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インコの足が悪いときのケージレイアウトとバリアフリー化の進め方

インコの足が悪いときのケージレイアウトとバリアフリー化の進め方


インコは足が悪くなると止まり木に止まれず(止まらず)床で過ごすことが多くなります。

そんな時はケージ内をバリアフリーにしてできるだけ快適に過ごせるように配慮する必要があります。

インコの足がおかしい時はまず床を平らにする

インコの足がおかしい、動かない、弱い、悪い…などと感じたら、まずは糞切り網を撤去します。

インコが糞切り網の上に落ちると怪我をする恐れがありますから、まずはそれを取り除きます。

インコは足が悪くなると床に腹這いになることが多いので、床生活のインコは腹部や胸部が汚れます。

羽がこすれてなくなったり、炎症が起きたり、皮膚病のリスクが高くなってきますので、腹這いでも皮膚に負担がかからないように、キッチンペーパーなどの通気性の良いものを敷いてあげるのがおすすめです。

毛布などの柔らかい布を敷くときは、インコの爪が布にひっかからないかをよく観察しながら使用します。

褥瘡(床ずれ)ができてしまった場合の注意点

脚力が弱って床にいると褥瘡ができることがある例

床生活で羽が汚れやすい時はトリミングする方法も

止まり木を低くしたりハシゴ型のおもちゃを利用して居心地の良い居場所を作る

インコは足が悪くても高い位置に行きたがります。これはインコの習性からくるもので、外的から身を守るための行動です。

足の痛みが強いときや立つことができないときは、止まり木は板状のものが良いです。

足が悪いインコでも落下する心配が少ない「へんしん丸太」 のようなハシゴ的なものを利用するのもおすすめです。いつも使っている止まり木に板をのせるだけでも止まり木にのれるので、落下の心配が減ります。

うちにも事故により足が不自由なオカメインコがいますが、止まり木につかまれないものの、できるだけ上部に上がりたくてしかたがないそぶりを見せます。

この子は飛ぶ力も十分にあるので、蝉のように上の方の網に張り付いて過ごすことが多かったのです。

そこで私はかじり木コーンを1ダース買ってきて、それらをいかだのように並べて、上に乗って過ごせるコーナーをケージの中に作りました。

フラットな一枚板だとフンですぐ汚れるのがいやでかじり木コーンを選んだのですが、これは正解でした。

頻繁に水洗いできない場合は、上面が汚れたら向きを回転させたり裏返したりして使えますし、かじってボロボロな部分だけを抜き取って、部分的な取り換えができるのが便利です。

その子もとても気に入ってくれたので結果オーライでした。

インコの足が悪い原因が痛風である場合は、足の痛みがコントロールできるようになれば、いつもの止まり木のままでも大丈夫です。

それでも足への負担を考えて常に止まり木に保護テープ を巻いておいたほうがいいでしょう。

止まり木に保護テープを巻く方法

止まり木の位置ですが、落下の危険性を考え、できるだけ低い位置に設置します。

床すれすれでも少し高さがあればインコは喜びますので、床生活になってしまったのなら、こういう 据え置き型の止まり木もおすすめです。

高さを低くすれば落下による骨折や脱臼などでさらに足が不自由になることが防げて一石二鳥です。

インコが片方の足をかばう場合にはもう片方の足に負担がかかりますので、足の保護も重要です。

直接止まり木に足が触れると痛みが強くなったり、バンブルフットになることがあります。

インコのバンブルフット!趾瘤症対策に止まり木保護テープのすすめ
インコのバンブルフット(趾瘤症)を予防・改善するための止まり木と保護テープの使い方

足の状態によっては足に直接テーピングや包帯が巻けないこともありますが、止まり木に保護テープを巻いてあげるだけでも足への負担がだいぶ軽減できます。

食器とおもちゃを移動しやすい低い位置に設置する

足が悪いインコは移動が不自由でうまく動けません。

水入れと餌入れはインコが腹這いでも飲食可能な低めの位置に取り付けます。

愛用しているおもちゃもインコがすぐに取れる位置に置きます。

水入れや餌入れ、おもちゃに素早く移動できなくても、できるだけ不自由なく過ごさせてあげる工夫が必要です。

適度な保温と保湿が必要

足が悪いインコは体力が低下していることが多いため、適度な保温と保湿が必要になります。

インコの体力低下は足の悪化につながる恐れもありますので、ケージ内の温度と湿度の管理にも気をつけてください。

鳥かごの完全バリアフリー化には療養ケージの見直しがおすすめな場合も

足が悪いインコは広すぎるケージでは保温効果も下がりますし、何より落ち着かないことがあります。

どうしても床生活を余儀なくされる場合にはケージを小さめのサイズにしてあげた方が、インコにとっても飼い主にとっても都合が良いことが多いです。

インコの大きさや様子や活動量によりますが、状況に合わせて臨機応変にケージの大きさを変えてください。

足の悪いインコの移動はなるべく小さなケースを選ぶ

特に気を付けるべきは、通院時の移動の揺れはインコの足に負担がかかる点です。

移動が必要な時はなるべく小さめのケースを選ぶのがおすすめです。

床生活の療養にはHOEIケージdeファーミィSが使いやすい

HOEI ケージdeファーミィSは天井が低く、大きく開き、全開にも半開にもできるので、足の悪い鳥や老鳥の出し入れや日々のお世話に重宝するケージです。

サイズは幅380x奥行310x高さ250mm 重さは1480g

このケージは挿し餌中の雛のお世話にも使われるシーンが多いです。

挿し餌の雛を、大きな成鳥用ケージに移動する前の「馴らし」用としてこのケージを使っている方もいますが、私はこのケージは足が悪くなって移動がしづらくなったインコにこそ向いていると思います。

