各種栄養素を様々な食物からバランス良く摂取することが健康維持の要であるのは人も鳥も同じ。
インコの餌のシードにはビタミンAやD3、K、ヨウ素(ヨード)など鳥の健康維持に必須の栄養素が含まれておらず、タンパク質も不足気味。
一方、栄養バランスに優れたペレットなら申し分ないかと思いきや、単調な食生活の連続によりインコの食の楽しみが激減…と どちらに転んでも、ちょいと残念感がぬぐえません。
食べる楽しみは生きる楽しみに通じます。
フォージングだけでなく 食の楽しみを増やすことも インコの採食エンリッチメント…というわけで、
…というお話です。
インコの餌に野菜は必要!野菜を食べない偏食鳥にしない育て方の話
野菜を食べない野菜嫌いな鳥は意外と多いですが、それは野菜のおいしさを知らないだけかもしれません。
この記事では、鳥たちに野菜のおいしさを知ってもらう方法を 思いつくだけ全部集めてみました。
毒があるって本当?インコにニンジンの葉を与えていますけど、何か?
私はプランターで育てた野菜のスプラウトや若芽をすぐってきて鳥たちに与えていますが、ニンジンの葉もあげてますよ。
鳥ブログには「ニンジンの葉には毒がある」なんて書いてるところもたくさんありますけど、私はそうは思っていません。
大きくなった収穫寸前のニンジンの硬い葉っぱではなくて、上の写真にあるような、間引いてきた新芽をあげています。
うちで鳥たちに与えてる野菜は柔らかい部分が多いので、3~4種類のベビーリーフのミックスサラダという認識ですが、できる限り緑黄色野菜を多くすることを意識しています。
そのほんの一部にニンジンの葉が入ることが「たま~に」ある程度です。1年じゅうニンジンを育ててるわけではないので。
何の根拠も示さずに「ニンジンの葉は毒」と書きなぐって不安を煽るソース元にたずねてみたい…ニンジンの葉の「毒」って何を指してるんですか?もしかしてシュウ酸のこと?
シュウ酸が含まれていない野菜ってありますか?ほとんどないんじゃないの?それを気にしすぎていたら、食べられる野菜、ないんじゃないですか?
どんなものでもそうですが、大量にあげてはダメですよ。それではかえって毒になる。いろんなものを少しずつ摂ることが必要。
人参の葉も与えて大丈夫ですよ。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 2, 2021
私はニンジンの葉を「毒」だなんて思っていませんからうちの鳥に与えてますが、どの情報を信じるかは飼い主さん自身の問題。自己責任でお願いしますね。
「野菜好きインコ」はつくれる!「野菜嫌いインコ」と決めつけないで
小さいころからさまざまな野菜を食べてきているせいか、うちの鳥たちには野菜を食べない野菜嫌いインコはいません。
何が言いたいのかというと、野菜の与え方を工夫すれば「野菜好きインコはつくれる」ということ。
それぞれの鳥に味の好み(好き嫌い)はあるのかもしれませんけれども、数種類の野菜をミックスすることで 出された野菜をもりもりと食べてほぼ完食する様子を日々観察している私には、その確信があります。
野菜を食べたことがなかったり、野菜の味を知らなかったりすると、それをいきなり目の前に出されても インコがそれを食べ物だと認識しない…この場合野菜を食べないのはインコに問題があるわけではありません。
責任の所在は飼い主さんにあります。だから、インコに野菜の味を教えていないのに「食べないからうちの子は野菜嫌い」のレッテルを貼るのは間違いです。
野菜や果物を好むかは、鳥によるのではなく個体差です。幼少期に食べてないと、受け入れないことがあります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 31, 2020
インコが幼鳥のうちから野菜の味わいを教えておくことが野菜嫌いにしないポイント
成鳥になってからだと食べなれないものには見向きもしないことが普通にあります。
見たことがないものや知らないものを避ける傾向があり、鳥には「食わず嫌い」が少なくありません。
特にオカメインコのような食べ物に保守的な傾向が強いビビりな鳥種は、初めて見るものに「何これ!?」と恐れおののき、近づいていくまでにかなり時間がかかったりします。
遊びながら少しずつ野菜が「食べ物」であることを認識させていく
インコに野菜を与え始めたばかりの頃は それが食べ物だと認識していないことが往々にしてありますが、遊びながら少しずつ慣れさせていくことで、だんだんと食べ始めるようになります。
食べないからといってすぐに与えるのを止めるのでなく、根気よくフードカップに入れたりおもちゃに取り付けるなどして与え続けましょう。
すぐに食べさせたい場合は、すりつぶして主食に混ぜることもできます。
野菜嫌い・野菜に慣れていない怖がりインコに野菜を食べさせるには?
