人生会議とは終活!やり方は人生会議ノート=エンディングノート作り
自分が終末期に入った時に「終末期医療は要らない。だけど痛みだけは取ってもらって最期まで過ごしたい」そんな希望をきちんと引き継いでもらえるのだろうか?
おひとりさまや血縁者がいない人が、そういう場合に備えてできる準備は「リビングウイル」という名の「尊厳死宣言書」の準備です。
終末期医療の希望を反映させる方法は2つ…ひとつはリビングウイル、もうひとつは人生会議(ACP)です。

人生会議とは?リビングウイルとの違いは?
リビングウイルは一般的なテンプレートが出回っていますが、書式や書き方は自由なので、ケアやサポートの希望を事細かく書き残すこともできます。
できればそれを公証役場まで持っていき、公正証書を作成すれば社会的な信用と意思表明は万全です。※ただし2023年現在の日本では、リビングウイルは法的効力を持っていません。
ACP、事前指示、リビングウィルともに、自分自身が意思表示できない状態になったときにも、自らが受ける医療・ケアに関する価値観や選好を明確化するものです。これらの異なる点と言えば、事前指示やリビングウィルは、医療や介護のプロによる助言がない状態で、本人だけでも決められる点が大きいでしょう。一方ACPでは、本人と家族らと医療介護職が話し合うことで、本人の価値観や選好に添う医療や介護を専門家とともに選ぶことができます。理想的なACPでは、その人の人生の物語を知る医療介護職が本人の価値観や選好をよく知った上で、それに沿うにはどのような医療・ケアがいいのか考えて提示することで、患者は自分の希望に最も適した選択ができるというわけです。
引用元:日経メディカル
人生会議acpの進め方
- STEP1希望する内容を考える「金銭的な負担を抑えたい」「一人の時間を持ちたい」「最後まで好きなことをして過ごしたい」など
- STEP2万一の時の意思伝達者の人選どんな時でも自分の意思を曲げずに伝えてくれる信頼できる人を選ぶ
- STEP3病院の医師に質問する「今後どんな経過が予想されるか」「必要なケアは何か」など
- STEP4希望の医療について話し合い「延命治療はNGだが苦痛は取り除いてほしい」「入院するのはイヤだ。在宅看護がいい」「つらくないなら出来るだけ治療を受けたい」など
- STEP5記録を文書で残す話し合いの内容をエンディングノートに書き留めて周囲と共有しておく
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人生会議ノート(エンディングノート)は必須
人生会議acpとは終末期医療についての希望や患者の意思を、信頼できる人(家族など)や医療関係者、介護関係者などもまじえて定期的に話し合いの場を持ち、情報を共有する取り組みのことをいいます。
信頼できる人と共有するといっても、信頼できるだけでは不十分。
共有者が自分の考え方や価値観をわかってくれる人、納得してくれる人でなければ意味がありません。
人生会議acpは信頼できる人は家族に限らず、信頼できる任意後見人がいるなら後見人に、それ以外では親しい友人にお願いしても大丈夫です。
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。命の危険が迫った状態になると約70%の方が、これからの医療やケアなどについて自分で決めたり、人に伝えたりすることができなくなるといわれています。
もしも、あなたがそのような状況になった時、家族などあなたの信頼できる人が「あなたなら、たぶん、こう考えるだろう」とあなたの気持ちを想像しながら、医療・ケアチームと医療やケアについて話合いをすることになります。その場合にも、あなたの信頼できる人が、あなたの価値観や気持ちをよく知っていることが、重要な助けとなるのです。
引用元:ACP
人生会議acpでは情報は共有されますが、その記録を残しておけばさらに準備は万全となります。
もしもの時にその文書がすぐに見つかるように、わかるように保管しておく必要があります。
そしてその文書こそが人生会議ノート(つまりエンディングノート)です。
人生会議acpで何を話し合う?
ここまでの流れを見ると 人生会議acpとは終末期医療の希望を示すだけのように思われがちですが、決してそれだけではありません。
人生会議acpの目的は「あなたの人生をより豊かにすること」すなわち終活です。
ですから人生会議acpで話し合う議題や内容は「これ!」と決まっているわけでもありません。
あなたについての情報や希望に関することすべてが人生会議のネタとなります。
- 自分が好きなこと。大切にしてきたこと。
- これからも自分が大切にしていきたいこと。
- 今不安に思っていたり悩んでいること。
- これからやってみたいこと。
- 医療や介護について、今後の自分が望むこと。
- 終末期医療や延命治療の希望
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人生会議の日は11月30日
11月30日は「人生会議の日」とされています。1130で「いい看取り」「看取られ」という意味。
人生会議acpは一度限りではなく、何度か繰り返し行うものなのです。
人の思いは変わりやすく、時間の経過とともに変化するのが常なので、例えば自分の誕生日とか、この11月30日に毎年恒例の「人生会議をする日」と決めて 定期的に話し合いの場を持つ工夫をするといいかもしれません。
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