インコの足が悪い原因は老化だけではない!痛風と腎臓疾患でも足がおかしくなる

インコが足を引きずるようになった。止まり木に止まらない、止まれなくなった。止まり木から頻繁に落ちる。こんな症状が見られたら「老化」と決めつけず、すぐに病院を受診してください。インコの痛風が疑われます。

痛風であれば痛みを伴うので、インコは苦しんでいるはずです。

痛風は老鳥に多く見られますが、原因が遺伝性であれば雛にも発症します。

症状が足に現れれば(関節痛風)わかりやすいですが、突然死が起こりやすい内臓痛風(尿酸が内臓にたまる)では病院で血液検査をしないとわかりません。

痛風の原因はいろいろありますが、若いころから肥満傾向にあったインコに痛風が多く見られるので、体重管理も大切です。

インコの痛風からくる症状は?

インコの痛風から起こる症状は以下の通りです。
痛みで跛行する(関節痛風)
足を引きずる
止まり木に止まれなくなる
足の関節が腫れる
関節に黄白色のかたまり(尿酸結節)ができる
体調不良…食欲不振、元気衰退、衰弱
下痢
多尿

インコの痛風は腎不全を併発していることがある

インコの痛風は腎不全を併発していることがあるため、多尿の症状がでやすいです。フンが水様便になることが多いのも特徴です。

関節痛風は関節の異常から足の麻痺がおこる

脚を挙げる、指を曲げにくそうにする、関節が腫れる、引きずる、止まり木から落下する…といった症状がみられます。関節の異常から脚の麻痺が生じるのが関節痛風です。

痛風の初期症状は、脚の皮膚下に黄白色の結節ができます。これが進行すると関節部分に黄色やクリーム色をしたわかりやすい隆起ができます。

痛風の初期は痛みが強く起こります。

内蔵痛風は症状が表出しないので気づかない

内蔵に尿酸が沈着することもあるのがインコの痛風の怖いところで、これを内蔵痛風と言います。

内蔵痛風になると、尿酸が内蔵に沈着するため発見が難しく、突然死も多く起こります。

インコの痛風の原因は?


ビタミンA不足
たんぱく質の摂りすぎ
水分摂取不足
寒さ
ストレス
中毒
感染症
遺伝

人の痛風は遺伝的な要因が多いですが、鳥の痛風は 一部に遺伝もあるものの、ほとんどは腎不全からくることが多いと言われています。

インコの痛風は治るのか?

内臓痛風も関節痛風も一度発症したら治ることはありません。

痛風による痛みや、腎臓の炎症に対して対症療法や食事療法をしながら暮らしていくことになります。

痛風による関節の痛みは初期段階では非常に強いですが、進行すると痛みは軽減していくということで、鎮痛薬でのコントロールが可能になります。

鎮痛薬で痛みが軽減可能になれば痛みによる食欲低下や元気喪失がやがて回復しますから、再び美味しそうに餌を食べる姿や、止まり木に止まる姿を見られます。

ですが、インコは病気を隠す生き物です。体調の悪さを表に出しませんし、内臓痛風はわかったときには
時すでに遅し…が多いですから、早期発見ができれば幸運といえます。

インコの痛風は、治ることを目標にするよりもうまく症状をコントロールしながら暮らしていくことが、インコにとっても飼い主にとっても最善です。

内蔵痛風は「突然死」という形で現れることが多い

インコの痛風は命に直結するといっても過言ではない病気です。インコが痛風を発症しているときはすでに腎臓不全になっていることが多いからです。

痛風のなかでも内臓痛風は突然死という形で現れることが多く、生前の発見が難しいもので、死因が痛風であったとわかるのは死後解剖後になります。

寿命など考えている余裕がないのが内臓痛風ですが、それでも生前に見つける方法があります。小鳥の診察に長けた獣医がいる病院で血液検査をすることです。

腎機能と尿酸の値を調べると内臓痛風のリスクがわかります。

関節痛風は注意深いケアで症状をコントロールできる

痛風に多いのが関節痛風で、特にセキセイインコに多く発症する病気です。

関節痛風を発症したからといってすぐに命を落とすことはありませんが、注意深くケアする必要があります。

痛風がインコの寿命に直接関係するというよりは、腎不全が重症化すると命を落とすことがあります。

近年は10年以上生きるご長寿のインコが多いですから、痛風の症状をコントロールしながら、腎臓機能を悪化させないようにケアすることで、寿命いっぱい生きられる可能性は十分にあります。

飼い主ができる痛風の予防対策は?

