エンディングノートの介護項目の書き方【早めに希望とプロフを残す】
介護や医療は時間やお金、家族をすべて巻き込む大問題なので、できるだけ早い段階で介護の希望をエンディングノートに書き残しておきましょう。
医療が絡んだ介護の希望は健康で自分で何でもできるうちに…特に認知症を発症する前に書き残しておきたいものです。
具合が悪くなってから書くのではしがらみや遠慮が生まれて本音を書けません。認知症を発症してからでは、本人が希望したとしても効力を持たない項目がたくさん出てきます。
自分の意思を早めにはっきりと表明しておくのがいちばんいいのです。
介護者の希望は?在宅か施設か?誰に介護してほしいのか?
介護保険サービスを使う場合、まず市区町村の介護保険窓口に申請し、介護判定を受けてから居宅介護か施設介護かを選びます。
居宅介護の場合はケアマネにケアプランを作成してもらい、それを元に介護保険サービスを利用します。
介護保険サービスを使わないで、ヘルパーや家事代行サービスなどを利用する方法もあります。
どういう方法を選ぶかは本人次第ですが、どんな場合であれ、それを選んだ理由をエンディングノートに一言付け加えておくのが望ましいです。
明確な理由を知ることができればできるだけ本人の希望に沿う形を家族が選べるからです。
家族に迷惑をかけたくないとの理由で「施設介護」を選ぶ人も多いですが、選択肢は多岐にわたります。
有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅(サ高住)特別養護老人ホーム その他…入居資格から費用までさまざまで、施設によってかかる費用に大きな差があります。
はじめは終の住処と思って選んでも、介護認定が重くなるとそのままいられなくなる施設も多く、専門家なしに自分だけで入居先を決めるのは困難です。施設については地域包括センターに相談してみてください。
介護の連絡先すべてを【ひとまとめ】にしておく
介護の項目ページには、利用していた介護相談窓口やかかりつけ医、ケアマネージャー、成年後見人などの情報をすべて書いておきましょう。
これらは後からでも調べられますが、調べる手間は面倒ですので、エンディングノートの介護ページにひとまとめに記録しておきましょう。
介護してくれる人に自分の望みとプロフィールを伝える
エンディングノートに自分史を書いていない人は、介護のページに自分のプロフィールを少し盛り込んでおくといいです。介護者に自分が元気だったころの情報を伝えておけば、コミュニケーションに役立ちます。
プロフィールといっても簡単なものでOK
自分の性格はどんな感じか?
マイペース、社交的、
人見知りする、おしゃべり、無口など
呼び名は?
家族からは●●● 友達からは○○○
介護者からは●○●と呼んでほしい…など。
習慣や普段どんな過ごし方をしていたか?
冷え性で靴下を重ね履きしていたから、
施設でも同じようにしたい…など。
プロフには食事の好みやアレルギーについても書いておくといいです。
食べ物・飲み物の好みや体質の項目が設けられている市販のエンディングノートは少ないですが、介護のページの片隅に、これらを書いておくことをおすすめします。
食の好みを人に伝えられれば、自分の好物をおやつに出してもらえたりすることもありますよ。
食は人生の大きな楽しみですから、こういう情報は大事にしたいです。
最近の医療・介護現場ではアニマルセラピーや園芸療法、音楽療法が使われる施設が多くなっています。昔好きだったことにふれると自然と気持ちが和やかになり、認知症に改善効果が見られるということです。
若いころの趣味や好きなことは、介護状態や認知症になった時に施設や介護員から提供されると良い効果が期待できますから、好きなテレビ番組や本・映画などの情報もプロフに入れておくといいでしょう。
認知症の高齢者の頭の中では幼少期や青年期の記憶は鮮明なので、好きなことに触れただけで気持ちがパッと明るくなったり、頭がシャキッとしたり、ふさぎがちな人が明るくなったり、寡黙な人がおしゃべりを始めたりします。
加齢による衰えとか自分が認知症になるとか…あまり考えたくはないことですが、万一そうなった時、エンディングノートの「人生の振り返り」があなたに力を与えたり助けになってくれるかもしれません。
そういった側面を考えると終活ノート(エンディングノート)は人生を有意義にする大切なツールと言えるでしょう。