【インコの手作りご飯】オカメの肝臓疾患から食生活の見直しを決意!
オカメインコの飼い主の寄稿
我が家のオカメインコの吟ちゃんはずっと健康優良児でしたが、同居鳥が増えていき総勢5羽になった頃から体長不調になっていきました。心配になった私は吟ちゃんを病院に連れていったところ
…と薬を処方してもらいました。
その強肝剤を投薬し始めたところ、2日も経たずに吟ちゃんの様子が何だかすっきりしているように見え始めました。そして食欲も旺盛になってきて吟ちゃんが再び元気いっぱいになったのです。
それはもちろん嬉しかったのですが、そのときの私はこの展開に逆に一抹の不安を覚えたのでした。
そのときの私の頭の中には「肝臓云々…」の考えは微塵もありませんでした。
それから半年ほどたった厳冬期のころ、吟ちゃんに再び不調が見え始めて、私はとても嫌な予感がしました。
オオハナインコの食事問題にぶち当たりインコの食生活の見直しを決意
同じころ、我が家の5羽のインコの中でいちばん大型であるオオハナインコの食事問題で私は悩んでいました。オオハナインコのお迎え時にはこんなにも食生活が難しい鳥だとは知らず、ペットショップからは
…とだけ言われていました。
その通りにしていたのですが、次第に羽の色が黒く沈んで油っぽくなってきたのです。
…と思っていろいろと調べていった結果、オオハナインコについての驚愕の事実が浮かび上がりました。
Youtubeやinstagram で調べていくと、美しい羽毛を失ってしまっているオオハナインコばかりが目に留まります。
そんな折にオカメインコの不調が重なり合ったことから
…との結論に至りました。
インコを元気にする食材を学びレシピを考えはじめた
強肝剤の効果がてきめんなことを考えると吟ちゃんの体調不良の原因は食生活にあると考えられました。
オカメインコの食生活を見直すにあたり、食べているシードを観察していくと、特定のシードばかりを選り好みして食べてることがわかってきました。中でもひまわりや麻の実ばかりを食べているのに気づいた時、
…と私はにらみました。
脂肪の過剰摂取…ヒトが脂っこい食事を好んで摂っているのと同様の状況です。麻の実は脂質が高く、ひまわりはそれを上回る脂肪とエネルギーで構成されていて、半分が脂肪です。
そういうシードばかりを好んで食べていれば体長が悪くなるのも当然のことです。
食事内容を改めていくことが先決だと思っていた矢先、オオハナインコの知識を得るためにネットサーフィンに明け暮れている時、私は素晴らしいyou tubeチャンネルに辿り着きました。
その方はアメリカ人で、オオハナインコの保護活動やフィンチの保護活動を科学的見地から行ってきた方でした。曰く「ペレットにしなさい」ではなくて
それを必死に訴えて自らも実践することで、飼育しているオオハナインコを肝臓病から生還させた逸話を持つ人でした。
私はこの方の有料サイトに登録しました。そこには私が知りたかった鳥の食生活の情報がびっしりと
詰まっていました。
それに伴って、都市伝説のように「鳥に●●●を与えてはだめ!」情報に右往左往していた自分の頭の中の霧が晴れて次第にすっきりしていくのがわかりました。
インコのご飯作りと同時に目指すべき生活習慣のポイント
栄養バランスをとる鳥の食事の学習を開始し、有料サイト等で学んでいくうちに、インコの手作りご飯で自分が目指すべき4本の柱に気づきました。
必須栄養素を天然食材から摂取する
小鳥用サプリメントには正直言って本当にきちんとした栄養素が入っているかに疑問があります。それに天然もののほうが当然鳥は喜び、遊ぶようにして食べます。
食は自然なものを与える方が安心で怖くないですし、鳥たちも幸せです。
日光を浴びて鳥体内でビタミンDを生成させる
食餌から得た栄養素をビタミンD3に変えるためには、日光浴が必要不可欠です。
インコに十分な運動をさせて心と体を健康に保つ工夫
飼い鳥は野鳥よりはるかに運動量が少ないですから、飼い鳥は意識的に運動量を増やす努力が必要です。
運動は心を健康に保ちますし、発情抑制にも役立ちます。
バクテリアや中毒から鳥体を守る注意を払う
バクテリアや亜鉛の摂取(金属中毒)から鳥が病気や死に至らないよう、十分に注意する必要があります。
不足する栄養素を補う食事メニュー考案と提供方法の工夫が必要
オカメインコだけではなくオオハナインコの食とも格闘中の私は、根本的な考え方はシンクロしながらも、
…との結論がすとんと腑に落ちました。
鍵となるのはアミノ酸、ミネラル、カルシウム、タンパク質。そしてもちろん沢山の種類を摂取することに意味があります。
ただメニューを考えるだけでは十二分に栄養素を摂取できるわけではないことも考えて、鳥たちに確実に食べさせるための方法についても同時に考えていきました。
インコが十分な栄養素を摂取するための天然食材…何をどう選ぶか?
オカメインコの手作りご飯に有効な食材とは?
