小鳥は病気の治療で治療食にペレットが出されることが多いので(シードの療養食もあるがペレットに比べて少ない)この先の長い鳥人生を考えると、なんだかんだ言ってもやはりペレットを食べられるようにしておくのが理想的です。
年齢を重ねるほどペレットの切り替えは難しくなる…とよく耳にしますが、必ずしもそうと決まっているわけではなく、ある日突然ペレットを食べるようになる子もいます。
ですが、ペレット切り替えを望んでいる飼い主の大半は、切り替えがうまくいかなくて断念していることが多いのが現実です。
スムーズにペレット切り替えができるのは概ね20%くらいだという話があるくらい、インコの食の移行はハードルが高いのです。
オカメインコの一人餌切り替えは楽にペレット移行する最大のチャンス
ペレットへの移行は雛の一人餌(ひとりえ)切り替えのタイミングがいちばん楽。
なのでインコの雛を飼っていて「ゆくゆくはペレット食に…」と考えている方は、一人餌練習=ペレット切り替えの最大チャンス…を活かさない手はありません。
人に馴らすことと自立をさせるのは別に考えた方が良いです。さし餌だけでなく接触時間が長いと人に馴れますが、これも個体差があります。
さし餌を長引かせない方が良い理由は、自立を時期を逸すると、自立が極端に長引くことがあるからです。自分の食事はさし餌であると学習する可能性があります。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 12, 2021
初めから愛鳥の餌をペレット主体にすると決めているなら、飼い主さんは一人餌への移行時が踏ん張り時ですが、パウダーフードで育った子ならペレットへの移行はそれほど難しくはありません。
とはいえ「難しくない」というのは「飼い主さんが一貫してブレなければ」という条件付きです。
粟玉を入れた挿し餌で育つとシード好きな味覚の鳥になる!?
シードにもペレットにも一長一短ありますが、この記事はペレット食にしたい飼い主さん向けですから、ここでは「ペレット推し」の見解で記事を書いていきます(私は100%ペレット推しの見解を持っているわけではありません)
雛鳥が粟玉挿し餌で育つと やはりシード食に固執するシード好き鳥になる可能性は高いでしょう。
正直、自分の中では パウダーフードを使わない粟玉だけの挿し餌は言語道断なのですが、

雛の挿し餌に粟玉とパウダーフードを混ぜて食べさせている人は多いですよね。
それは決して間違った方法ではないですが、私個人は「粟玉ミックス挿し餌は食べさせたくない」と思っています。
その理由は2つあります。
ペレットを食べるようになってからシードを食べさせたいこと
シードが好きすぎるシードジャンキーになる前に手を打つには
パウダーフードに粟玉を混ぜた挿し餌を食べさせることに対して気になる点。
この挿し餌では雛はシードの味をすでに知ってるわけですよね。
もしも鳥に「シードとペレット、どっちが食べたい?」とたずねたら ほぼ100%の鳥から
…と言われるはずですし、中には
…という頑固者や、いわゆる「シードジャンキー」も結構います。
だからペレット切り替えに悪戦苦闘するのです。
そう考えるとなんだか究極の選択みたいな話ですが、そもそも鳥にシードの味を教えていない方がペレットを受け入れやすいのではないか?と思うんですよね。
- 鳥にとって「自然」な食べ物
- 好みはあるが、それ自体がおいしい。
- 様々な味わいが楽しめる。
- 皮をむく楽しみがあり、くちばしの徒長の予防にもなる。
- 栄養価が極端に偏っていたり、必要な成分の不足があったりして栄養バランスが悪い。
- 好きなシードばかり選り好みして食べるなどの偏食傾向が際立つ。
- シードしか食べない鳥には健康維持のためのサプリメントが必要。
- 病気の療養食のシード版もあるが、ペレットに比べると少ない。
- 鳥にとって「不自然」な食べ物
- 栄養価も栄養バランスも申し分ない。
- 成長ステージや病気の療養食のバリエーションが多い。
- ほとんどは味が単一。
- 早食いするとむせたりつまらせたりしやすい(多飲傾向も)
- ペレットによって多飲・多尿・軟便が見られる。
- 硬さや粒の大きさにバリエーションはあるが、好みに合っているのかは本人しかわからない。
- 皮をむく楽しみがない。
本格的に一人餌練習が始まったらシードは完全に封印する!…くらいの気持ちでいくべきです。
そのくらい一貫した考えを飼い主さんが持たないと、一人餌切り替えもペレット切り替えもだらだらと続いて 結果的に長期戦になりますよ…と、ここでは言いたいのです。
ペレット移行には一人餌切り替えでシードを一切与えない!を徹底する【ブレるな】
ペレット食の子でも、おやつで粟穂をもらってる子は、粟穂大好物ではないですか?
