インコもヒトと同じで
日光浴不足が原因で
メンタルを病みます。
インコは精神が不安定になると
「毛引き」や「自咬」という名の
問題行動を起こす場合があります。
毛引きに走る原因は多岐に渡るので
原因を特定するのが難しいですが

定期的な日光浴をするようになってから
毛引きをしなくなったインコもいます。
つまりインコのメンタルヘルスにも
日光浴は重要な役割を担っているのです。
インコの毛引きをやめさせる「ながら日光浴散歩」が一石四鳥
日光浴をするとインコの体で
ビタミンD3が作られますが、
インコの骨格形成に必要
病気やストレスの予防になる
…など、日光浴にはさまざまな働きや
メリットがあります。
日光浴のその他の効果としては
代謝をあげ、健全な発情を促し、ホルモンバランスを調整する
太陽光による殺菌効果
…などがあります。
インコに日光浴が必要な
いちばんの理由は
ビタミンD3の生成に関わる病気の予防ですが、
ストレス解消や気分転換などによる
「精神を安定させる効果」も見逃せないところ。
不安定な精神状態が様々な病気や
問題行動を引き起こすことは
鳥もヒトもまったく同様です。
インコが日光浴しないとどうなる?
日光浴で紫外線を浴びることは
体内でビタミンD3を生成して
カルシウムの吸収をサポートしていますから、
日光浴不足は
骨や卵に異常が出る疾病と
直結しています。
インコの日光浴はカルシウムの吸収に必須→骨折・卵詰まり・骨粗鬆症…
インコが日光浴不足になると
クル病
骨折
骨粗しょう症
骨軟化症
…など、
骨格形成に影響を及ぼす
病気になります。
鳥の体は飛ぶために、
骨が軽くてスカスカしているもの。
そのせいでパニックに陥るなどして
どこかに衝突するだけでも
簡単に骨折してしまうものですが、
骨格がしっかりしていなければ
なおさら骨折のリスクが上がります。
カルシウム不足から、メスの鳥は
卵詰まりや 卵管脱、卵が軟卵になることも多いです。

