オカメインコの飼い主さんの寄稿です
私の愛鳥はオカメインコ(ルチノー)のメス、名前はピーちゃん。
ピーちゃんは私が小学生の頃から飼っていたオカメインコで、これはピーちゃんが16~19歳の頃に老鳥介護をした体験談です。
オカメインコの老鳥介護!老化現象と老衰を最期まで見守り続けた話
私が最初に老化に気づいたのはピーちゃん16歳の時で、彼女の老化現象を立て続けに3つ、目の当たりにすることになりました。
オカメインコの飛行困難…自力で飛び立たなくなった
まず最初に老化に気づいたのは、ピーちゃんがうまく飛べなくなってきたのに気づいたことがきっかけです。
いつもケージから外へ出してあげると カーテンレールやエアコンの上など、あっちこっちにバサバサ飛び回っていたピーちゃんでしたが、次第に飛び立つことが困難になってきました。
滑空のような飛び方しかできず、ケージから飛び立ってはフローリングへスライディングしながら着地していくようになっていました。
そして17歳の誕生日を迎える頃、自力で飛び立つことをしなくなりました。
オカメインコの足が悪い…止まり木から落ちるようになった
ピーちゃんがケージの中でお気に入りのブランコに乗っているとき、 足を滑らせて床に落ちてしまいました。
そのことはピーちゃん自身がいちばん驚いたようでパニックになり、私はすかさずピーちゃんに「大丈夫だよ」と声をかけて、身体を両手で包んで落ち着かせました。
その時の落下はたまたまかと思ったのですが、次の日にも同じように落ちてしまったので これは足の老化だ…と気づきました。
脚力や足指で止まり木を掴む力がなくなってきているのはひとめでわかりましたが、幸い神経症状は出ていないように見えました。
足がグーやパーで固定されていることもなかったですが、老化と共にそれもいつ起こるか分からないので 不安になりました。
オカメインコが寝てばかり…うとうとしている時間が長くなった
眠っている時間が増えたことも老衰だと感じた点のひとつです。
若い頃はケージにぶら下がったり、走り回ったり、いつも元気いっぱいだったピーちゃんが、日中でも寝ている時間が長くなっていました。
老齢になってくると寝る時間が増え、脚力や握力が弱ってきます。これらの徴候は急になることがよくあります。昨日まで元気だったのになぜ?となりますが老化の影響は徐々にというよりも突然ガクッとくることが多いです。特に鳥は老化が遅く高齢になって急に様子が変わるので油断しないようにしましょう
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 15, 2021
確かに高齢になってきた老衰ですから仕方ないことですが
…と思い、これからの老鳥介護のこと、ぴーちゃんが安らかな死が迎えられるようにサポートすることなどを 真剣に考えるようになりました。
老鳥介護の第一歩としての健康診断でオカメインコの白内障が発覚して
老鳥介護を考え始めた私は まず小鳥の動物病院へピーちゃんを連れて行くことにしました。
現在の健康状態を確認しておくためで、動物病院からは「フンを持参するように」と言われました。
いつも元気で怪我や病気ひとつしなったピーちゃんはほとんど動物病院を受診したことがなかったので この時はとてもストレスや緊張感が強く、この様子を見たときに
…と後悔しました。
さらに私は獣医さんから 自分がまったく気付いていなかった事実を知らされました。
ピーちゃんの目は白内障になっていて、すでに視力がかなり下がっていたのです。
さらに老化に伴って代謝が下がっていることから くちばしや爪がギザギザになっていることもわかりました。
幸いにしてそれ以外の病気はまったく見つかりませんでした。
健康診断の後、ぴーちゃんはくちばしと爪を切って整えてもらい、カルシウムやビタミンDの薬、サプリメントを処方されました。
このときの受診料は薬代含めて5500円くらいだったと記憶しています。
足の悪いインコのケージレイアウトを老鳥バリアフリー仕様にしてみた
動物病院からの帰宅後、私は年老いたピーちゃんが過ごしやすいように住まい環境を少し変更することを決めていました。