人も鳥も、食の好みや食習慣は経験によってつくられる要素が多いです。
雛のときに好んでよく食べていたのは何か?食べたことがあるものは何か?…といった経験の積み重ねが そのインコのその後の食の好みを形成していくと考えられています。
すでに成鳥になっているインコが初めて見る野菜に驚く場合は、それをいきなりケージの中に入れず、ケージの外に掛けたり、放鳥時に離れたところから見せて様子をみましょう。
おもちゃと一緒に置いておくのも一つの方法です。
次第になれてきて野菜を怖がらなくなってきたら 徐々に近づけていけば 少し好奇心が旺盛なインコなら 遊びながら興味を持ってつついたり食べたりするでしょう。
多頭飼育なら野菜を食べる仲間の様子を見せる。1羽飼いなら飼い主が食べて見せる。
インコは仲間と一緒に行動する習性があるので、それを利用してみてください。
多頭飼いしていて他のインコが野菜を食べるなら、そのインコが食べているところを見せると 真似をして食べる可能性が高いです。
1羽飼いなら インコの前で飼い主が美味しそうに食べて見せることで「野菜が美味しいものだ」と理解して食べ始めることもあります。
インコが手を怖がらなければ、まずは手で持って与えてみます。大好きな飼い主の手からもらえれば、警戒心も減って近づいてくれるはずです。
野菜を食べてくれるようになってからは、ケージ内に菜差しを使ってセットしたり、クリップや洗濯バサミで留めておくと食べやすいです。
インコに与える野菜の形状や調理法にバラエティをもたせるとインコが興味を持つことも
野菜は ぶつ切り、千切り、薄切り、マッシュ、すりおろしなど、切り方を変えて見た目を変化させることができます。
また、生だけでなく、蒸す、煮るなど調理方法を変えることで食感が変わります。熱を加えると消化が良くなるため、老鳥や病鳥にも与えやすいです。
マッシュしたものをスプーンから食べるように慣れさせておくと、投薬時に役立ちます。
特にカボチャやニンジンには甘みがあり、多くのインコが喜んで食べてくれますし、ペースト状にしたものに薬を混ぜることで、薬嫌いのインコにも投薬しやすくなります。
ただしこれらはしつけの時のご褒美やおやつとして与えることもできますが、与えすぎは禁物です。
その他、フリーズドライの野菜は栄養価が損なわれておらず、変わった食感も楽しめますので、新鮮な野菜が手元にない時にはおすすめです。
ただし、人間向けに味がついているものや、油で揚げてあるものは与えてはいけません。
インコに野草もおすすめ!季節限定の「青物の本物のおいしさ」を教えてあげる
インコに野菜を与える時に気になるのは残留農薬ではないでしょうか。
少しでも農薬を取り除くには、野菜は一晩水につけたあとに流水で洗うのが理想的です。
インコが大好きなハコベなどの野草は道端や土手などで摘んできたものの場合、汚染のリスク(農薬・排気ガス・犬猫のフンなど)もありますので、注意が必要です。
いちばん理想的なのはプランターなどで家庭菜園(自家栽培)することで、手間はかかりますが、農薬や汚染物質が確実に回避できます。
インコにあげるキングオブ野草のはこべ
私は春の終わりにできるハコベのタネだけ取ってきてプランターに蒔いていますが、さすが野草!発芽率が良くてズンズン育ちますよ。
だいぶ前にハコベの種をネットで買ったことがありますが(ハーブ扱いでハコベの種が市販されています)
市販の種と道端のハコベの種では色がだいぶ違っていることに気づきまして(市販のは黒っぽく、自分で取ったのは茶色かった)
あまりの違いに「採ってきた種はもしかしたら未熟で発芽しないのかも!?」と思ったのですが、蒔いてみたらちゃんと芽が出て育ちましたから、単に種類が違っていただけだったようです。
