オカメインコの飼い主さんの寄稿です
これは5羽のインコを飼育する我が家の家族が、オカメインコを空に飛ばしてしまってから無事保護するまでの体験談です。
インコが逃げた時の探し方!オカメインコの脱走から捕獲までの奮闘記
…とLINEが来たのは仕事中、高速道路ジャンクションのくねくねした道の途中でした。
それを見た私は頭の中が一瞬真っ白になりました。
動揺とその後こみ上げてくる怒りのために、かなりの危険運転となってしまったかもしれません。
オカメインコルチノーのゆきちゃんは おじいちゃん経営のペットショップの店先でコザクラインコと一緒に鳥かごに入れられて売られていた子でした。
生後4か月ということでしたがしっぽが全くなく、見るに見かねて
…と意気込んで連れ帰ったオカメインコがゆきちゃんです。
ゆきちゃんは 少し先輩でさし餌の頃から我が家にいるオカメインコの「吟ちゃん」を気に入り、いつも側にぴっとりくっついています。
しおらしいからメスだろう…と勝手に解釈した私の期待を裏切り、立派なオスとして成長していったゆきちゃんが チョコボを意気揚々と歌う姿の勇ましいこと。
その成長に目を細めながら わが子のように大切にお世話をしてきたゆきちゃんが、外に飛んで行って行方不明になってしまったのです。
…ということでしたから、おそらく家族の肩にとまっていた吟ちゃんを追いかけて飛んできたときに、開いていた窓からそのまま出て行ってしまったのでしょう。
9月の終わり。これから徐々に朝晩が冷えていく頃に、ゆきちゃんは期せずして大空に飛び立っていってしまいました。
ツイッター・掲示板・ちらし・警察・同居オカメの声を携帯で流しながら捜索を開始
逃がした家族の話をもとに、私は周辺をゆっくりと車で走りながら、ゆきちゃんを探し回りました。
そのとき私は携帯で同居オカメインコの吟ちゃんの歌う声を何度も流しながら、近隣をゆっくり回ってみました。
その間、娘に以下の4つのことをやっておくようにお願いしました。
ツイッターを使った迷い鳥情報発信と情報拡散のお願い
閲覧する年代が限られますが、ツイッターは何といっても情報拡散力が半端ないツールです。
インコのロスト情報を拡散するために積極的に利用することをおすすめします。
ロスト情報を見かけた様々な人たちが拡散に協力してくれますので、たいへんありがたく、心強いツールです。
迷い鳥掲示板への迷い鳥情報の登録
ウェブ上に、迷い鳥掲示板がいくつかあります。
ツイッターの拡散力重視と比較すると 迷い鳥掲示板は一種の「集会所」のようなものですが、こういった緊急時はスピード勝負です。
スタートダッシュが運・不運を分けることさえありますし、初動時はどんな些細な情報でも貴重です。
ロスト情報は迷い鳥掲示板にも必ず掲載することをおすすめします。
ちらしを作成・印刷して店舗用掲示とポスティングに!欠かせないアナログツール
自宅近くのスーパーやコンビニなどに貼らせてもらう目的でチラシを作成しました。
また、周辺で発見情報が来た場合に近くのお宅にポスティングさせていただいたり、持ち歩いて近くを通る方に聞き込みをする等、アナログですが ちらしはかなり汎用性の高い欠かせない重要ツールです。
インコが逃げたら警察に遺失物届けを出す!迷い鳥は「物」扱いになる
インコは「物」として扱われますので、インコを逃がしてしまった場合は警察に「遺失物届」を提出します。
逆にインコを保護した場合は「拾得物」となります。
警察に遺失物届を提出すると、警察署のHPに遺失物情報がアップされ、随時更新されますので、そちらも確認する必要・価値があります。
オカメインコを逃がしてしまったことはすでに起きてしまったこと…
もはや取り返しはつきませんが、また愛鳥に再び出会うために、すぐに思いつく限り・出来る限りの全てのことをしました。
オカメインコのロストを悲しんだり後悔する時間がもったいなかったのです。
2日後にTwitterからオカメインコのロストの目撃情報が舞い込んで捕獲作戦始動!
