インコのスプラウトは長生き栄養剤!生きる発芽シードに勝るものなし
シードのスプラウト(スプラウテッドシード・芽出し餌・発芽シード)はオカメインコにとてもおすすめです。
この画像 はキヌアですが、長く根が延びたものもありますが、ほんの1ミリくらい芽が出た状態の、半野菜(?)的な感じの発芽シードです。
発芽シード(スプラウト・スプラウテッドシード・芽出し餌)にインコまっしぐら!
発芽シードは本当にうちの子たちはみんな大好きです。
「インコまっしぐら!」なので、手間の掛けがいがあるというものです。
インコに限らず、鳥って餌を水につける子がいますよね。
ペレットにしてもシードにしても、どういうわけか水の中にちゃぽんと投入する子がいます。
ペレットは食べる時に喉を通りづらくてインコがオエオエしてしまうことがあるため、その予防や飲み込みやすさのために水につけてることが多いです。
でもシードの場合はそんな必要はないのですから、
…と私は勝手に想像しています(←正論ではないかもなので)
そう思えるくらい、うちの鳥たちは発芽シードを喜ぶのです。
この子たちは 何やらモリモリ食べているので、一人餌になったように見えるかもしれませんが、挿し餌を完全に卒業できていない一人餌練習中の幼鳥です。
そんな幼鳥でも発芽シードをあげてみたら爆食していたので、ちびっ子でもおいしいものはわかるらしい(笑)
ちなみに、一人餌になってから1歳半くらいまでの間に、体調を崩して落鳥(亡くなる)したオカメインコは、うちには1羽もいません。
オカメインコの生涯でもっとも危ういこの時期 を乗り越えられたら、間違ったお世話や管理をしない限り、ほとんどのオカメインコは20年前後の寿命を全うできますが、そのいちばんのキモが食生活であると私は思っています。
野鳥の方が飼い鳥よりもグルメかもしれない件
シード食の飼い鳥は基本的に「乾燥」した脂肪分高めのシードを食べています。
しかし野鳥は、同じシードであっても「生」「乾燥」「発芽」の3パターンの餌を食しています。
発芽段階のタネは脂肪が減り、アミノ酸が増大した栄養価の高い優れた食餌に大変身しています。
種が発芽するときに、デンプンを蓄えた栄養の貯蔵庫である胚乳が炭水化物に変わっていき、この過程で甘みも増すため、鳥にとっては「これはうまい!」と感じる最上のごちそうに変わるのです。
飼い鳥の餌としての「乾燥シード」は、うんともすんとも言わない「眠っている」(あるいは死んでるか仮死状態の)タネです。
つまり飼い鳥は日常的に食べるものには困らないけれど、野鳥に比べたら、あまりおいしいものを食べていない…とも言えます。
野鳥たちは種が動き出すその瞬間を狙って「生きているもの」を食べているだけでなく、昆虫などの優れたたんぱく質もチャンスがあれば摂ることができます。
旬の野菜や野草、果実も、新鮮かついちばんおいしいところを狙って自由に食べられます(冬のプランター菜園はかなり野鳥についばまれますw)
そう考えると、野鳥は飼い鳥よりもずっとおいしいものを食べていて、かつ栄養バランスが取れているのかもしれません。
過酷な野生下では長生きはできないけれども。
自分でスプラウトを作ってインコに与えてもいいのですか?
…の質問に対する回答がこちら
基本は自分で作るものです。与えて食べ残したら、臭いが出る前に撤去すれば問題ありません。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 28, 2021
スプラウトにカビが生えるのは人間のせい!タネや環境のせいではありません
よく「スプラウトがぬめっとした」とか「変なにおいがする」とかいう人がいますが、それは管理が悪いんです。
そりゃあ、そのままにしておいたらカビが生えたりぬるぬるしますよ。濡れてるんですから。
それを防ぐために冷蔵庫を使うなり、殺菌するなりの配慮と気配りがあって当然…食べ物なんですから。
カビを生えさせる人は、それがれっきとした「食品」である認識が欠けているのだと思いますよ。
食べるのが鳥であれ人であれ、スプラウトは「食品」であり「衛生」を第一に考えるのが大前提です。
鳥類はカビやバクテリアに弱い生き物ですから、スプラウトにカビをはやしてしまいがちな人は手を出すべきではありません。
「水につけた餌をあげるなんて気持ち悪い」って…残念な飼い主ですね(笑)
だいぶ前、この発芽シードの画像 を某所にアップしたことがあったんですが、
…と辛辣なコメントされたことがありましてね。ちょっとイラっとしたな、あの時は(笑)
こういう人は植物を生き物だと思ってない可能性があるね。
要するに相手(生き物)の立場に立ってものを考えられない自己中タイプ。
スプラウトとは一生無縁でしょうね、オカメインコ飼ってる人だけど(爆)
発芽シードならすぐできる!茎が伸長したスプラウトにする必要はない
インコの発芽シードは生きたサプリメント
「生きたサプリメント」と言われる所以は、発芽することで栄養成分が増大したり、新しく合成されるところにあります。
植物の種子が発芽する時と芽が成長する時では必要な栄養成分が異なります。
そこで芽が伸びる時には「タネ」だった頃には存在しなかったビタミンやミネラルが必要となり、植物が自分で合成していきます。
ビタミンでは特にB群やE、アミノ酸、酵素、食物繊維などが大幅に増加します。
全体的に微量栄養素の量も種類もバラエティに富むので「生きたサプリメント」と呼ぶにふさわしいものです。
種子が発芽して胚芽に新しい細胞が生まれる時、新たに作り出された栄養素が最高レベルになっているわけで、この段階を利用しているのが発芽玄米をはじめとした発芽食です。
発芽と発芽食の効果とは?