老鳥に合うバリアフリーのケージレイアウトにしようと考えたのです。
そこでまずは台の高い位置に置いていたケージを少し低い場所に移しました。
そしてケージ入口の前には 段ボールを使ってななめのスロープを作り、100均で買ってきた滑りにくいマット(爪の引っかかりがないもの)を切って貼り付けました。
ケージの中の止まり木も低い位置に付け替え、救急箱の中にあった柔らかい包帯をきつめに巻いて滑らないようにしました。
ブランコはピーちゃんがとても好きだったので撤去することはやめて こちらも低い位置に移しました。
さらに動かないように片方だけケージに固定して、止まり木と同じように包帯をきつく巻きました。
ケージの底については、今まではフンきり網の下に新聞紙を敷いていたのを 網の上に新聞紙とキッチンペーパーを敷く方法に変更しました。
こうすることで敷き紙をすぐに取り替えられる上、フンを毎日観察しやすくなりました。
もしフンに異常が見られれば そのまま持参して動物病院に行けるようにする目的もありました。
オカメインコの老鳥の保温をエアコン併用で抜かりなく対応
そうやって 日々大切に見守り続けた私の愛鳥、ピーちゃんは19歳で亡くなりました。
最期まで穏やかに過ごすことができていたと 私は思っています。
若い頃からのケージレイアウトを老鳥向けに変えることで、ぴーちゃんは初めの1週間は戸惑ってパニックを起こすことがありました。
しかし少しずつ慣れてくると機嫌良くブランコの上で鳴いたり 居眠りするようになりました。
私は日中仕事をしていましたが実家暮らしをしており、昼間は自宅に祖母がいましたので、ぴーちゃんの様子を見てくれていて助かりました。
仕事から帰った夜にピーちゃんを放鳥すると 滑りと転倒防止のために敷いていたスロープマットの上をトコトコお散歩することが日課でした。
ピーちゃんを私の肩に乗せてスキンシップをたくさんとりました。
晩年のピーちゃんは若い頃よりも甘えん坊になって、首をカキカキするととても嬉しそうに目を閉じていました。
通院はピーちゃんにかなりのストレスがかかるので、クチバシがかなり伸びた時にだけ連れて行くことに決め、体重減少やフンの異常やいつもと違う様子がなければ 定期的にお薬をだけを処方してもらうことにしていました。
ピーちゃんが19歳になって迎えた最期の冬は リビングにずっとエアコンをつけっぱなしにし、さらに外から取り付けられるパネルヒーターを併用しましたから、保温に対しては抜かりなく対応できたと思っています。
オカメインコ老鳥の最晩年は寝てばかり…でも最期まで穏やかに過ごせて悔いなし
ピーちゃんはケージの網越しのヒーターの近くに寄り添って いつも片足を上げて寝ていましたが、その頃には今まで以上に寝る時間が増えてきて、ほとんど一日中寝ているような感じでした。
その様子について心配になった私が 獣医さんに電話で相談すると、
…と言われました。
悲しかったですが 私はぴーちゃんを通院させずに、最期までここで面倒を見て 看取ることに決めました。
そして12月27日、まるで私の仕事が休みに入るまで待っていてくれたかのように・・・そして眠るように 私の目の前で ぴーちゃんは19年の生涯を閉じました。
オカメインコの寿命は平均で18~20年!最期まで寄り添えますか?
オカメインコに限らず、インコ・オウムの仲間はとても長生きします。
何でもない日常では そういうことをあまり感じたり考えたりすることはありませんが、誰もが次第に老いていきます。
私たち飼い主も若い時と同じように動けなくなったとき、ペットの健康管理やお世話がかなり大変になってきます。
ペットの寿命をきちんと調べた上で、最期までお世話する決意でお迎えすることが飼い主の義務です。
また日中に仕事で外出している方は、誰もいないときにひとりぼっちの鳥さんが困ってしまわないように ケージの環境をバリアフリーに変えることが 老鳥介護ではいちばん大切です。
私はぴーちゃんを定期検診に連れて行っていませんでしたが、異常があって初めて連れて行くとなると 鳥さんにかなりストレスがかかります。
できれば若いうちから通院して、体調管理の習慣と 受診そのものに慣れされておくこともやはり大切だと思います。