オカメインコのゆきちゃんのロストから2日後、娘から
…との第一報が入ってきました。
目撃情報は我が家から南東の方角、直線距離で4.2キロほどの川沿いの高層マンション群。
これはゆきちゃんである可能性大だと感じ、再会への期待が高まりました。
目撃者がオカメインコの捕獲を試みてくれたもののうまくいかず…
オカメインコの目撃情報を連絡してくださった方によると、ゆきちゃんらしきオカメインコが隣家のベランダにとまっているのを確認したとのことでした。
在宅だった隣人に家に入れてもらって そのオカメインコの捕獲を試みたそうですが、うまくいかなかったそうです。
見ず知らずのオカメインコのためにそこまでしてくれてなんていい方なんだろう!…と感激、感謝いっぱいになりました。
私たちは目撃情報のあった団地に到着し、マンション群の中に入って 携帯で吟ちゃんの歌声を鳴らしながら 周辺を巡回してみました。
すると…遠くの方から白いものが ひらひらと飛んでくるではありませんか。しかもその鳥はパニックに陥りながら大鳴きしています。
娘と思わず叫びました。
その姿をずっと目で追っていくと、ゆきちゃんはあてどなくひらひらと周辺を飛び回り、団地の11階に留まったのが確認できました。
目を凝らしてやっと場所を特定しましたが、呼びかけても返事をするだけで こちらに飛んでこようとはしません。
やっとの思いでゆきちゃんを発見できたものの、パニックになって飛び回っているオカメインコを捕獲するのは至難の業のように思えました。
飼い主がなんとか11階までたどり着くもパニック状態のオカメインコを捕獲できず…
そこの地上付近は大きな木が沢山ある公園なのですが、ゆきちゃんは樹木や下界に降りてくる気配がありませんでした。
カラスなどが数羽飛んでいるのが見えたので、怖くて降りることができなかったのかもしれません。
ゆきちゃんの姿が確認できた団地の11階に ようやく私たちはたどり着いたものの、残念ながらそのベランダの住人は留守で不在でした。
その隣の隣の部屋の男性が気を利かせて私たちをベランダに通してくれたので、そこからゆきちゃんに呼びかけてみたものの、パニック状態のゆきちゃんは返事をするだけで こちらにやって来ようとはしません。
次第に辺りが暗くなり始めたため、私と娘はチラシを持って帰宅する方々に話しかけたり、ちらしをポストに投函したりしました。
夕刻ではオカメインコの捕獲は一旦諦めざるを得ず、その日お世話になった方たちにご挨拶して 私たちはそこで帰途につくことにしました。
オカメインコの脱走から3日目!やっと最愛の愛鳥と感動の再会を果たせた
勢いよく電話が鳴ったのは、翌朝の6時半のことでした。
…と昨日の捕獲劇に協力してくださった男性からの連絡でした。
取るものもとりあえずあの団地に直行すると、ゆきちゃんは団地の10階のベランダに留まっていることがわかりました。
該当のお宅にはおばあさんとシーズー犬が住んでいました。
「お入りなさい」と言ってくださったので、そっと戸を開けてベランダへ通していただきました。
キャリーに入れた吟ちゃんを連れた娘が静かにゆきちゃんに近寄ると、ゆきちゃんは吟ちゃんを見てようやく安心したのか、娘の手に乗り、無事に保護することができたのでした。
じんわりとした安堵感に包まれると同時に 急に体の力が抜けたようになりました。
オカメインコの保護に協力してくださったおばあさんは、ゆきちゃんが飛んで行ってしまわないように「小鳥を驚かせちゃいけないよ。吠えてはいけないよ。」とわんちゃんに言い聞かせながら、静かに見守ってくださっていたそうです。
娘と私は早朝からオカメインコの保護に協力してくださった方々に深々とお辞儀をして感謝の意を述べ、またお礼にお伺いする旨をお伝えしてその場を後にしました。
こうして、ゆきちゃんは住み慣れた我が家に2日ぶりに帰ることができたのでした。
5歳児のインコのロスト初体験!強運に恵まれて生還したオカメインコの話
私のオカメインコのロスト体験は実はこれが初めてではなく、5歳の時に初めての鳥のロストを体験しています。
当時つがいで飼っていたオカメインコが家の中でとても従順でお利口さんにしていたので、幼い私は「外に連れだしても問題ない」と考えたのです。
肩と手にそれぞれ乗せたおかめーずとともに玄関から外に出た途端、オスのオカメインコが「わああーっ」と鳴き叫びながら空に飛び立ちました。