例えば、身近でわかりやすい発芽玄米を例にすると。
玄米のまま体内に取り込むと酵素の活性を阻害する「フィチン酸」が問題になるところですが、発芽玄米にするとフィチン酸が分解される説があります。
ただし発芽で分解されるフィチン酸は少量である説もあるため完全に消滅するかどうかはわからず、この部分は賛否両論ありますが、それでも発芽の過程で抗栄養素が消滅するメリットは見逃せないところです。
もっとも有名な発芽玄米最大のメリットはGABAという名のアミノ酸(ガンマアミノ酪酸)の存在です。
GABAは精神を安定させたり興奮状態を抑えたりといった効果がありますが、ストレスが多いとGABAが多く消費されるため慢性的なGABA不足を招きます。
常にリラックスできないことから疲れやすくなったりメンタルを病むなど、GABA不足は現代社会では普通にあることですが、発芽玄米を摂ることで効率的にギャバを体内に取り込むことができます。
発芽食の代表格である発芽玄米は、実は日本人が縄文時代から食していた米の食べ方であり「戦国武将も発芽玄米を食べていくさに出ていた」話もあるくらいなので、日本古来のパワーフードには違いありません。
そのくらい「発芽」と「発芽食」の効果は大きなものです。
しかし食物も人体と同じで未解明な点が多く、動物性であれ植物性であれ食物は栄養と毒を併せ持つなどの一長一短があり、「これが絶対おすすめ!」と断言ないのが残念です。
ここではわかりやすい例として発芽玄米を挙げましたが、インコの発芽シードに玄米を特に強くおすすめしているわけではありません。スプラウトづくりに何を選ぶかの選択肢はたくさんあります。

インコの発芽シードとスプラウトの違いは?
発芽シードは1ミリくらいちょろっと芽(ツノ)が出たところで与えるのがいちばん栄養価が高いので、もやしみたいに「発芽しました!」と主張するところまで置いておく必要はないです。
原理は「発芽玄米」と同じです。
ブロッコリースプラウトや豆苗のように茎が伸長したものは野菜扱いになりますが、ここでいうところの発芽シードはその手前の段階…
つまりインコの発芽シードとは「栄養価がグーンと高まり、おいしくなった胚乳」をインコに食べさせるものを指しています。
市販されている鳥用のスプラウトですでに発芽されている商品は、すでにもやしになっているものもちらほらあります。
それは成長のためにだいぶエネルギーを削がれてしまっているので、栄養価的にはちょっともったいないですね。
乾燥シードから自分の手で発芽シードを作らないと、栄養価の高い「生きたサプリメント」とは呼べない場合が多いです。
インコの発芽シード・スプラウトを与える時の注意点
これ のことを指しているのではないですが…
スプラウト食べ食べヨウム。
スプラウト育てるの楽しすぎる☺️💓 pic.twitter.com/MzisghInnB
— めい@ヲタ女とインコライフ (@yumwsabi) February 20, 2023
市販のインコ用スプラウトのミックス(乾燥・自分で発芽させるタイプ)やすでに発芽しているインコ用の瓶詰めスプラウトはマメ率が高い気がします。
インコ用スプラウトミックスに入っている豆類について
スプラウトミックスにマメ率が高いのは、見栄えがよくておいしそうに見えるから?飼い主の気持ちをそそるためですかね?
豆類はカラフルで大きくて存在感がありますし、販売ページの画像ではそれを強調するためなのか、豆がゴロゴロ入ってたりします。
私は「生きたサプリメント」と考えて与えるならば、もっとあっさりしている方がいいんじゃないかな?と思っています。
これはオカメインコサイズ以下の体が小さなインコに対しての個人的見解であって、大型インコ・オウムはそうでもないかもしれません(大型種については門外漢なのではっきりわかりません)
それと…こういう話 も本で読んだので
The safest beans to be offered raw(sprouted or soaked )are mung and adzuki beans.
(スプラウトで提供するもっとも安全な豆は緑豆と小豆です) via:Go raw!
