散骨で後悔する7つの原因とおさえておくべき5つのポイント
現代は核家族化と少子化からお墓の維持・管理が難しくなってきており、墓じまいしたり、散骨する家庭が増えています。コロナ禍の影響もあって葬儀が簡素化傾向になり、お墓を持たないと決める人や、生前から散骨を希望する人も増えました。
近年 人気の高まりを見せる散骨ですが、散骨したことを後悔する人もいます。最後のセレモニーを悔いなく納得のいく形にするために、散骨を後悔する原因とその対策を押さえておきましょう。
散骨して後悔する原因と対処法
散骨に後悔を残す原因は、物理的要因と心理的要因があります。
散骨場所が希望通りではなかった
現在の日本には散骨を違法とする法律は存在しません。よって国が公表している散骨ガイドラインや自治体の条例に違反しない限り、誰でも自分で散骨することが可能です。
ただ、ルール・マナー・各地の条例を完璧に遵守した散骨を一個人が行うのは難しいため、ほとんどの人が散骨業者に依頼します。つまり海であれ山であれ、散骨業者が指定する場所や海域で散骨しています。
故人や遺族の希望通りの場所で散骨できればいいのですが、それが叶うかどうかは条例との兼ね合いと、業者が指定する散骨エリア次第です。
自分で散骨して周辺住民と揉めた
散骨は自分でやってもいいのですが、知らずにタブーを冒すと痛い目に遭うことがあります。
観光地や水源地、農業や漁業に関わる周辺住民の風評被害による損害賠償請求や、粉骨作業を怠って散骨した場合、遺骨遺棄罪(3年以下の懲役)に問われる可能性もありますので、注意が必要です。
「散骨気持ち悪い」との心象を持つ人も多いので、一個人で散骨するのはなかなかリスキーな現実があります。つつがなく散骨をしたい方は、散骨業者に依頼するのが安全でおすすめできます。
散骨をめぐって親族が揉めた
散骨が故人の生前からの希望であっても、それを実行するのは遺族ですから、その旨を伝えて了解を得ておかないといけません。また遺族が散骨を納得していても、親族に散骨反対者が出て揉めることもあります。
散骨は新しい葬送スタイルとして認識されてからまだ日が浅いため「お墓に納骨しないのは邪道だ」「縁起悪い」「そんなことして大丈夫なのか?」と考えている人が多いです。
最終的に周囲に納得してもらって散骨が決まったら、親族には散骨の実行を伝えるだけでなく、念のため「分骨を希望するか?」を確認しておいた方がいいでしょう。
遺骨をすべて散骨してしまった(手元に何も残らない)
散骨の後悔として多いのが、遺骨を全て海に撒いてしまったことです。
手元供養(自宅供養)を知らなかったがゆえに、遺骨を全部撒いてしまうパターンが多く、何も残らなければ心の拠り所がなくなるので、不安に思う人や後悔する人もいます。
その対策としておすすめなのは分骨してもらい、遺骨の一部を小さな骨壺に詰めて、手元に残すこと。
故人の祭壇(メモリアルコーナー) を部屋の片隅に作れば、お墓に代わって故人を偲ぶ心の拠り所ができます。
散骨に一抹の寂しさを感じてしまう人は、遺骨を分骨してもらいましょう。
散骨したら供養や法要をどうしたらいいかわからない
散骨すると二度と元に戻せない・戻らない
散骨は「撒く」行為で「埋める」のではないため、元に戻すことはできません。
覆水盆に返らず…撒いてしまったことに対する後悔はどうにもならないので、十分納得してから散骨に臨んでください。
散骨業者選びに失敗して後悔した
現時点では散骨事業には許認可が不要なので、新規参入する会社が増えていますが、中には悪徳業者や詐欺もあります。
海洋散骨で後悔しないための5つのポイント
散骨場所選び…希望があれば本人が家族に伝えておく。できるだけ希望に沿う散骨エリアをカバーしている業者を選ぶ。希望場所が遠方だったり、自分で散骨するのが無理な場合は、散骨代行プランを選ぶ。
散骨ルールやマナーを確認して行う…周囲の迷惑にならない場所で行う。自然に還らない副葬品は一緒に撒かない。
散骨の前に分骨して、一部の遺骨を手元に残す。
散骨後の供養方法を明確に決めておく…お墓の代わりになる心の拠り所を決めておくと後悔が少ない。海洋散骨なら、お墓参りの代わりに散骨ポイントにお参りする法要クルーズがある。
自分で散骨するのはリスキー!海洋散骨業者に依頼する…散骨は一個人でもできるが、タブーが多い。トラブルを回避するには、散骨業者に依頼するのが安全・安心。