それにビビった私はメスオカメの方は掴みましたが、オスオカメはそのまま遠い彼方へ勢いよく飛び去ってしまいました。
隣人のお姉さんに促されて帰宅した私はそのことがショックで大泣きし、落ち込んでお通夜のような数日を過ごしました。
逃げてしまったオカメインコが戻ってくるなんて思ってもみなかったのですが、期せずして またそのオスオカメに再会することができたのです。
数日後にかかってきた一本の電話が、我が家のオスオカメの無事を知らせてくれました。
あの日飛び去ったオスオカメは高層マンションの6階に逃げこんで大鳴きしていたそうです。
その姿を見つけたおじさんが「変わった鳥がいるな。飼おう」と思って連れ帰ったのですが、餌を全く食べなかったとのこと。
「このままでは死んでしまう。どうしたものか」と思ったおじさんがたまたまエレベーターに貼ってあったチラシを見かけて、保護した鳥が我が家のオカメインコだと知り、電話をくれたのでした。
あのときのオスオカメのことも、私はつい昨日のことのように思い出す事ができます。
オスオカメもゆきちゃんも本当に強運の持ち主だったと思いますが、それと同時にアナログツールのチラシの効果を改めて感じた出来事でした。
インコのロストを二度と起こさないために…オカメインコの飼い主が心に誓ったこと
私のロスト体験は、2度とも「愛鳥の無事生還」という幸運に恵まれた結果になりましたが、今後このような事態を二度と起こさないように反省しつつ、心に誓ったことがいくつかあります。
引越し直後は特にロストに注意する…たくさんの窓がある場合は特に注意。
放鳥時間を決める…地味に大事なこと。家族も放鳥時間が決まっていれば、戸や玄関の開け閉めに気をつけられます。
思い込みを捨てる…「手乗り鳥は逃げていかない」との思い込みを捨てる。潜在的にそう思っていたのかもしれない。
さらに、それでも「うっかり」でインコのロストが起こってしてしまった時に行うべき行動は、繰り返しになりますが以下の4点です。
迷い鳥掲示板への登録とこまめなチェック
ちらし作成とポスティング。周辺店舗への掲示依頼。捜索の聞き込み時にも利用する
警察に遺失物届出。定期的にHPの遺失物情報を閲覧する
これらの使えるツールのすべてをフル活用することが大切です。
インコのロストが起こってしまっても、スピーディーな初動対応次第で捕獲・保護等の良い結果に繋がる可能性があります。
インコが逃げた時の探し方はアナログ・デジタル問わず 使えるツールを全部使ってやれることをやり尽くすこと!
私が体験した2件のオカメインコのロスト生還劇は、どちらも幸運に恵まれたことが共通しています。
- オカメインコはビビリなので、外に出た途端パニックを起こし高く飛んでしまった。
- オカメインコが高層住宅に飛び込んだ。
- オカメインコがなかなか地上に降りて来なかった。
- 情報拡散やチラシの作成・ポスティングに即行で取り組んだことが功を奏した。
- 親身になって協力してくれる近隣住民に恵まれた。

これは決して忘れてはいけない、そしてこれなくしてはインコが生還できなかったであろう、重要なポイントです。
万一愛鳥をロストしてしまったら、保護するための迅速な対応が欠かせませんので、ためらわずどんどん情報を発信・拡散すべきです。
さらに愛鳥を探すための手段はアナログ・デジタル問わず、積極的に周囲に呼び掛けて、協力を仰いでみましょう。
その当時力を貸してくれた皆さんに対して、本当にありがたくて感謝しきれないほどの想いが、今も私の心の中にはそのまま残っています。
もしも私が誰かのインコのロスト場面に出くわすことがあれば、その時は及ばずながらも尽力させていただくつもりでいます。
子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人です。
ここには鳥ブログあるあるな「うちの子自慢」や「かわいいでしょ♪アピール」はありません。鳥の飼育本を丸写ししただけの机上の空論解説や、繁殖した雛の販売目的の宣伝PRもありません。鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)が目的のコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新していきます。