タネを鉢にちゃんと蒔かなくても適当に庭の片隅にばら撒いたものも育ってましたし、道端から採ってきた種は元手がタダなのでダメもとで気軽にチャレンジできます。
鳥たちが夢中で食べるハコベのつぼみは期間限定のお楽しみですし、インコだけでなく鳥たちはみんな喜びますので、野菜の自家栽培ではハードルが高い方には、ハコベの自家栽培はおすすめです。
シードを蒔いた緑穂でもインコは大喜び
シードを蒔いても、こんな立派な緑穂が収穫できますよ
これをもらった鳥たちは緑穂の茎や葉をハミハミすること自体が非日常なので、それが楽しくて仕方がない様子ですね。
自然の緑を思いっきりかじれることに鳥たちの喜びは2倍・3倍になり、ハミハミを楽しみながら、いつもとは味も風味も少し違う自然の緑のジュースに舌鼓を打っています。
緑穂を生の状態で食すのは夏場にしか再現できない、季節限定のお楽しみ。
ただ、こういう未熟な種子等を与える時には注意が要ります。
大量に与えてはいけないのはもちろんのこと、デメリットに対するフォローが必要。
野生の鳥であれば自然界で見つけたものを自然のまま食しますが、それが未熟だったりするとその中に有害物質(アルカロイドなど)が含まれていたりします。
アルカロイドは植物が自己防衛のために作り出している毒ですから、これを食べてる鳥にとっても当然有害です。
ですが鳥たちはその害を免れる術を本能的に知っています。
有害物質を解毒するために土・泥・鉱物などを摂食してデトックスしているわけです。
そこでうちではデトックスの目的で 鉱物飼料やミネラルブロックなどを、その時の食事情に合わせて臨機応変に与えています。

エノコログサはイネ科エノコログサ属の多年草で、アワの原種といわれています。種をよく見ていただくとアワそっくりです。野生のセキセイインコは、様々なイネ科の植物の種をもっと未熟な状態から、熟して落ちたものまでばば広い成熟段階のものを食べています。道端に生えていたら観察してみて下さいね pic.twitter.com/suX4Qjdkfl
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 24, 2021
野外で作っている野菜と同じですので、水道水で洗う程度で良いと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 26, 2021
芽出し餌(スプラウト・スプラウテッドシード・芽出しシード)はインコまっしぐら!な半野菜的存在
野菜ではないですが、半野菜(?)的なシードのスプラウト(スプラウテッドシード・芽出し餌・芽出しシード)もおすすめです。
これも「鳥まっしぐら!!!」なので、手間の掛けがいがあるというものです。
インコに限らずフィンチもですけど、鳥って餌を水につける子がいますよね。ペレットにしてもシードにしても。
ペレットの場合はその方がおいしいと思っているわけではなく。
ペレットが水分を吸収するため喉を通りにくく詰まりやすいのを回避するため、オエオエ予防のために水につけてることが多いのですが、シードの場合は
…と想像するくらい、芽出し餌を喜ぶ鳥は多いです。
まさに狂喜乱舞とはこのこと!と言えるくらい、鳥はスプラウテッドシードを喜びます。
種が発芽するときに内胚乳が炭水化物に変わっていくんですが、この過程でおそらく甘みが出るんでしょうね。鳥にとって最上のごちそうに変わるわけです。
「エサ」としてのシードはうんともすんとも言わない「眠っている」種(あるいは生きているように見えて死んでいるか仮死状態に陥っている種)ですが、一般的には飼い鳥たちはこれを食すしかないわけです。
