インコの足が悪いときのケージレイアウトとバリアフリー化の進め方
いつも参考にしております。痛風の老鳥セキセイインコがいます。止まり木に止まれる時は床の生活じゃなくても良いのでしょうか?
— なん (@nans_onigiri) January 13, 2023
あぁぁ!お返事ありがとうございます😭止まり木に止まりたがるので外してしまうのが心苦しく感じていました。
インコの希望に沿った生活をさせてあげたいです。— なん (@nans_onigiri) January 13, 2023
インコは足が悪くなると止まり木に止まれず(止まらず)床で過ごすことが多くなります。
そんな時はケージ内をバリアフリーにしてできるだけ快適に過ごせるように配慮する必要があります。
インコの足がおかしい時はまず床を平らにする
インコの足がおかしい、動かない、弱い、悪い…などと感じたら、まずは糞切り網を撤去します。
インコが糞切り網の上に落ちると怪我をする恐れがありますから、まずはそれを取り除きます。
インコは足が悪くなると床に腹這いになることが多いので、床生活のインコは腹部や胸部が汚れます。
羽がこすれてなくなったり、炎症が起きたり、皮膚病のリスクが高くなってきますので、腹這いでも皮膚に負担がかからないように、キッチンペーパーなどの通気性の良いものを敷いてあげるのがおすすめです。
毛布などの柔らかい布を敷くときは、インコの爪が布にひっかからないかをよく観察しながら使用します。
褥瘡(床ずれ)ができてしまった場合の注意点
趾に障害が出て止まり木にとまれなくなり床で生活していると、当たっている部分が赤くなったり趾瘤症になったりすることがあります。この場合の対策は太ってるなら食事制限をして体重を正常に戻すことと床を柔らかくすることです。柔らかくするにはタオルの上にリードクッキングペーパーがお勧めです。 pic.twitter.com/jrmETanOt9
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 28, 2022
脚力が弱って床にいると褥瘡ができることがある例
こちらのボタンインコは定期的に通院していましたが、急に褥瘡ができていました。最近、高齢のせいか床敷の新聞紙に潜っていることが増えたとのことでした。脚力が弱り硬い床に踵を着いていると、すぐにこのような褥瘡ができることがあります。目立たない所なので、よく観察しましょう。 pic.twitter.com/CDmrihOH9M
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 17, 2022
踵を着かざるを得ない状態の場合は、鳥もそのような対処になります。健康なのになっている場合は、足場や生活の問題になりますので、それを改善します。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 18, 2022
踵の褥瘡は床について体重を支えていることなので、止まり木が太いか、硬い平らな所にいることが多いです。また肥満で体重が重かったり、何らかの原因で握力が弱くても、踵から跗蹠に褥瘡ができる原因となります。
治療法は、そのようになります。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 18, 2022
床生活で羽が汚れやすい時はトリミングする方法も
はじめまして。いつも勉強させていただいています。
トリミングとは目から鱗です。
うちの文鳥は10歳を超え床生活が長く、最近排便障害があります。
エコー検査で消化管に腫瘍らしきものがあるとのことですが、脚に力が入らず便が出にくいことがあるのでしょうか?お腹は常に張っている気がします。— おへん@管理栄養士 (@healthypenguin1) June 28, 2021
止まり木を低くしたりハシゴ型のおもちゃを利用して居心地の良い居場所を作る
インコは足が悪くても高い位置に行きたがります。これはインコの習性からくるもので、外的から身を守るための行動です。
足の痛みが強いときや立つことができないときは、止まり木は板状のものが良いです。
足が悪いインコでも落下する心配が少ない「へんしん丸太」 のようなハシゴ的なものを利用するのもおすすめです。いつも使っている止まり木に板をのせるだけでも止まり木にのれるので、落下の心配が減ります。
うちにも事故により足が不自由なオカメインコがいますが、止まり木につかまれないものの、できるだけ上部に上がりたくてしかたがないそぶりを見せます。
この子は飛ぶ力も十分にあるので、蝉のように上の方の網に張り付いて過ごすことが多かったのです。
