【東京湾の海洋散骨】海に還りたい妻を望みを叶えられて安堵した海洋葬体験談
60代男性 妻が末期の乳がんで亡くなる1年ほど前から「死んだら海に還りたい」と海洋散骨を希望していました。私も妻の意思を尊重したいと思っていたので、葬儀が終わった後に家族で話し合って海洋散骨を行うことを決めました。
業者と打ち合わせを重ね、クルーザーをチャーターして家族だけで静かに妻を見送る形式を選びました(貸切乗船散骨)
2023年某日、川崎河川漁協船着場から出航。天候にも恵まれ、穏やかな海の上で散骨の儀を行うことができました。
乗船してまもなく、甲板で僧侶の方に読経してもらいました。それを聞きながら、妻との思い出が走馬灯のように蘇ってきて、涙が止まりませんでした。
読経が終わると、私から妻への最後の言葉を捧げました。
その後にいよいよ散骨の時を迎えました。
粉骨した遺骨を海に向かって撒くと同時に、家族全員で花びらも海に撒きました。粉々の骨が水の中でふわりと広がり、花びらに包まれるようにして海へと還っていくのを見届けました。
散骨後しばらくの間、私たちは黙祷を捧げました。妻の好きだった曲をBGMに流し、海を見つめながら、家族それぞれが思い出を反芻してたようです。
妻との最期の別れに悲しみもありましたが、彼女の願いを叶えられたことに深い安堵もありました。最期まで妻を支えられたこと、そして望み通り大海原に還すことができたことに、深い感謝の気持ちを覚えました。
海洋散骨は、故人と自然を強く感じられる、とても意義深い体験でした。妻を偲ぶ特別な場所がこの海にあると思うと、心が軽くなる気持ちもします。
海洋散骨を検討されている方は、事前にしっかりと業者と打ち合わせをして、当日のプログラムを綿密に決めておくことが肝心だと思います。私たちの場合は業者の方から色々と提案してくださり、とてもスムーズに進行できました。
海洋散骨の場合、天候により急遽中止(順延)になる可能性もあるので、柔軟に対応できるよう日程に余裕を持つことも大切だと感じました。
初めての海洋散骨で戸惑うこともたくさんありましたが、事前に散骨の方法や詳しい流れを教えていただいたので、当日は慌てずに臨むことができました。
散骨の瞬間は…やはりある種の「覚悟」のような気持ちが必要でしたが、海が好きだった妻を大海原に還せことは、今となっては良い思い出です。
海洋散骨には様々な形態がありますので、自分たちに合ったスタイルを選ぶことをおすすめします。
【東京湾の海洋散骨】シーセレモニーの海洋記念葬で精進落としまで行った体験談
20代女性の寄稿 2023年4月、私たちは祖父の海洋葬をしました。
祖父は海が好きで、若い頃はサーフィン、学生時代にはヨット部に所属して大会で活躍していたそうです。
亡くなる前、祖父はエンディングノートに自分の死について、残った家族のことについてメッセージを残してきましたが、そこには「私は海に還りたい。青春時代を過ごした海で過ごしたい」と綴っていました。そのノートが見つかるまでは一般的な墓地への納骨を行う予定だったのです。
それまで、海洋散骨という方法があるのは知っていましたが、詳しくは分からなかったので、ネットで調べて家族で相談しました。
クルーザーの貸し切りで家族や友人だけで行えることや、都内で行えることも決め手となり、祖父が望む海洋散骨を行うことに決まりました。
海洋散骨当日は小雨でした。「何か大きなイベントのときにはいつも雨が降っていたよ」と祖母は嬉しそうな顔をしていたのを覚えています。ひどい雨ではなかったので、予定通り出航することができました。
クルーザーに家族や友人15人で乗船し、東京湾からレインボーブリッジやディズニーランドなど、都内の名所を楽しみながら散骨ポイントに向かいました。
ポイントに着いてからは祖父の好きだった音楽を流し、散骨と一緒に好きだったお酒や花を捧げました。
帰る頃にはいつの間にか雨は止んでおり、素敵な時間を過ごすことができました。