だけど野鳥たちは種が動き出すその瞬間を狙って生きているものを食べているわけですよ。
だからシードしか食べてなくても栄養バランスが取れていて、飼い鳥みたいにビタミン剤やペレットみたいな人工栄養を摂らなくても元気に過ごせるのです(野生だから過酷ですけどね)
この芽出し餌の画像を以前に某所にアップした時、
…と辛辣なコメントされたことがありましてね。ネット上ですけど、面と向かってこう言われたので、ちょっとイラッとしたんですけどね。
その人もオカメインコを飼ってたな。今でも某SNSでお見掛けしますけど(笑)
まあ、こういう人にはわざわざ説明する必要もないので こちらからはノーコメントでしたが、芽出し餌(スプラウト)は別に珍しいものではなくて、普通に鳥に与えるものです。
気持ち悪いとか言ってくる時点で 残念な飼い主なのがバレバレw
芽出し餌は1ミリくらいちょろっと芽が出たところで与えるのがいちばん栄養価が高いので、もやしみたいに「発芽しました!」と主張するところまで置いておく必要はないんです。原理は「発芽玄米」と同じです。
市販されている芽出しシードは、見た目からして すでにもやしになってますね。
飼い主的には見た目がそういう方がおいしそうに見えて満足するかもしれませんし、そもそも「生きている」ものなので 商品の性質上 育ってしまうのも仕方がないことですけど…正直「すでにもやし化している芽出しシード」は栄養価的にもったいない。
芽出し餌は工夫すれば1年中自分で作れますから、このように 胃が悪い子にはやってみるといいのではないでしょうか。
エンバクやオーチャードグラスを主食にするのがお勧めです。エンバクを食べない場合は、ムキ餌をミルで砕いた物かフォニオパディのような小さいシードを使うこともできますが胃の負担はさほど取れません。どうしてもシードしか食べない場合はスプラウトにしたり、ムキ餌をお湯でふやかして与えます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 27, 2021
「自分でスプラウトを作って与えてもいいのですか?カビが生えるから個人で作るのはダメと、どこかで見たことがありますが?」の問いに対する回答
基本は自分で作るものです。与えて食べ残したら、臭いが出る前に撤去すれば問題ありません。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 28, 2021
採りたて新鮮な「野菜のおいしさ」を若年期に教えてあげることは野菜好きインコに育てるポイントのひとつなので、買ってきた野菜だけではなく、いろいろな青物を利用してみましょう。
ひと手間かかりますが、愛鳥を喜ばせるために自家栽培とか、ちょっと頑張ってみてはいかがでしょうか。
意外と簡単にできますよ。
インコの野菜の与え方は?野菜はいつから与えるの?
いつもの主食に野菜や果物を与えてビタミンや食物繊維を補い、バラエティ豊かな食物を与えることは、インコのQOLを向上させるひとつの方法です。
インコに野菜を与えるのはいつから?
インコに野菜は概ね生後2~3週齢頃から与えてもOKです。
最初はすり鉢やミキサーで野菜をペースト状にして挿し餌に混ぜて与えます。
そこまでできない場合は市販の乾燥野菜パウダーを挿し餌に混ぜ込んで、幼いころから野菜の風味に慣れさせておくといいです。
インコに与えるのは常温の野菜で
インコには常温の野菜を与えます。
季節にもよりますが、冷蔵庫から出して30分くらい経ってから与えると おおむね常温になります。
インコの野菜は生がいい?茹でてもいい?