そこで私はかじり木コーンを1ダース買ってきて、それらをいかだのように並べて、上に乗って過ごせるコーナーをケージの中に作りました。
フラットな一枚板だとフンですぐ汚れるのがいやでかじり木コーンを選んだのですが、これは正解でした。
頻繁に水洗いできない場合は、上面が汚れたら向きを回転させたり裏返したりして使えますし、かじってボロボロな部分だけを抜き取って、部分的な取り換えができるのが便利です。
その子もとても気に入ってくれたので結果オーライでした。
インコの足が悪い原因が痛風である場合は、足の痛みがコントロールできるようになれば、いつもの止まり木のままでも大丈夫です。
それでも足への負担を考えて常に止まり木に保護テープ を巻いておいたほうがいいでしょう。
止まり木の位置ですが、落下の危険性を考え、できるだけ低い位置に設置します。
床すれすれでも少し高さがあればインコは喜びますので、床生活になってしまったのなら、こういう 据え置き型の止まり木もおすすめです。
高さを低くすれば落下による骨折や脱臼などでさらに足が不自由になることが防げて一石二鳥です。
インコが片方の足をかばう場合にはもう片方の足に負担がかかりますので、足の保護も重要です。
直接止まり木に足が触れると痛みが強くなったり、バンブルフットになることがあります。
足の状態によっては足に直接テーピングや包帯が巻けないこともありますが、止まり木に保護テープを巻いてあげるだけでも足への負担がだいぶ軽減できます。
食器とおもちゃを移動しやすい低い位置に設置する
足が悪いインコは移動が不自由でうまく動けません。
水入れと餌入れはインコが腹這いでも飲食可能な低めの位置に取り付けます。
愛用しているおもちゃもインコがすぐに取れる位置に置きます。
水入れや餌入れ、おもちゃに素早く移動できなくても、できるだけ不自由なく過ごさせてあげる工夫が必要です。
適度な保温と保湿が必要
足が悪いインコは体力が低下していることが多いため、適度な保温と保湿が必要になります。
インコの体力低下は足の悪化につながる恐れもありますので、ケージ内の温度と湿度の管理にも気をつけてください。
鳥かごの完全バリアフリー化には療養ケージの見直しがおすすめな場合も
足が悪いインコは広すぎるケージでは保温効果も下がりますし、何より落ち着かないことがあります。
どうしても床生活を余儀なくされる場合にはケージを小さめのサイズにしてあげた方が、インコにとっても飼い主にとっても都合が良いことが多いです。
インコの大きさや様子や活動量によりますが、状況に合わせて臨機応変にケージの大きさを変えてください。
足の悪いインコの移動はなるべく小さなケースを選ぶ
特に気を付けるべきは、通院時の移動の揺れはインコの足に負担がかかる点です。
移動が必要な時はなるべく小さめのケースを選ぶのがおすすめです。
床生活の療養にはHOEIケージdeファーミィSが使いやすい
HOEI ケージdeファーミィSは天井が低く、大きく開き、全開にも半開にもできるので、足の悪い鳥や老鳥の出し入れや日々のお世話に重宝するケージです。
サイズは幅380x奥行310x高さ250mm 重さは1480g
このケージは挿し餌中の雛のお世話にも使われるシーンが多いです。
挿し餌の雛を、大きな成鳥用ケージに移動する前の「馴らし」用としてこのケージを使っている方もいますが、私はこのケージは足が悪くなって移動がしづらくなったインコにこそ向いていると思います。
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インコの足が悪い原因は老化だけではない!痛風と腎臓疾患でも足がおかしくなる
インコが足を引きずるようになった。止まり木に止まらない、止まれなくなった。止まり木から頻繁に落ちる。こんな症状が見られたら「老化」と決めつけず、すぐに病院を受診してください。インコの痛風が疑われます。
痛風であれば痛みを伴うので、インコは苦しんでいるはずです。
痛風は老鳥に多く見られますが、原因が遺伝性であれば雛にも発症します。
症状が足に現れれば(関節痛風)わかりやすいですが、突然死が起こりやすい内臓痛風(尿酸が内臓にたまる)では病院で血液検査をしないとわかりません。
痛風の原因はいろいろありますが、若いころから肥満傾向にあったインコに痛風が多く見られるので、体重管理も大切です。
キツイと思いますが、ビタミンと水は欠かさないでください
寒いと尿酸が出なくなるので30℃位保温してあげてください、そうでなくても痩せていきますが寒いとカロリーを余計大量に消費します
脚を上げて味に白い粒ができたらもうやばいので病院で痛風の薬貰ってください、激痛です— 🍏せと©︎🍏 (@cetoXabc) December 30, 2022
インコの痛風からくる症状は?
