インコの餌の乾燥シード、主食だけでなく副食としても種類がたくさん出回っています。
中には「スーパーフード」と呼ばれるものもありますが、「これひとつ食べていれば問題ない」といえる完全栄養食品はありません。
それに食には多様性も必要。いつも同じものばかり食べているのでは飽きます。いろんな味わいがある方が楽しい。
栄養価的にもそれぞれに一長一短があるので、多くの種類を混ぜ合わせて栄養の不足面を補うことを考えながら「色々なものを少しずつ」がやはり最善です。
インコの餌はシードよりペレット?何をどう食べさせたらヘルシー?
穀食性インコのシードの与え方
シード主体…穀物(4種混合皮付きシードの場合)が70%+野菜とマルチビタミンミネラルで30%
ペレット主体…ペレット70%+野菜・穀類が30%
ペレットを7割以上食べている場合は微量栄養素の過剰症を起こす可能性があるので、サプリメントを与えないこと
主食が穀物であれペレットであれ、主食は1日の食餌量の70%で、副食を30%与えます。
主食がペレット100%であれば、副食の野菜や穀物はお楽しみのおやつとして与えます。
総合栄養食の表示がなされているペレットを主食にする場合は副食がなくても問題ありません。
トップスはアンチエイジングペレットの最高峰だと思う
しかし穀物(シード)を主食にする場合は、副食や総合栄養剤(ネクトンSなど)を与えないと、ビタミンAとビタミンDの欠乏から病気になりやすいです。
通常時はネクトンSを、換羽期(おおむね1ヶ月)はネクトンbioを与えるのがおすすめです。




インコの餌にシードを与える2つの方法~乾燥シードと発芽シード
我が家ではインコ用穀物を単品で購入し、自分で計量してミックスしています。
そのミックスシードを乾燥シードのままで与えるのが主食の全体量25%
水に浸して発芽させた「発芽シード」(スプラウト・芽出し餌とも呼ぶ)は50%
残り25%はペレットです。
ヒマワリのタネは脂質が50%を占める高脂肪種子なので本音は敬遠したいところなのですが…
ヒマワリのタネはうちの子たちの大好物なのでミックスシードと同様に発芽させることで 脂肪分を成長エネルギーに変換させて低脂肪化してから与えています。
脂質が低くなるのでダイエット効果も見込めます。
エンバクやオーチャードグラスを主食にするのがお勧めです。エンバクを食べない場合は、ムキ餌をミルで砕いた物かフォニオパディのような小さいシードを使うこともできますが胃の負担はさほど取れません。どうしてもシードしか食べない場合はスプラウトにしたり、ムキ餌をお湯でふやかして与えます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 27, 2021

インコの餌のシードの配合割合とダイエットシードの落とし穴
4種混合・皮付き餌(アワ・ヒエ・キビ・カナリーシード)の一般的な配合割合は、ヒエ5・アワ2・キビ2・カナリーシード1で、この割合ではたんぱく質が10% 脂質4%程度となります。
この比率が絶対!ということではなく、この4種の穀物でアミノ酸バランスをとるための配合比率が5・2・2・1というだけのこと。
なので上記4種の穀物以外の種子・種実が配合されたインコのシードミックスでは、当然オリジナルの配合割合を打ち出していると思われます。
インコのダイエット用配合ミックスシードはカナリーシードをゼロにしてヒエを増量するのが鉄板ですが、ここには問題点がひとつあります。
カナリーシードを全て抜いてしまうと、脂質だけでなくタンパク質も低下します。
カナリーシードは穀物の中ではたんぱく質価が高い優秀なシードだからです。
餌が低たんぱくになると、足りない分を摂取するために、インコが過食に走ることがあります。
もちろん過食は肥満を起こしますので、ダイエット目的が本末転倒です。
ダイエットする場合は毎日のインコの体重測定はもちろん、その日の分の餌を計量して与えるのがセオリー。
そうしないで食べ放題状態にしている場合は一向にダイエット効果が現れないこともあるでしょう。
「ダイエット用」と銘打ったミックスシードを利用する時には、本当にその餌でダイエット効果が出ているのかどうかを、随時観察・確認してください。
「ダイエット用シードに替えたのだから効果が表れるだろう」と思ったら大まちがいです。
ヒトのダイエットと同様にインコのダイエットも難しく、一朝一夕で達成できることではありません。
本気でやろうと思ったら、継続・観察・工夫の連続が一生続くのですから。

インコの餌にシードを与えるメリットは「食べる楽しみ」=生きる喜び
小空間 でプチ野鳥生活を模倣するフォージング(フォレイジング)タイムには、ガサゴソ箱にいろいろな乾燥シードやドライハーブ・おやつを投入して 思い思いに宝探しを楽しませています。
オカメインコはグラウンドフォージャー(地上採餌者)なので、この方法ならケージの中であっても 自然に近い餌探しが体験できます。
穀食性の鳥はその名の通り穀類を食して生きていますから、生まれながらにしてシード大好きです。
インコの餌をシードからペレットに切り替えることがどうしてもうまくいかないときに「ジャンキー」呼ばわりされることがありますが、それは決してジャンキーではない。
シードをたくさん食べて命をつないできた種なのですから、それはある意味当然のこと。そう生まれついているだけです。

インコの餌のシードがペレットより劣っているわけではない
栄養バランスの偏りをなくすことや手間が省けるメリットから獣医はペレットを推奨しますが、それが必ず正しいわけでも絶対条件でもないです。
だれしも大切なインコに健康で長生きしてほしい気持ちは同じですが「楽しみのある毎日」も大切。
だからインコの食事にシードを選ぶのもペレットを選ぶのもどちらでもOK!飼い主さんが「これでよし」と決めたことが最適解です。
ただし強い責任感を持って、栄養過多や失調にならないように、食餌を慎重に選んであげてください。
雑穀・擬雑穀は抗酸化力が高いポリフェノールを豊富に含んでいるので、積極的に摂りたい食品。
ポリフェノールは種皮に色素を持った雑穀に多く含まれていて、ダッタンソバ、もろこし(高きび)黒米、そば、あわ…の順に多く含まれます。
中でもビタミンAは長期間欠乏すると若い鳥でも病気になるので注意が必要です。

上述の通り、シード食のインコのサプリメントには 通常時はネクトンS、換羽期にはネクトンbioがおすすめです。