過発情で産卵が多いメスが
日光浴不足になると、
卵を作るカルシウムはおろか、
自分のからだ用のカルシウムも
全く足りなくなります。

カルシウムが吸収されるしくみ
その結果として、インコが立ち上がったり
動くこともできなくなったりしてぐったりし、
それに気づいた飼い主が慌てて病院に駆け込み
低カルシウム血症が発覚することが
珍しくありません。
インコのシンボルである立派なくちばしを
作るためにも日光浴は欠かせません。
日光浴しないとセロトニンが安定しない→精神不安定から自咬・毛引きに発展
ヒトは日光を浴びないと
体内でセロトニンが分泌されません。
セロトニンが不足すると
精神的に不安定になったり、
いつも以上にストレスを感じたりし、
メンタルが疲弊傾向になって
心を病むことがあります。
セロトニンが不足すると
メラトニンも減ってしまうため、
眠気を感じづらくなったり、
不眠症になることがあます。
つまり日光浴と健康は切っても切れない
関係にあるわけですが、
これはインコもまったく同じことです。
日光浴のメリットとデメリットは人と同じだと思います。ビタミンDだけではなくメンタルの向上のメリットは大きいと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 16, 2021
ビタミンD3はセロトニンを安定させる働きを持つため、
しっかり日光浴させてもらっているインコは
セロトニンが安定するため情緒不安定になりづらい…。
つまりそれは毛引きや自咬に走る
リスクが低くなるということです。
インコの毛引きは日光浴不足とストレス(孤独・退屈・発情)から起こる
日光浴不足はインコの毛引き行動の一因となります。
低カルシウム血症→神経症状(毛引き)
日光浴で得られるはずのビタミンD3不足は
低カルシウム血症を誘発する可能性があって
神経症状が現れやすくなります。
そしてこの神経症状のひとつが
毛引きです。
毛引きの理由は、低カルシウム血症のように
病気が原因のこともありますが、
ストレスが引き金となることも多いのです。
インコは孤独のストレスから毛引き行動に走る
インコのストレスの要因は
孤独
退屈
発情
…の3つといわれています。
インコを一羽飼いしている方も多いですが、
たとえばオカメインコやセキセイインコは
群れで生活する習性なので
単独で飼うと孤独を感じやすいもの。
これは本能だから仕方がないことですが
そこから毛引きが始まるケースも多いです。
毛引きの診察を受けた時に、鳥は好きで抜いたり、おしゃれと言われることがあるようです。毛引きは好きやおしゃれで抜いているわけではなく、辛い気分を紛らわすために始めるものです。一度気分が紛れることを学習するとやめられなくなるので、変な見解に惑わされず現在の飼育環境に向き合いましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 1, 2022
色々な見方があると思いますが、抜くこと自体は報酬系が関与していますので、抜いていると気分良くやっているように見えるかもしれませんね。問題は、それを起こした環境に飼い主さんが目を向けなくなることだと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 2, 2022
そんなインコの孤独を和らげるためにできることは
おもちゃ(バードトイ)をいくつか用意する
インコに定期的な気分転換の機会を与える
この気分転換にもっとも効果的なのが
「日光浴」です。
インコは発情によるストレスから毛引き行動に走る
インコの不定期な発情にも要注意で、
頻繁な発情(過発情)は
インコの体に大きな負担となります。
定期的な発情を迎える方法のひとつは
インコに四季の移り変わりを体感させることで、
そのために日頃からできる簡単な対策が
ずばり日光浴です。
日光浴は体内時計をリセットしますし、
それは代謝をあげることにも通じているため、
だらだらと発情が続く傾向にある
=発情ストレスが原因で毛引きをしてしまうインコには
特に定期的な日光浴をおすすめします。
インコは退屈によるストレスから毛引き行動に走る
野鳥が毛引きをすることはありません。
それは野生下で生き抜くために必死だからであり、
「毛引きしない」のではなくて
そんなことをしている時間がないのです。
日々過酷な環境下で暮らしている野鳥は、
餌も寝床もすべて自分で用意をしなければ
手に入らないサバイバル生活。
毛引きをしている暇などあるはずがなく、
毛引きは暇を持て余している
飼い鳥特有の行為です。
羽繕いで羽抜きがおもしろくなって毛引きにハマることも
飼い鳥は暇で退屈なのです。
エサには不自由しませんが、
単調な生活の繰り返しに
死にそうなほど飽き飽きしています。
そんなあなたのインコ、
最初はただの羽づくろい…のつもりが
少しずつ毛引きに発展してしまったのかもしれません。
毛引きしている期間が長いと癖になります。癖とはストレス対処で毛引きしていたものが、いつしか毛引きしないと落ち着かなくなることです。抜けている期間が長いと羽が生えると違和感を感じるようになります。癖になっているかの見分け方は、放鳥して人と一緒にいるにも関わらず羽を気にすることです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 11, 2021
たまたま羽を引き抜いてみたら
それが何となく面白くなってしまったり、
退屈しのぎからその行動にハマって
とうとう「癖」になってしまった…。。
毛引きを続けていて
その部分に羽毛がないのが
「当たり前」になって
それに慣れきってしまった…。
新しい羽軸が生えてきてるのが
気になってまた抜いてしまう…。
こんな単純なきっかけが
毛引きの原因の多くを
占めています。
病的な原因がなければ
毛引きの根本原因は
精神的なものなのです。
これを解消する方法のひとつとして
バードトイ(おもちゃ)がありますが、
おもちゃが必ずしもプラスにならない所が
また話を複雑にしています。
以前に紙を取りあげられたコザクラインコが自分の羽を抜いて齧り、それを自分の腰に刺すことを始めたことがありました。意識は自分ではなく、なるべく外に向かせることが退屈の対処であり毛引きの改善法です。それは人や鳥とのコミュニケーション、フォージング、チュワブルトーイ、紙などになります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 1, 2021
日光浴を兼ねた散歩なら毛引き防止のための一石四鳥のメリットも
インコのおもちゃで退屈や暇をつぶすのは
発情を誘発する可能性もあるので
必ずしも効果的とは言えませんが、
多くの鳥に効果があると断言できるのは
日光浴を兼ねた散歩であり、
気分転換
ストレス解消
インコの好奇心旺盛を満たす
…など一石四鳥のメリットがあります。
日光浴の目的でインコを散歩に連れ出せば、
心地よいそよ風を感じたり、
緑豊かな景色を見たり、
川のせせらぎの音に耳を傾けたりと、
好奇心旺盛なインコには
この上ない気分転換になります。
季節にもよりますが、
日光浴の時間帯は午前中、
時間としては10~20分程度がよいです。

日光浴の心地よい疲労感も毛引き防止には効果的
日光浴をして紫外線を浴びることで
そこそこ心地よい疲労感が生まれます。
だから日光浴がおすすめなのは、
体調が良い健康なインコに限ります。
帰宅してからのんびり・まったりと昼寝するなら
ますます毛引きしている時間などなくなることも
「毛引き防止」のメリットです。
その他にも
飼い主さんへの信頼や絆が深まる
…などの副産物ももれなくついてきます。
インコと一緒に、ちょっとそこまで新鮮な空気を吸いに行く
…くらいの軽いノリでやってみることが
日光浴を続けるコツです。


散歩はインコに紫外線を浴びさせたり、
毛引きをやめさせる目的だけでなく、
自然な四季の移り変わりを感じさせる
いちばん簡単な方法でもあります。
毛引きを始めたら早く対処しないといけないのは、この様な理由があります。毛引きの原因はストレスですが、何がストレスになるかと言うと寂しい、交流不足、退屈、嫉妬などなかなか改善が難しいことばかりです。毛引きは医療で治すものではなく、生活の改善が必要です。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 19, 2022
日光浴はインコの代謝と免疫力をあげるチャンス!
と考えてみてください。