海洋散骨にして良かった点は、貸し切りプランで家族と友人だけのプライベートな空間で祖父を送り出すことができたことです。一般的な納骨とは違い、家族と友人で思い出に残る日となりました。
乗船散骨なので安全面について利用前は不安もあったのですが、事前に運航ルートについて、船の設備について、緊急時の対応について詳細に説明があったので、安心してサービスを利用することができました。
祖母は足が悪く、不安定な船内で過ごすことに心配もあったのですが、内部には段差もほとんどなかったので問題ありませんでした。
海に撒けるものは、粉骨した遺骨・献酒・献花・献水です。やはり環境面に配慮した制限があります。
私たちにとってこの海洋葬は、新たな記念、思い出として残る素晴らしいものでした。海洋散骨を検討している方にはとてもおすすめできるセレモニーだと、私は思います。
【東京湾の海洋散骨】埼玉ハナマリーナから出航した恩師の海洋葬体験談
30代男性 2023年3月、私は恩師(研究室の教授)の海洋葬に参加しました。貸切乗船散骨で、埼玉県八潮市のハナマリーナ(埼玉県八潮市)から東京湾に向けて出航しました。
教授の生前からの口癖が「俺が死んだら海洋散骨」これを繰り返し言われている方でしたから、家族がその要望を聞き入れたのだと思います。
この方は私の研究室の教授なのですが、なかなかの変わり者で、飲み会ではしょっちゅうこんな持論を展開していました。
当日の天気は晴れ。「雨の場合は中止」等の事前連絡は散骨業者から紙面にて配布されていましたが、晴れの日が続いていたので、特に問題なく実施できました。
当日の服装は迷ったのですが、正直、喪服以外に思いつかなかったこともあり、私を含めた男性は全員喪服で行っていました。
予想以上に揺れたことから水しぶきも上がっていたので、モノトーン調の平服にしても良かったです。喪服にするなら、簡易カッパくらいは持っていけばよかったのかなと思います。
参加者の顔ぶれは、教授の奥さんと研究室仲間4人。教授には子どもはいませんでした。
私たち5人とも海洋散骨は初めての経験で、悲しさ半分・嬉しさ半分と、謎のテンションだったように思います。
メモリアルセレモニーなのに、まるでアクティビティにでも参加するような高揚した気分になる…海にはそんな不思議な魅力があります。
全員がなんとも不思議な感覚を覚えたものの、それをどう口に出したら良いのか分からない様子でした。そのせいかみんなが無言で「どう過ごしたら良いの?」といった何とも言えない面持ちで、乗船早々は困惑していた感じでした。
散布場所までは1時間半位で、セレモニーとして粛々と遺骨を散骨し、献花・献酒。
その後は2時間位の観光クルージングがあったので、そこにきてようやく皆の気持ちが和んだような記憶があります。
教授の奥さんも散骨するまでは神妙な顔つきをされてましたが、いざ終えると「夫の希望を叶えられて良かった」とのやり終えた安堵感があったようで、安らかな顔になられていました。
海洋散骨の乗船前にひと通りの説明がありましたが、淡々とした口頭説明だとイメージがわきづらいため、私の様にあまり考えずに参加すると不安を感じたり困惑する人もいるかもしれません。
なので少しだけでも散骨業者のHPを見て予習していくと、イメージが膨らんで、準備にも活かせると思います。
船は揺れるので、酔い止めを持っていくと良いです。あまり深く考えずにいた私は案の定 持参するのを忘れていましたが、気の利く友人が人数分を用意してきてくれたので助けられました。
海洋散骨をする・しないは故人の遺言に従うことがほとんどだと思いますが、私は奥さんの「やり遂げて安堵した」顔を見て「故人の希望があった場合」はやったほうが気持ちが晴れやかになって良いのだろうな…と思いました。
遺言があるのにやらないと、かえって後悔の念が残るかもしれません。
【みんなの海洋散骨】東京湾の海洋散骨
【ミキワの散骨葬】東京湾の海洋散骨
ミキワの海洋散骨の発着場は夢の島乗船場。東京ディズニーランドまたは羽田空港沖で散骨します。
【シーセレモニー】東京湾の海洋散骨
東京の散骨エリアは羽田空港と東京ディズニーリゾートの沖合です。