インコのフォージングのやり方!毛引きや過発情などの問題行動も解決

インコの発情と発情抑制問題インコのおもちゃインコのフォージング(採餌行動)

フォージングは日本語では採餌行動と訳され、野生の鳥が自ら餌を探して食べる行動を意味します。

そんなフォージングは、飼い鳥であるインコと飼い主の絆を深め、鳥の健康問題や問題行動などの悩みを解決に向かわせる糸口となるアイテムでもあります。

インコのフォージングのやり方!毛引きや過発情などの問題行動も解決

フォージングトイ インコ

野鳥は生きるためにフォージングを自然にやっていますが、飼育下のインコは餌が用意されていて食べることに事欠かないペットですから、フォージングの時間はありません。

ペットのインコにフォージングを行わせ、擬似的に野生の暮らしを感じさせるのは、インコが内的に抱える問題に対し効果的であることがわかっているため。

だから最近はフォージングを積極的に飼育に取り入れる飼い主が増えています。

フォージング可能な環境を飼い主が用意することは 飼い鳥特有の問題行動や悩みの解決に有効なので、インコのメンタルヘルスの面からもおすすめできます。

フォージングトイ インコ

フォージングとフォレイジングは同じで、どちらも「採餌行動」を表す言葉です。

フォージングは英語表記で「foraging」となるため、正しいのは「フォレイジング」で「フォージング」は誤りです。

ただ日本では採餌行動を一般的に「フォージング」と呼ぶようになっているため、当サイトでも「フォージング」と統一していくことにします。

インコがフォージングを行うことの4大メリット

フォージングトイ インコ

インコのストレス解消→毛引きなどの問題行動の解消

インコの飼育にフォージングを取り入れるいちばん大きなメリットは、インコのストレス解消効果です。

飼育下のインコにフォージングを取り入れることでインコが暇にしている時間が減り、毛引き行動などの問題行動が減ったという報告があります。

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インコの過発情抑制

フォージングはインコの過剰な発情を抑える効果もあります。

一見「退屈しのぎ」に捉えられがちなフォージングですが、インコ本来の習性に近い行動の時間を増やしてインコの生活の質(QOL)を向上させることが目的です。

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インコの早食い対策

フォージングでなかなか餌にたどり着けない工夫を施すことはインコの早食い対策にもなり、肥満予防にもつながります。

餌入れに障害物を入れて餌を食べづらくしておくだけでもれっきとしたフォージングです。

インコの知育

フォージングをするとインコは頭と体をたくさん使います。

インコは餌がどこにあってどのようにすれば食べられるのか、頭をフル活用させながらフォージングを行いますので、知育にも最適です。

インコのフォージングのやり方・進め方はシンプル!簡単だから誰でもすぐできる

フォージングトイ インコ

普段の餌入れとは別の容器を増やす

フォージングトイ インコ

フォージングの準備としてまず餌入れを2つに増やします。

これは餌入れが多ければよいというわけではありません。

3つ以上餌入れがあると「いつでも食べられる」とインコが学習するため、フォージングには逆効果になりますので、エサ入れは2つに留めましょう。

餌と一緒に小さめのおもちゃを入れる

餌入れに障害物になるものを入れます。

障害物はどんなものでも大丈夫ですが、ペットボトルキャップなど軽い障害物はインコが簡単に取り除いてしまうので障害物としての効果が低いです。

フォージングの初めの一歩はペットボトルキャップでもOKですが、慣れてきたらビー玉やおはじきなどの少し重めの障害物に変える方が良いでしょう。

餌入れに障害物を入れて餌を食べづらくしておくだけでもれっきとしたフォージングです。

インコのおもちゃや置き場所を変更する

インコが徐々にフォージングに慣れてきたら、障害物の大きさや数、餌入れの場所を変更して、フォージングの難易度を上げていきます。

インコの好物を取りづらい場所や食べにくい場所に隠すように置いたり、毎回置き場所を変えたりしてみるとより効果的です。

これまでのフォージングをクリアしたら、少しだけ難易度の高いフォージングトイを利用して ハードルを上げてみる方法もおすすめです。

インコのフォージングを行う時の7つの注意点

フォージングトイ インコ

フォージングは健康なインコのみに行うこと

フォージングトイ インコ

インコにフォージングを行う時の注意点で重要なことは、フォージングは健康なインコのみに行うことです。

病気や怪我をしているインコはまずは身体の回復に専念することが最優先です。

また動物病院などで栄養指導を受けているインコや、体重が標準体重より低いインコもフォージングは控えます。

病気から回復してすぐの場合や、持病があるインコの場合は、獣医師さんと相談の上でフォージングを検討する必要があります。

一日の食餌量を調節する

フォージングトイ インコ

フォージングで与える餌の量と一日の給餌量を考える必要があります。

フォージング用容器と通常の餌入れを用意する方が多いですが、通常の餌入れに入れる餌は、フォージング分を必ず減らします。

一日の給餌量を超えてしまうと、肥満や食べすぎになる恐れがあるからです。

少し手間にはなりますが、食餌の調節はインコの健康を維持するためにも大事です。

きちんと計量して、与える餌の量を把握しましょう。

餌の計量には0.1g単位で計れるスケールをおすすめします。

フォージングに対するインコの警戒心を解く

フォージングトイ インコ

インコは賢く、初めて見るものへの警戒心がとても強い生き物です。

