【サザナミインコの急死】悲しみ・葛藤からお別れのやさしい時間まで
サザナミインコの飼い主 14歳になったおじいちゃんサザナミインコのぴよちゃんは、若い頃に比べればだいぶヨタヨタしていましたがずっと元気に過ごしていました。そんなぴよちゃんがある日突然亡くなってしまいました。
ぴよちゃんとのお別れは突然やってきました。
亡くなる前の夜、放鳥時におやつのトウモロコシを食べ、それを吐き出したぴよちゃん。その後すぐに落ち着き、しばらく遊んでから自分から元気にケージに帰っていきました。
普段より高めに保温をし、毛布をかけていつものように…でもいつもよりたくさん「ぴよちゃんおやすみ」「また明日遊ぼうね」と声をかけて寝かせました。
翌朝、かけた毛布をめくると…ぴよちゃんは亡くなっていました。ぴよちゃんを見た瞬間に私はそれを悟りました。
ケージの中のぴよちゃんを抱き上げると、まだその体はほんのりと温かく…でもフワフワだった羽毛はぴよちゃんの体に重なり…ぴよちゃんの体はひとまわり小さくなったように見えました。
ケージの中はとても綺麗で、前の夜にぴよちゃんが帰った時のままで、床の敷紙には少しの汚れもなく、シードの飛び散りなどもありませんでした。
ぴよちゃんが亡くなった…悲しみとショックの中で飼い主がやったこと
「頭の中が真っ白になる」これがどういうことなのか、なんとなく分かっているつもりでいましたが、この時、私はこの言葉の意味をはっきりと理解しました。
「真っ白になった」その後は、ぴよちゃんが永遠に戻ってこないこと。最後の時に一緒にいてあげられなかったこと。もう二度とぴよちゃんに会えないこと。ありがとうを伝えられないこと、などなど…
たくさんの悲しみと後悔が後から後から押し寄せてきて、涙が止まりませんでした。
そうぼんやりと悟った私は、とにかくぴよちゃんをゆっくり寝かしてあげなくては…と思い、部屋の中を探し回りました。
その後、小鳥の描かれた小さなお菓子の缶に綿を敷き、その上にテントと同じフリース生地を敷き、小さな枕とお布団も作り、ぴよちゃんが寝るためのベッドを作りました。
ぴよちゃんをふかふかベッドに寝かせることができて安心しましたが、私はケージの隣に置いたそのベッドで眠るぴよちゃんを見て、また涙が止まらなくなりました。
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【心の葛藤】ぴよちゃんともっと一緒にいたい…でもそれは誰のため?
亡くなった日は、ずっとケージの隣にぴよちゃんが寝ているベッドを置いていました。
寒い時期でしたが、エアコン無しでも日当たりのよい私の部屋の室温は十分過ぎるほどでした。
そんな暖かい部屋にそのまま置いておくことに悩んだ私は、翌日からぴよちゃんの寝ている缶のベッドを箱に入れ、その箱ごと冷蔵庫に入れることにしました。
そして、それまで放鳥していた時間に冷蔵庫から出し、お気に入りの毛布に包んだぴよちゃんを抱っこし、撫でながらずっと話しかけていました。
いつかはぴよちゃんを見送ってあげなくてはと思う一方で、その瞬間はできるだけ先になってほしい!と願っていました。
「どのくらい一緒にいられるのだろう」と思いネットで調べたところ「実際に見送るまで冷凍した」という事例をいくつか見つけました。
「この方法なら、期間を気にせずしばらくの間ぴよちゃんと一緒にいられる」…と一度は安堵した私ですが、すぐにその考えは変わりました。
そう思った瞬間、私は「ぴよちゃんをもう解放してあげなくては…」と思ったのです。
そう気付いた瞬間でもありました。
インコの火葬とプランター葬…インコにも人にもやさしいのは?
ぴよちゃんを見送ろうと決めた私は、どのようにしたらよいかと考えました。
「プランター葬」か「火葬」このどちらかにすることだけは決まっていました(遺骨は手元に置きたかったので「海洋散骨」「自治体火葬」は候補外でした)
「プランター葬」なら、そのままの姿で埋葬でき、一緒に小さい桜などを植えればぴよちゃんもお花を楽しんでくれるかも…と考えたりもしましたが、鉢植えは庭に直接埋葬するのとは違い、植え替えで土を入れ替えたりする必要があります。
「土に還す」想いからならそれでいいのだと思いますが、私は土の入れ替えなどで「ぴよちゃんであったもの」が失われることは嫌でした。
そこで「火葬」に絞って、ペット葬儀の業者を探し始めたのです。
私の住んでいる地域でペット火葬をしてくれる業者はいくつかありました。そのほとんどが「火葬車」で自宅まで出張して火葬を行うというスタイルでした。
①他のペットと共に合同火葬をして合同埋葬する=合同火葬
②個別に火葬して遺骨を引き取ることができる=個別火葬
②の個別火葬には火葬業者ごとに様々なオプションが用意されているものでした。
私は遺骨を手元におく「手元供養」にしたかったので「個別火葬」で、お別れの場所と時間がきちんと設けられているプランを探しました。そして「出張火葬」が多いなか、比較的近くのお寺がペット霊園と火葬をしていることを知ったのです。
自分で持ち込むことにはなりますが(オプションで送迎プランもあった)「お寺」という安心感と口コミの評判もとてもよかったので、すぐこちらにお願いすることに決めました。
火葬をお願いする連絡の際、私がつい
…と言ってしまった時には、
…と優しく言って下さった言葉がとても嬉しく、こちらに決めてよかったと思いました。
ペットとの関わりや考え方はとても個人的なものであり、飼い主さんの数だけあるのだと思います。
私は「遺骨」となったぴよちゃんと、ずっと一緒にいたいと思いましたが、人に対するそれと同じで「未練を残さず送り出してあげる」と思う飼い主さんもいるでしょう。
また、思い出は自分の心の中にあるのだから、その亡骸や遺骨には執着せず自然に還ればいいという飼い主さんもいるでしょう。
どれも正解であり、選んだプランやその金額をもって、単純に飼い主さんの愛情のバロメーターを示すものではない、と私は思っています。
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インコの火葬…お寺でのやさしいお見送りの時間
お別れはとても悲しいものでした。最後にぴよちゃんに何度も頬ずりをして、何度も「ありがとね」「一緒にお家に帰ろうね」と声をかけ続ける私を、スタッフの方たちがずっと待っていてくれました。
お別れの時間を持たせてくれたことで、とても悲しかったけれど、やさしく穏やかな気持ちで、私はぴよちゃんを見送ることができたのだと思っています。
スタッフの方たちはとても優しく、骨上げの時もゆっくりとお話をしながらさせて下さったりと、穏やかなお別れの時間を過ごすことができました。
今でもこのお寺で火葬をお願いして本当によかったと思っています。インコの葬儀のことを誰かに尋ねられることがあれば、私は「火葬」をすすめると思います。
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