豆類は与える種類も量も注意した方がいいのではないか?と思ったこともあります。
それに発芽させる時の現実問題として…いろんな種類のミックスは一斉に発芽すればいいですが、そううまくはいかないこともあります。
気候や時季によっては発芽にばらつきが出るからです。
特に生の乾燥豆は鳥に食べさせてはいけないもののひとつです。
発芽していない豆を与えないように気をつけるのはもちろんですが、豆の発芽がうまくいかなければ ひとつひとつチェックしなくてはいけないケースもあり得ます。
スプラウトに初めてチャレンジする方は発芽させるシードの種類を少なくした方が楽だし安上がりですから、最初は豆抜きでやってみるのがいいかもしれません。
スプラウト作りをば。#インコ #シードMIX #スプラウト pic.twitter.com/uQjacVYX1T
— 淺草綾 (@sugisawaaya) February 5, 2017
生きているシードならいつもの餌で発芽シードを作ってもよくて、必ずしもインコ用のお高いスプラウトシードを購入する必要はありません。
ただ、皮付きシードの中には発芽しないものもありますので、発芽シードづくりには無農薬の質の良いシードを選んでみることをおすすめします。
発芽シード・スプラウトの柔らかさは調節できる
市販のインコ用スプラウト(海外メーカーの瓶詰めなど)を選ぶ人の中には、発芽シードに「柔らかさ」を求めている人もいるみたいですね。
私はその実物を買ったことがないのではっきりしたことは言えないのですが…
まさかインコのスプラウトを柔らかくするために薬品を使っているとは思えないので、時間が経っているからスプラウトが柔らかいのだろう…と思っているんだけど…???
さらにわからないのは…スプラウトって「生きている」はずなのに、長期間、密閉した瓶に詰めておけるものなのか?という疑問が自分の中にはあります。
瓶詰を開封してもスプラウトの成長が進まないのであれば、それは「生きていない」ので、スプラウトもどきの「加工品」であると納得できるんですが。
でもそうすると、見た目はスプラウトでも栄養価はいまいち…ということになるのか???
一般的な発芽スピードであればスプラウトは概ね8日を過ぎると栄養価面の下降が始まりますから、栄養がなければ、サプリメントどころか「おやつ」のレベルになってしまうのでは?
たぶん、これらは全部、ずっと解けない疑問のままだと思う…
まあそれはさておき、スプラウトに柔らかさを求める時のお話ですが。
ほとんどの種子の柔らかさは根の長さに比例します。
だから自分で育てて毎日観察していると、それまでは硬かったスプラウトがゆるむというか、柔らかくなる瞬間…というか、そのあたりの時間的な感覚がわかってきます。
特に大粒のシードや豆類ではそれが顕著に現れるのでわかりやすいです。
本来インコの発芽シードはツノが出たくらいで与えていいのですが、食べさせるのが病鳥や老鳥であれば、常に衛生状態を配慮しながら、発芽シードのかたさを調整して与えるのがおすすめです。
発芽シードは工夫すれば1年中自分で作れますから、老鳥・病鳥でなくても、胃が悪いインコに与えてみるといいですよ。
エンバクやオーチャードグラスを主食にするのがお勧めです。エンバクを食べない場合は、ムキ餌をミルで砕いた物かフォニオパディのような小さいシードを使うこともできますが胃の負担はさほど取れません。どうしてもシードしか食べない場合はスプラウトにしたり、ムキ餌をお湯でふやかして与えます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 27, 2021
ヒマワリの種は発芽シードにすればインコに安心して与えられる
高脂肪なひまわりはシードのまま与えるのを躊躇するものですが、発芽シードにすれば安心して与えられます。
ひまわりは発芽がすぐ確認できるのも老眼には嬉しい点(汗)
ぐんと成長しても、野菜として見るからにおいしそうですよね。
ヒマワリスプラウトは日本では認知度が低いですが、アメリカでは大人気で、サラダによく使われている人気スプラウト素材です。
ヒマワリに限らずどの種類のスプラウトでも、温暖な季節にぐーんと育ちすぎてしまったら「食べられる観葉植物」にしてしまえばいいです。
カットした豆苗の根っこ部分の水栽培を続けて、伸びてきた新芽を再利用するのと同じこと。
みずみずしいグリーンが目の保養になると同時に、放鳥時のインコのいいおやつにもなります。
インコの発芽シードは「生鮮食品」だからその日のうちに使いきるのがベスト
作った発芽シードはできるだけ早く消費することが大切です。
スプラウトの保存で冷蔵や冷凍をすすめている情報もありますが、栄養価面を考えると、個人的にはそういう長期保存はおすすめしません。
なぜなら「おやつ」で与えるのではなくて「生きているサプリメント」として与えるから。
それと同時に、発芽シード(スプラウト)は生鮮食品であることを忘れないでください。
「生鮮」ですから、その日のうちに使いきれる量をこまめに作ってその都度与えることが大切です。
これが発芽シード提供の理想形です。