栄養バランスの取れた食餌を与える…ビタミンA不足に注意
常に新鮮な水を与える(しっかり水分を摂取させる)
寒さ対策を含めたストレスの少ない環境整備
体重管理。若いころから肥満のインコに痛風が多い

インコの痛風は治療が難しい病気なので、食生活と飼育環境を整えることで 未然に発症を防ぐことを心がけていきましょう。

▶インコ飼育本のおすすめ

鳥のお医者さんの「発情」の教科書

インコ・オウム、文鳥など、飼い鳥の発情について最新の情報を記載した初の書籍。鳥の専門医によるわかりやすい解説で、産卵や発情に伴う攻撃性上昇など、飼い主さんを悩ませる発情の問題を詳しく・具体的に深掘りします。
 
1章 鳥の体・性の話 
2章 発情期を理解しよう 
3章 発情抑制につながる暮らし方 
4章 ホルモン療法薬による発情抑制 
5章 発情に関連する病気
 
巻末付録:20鳥種別!発情抑制対策・お役立ちシート ご自宅の鳥さんの発情対策の具体的な数字がわかる!目安体重、1日の食事量、日長のタイプ、オス・メス別の発情行動の特徴などを20鳥種ごとに分けて記載。

インコのための最高のお世話

とても奥深く、人を魅了してやまないインコの世界。本書は、インコとはどんな生きものなのか、インコの気持ちを理解し、いっしょに幸せに暮らしてもらうための1冊です。
 
「インコはどんなときに飛びたくなるの?」「何をつぶやいているの?」「どうして高いところからおりてくれないの?」インコの行動には理由があります。インコの気持ちに寄り添い、行動を理解し、幸せに暮らしてもらえるよう最新の情報を踏まえ、最高のお世話を紹介しました。
 

オカメインコとともに

オカメインコと暮らし続ける著者による、オカメインコを知り、ともに生きるための指南書。これから暮らす人からベテラン飼い主さんまで。
 
私はオカメインコと暮らし始めて12年になりますが、オカメインコの魅力や鳥同士、人との関係性や心理についても丁寧に書かれている上、老いや病気についても触れており、自分の飼育についての新たな気づきや振り返りをする事が出来て良かったです。ページ数は多いですがイラストや写真も多く、何度も繰り返し読みたくなる本です。

鳥のお医者さんのためになるつぶやき集

インコ、オウム、文鳥など、愛鳥のことがもっとよくわかる!鳥の飼い主さんなら知っておきたい、お世話のコツや鳥の心・体・病気のことを、鳥医療のパイオニア・横浜小鳥の病院院長の海老沢先生が詳しく解説します。
 
Twitterで発信される著者ならではの鳥の飼育・医学情報を1冊にまとめました。Twitterの文字制限にはおさまらない書き下ろし原稿がぎっしり。
 
鳥さんの健康記録ノート

長生きする鳥の育てかた: 愛鳥と末永く幸せに暮らす方法、教えます

愛鳥に元気で長生きしてもらうために。飼いはじめたときから知っておきたい、体・心のケアと「バード・ライフ・プランニング」のススメ。
 
愛鳥を短命にする要素を一つずつ取り除いていくことで、長生きが見えてきます。また、健康診断や緊急時の対応など、鳥の医療をどう活用するかも、長寿をめざす鳥にとっては大切な要素になります。これらのケアについて、またリスクやそれにどう対応すればよいのかを詳しくまとめました。

 

インコのひみつ

周りから浮かないように空気を読んで振舞ったり、相手を束縛するほど激しい恋に落ちたり、チヤホヤされたくて仮病を使ったり…。飼い鳥として最も身近なインコには、実は驚くほどの「脳力」があり、まるで人間と見紛うような複雑な心理を持っています。知っておきたい健康管理術から気持ちを読み取る方法、インコの本当の幸せまでを科学の目線で解き明かします。
 
「自由にさせてもかまわない部分は、あまり干渉せず、好きにふるまわせる。インコがもつ心と意思を大切にする。ケージから外に出られる放鳥時間はあっても、かなりの時間を安全なかわりに不自由でもあるケージですごしてもらわなくてはいけないインコだからこそ、その心や意思をちゃんと尊重するべきだと、思っています」これこそ、人間とインコが同じ場所で同じ時期を生きる共生の思想なのです。
 

必ず知っておきたいインコのきもち 増補改訂版 幸せな関係を築く58のポイント

インコの素晴らしさは、飼ってみないとわからないでしょう。そして、インコほど「愛にあふれている」素敵な生き物はいないと私は思っています。この本は飼い方よりもインコの気持ちを中心に書かれています。インコではない私たちが、インコの気持ちを正確に書くことはできませんが、愛鳥家の皆様からいただいた素敵な写真から、インコの表情や感情を感じ取りながらお読みいただけたら、とても楽しいのではないかと思います。
 
※ 本書は 2019年2月発行の「必ず知っておきたい インコのきもち 幸せな関係を築く50のポイント」を元に内容を確認し加筆・修正をしたほか、項目の追加および再編集をし、書名・装丁を変更しています。
 

▶しあわせインコライフ