散骨はよくない!違法…は誤解!反対する人にはこう説明しよう
核家族化や少子化が進む現代では家族のあり方が急速に変化しており、お墓を維持していくことがとても難しくなっています。
墓守りがいないために、次の世代までお墓を残さないように墓じまい(改葬)をしたり、

遺骨を自宅に置いて手元供養するなど、

葬送と供養の形が大きく変化しています。これは時代の流れでしょう。
そういった潮流から「お墓は要らない」「地球に自然に還る形で最期を見送って欲しい」そう考えて「自然葬」のひとつである「散骨」を選ぶ方が増えています。
ですが「散骨」をよくないものと考える方もまた多いのです。
- 散骨にはあまりお金がかからない。粉骨費用や散骨費用は掛かるが、お墓を建てる費用の約10分の1のコストで済む
- 維持費や法事費用が抑えられる
- お寺や霊園が破産することもあるが、散骨には無関係
- 墓守り不要。時代錯誤な男子継承の思想とも無縁
- 海洋散骨の場合、海はつながっているので「海全部がお墓」との考え方次第で「気持ち的な」お墓参りがいつでもできる
- 海洋散骨の場合、年忌法要代わりに散骨ポイントに法要クルーズに行く人が多い
- 墓参りができないのが寂しい人には散骨は不向き
- 遺骨を後世に残せないのが残念な人には散骨は不向き
- いったん遺骨を撒いてしまえば回収ができない。リン酸カルシウムとして自然回帰するのみ。
そもそも散骨とは?散骨にはどんな種類がある?
散骨とは、遺骨をパウダー状に粉砕して(粉骨) 海・山・空中などに撒いて大自然に還る方法です。
山林散骨(山岳散骨)
粉骨した遺骨を山林の土地に撒く方法です。
散骨は「撒く」こと。穴を掘ったり、埋めたりするのは違法になります。墓標を立てたりすることもありません。
ほとんどの山は個人の私有地・国有地・都道府県所有地のいずれかになっているため、所有者の許可を得ずに勝手に散骨することはできません。
空中散骨
その名の通り、空中に遺骨を撒く方法で、空中葬と宇宙葬があります。
空中葬はヘリコプターやセスナをチャーターして海に向かって散骨するので、山林散骨や海洋散骨と比べるとコストが高いです。
バルーン葬は粉骨をバルーンを使って撒く方法。宇宙葬は粉骨した遺骨をカプセルに詰めてロケットで打ち上げる方法で、粉骨は宇宙空間上に浮遊し続けます。
海洋散骨
海洋は所有者が存在しないので、散骨の中では最もトラブルが起こる可能性が低い散骨方法です。
とはいえ、自治体の禁止条例や海洋散骨ガイドラインに則って行われるので、海岸線や海水浴場のような場所で勝手に散骨することはルール違反。個人で海洋散骨を行うのは簡単ではありません。
海洋散骨は海岸から数キロ離れた沖合で行うので、船をチャーターする必要があるため、海洋散骨業者に依頼するのが一般的です。
船で沖合まで出て、散骨ポイントで船上から海面に向けて遺骨を撒いていきます。
日本の海はもちろんハワイなど海外でも海洋散骨は行えます。
散骨がよくない!と言われてしまうのは心理的な理由が多い
散骨がよくない!と言われてしまう心理的な理由は主に5つあります。
散骨が違法だと思われている【違法ではない】
現在の日本で散骨を禁止する法律はありません。
「墓地・埋葬に関する法律」によると、遺骨を墓地以外の場所へ埋めることは違法とされていますが、供養を目的に適切な方法で行う散骨は違法ではないとされています。
ただし散骨ガイドラインに反して散骨するのはいけません。
たとえば、粉骨(遺骨のパウダー化)を適切に(2㎜以下)行わなずに散骨すると、事件性が疑われて大騒ぎになったり、遺骨遺棄罪に問われることがあります(3年以下の懲役)
「散骨は違法」との思い込みから反対される方には、海洋散骨業者を利用すれば全く問題ないことを伝えましょう。
散骨が宗教的に問題があると思われている【問題なし】
従来、遺骨はお墓へ納骨するのが一般的だったため、散骨を「縁起が悪い」「気持ち悪い」という方もいます。
しかし散骨は太古から行われていることで、仏教や神道でも散骨をよくないことと捉えていません。
そのため墓じまいして遺骨を散骨することもまったく問題ありません。
「散骨はよくない」との思い込みから反対される方には、宗教上の考えからも悪い行為ではないことを伝えましょう。
散骨したら手元にお骨が残らないのが嫌だ!
散骨は「遺骨を全部撒いて何も残らないイメージ」から反対する人もいるのですが、遺骨をすべて散骨する必要はありません。
一部を分骨して手元に残すことができますので、お墓はありませんが、手元供養で手を合わせる拠り所を作ることができます。
散骨したらお墓参りや法要ができないのが嫌だ!
散骨はお墓がないので、お墓参りができないことに抵抗があったり、不満を持つ人もいます。
しかし海洋散骨の場合、日本は海に囲まれた島国なので、海はすべてつながっており「海全部がお墓」との考え方をする人が多いです。
そのためどこで海を見ても、心情的にお墓参りがいつでもできる解釈です。
故人を海に見送った遺族が、海を見るたびに故人を思い出す…これが供養の理想的なかたちでしょう。
海洋散骨では散骨ポイントを記載した証明書が発行されるので、遺骨を撒いた場所(海域の緯度・経度)が明確にわかります。
そのため命日や法要などの節目に散骨ポイントを訪れて故人を偲ぶ「年忌法要クルーズ」に参加する方もたくさんいます。
散骨したらもう元に戻らないのが嫌だ!
海・山・空中にパウダー状の遺骨を撒く行為ですから、一度散骨したものは戻りません。
そのため散骨を後悔する人もいるのですが、これについては前述のとおり、遺骨の一部を手元に残すことで対処できます。
小さな骨壺に分骨して祭壇を作る手元供養なら、故人に毎日手を合わせることができます。