フォージングを初めて行うときに近寄って来ないからと無理矢理餌入れに近づけたりするのは禁物です。

フォージング用の餌入れの中がわかるようにインコに餌や障害物を見せながら入れるのが、インコの警戒心を解くうえでポイントになります。

慣れるまでには個体差がありますので、焦らずゆっくり行うことが大切です。

簡単なレベルのフォージングから始める

フォージングトイ インコ

フォージングは餌を障害物で隠したり、紙コップや包み紙で隠したりと いろいろな方法があります。

どの方法の場合でも、まずはインコがすぐに見つけられるよう簡単なレベルからフォージングをはじめます。

例えば、餌入れに障害物を入れる時は、すぐに動かせる軽いペットボトルキャップなどにするとインコも楽しく餌探しをスタートすることができます。

はじめから難易度が高いフォージングだと、インコが探すのに疲れたり、楽しめずにやめてしまうことがあります。

慣れるまでフォージングは簡単なものにし「フォージングは楽しい時間だ」と認識してもらうことを優先します。

マンネリを防ぐ工夫をする

フォージングトイ インコ

いつも同じ隠し場所や障害物ではインコも飽きてしまいます。

フォージングにいくつかのパターンを用意しておいて、日々ローテンションでフォージングを行うのがインコを飽きさせないポイントです。

フォージングの餌入れの場所をいつもの反対側にするだけでも 景色が変化するので インコの飽きを防ぐ効果が期待できます。

インコに安全な素材を使う

フォージングトイ インコ

フォージングを行う時に、使用する餌入れやおもちゃなどがインコにとって安全かどうかを 使用前によく考えることが大事です。

例えば、ビニール素材を使って餌をキャンディのように包んで与える場合、ここで考えられるリスクは包装紙の誤飲です。

その代わりに たとえば野菜で代用してみるなど、もしものリスクを考えてフォージングの準備をするのもおすすめです。

インコのフォージング中は目を離さない

フォージングトイ インコ

フォージングを行うときはインコから目を離さないことが必要です。

そして観察しながら一緒に遊んであげ、声をかけてあげるのが理想的です。

できたら誉める、失敗しても応援してあげる…などこまめな飼い主からの声かけはインコのフォージングのモチベーションになります。

フォージングに限りませんが、新しく使う餌入れやおもちゃ、障害物は飼い主もインコも不馴れです。

予想外の怪我や事故につながることもあるので、事故予防のためにもフォージングの最中は特に目を離さず観察することが大事です。

フォージングトイの与えかた・使い方のポイント

フォージングトイ インコ

フォージングを取り入れたいと考えたときに、簡単に挑戦できるのがフォージングトイです。

フォージングトイはおもちゃの中に餌を入れられる構造になっていて、野生の生き物のように「どのようにおもちゃから餌を取り出せるか」を考えながら遊べる小動物用のおもちゃです。

野生の生き物たちが持つ餌探しの力を ペットたちにも楽しく遊び感覚で発揮してもらうためのおもちゃです。

フォージングトイの大きさも種類も豊富ですので、インコのサイズに合ったフォージングトイを見つけることができます。

フォージングトイに馴らす手順
  • STEP1
    トイを見せる
    放鳥している時に、飼い主がおもちゃを持ってみたり、オーバー気味に楽しそうに遊んでいるところを見せる→そうすることでおもちゃを危なくないもの、ちょっと楽しそうなものと認識しやすくなる。
  • STEP2
    トイをケージの近くに置く
    ケージの近くにしばらくおもちゃを置いておく→見慣れると徐々に警戒心が薄れるようで、2~3日で近づけても逃げなくなる。
  • STEP3
    餌を出して見せ、トイに投入する
    おもちゃを振ってわざとシャカシャカ音を鳴らしながら餌を掌に出す→餌の存在をアピールした後、再度おもちゃに投入する。
  • STEP4
    トイから出した餌を食べさせる
    おもちゃを振って少量の餌を手に出し「ここから餌が出てくるよ」と見せた後、その餌を食べさせる。
  • STEP5
    再びトイを見せる
    再びおもちゃをしっかりとインコに見せる。
  • STEP6
    繰り返す
    STEP4~5を繰り返す。その後自分からおもちゃに触れてくれたらほめつつ、完全になれるまで様子を見守る。

フォージングトイ インコ

購入したらすぐに与える方も多いのですが、賢いインコでもフォージングトイを理解して遊び始める子は少ないので、まずはインコにフォージングトイを見せることから始めます。フォージングトイは怖くないものとインコに認識させるためです。

パニックにならなければ、しばらくそのままフォージングトイをケージの中に置いてみて、慣れるのを待ちます。もしもフォージングトイを怖がるときは、飼い主が楽しそうに遊ぶ姿を見せるのが効果的です。

インコが避けたり、嫌がる行動をしないようになったら次はフォージングトイの構造を見せてあげます。飼い主がフォージングトイを、くるくる回したり、蓋を開けてみたりとインコの目の前で遊び方のお手本を見せます。

構造の確認がひと通り済んだら、実際にフォージングトイの中に餌を入れます。餌を入れるときはインコに見せながら行うのが効果的です。おいしいものが目の前のおもちゃの中にあると認識させます。

フォージングトイに興味を示したらインコに与えてみてください。なかなか餌を見つけられないときは、飼い主が実際に餌を取り出してみたり、ヒントを出したり、声をかけたりして構いません。

飼い主がこのように声かけや行動をすることで、インコと意思疎通ができ、信頼関係の構築になります。

フォージングトイに慣れ、おやつを自力で取り出せたときには褒めてあげます。誉められることでよりフォージングトイがインコにとって楽しいものとなります。