散骨後の供養どうする?お墓を持たないなら供養の方法を決めておこう
お墓に納骨すればお墓参りをします。お墓を持たない散骨では供養をどうするんだろう?と思っている方がたくさんいます。
実は供養には「こうすべき」「これをしなければならない」の決まりはありません。自由です。
散骨を望む人は無宗教だったり、お寺と付き合いがない人が多いので、仏教儀式である法事や法要をする必要はないです。
でも、遺族が望むなら、立派な仏壇を構えるなり、僧侶を呼んでお経をあげるなりするのもまた自由。逆に「供養はしない」と決めても悪くありません。供養で大切なのは故人を思い出すことだからです。
でも中には「散骨して遺骨はないけど、気持ちの整理をつけるために何かできないだろうか?」と考える方は多いです。
そんな方のために、ここでは海洋散骨をした後にできる供養方法を紹介していきます。
海に向かって手を合わせて故人を偲ぶ
手を合わせる対象は散骨した「海」
海はすべて繋がっているので、どこからでもお参りが可能。
近くの海に出向いて、故人を偲んでどこから手を合わせてもいいのです。
母なる海に還った故人を思い出すことだけでも立派な供養であり、それはお墓参りと同等の供養です。
年に1回お墓参りの時だけ故人を思い出すよりも、海を見るたびに折に触れて故人を思い出す方が、故人からずっと喜ばれる供養に違いありません。
遺骨を分骨して手元供養する
納骨したお墓を心のよりどころとする方は多いですが、全ての遺骨を散骨せずに一部を自宅に置く手元供養も心のよりどころとなります。
部屋の片隅に故人のための小さなメモリアルコーナーを設けて、写真・骨壺・遺品、お花や大好物だったものなどを供えればOK 毎日手を合わせて故人を思い出せます。
分骨した遺骨は骨壺だけでなく、遺骨アクセサリー(ペンダント・指輪・ブレスレットなど)で身に着けることもすてきな手元供養です。

年の1~2回お墓参りするよりも、毎日祷りを捧げることができる手元供養の方が「故人を身近に感じられる」と言う方もたくさんいます。
手を合わせる拠り所を持つことが、日本人には向いているのでしょう。
海洋散骨を数年・数回に分けて行う
たとえば一周忌・三周忌など、法要の節目ごとに何度かに分けて、故人を海に見送る方法をとる方もいます。
散骨は複数回に分けてもいいのです。
メモリアルクルーズ(法要クルーズ)に出かける
故人の命日や誕生日、家族の記念日、年忌の節目に、散骨ポイントまで出向くメモリアルクルーズをする方も多いです。
散骨証明書に散骨場所の緯度・経度が記されていますので、散骨ポイントにピンポイントでお参りできます。
海洋散骨した遺族だけでなく、親しくしていた関係者が発起人となって、メモリアルクルーズに出かけるケースもあります。
散骨は世間では賛否両論あるのですが、自分史上初の海洋散骨式に参列して、海洋葬に感動する人はかなり多いのです。



その日が思い出深い「記念日」として胸に刻まれることが多く、参加者から「来年もまたここで会いましょうよ」の声が上がることも多いようです。
どこの海からでも故人を思い出して手を合わせることも立派な供養ですが、散骨ポイントまで参ることでより身近に故人を感じられるのではないでしょうか。
散骨と永代供養の主旨はほぼ同じ!後々の供養方法を考えておくのがいい
永代供養は「永代」で遺骨の管理をしてもらう寺院や霊園のサービスです。
墓地の承継で子孫に手間をかけさせたくないと考えている人や、そもそも墓守りできる子孫がいないことから、永代供養墓を選ぶ方も増えています。
そういう観点から見ると、永代供養も散骨も主旨はほぼ同じといえます。
散骨もその後の管理は必要なくなり、供養も遺族の気持ちひとつで自由に決められるものです。
特に故人や遺族が「お墓や供養にお金をかけたくない!」と望んでいるなら、散骨はその望みをかなえる有効な方法でしょう。
散骨と永代供養の違いは遺骨が管理されているかいないかだけのことですが、自然に還りたい気持ちを持っている方なら、散骨の方が向いています。
どちらの方法に転んでも遺族が「故人を供養したい」気持ちはまったく同じ。
だから従来の形式(お墓に納骨)にこだわるのも自由ですが、こだわらないのもまた自由。
お墓に執着せずに、時代にマッチしている自分たちが納得できる方法を選ぶことがいちばん大切だと思います。
故人への供養の気持ちさえあれば、どんな方法を選んでもまったく問題ありません。
そう考えると、葬送のカタチは故人の希望を優先してあげることが重要でしょう。
逆に海洋散骨を家族にお願いしている方は、家族が迷ったり悩んだりしないように、その後の供養の希望まで家族に伝えておくことが大切です。