒美をリアクションに結び付けるのが難しくなり、せっかくのしつけの効果(フィードバック)が激減します。
しかし、私もルナに負けないくらいしつこい性格なので 決めた1点を根気よく、諦めずに続けました。
それに当時の私は一人暮らし。
ルナと私のトレーニングを邪魔するような「もう、かわいそうだから出してやりなよ…。」と口を挟む家族がいなかったことも幸いして、何とかしつけを続けられたのです。
オカメインコを退屈させないようにおもちゃやおやつを取り付けてみた
さらに、この呼び鳴き防止トレーニングと同時進行で、ルナが一人遊びできるようなインコ用のおもちゃをケージの中に入れました。
また、大好きな粟穂(ルナは粟の足触りが好きなようです)を入れたりして、少しでもルナの気がまぎれるように配慮しました。
そうしていくうちに、少しずつではありますが
…をルナ自身が理解できるようになっていったのです。
そんなこんなで おおむね1年ほどかかって、呼び鳴き防止トレーニングは何とか成功したのでした。
しつけやトレーニングは家族全員が一丸となって一貫しないと効果はない
そして今、ルナは20歳です。
だいぶおじいちゃんになってしまい、さえずることも少なくなってきて、それはそれで静かで物足りないような なんとなく寂しいような気持ちになる今日この頃です。
人をペアと認識した鳥はペア維持行動をしたくてもケージ内に居たり、人が不在だったりでできないことが多いです。鳥は常に側に居たいと思っていることを理解しておきましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 21, 2021
以前に、私のインコ友達でコザクラインコを飼っている友人が 同じようにインコの呼び鳴きのうるささで悩んでいたので、私のやり方を教えたことがありました。
それを愛鳥に試してみたそうですが、あまりのうるささに同居していた彼女のお母さんが根負けしてしまい、トレーニングは失敗したそうです。
しつけやトレーニングは一貫した行動と態度が絶対に必要ですし、インコが相手ですから確実に長期戦になります。
もしも同居家族がいる場合は徹底したルールに協力してもらえるように説得するか、ルールを厳守するように頼んでおく必要があると思います。