野菜を茹でるとせっかくのビタミンやミネラルなどの栄養素がお湯に溶け出してしまいます。
またインコの体調の維持や新陳代謝、老化防止に欠かせない食物酵素は、約70度以上の熱を加え続けると死滅します。
生野菜なら各種栄養素をそのまま体内に摂り入れることができますので、生で与えるのがおすすめです。
野菜はよく洗う!心配なら無農薬野菜を与える
売っている野菜は農薬残留基準値以下になっていますので、よく洗って与えれば問題ないとされています。
ただ小さな小鳥に与えるのでどうしても残留農薬が気になる方はいるでしょう。
その場合は無農薬野菜を購入するか、自家栽培して与えると安心です。
小松菜やチンゲンサイはプランターでも簡単に栽培できますし、自家栽培なら毎日新鮮な青菜をインコに必要な分だけを与えられるのでおすすめです。
主食がペレットでも「食の楽しみ」として野菜を与えたい
主食がシードの場合、シードだけではビタミン・ミネラルが不足してしまうので 基本的に毎日野菜で補う必要があります。
ペレットは総合栄養食品なのでビタミン・ミネラルが含まれていますが、生野菜から自然のビタミンやミネラルを摂取するのが望ましいですし、野菜を副食にすることは インコに食べる楽しみを与えることができます。
野菜が好きなインコには食べるだけでなく かじったりちぎったりと ストレス発散や気分転換の効果もあります。
野菜も与えた方が良いです。緑黄色野菜がお勧めです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 31, 2020
インコが食べても大丈夫な野菜は複数の種類を揃えたい
インコにも食の好みがあり、色や味、食感などで好きな野菜も苦手な野菜もあります。
はじめてあげた野菜を食べなかったからといってあきらめず、数種類の野菜を与えてみるとお気に入りが見つかるかもしれませんし、食の楽しみが広がります。
いつも同じものばかりを与えるのではなく、複数の種類をローテーションするのが理想的です。
萎れる前に野菜を回収!1時間くらいで取り上げるのがベスト
インコに与える野菜の条件は できるだけ新鮮であること。
さらに、野菜がしおれる前に早めに回収する!ここに気を配ることも大事です。
青菜は時間がたってしなびていく(=腐敗に向かっていく)ことは 亜硝酸塩が発生する可能性が高いこととイコールです。
だからできるだけ早く青菜を回収して捨てることが必要。
本来は野菜をあげてから1時間くらいで取り上げるのがベストな与え方です。
インコに与える野菜の量を気にするよりも、萎れる前に野菜を回収することが野菜を与える時の重要なポイントです。
インコに野菜を与える頻度は?毎日あげてもいいの?
インコに野菜は毎日与えることが望ましいです。
一般的に主食はインコの体重の1割とされています。
平均体重が30〜40gのセキセイインコの場合は主食は3〜4gが基本ですが、その主食を食べた上で、副菜として野菜を食べるのが理想的です。
なので主食と一緒に野菜をあげると野菜ばかり食べてしまうような野菜好きのインコの場合は 主食とは別の時間に野菜を与えるようにします。
野菜はそれぞれに含まれる栄養素が違いますので、偏りなくさまざまな種類の野菜を日を変えて与えることが好ましいですが、レタスなど水分の多い野菜は軟便になることがあるので、フンの状態を見て野菜の量を調整します。
人間でも何かひとつの食べ物を大量に毎日食べていたら健康上良くないのと同じで、インコの食事もバランスが大事です。
主食とのバランスを考えて、数種類の野菜を交代で与えるようにしましょう。
ただし「与えてはいけない」わけではないものの、与える時に注意しなければいけない野菜もいくつかあります。
インコの野菜で食べていいもの・注意が必要なものの線引きがあやしい件…
インコが食べられる野菜・食べられない野菜・グレーゾーンな野菜が存在し、ネット検索しても見解が分かれすぎているため、誰もが迷うところでしょう。
私も正直「これ!」と断言できず、奥歯にものがはさまったような言い方しかできませんが、この記事では自分が信じている部分を紹介していきます。
賛否両論は各自でご判断いただき、実践は自己判断でお願いします。
- 小松菜(アブラナ科)
- チンゲンサイ(アブラナ科)
- ブロッコリー(アブラナ科)
- ホウレンソウ
- パセリ(光毒性による)
- ネギ・ニラ類
- モロヘイヤ
- 芽キャベツ
- アボカドは猛毒
- バラ科果物の種子は猛毒…リンゴ・サクランボ・アンズ・梅・ナシ・ビワ・モモ・イチゴ
ニンジン カボチャ パプリカ ピーマン サラダ菜 春菊

インコにアブラナ科の野菜を与えても大丈夫?甲状腺へのリスクは?