散骨がよくない!と言われてしまう環境汚染の懸念は少ない
散骨がよくないという人の中には、環境汚染を心配している方も多いですが、こちらもあまり心配は要りません。
近隣住民との折衝については、個人で散骨を行うと問題が起こる可能性がありますが「海洋散骨ガイドライン」を順守するまっとうな海洋散骨業者に依頼して行う散骨では、問題が起こることはほぼありません。
環境汚染の懸念【汚染に配慮している海洋散骨業者を使えば問題なし】
海洋散骨は、節度を持って適切に行われるならば、海洋汚染防止法に抵触する可能性は極めて低いものと考えられています。
海洋散骨のセレモニーでは献花・献水・献酒などを行いますが、このときに自然に分解されない副葬品を投棄しなければ問題はありませんし、献花は花を丸ごと投げるのではなく、花びらのみを撒くことが多いです。

みんなの海洋散骨のような優良な海洋散骨業者は、環境に配慮して、遺骨の六価クロムを還元剤で無害化処理していますので安心です。
近隣住民のトラブルや風評被害の心配【散骨業者を使えば問題なし】
散骨場所が山であれ海であれ、散骨場所の近隣住民が散骨行為に抵抗を示すことがあります。
漁業や農業の風評被害や水源の問題から、散骨禁止条例を設けている自治体もあるため、散骨にマイナスイメージを持っている人もいます。
確かに、個人が自分の一存で適当に散骨すればトラブルになりますし、場合によっては訴えられる可能性もありますが、散骨業者に依頼するなら、そういった問題は起こりません。
海洋散骨(海洋葬)を選ぶ理由
墓守りがいない
生涯独身だから
離婚したから(実家に戻れない)
嫁ぎ先のお墓に入りたくない
信仰している宗教がない
お寺との付き合いがない
永代供養でも、お寺との付き合いが面倒
お墓が遠方でなかなか墓参りに行けない
お墓に高額なコストをかけたくない
将来無縁仏になるかもしれない不安
大好きな海に還りたい
ペットと一緒に散骨したい
散骨と同時に手元供養も行いたい
希望する時期を選んで散骨したい
自分は乗船せずに散骨してほしい(代行散骨)
墓じまいしたので散骨したい
故人の希望を叶えたい
心に残るセレモニーをしたい