インコの痛風から起こる症状は以下の通りです。
痛みで跛行する(関節痛風)
足を引きずる
止まり木に止まれなくなる
足の関節が腫れる
関節に黄白色のかたまり(尿酸結節)ができる
体調不良…食欲不振、元気衰退、衰弱
下痢
多尿
14歳のメスのコザクラインコが左足を引きずるとのことで来院しました。レントゲン検査を行った所、左腎臓(赤)が萎縮しているのが見つかりました。通常は右腎臓(黄)のような影が見えます。鳥は坐骨神経が腎臓内を通っているため腎臓の萎縮や腫瘍によって神経に圧迫がかかると足の動きに影響がでます pic.twitter.com/qwZoZU6Hnn
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 9, 2021
インコの痛風は腎不全を併発していることがある
インコの痛風は腎不全を併発していることがあるため、多尿の症状がでやすいです。フンが水様便になることが多いのも特徴です。
こちらは痛風のオカメインコの糞です。多尿で尿酸が固まらず便形も崩れています。腎不全になると水分尿が多くなるため糞洞内で水分が吸収がしきれず、便と尿酸の形状が崩れます。右の画像は痛風の初期で足の皮膚の下に黄色い結節ができ始めています。このような初期症状を見逃さないようにしましょう。 pic.twitter.com/xxvXy2hb6q
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 17, 2022
関節痛風は関節の異常から足の麻痺がおこる
脚を挙げる、指を曲げにくそうにする、関節が腫れる、引きずる、止まり木から落下する…といった症状がみられます。関節の異常から脚の麻痺が生じるのが関節痛風です。
こちらは痛風結節が見られるセキセイインコの脚です。結節は趾と踵の関節に出やすいです。老齢で脚を庇っている時には趾と踵が腫れてないかチェックしましょう。鳥の痛風は腎不全によって起こります。腎不全はビタミンA不足でなりやすくなります。進行を防ぐには蛋白質摂取量を減らす必要があります。 pic.twitter.com/gnWUHFtONm
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 18, 2021
痛風の初期症状は、脚の皮膚下に黄白色の結節ができます。これが進行すると関節部分に黄色やクリーム色をしたわかりやすい隆起ができます。
痛風の初期は痛みが強く起こります。
内蔵痛風は症状が表出しないので気づかない
内蔵に尿酸が沈着することもあるのがインコの痛風の怖いところで、これを内蔵痛風と言います。
内蔵痛風になると、尿酸が内蔵に沈着するため発見が難しく、突然死も多く起こります。
インコの痛風の原因は?
ビタミンA不足
たんぱく質の摂りすぎ
水分摂取不足
寒さ
ストレス
中毒
感染症
遺伝
人の痛風は遺伝的な要因が多いですが、鳥の痛風は 一部に遺伝もあるものの、ほとんどは腎不全からくることが多いと言われています。
インコの痛風は治るのか?
内臓痛風も関節痛風も一度発症したら治ることはありません。
痛風による痛みや、腎臓の炎症に対して対症療法や食事療法をしながら暮らしていくことになります。
痛風による関節の痛みは初期段階では非常に強いですが、進行すると痛みは軽減していくということで、鎮痛薬でのコントロールが可能になります。
鎮痛薬で痛みが軽減可能になれば痛みによる食欲低下や元気喪失がやがて回復しますから、再び美味しそうに餌を食べる姿や、止まり木に止まる姿を見られます。
ですが、インコは病気を隠す生き物です。体調の悪さを表に出しませんし、内臓痛風はわかったときには
時すでに遅し…が多いですから、早期発見ができれば幸運といえます。
インコの痛風は、治ることを目標にするよりもうまく症状をコントロールしながら暮らしていくことが、インコにとっても飼い主にとっても最善です。
内蔵痛風は「突然死」という形で現れることが多い
インコの痛風は命に直結するといっても過言ではない病気です。インコが痛風を発症しているときはすでに腎臓不全になっていることが多いからです。
痛風のなかでも内臓痛風は突然死という形で現れることが多く、生前の発見が難しいもので、死因が痛風であったとわかるのは死後解剖後になります。
寿命など考えている余裕がないのが内臓痛風ですが、それでも生前に見つける方法があります。小鳥の診察に長けた獣医がいる病院で血液検査をすることです。
腎機能と尿酸の値を調べると内臓痛風のリスクがわかります。
関節痛風は注意深いケアで症状をコントロールできる
痛風に多いのが関節痛風で、特にセキセイインコに多く発症する病気です。
関節痛風を発症したからといってすぐに命を落とすことはありませんが、注意深くケアする必要があります。
痛風がインコの寿命に直接関係するというよりは、腎不全が重症化すると命を落とすことがあります。
近年は10年以上生きるご長寿のインコが多いですから、痛風の症状をコントロールしながら、腎臓機能を悪化させないようにケアすることで、寿命いっぱい生きられる可能性は十分にあります。
飼い主ができる痛風の予防対策は?
知らんかった💦
インコにも痛風とかあんねや。
獣医師は「水飲ませろ」言うてたわ(水)#インコ#痛風 pic.twitter.com/CbIn60IYHr— まさちん(◍˙∞˙◍) (@masachin_48) July 24, 2020
栄養バランスの取れた食餌を与える…ビタミンA不足に注意
常に新鮮な水を与える(しっかり水分を摂取させる)
寒さ対策を含めたストレスの少ない環境整備
体重管理。若いころから肥満のインコに痛風が多い
インコの痛風は治療が難しい病気なので、食生活と飼育環境を整えることで 未然に発症を防ぐことを心がけていきましょう。