鳥はみんなシード好き!これはゆるぎない事実。
シードの魅力はやはり「おいしく食べる楽しみ」+「皮をむく楽しみ」です。
人もそうですが、食べる楽しみは生きる喜びに通じています。
ペレットが主食になってからシードを与えても、きっとシード嫌いの鳥にはならないでしょう。
挿し餌の後半戦でペレットを砕いて混ぜてみる
パウダーフードで育った子は一人餌切り替えからペレット食に移行しやすいので、挿し餌の後半戦でこれから与えようとするペレットを砕いて混ぜて食べさせると 味を覚えてペレットに移行しやすくなります。
シードは封印!一貫してペレットで一人餌練習する
オカメインコの雛がなかなか挿し餌を卒業できないと「早く一人餌になってくれるのなら…」と手を変え品を変え、いろんなもの(主にシード)を食べさせようとする飼い主さんもけっこういますが…
うちの子をペレット食にする気持ちを固めているのなら、途中で絶対にシードを与えてはいけません。
一貫してペレットで一人餌の練習をしてください。
中途半端にシードをあげたりするとよけいにペレットを食べなくなることが普通にあります。
そりゃそうです。シードの方がずっとおいしいのですから。
そうなると一人餌に切り替える時間がより長引きます。
飼い主さんがブレていては雛の味覚もブレます。
「鳥を甘やかすな」と言ってるわけではなく、スパルタを強要しているわけでもなく。
ただ単に「一貫してください」という話です。
時間がかかることも「個体差」と割り切ってうちの子に向き合う
一人餌になるまで時間がかかっても、特に健康状態に問題がなければ「仕方がないこと」…と割り切ってください。
うちの場合は親兄弟に囲まれた環境での育雛ですから、シードの一人餌切り替えは45日前後くらいで完了しますが、ペレットの場合は50日前後かかります。
一人餌切り替えでもペレットよりシードの方が早いですし、親兄弟から離された単羽飼育は一人餌が遅くなることはよくあることです。
そこに「個体差」という条件の差も加わってきますので、挿し餌の卒業はうちの子の成長に合わせてじっくり付き合っていくしかありません。
さし餌中の雛が人を見る度に鳴くのは、空腹なだけではなく、側にいて欲しいというサインでもあります。長く鳴いているほど空腹と不安のストレスがかかっています。成長期のストレスは雛の正常な精神形成を阻害します。餌を十分に貰えず、不安で成長が遅れた雛は一人餌が遅れる傾向があります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 1, 2021
シードは成鳥になってからでも放っておいたって食べますよ。
だからそれはしつけを入れる時の「とっておきのおやつ」に取っておいたらいいです。
ペレットを食べるようになるまでは、シード類は封印してください。
雛が餌を欲しがってもいつまでもさし餌を与えていてはいけません。一人餌の切り替えは雛が餌を欲しがらなくなるのを待つのではなく自分で餌を食べている様子があれば体重をチェックしながらさし餌を減らしていく必要があります。さし餌を減らしても体重が減らなければ自分で食べていると判断できます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 11, 2021
とにかくペレットへの一人餌切り替えの時は 飼い主さんがブレないこと(シードを封印) 徹底的に雛の成長過程に付き合うこと。この2点が大切です。
一部の雛の中には一人餌になるまで半年近くかかる子もいるのですが、健康状態に問題がないなら「異常」ではないです。あくまで「個体差」です。
鳥育ても子育てと同じくらい大変ですよ。親の思うようにはなりません(笑)
健康であれば 一生挿し餌を食べているインコもいませんから、そう神経質にならずに、その子の個性と成長を、あたたかい目でゆっくりと見守っていきましょう。