- 小松菜
- ブロッコリー
- チンゲンサイ
- 白菜
- 菜の花

アブラナ科の野菜はインコに大量に与えると、甲状腺に悪影響を及ぼすリスクがあることがわかっています。

小鳥の定番野菜の小松菜やチンゲンサイがNGだなんて…と絶句する方へ
アブラナ科の野菜には小松菜やチンゲンサイなどのおなじみの野菜が多いので、これを聞いてギョッとする方も多いでしょう。
アブラナ科の野菜にはβカロチンなどの数種類のカロチノイド、ビタミンC、E、K、葉酸やミネラル類、食物繊維など豊富な栄養素が含まれています。
これらをインコに与えるメリットは 豊富な栄養素を補うことができる 安価で一年中買いやすい野菜である インコも好んで食べてくれることが多い…といった点が挙げられます。
アブラナ科の野菜に食べたら大変なことになる毒物が含まれているわけではありません。
何が問題かというと 過剰摂取すると甲状腺腫(首のあたりの甲状腺が腫れ上がる病気)を引き起こす物質(ゴイトロゲン)が アブラナ科の野菜には含まれていることです。
ゴイトロゲンの過剰摂取で起こるインコの甲状腺腫の症状は?
アブラナ科の野菜の過剰摂取によって引き起こされる甲状腺腫は、特にセキセイインコやブンチョウといった小鳥に多いと言われている病気です。
鳥の首から胸のあたりの気管を挟むようにしてある甲状腺が腫れ上がり、呼吸困難や肥満などの症状を引き起こします。
呼吸が荒い、咳をしている
呼吸困難によって苦しそうに上を向いて呼吸している
開口呼吸をしている
ヒューヒュー、キューキューといった呼吸音がする
肥満
羽毛形成不全(羽毛が正常に成長・発達しない)
換羽不全
甲状腺腫はゴイトロゲンを多く含むアブラナ科の野菜の食べ過ぎのほか、ヨウ素の不足や過剰摂取によっても引き起こされます。
ゴイトロゲンを摂取しても「即 病気」…はあり得ない
確かにゴイトロゲンはヨウ素の吸収を阻害する物質ですが、それを食べたからといって即 病気になるものではありませんし、特に健康体のインコなら適度な量を時々摂取することは 栄養面からいって 総合的にはプラス要素なのです。
ただセキセイインコやブンチョウなど甲状腺腫にかかりやすい鳥にとっては 甲状腺腫は呼吸困難や突然死を起こすこともある油断できない病気ですから 注意を払うべき野菜であることは間違いありません。
- アブラナ科の植物…キャベツ 芽キャベツ ブロッコリー、小松菜、チンゲンサイ、カブ、白菜、大根など
- マメ科の植物…大豆 豆苗など
- キャッサバ(タピオカの原料)

甲状腺腫はヨウ素の欠乏が原因のひとつなので、持病がなくて健康的 かつシード食のインコであれば、ヨウ素のサプリメントを与えるのも良いです。
ただし、ヨウ素の摂り過ぎによっても甲状腺腫を発症しますので、摂取量にも注意が必要です。
ペレット食やネクトンSなどのサプリメントを与えている場合は、すでにヨウ素が含まれているので、別途与える必要はありません。
これらの食物を与えてもヨードを与えていれば甲状腺腫になる可能性は低いと考えられます。私はヨードを与えていて甲状腺腫になった症例の経験はないです。ヨードはペレットには含まれています。シードの場合はネクトンSを与えていれば、ヨードのみ与える必要はありません。https://t.co/aaq4Ku6uBC
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 29, 2020
そもそも小鳥が副食として食べる野菜の量は微々たるものですし、全てのヨードの吸収が阻害されることはありません。
すでに甲状腺や呼吸器の持病があって獣医さんに注意されていなければ、それほど問題視する必要はありません。
ただし、インコの体調に異変を感じたらすぐに動物病院を受診してください。
甲状腺腫が知らぬ間に進行すると突然死することもありますので、呼吸に異常を感じたら すみやかに専門医に相談することをおすすめします。
子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人です。
ここには鳥ブログあるあるな「うちの子自慢」や「かわいいでしょ♪アピール」はありません。鳥の飼育本を丸写ししただけの机上の空論解説や、繁殖した雛の販売目的の宣伝PRもありません。鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)が目的のコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新していきます。