私が学んだのはオオハナインコの食についてですが、インコに与える食材をオカメインコに当てはめて考えてみるときに、注意することがあります。
まず、オオハナインコとオカメインコとでは摂取するべき栄養素とそのパーセンテージが異なること。
それを踏まえた上で、私がオカメインコに有効と考えた食材を紹介します。
- 小松菜・パセリ・セロリ・水菜・大根の葉、カブの葉(このままでOK)
- バターナッツかぼちゃ(十二分に柔らかく蒸します)
- 青梗菜(葉の部分を好みます)
- パクチー
- 唐辛子(フレッシュがいいのですが、乾燥でも可。その場合ふりかけ扱いです)
- レモングラス(そのまま)
- 生姜(細かく刻んで料理に混ぜて提供)
- スプラウト(豆を発芽させます)
- ズッキーニ・にんじん(刻んで蒸します)
- りんご(適当に刻みます)
- サーモン(電子レンジで低温調理)※アミノ酸の大事な供給源。淡水魚のサーモンのみ提供可能です。海のものには鉄分が含まれているので、私は提供しません。
- 卵(茹でます)
- 卵の殻(カルシウム・ビタミン摂取できる優れもの。内側の幕を剥いでからすりつぶし、食品にかけて提供します)卵の殻はカキ殻よりずっと栄養があり、鉄分が含まれておらず安全です。
- さつまいも(十二分に柔らかくなるまで蒸します)
- 白米(炊いたお米に水を加えて伸ばします)
- トウモロコシ(そのまま)※生のものがなければ、冷凍がいいです。缶詰等加工されている場合は成分確認して添加物があれば提供しません。(コーンは砂糖・食塩が入っていないもの、米でさえたまに鉄など栄養素が入っているものがあるので注意)
輸入果物には大量の消毒液がついているものがあります。皮をしっかり剝く、輸送方法が船であるものは購入しない…等の配慮が必要です。
食材を十分に加熱殺菌する
食事を与える時、その食材にはバクテリアが付着しています。鳥はヒトよりもずっとバクテリアに脆弱なので、バクテリアを食べてしまって深刻な中毒になることがあります。
適切な加熱でバクテリアは死滅しますが、熱の加え方によって食材に含まれる大事な栄養素が流れ出してしまうので、調理方法を考えつつ、十分な加熱がなされているかのチェックが必要です。
野菜はゆでるより蒸す方がおすすめです。卵は水分に溶けないため、しっかりとゆでればOK 魚は蒸すか、低温の電子レンジ調理がおすすめです。
大豆は与えない
大豆にはイソフラボンが含まれ、生殖機能の遺伝子に結び付く性質があるので、個人的には与えないことにしています。他の豆に関しては、いんげん豆のみ提供可能としています。
できるだけ多くの種類を提供する
それだけを食べていれば元気でいられる食材もなければ、1つのものだけを食べて健康でいられる生物もいません。そのためできるだけ数多くのバラエティに富んだ食材を用意して鳥に提供することを心がけています。
私の場合は、以下の食材を小さく刻んで冷凍しています。
冷凍する際は蒸す必要がなく、電子レンジで解凍して鳥たちに提供しています。
食材の提供順序も考えながら与える
オカメインコにとっては特に食材の提供順序は重要だと認識しました。
鳥類は飛ぶために食べる量を自らコントロールすることができるそうです。大体体重の10〜13%のごはんを食べますので、いちばん食べたがる食材を最後に持ってくる作戦を立てました。
①柔らかいご飯(お粥)フード → ②野菜、果物 → ③シード
我が家のオカメインコがみるみる元気になった食材
鳥は肝脂肪がつきやすく体重に比例して肝重量が増加します。そのため肥満すると脂肪肝になり肝機能障害と高脂血症を起こします。悪化すると動脈硬化を起こして血圧が上昇し心疾患に繋がります。脂肪肝は食べ過ぎ、脂質の過剰摂取、運動不足といった人と同じ生活習慣病なので健康的な生活をさせましょう
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 9, 2021
これらは肝臓の状態が重篤な状況でなければ、徐々に確実に元気になっていくのではないかと私が考えている食材です。
- たんぽぽ(花束にしてカゴの中に吊るします)
- アザミ(花束にてカゴの中に吊るします)
- モリンガ(市販品の粉末を購入。食材にふりかけます)
- オクラ(冷凍から解凍して使用します)
- りんご(細かく刻んだり、すりおろして提供します)
これらのものを与えていたところ「これは薬か!?」と思うくらい、オカメインコの吟ちゃんは元気になりました。
野草はできるだけ摘んだばかりのものが良いため、近所の公園や庭で採取できるものが理想的です。
体調が悪いかな?という時に提供してもいいですが、ハーブ類は少しずつ継続して摂るのが理想だと思います。
食事を一気に変えることは鳥たちがとまどうので、オカメインコの食事内容は段階を経て少しずつ変えていきました。
変わったものが出されてもほかの仲間が食べていればその様子を見てつられて食べますし、私が一緒に食べてみせたりもしました。
オカメインコは「ほれ!食べてみい!」と出しても食に対して保守的なのか?なかなかすんなりと食べてくれない印象ですが、吟ちゃんはまわりが食べているのを見ているうちに自然と出されたものを食べてくれるようになっていきました。
オオハナインコが食べ終えて細かく砕かれたものに他のインコたちが群がる様子も見受けられましたし、気が付けばたくさんの食材を食べられるようになっていました。
今では室内を活発に飛び回るほど元気な吟ちゃんは毛艶がよく、とても絶好調のように見えていますが、鳥類の体調管理に油断は禁物です。
私はこれを目標に掲げました。
高齢になっても毎日元気いっぱいでいられるように、インコたちのサポートと食餌管理をずっと頑張っていこうと思っています。
インコの手作りご飯をサポートする素材
タンポポの葉
インコはタンポポの若くて柔らかい葉が大好きです。
タンポポの葉には ポリフェノール、ベータカロチン、ビタミンA、C、K、E、葉酸、鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどが含まれています。
タンポポの抽出物が余分な肝臓脂肪を減らすため、肝臓の健康を改善するのに役立つ…とThe Review of Diabetic Studiesに紹介されています。