ペットと一緒に入れるお墓が見つからないなら散骨を検討してみては?
昭和から平成前半ころまでは、ペットが亡くなると自宅の庭に埋葬するのが一般的でした。しかし最近は人々の意識が大きく変わり「ペットは家族の一員」とみなすようになった背景からペットの火葬が増えました。
火葬することでペットの遺骨の供養の選択肢も増え、遺骨を自宅で供養する「手元供養」を選ぶ家庭が多くなってきています。
しかし仏教思想の観点から言うと、故人と動物が同じお墓に入るのはタブー。ペットと一緒に入れるお墓はまだ少ないのが実情です。
そういったことから、「ペットの遺骨を自然に還したい」と海洋散骨を選ぶ飼い主さんも多くなっています。
ペットのお墓の管理費と継承者が気になるなら散骨がおすすめ
巷では墓じまいが急速に進んでいて、人間のお墓でさえ持て余される時代になっています。
人でさえそんな有様なのですから、ペットの遺骨の場合はなおさらでしょう。
ペットの遺骨は代々引き継いで供養しない
ペットは故人と違って代々引き継いで供養できるケースは少ないのも現実です。
永代供養するのも相応のコストがかかります。年間管理費を毎年請求されることもあるようですね
大切にしていたうちの子の遺骨を遺していくのも心残りになりませんか?ならば、自分が元気なうちに「ペットの遺骨どうする?」問題を決めておくことが大切で、
ペットの遺骨はいつか手放さなければいけないと思いつつも、ずっといっしょにいたい気持ちも変わらない。
もしそんな寂しい気持ちが取り残されてしまうなら…飼い主とペットを一緒に海洋散骨をすることを検討してみては?
散骨とは、火葬後の遺骨を粉末状にして海や山などの自然へ撒くこと。
この方法はペットのみならず故人でも用いられますが、お墓が不要なので維持管理の費用がかからず経済的。そして後継者が要らないので精神的に負担が少ないのがメリットです。
うちの子と一緒に母なる海に還るのも悪くない…と私は思っています。
仏教思想では動物と故人の共葬はNG
ペットと一緒に入れる霊園や納骨堂・樹木葬霊園も年々増えてきていますが、現状は足りていなかったり高額だったり。人気の樹木葬霊園などは倍率が高くてなかなか当選しないという声も聞きます。
仏教では動物は「畜生」扱いなので、人間と同じお墓に入れることに難色を示す人が多いのです。
バレたら規約違反でお墓の撤去や永代供養を断られるケースがあり、タダでは済まない話。
こういう霊園 以外は、ペットと一緒のお墓に入るのは難しいです。
ペット散骨を自分でやるときの注意点と海洋散骨に決めている人の事例
ペットの散骨には法律や注意点は定められていませんが、トラブルを回避するために守るべきマナーがあります。
粉骨作業は絶対条件
散骨する場合は必ず骨を細かく砕き、粉末状にします(粉骨)
遺骨をそのまま散骨すると自然に還るまでに長い時間がかかるだけでなく、警察沙汰になる可能性があります。
万一、人骨と間違えて通報されれば事件性が疑われます。調べれば動物の骨だとわかりますが、大騒ぎになることは確実でしょう。
散骨しても法に触れない場所か?風評被害が起こる場所ではないか?
散骨する場所は、他人の私有地を含む散骨が禁止されている場所以外であれば可能ですが、注意すべき点があります。
自宅の庭は散骨可能ですが、当然のことながら自己所有であることが条件です。
また、将来的に不動産売却の予定がある場合は避けた方がよいでしょう(不動産取引では申請事項がたくさんあるので)
家や土地をいずれ自分以外の人が引き継ぐことが確実なら、庭での散骨はやめておくべきです。
山や森林は、国や自治体も含めた所有者がいるので、散骨には所有者の許可が必要です。
川や湖などの水源は生態系に影響を与える懸念や、農産物への風評被害の恐れがあるので、散骨できません。
海は所有者がいないので散骨しやすい場所ですが、人が多い海水浴場や観光地、漁場は避けるなど「海洋散骨ガイドライン」を遵守しないで勝手に散骨すると、近隣住民から風評被害で訴えられることがあります。
ペット散骨に対する考え方は人それぞれなので、環境や周辺住民に配慮し、節度を持って行うことが大切です。
散骨禁止条例を設定している自治体もあるので、法に触れることがないように事前調査をしないと、トラブルに巻き込まれます。
つまり「自分の手で」「トラブルを完璧に回避して」散骨するのは、素人にはかなり難しいのです。
愛犬の自宅供養の最後は一緒に海洋散骨にしたい事例
30代女性 2022年に愛犬を亡くし(パピヨン・オス・11歳 体重4キロ)よこはま動物葬儀センター(神奈川県横浜市)の個別火葬返骨プランで火葬しました(38,000円)
私はお墓を持っていませんし、子どものいない夫婦なので、ペットの遺骨を誰かに託して管理して欲しいと思っていません。
海が好きなので、自分がこの世を去った時、ペットの遺骨と一緒に神奈川県近辺の海で海洋散骨してもらう予定です。
愛犬との最後の旅行で海沿いのホテルに宿泊したとき、海辺を散歩をしたり砂浜で遊んだので、愛犬も喜んでくれると思います。
今はペットの遺骨を手元供養することにとても安心感を感じているので、動物霊園に納骨しなくてよかったと思います。いつもそばにいてくれる気がして心が休まるのです。
だから最期まで一緒にいたい。亡くなった後に離れ離れになるのは嫌なので、私の遺骨と一緒に海に還ります。
そもそも私は自身の墓を残すことに意味を感じておらず、このまま夫婦二人で過ごすと思うので、他人に迷惑をかけずに散骨するのがいちばんだと思うのです。
セキセイインコの自宅供養の最後は一緒に海洋散骨にしたい事例
私たちが依頼したペット火葬業者には、遺骨を共同墓地に埋葬するプランや、納骨堂で四十九日安置してから墓地に埋葬するプランがありました。
そのときに分骨もできるので、飼い主さんが遺骨を一部持ち帰って、手元供養するのも可能とのことでした。
メモリアルコーナーはペットロスの悲しみを少しずつ消していってくれる魔法のツールです。
|
私がこの世を去った時には、咲ちゃんや他のインコたちの遺骨といっしょに海洋散骨にしてもらうつもりなので、その日まで大切に手元で供養を続けるつもりです。
初めからそう決めていたので、我が家のインコたちの供養の選択肢は手元供養一択でした。
【ペット散骨を海でやる】故人の海洋散骨との違いと注意点
ペットの海洋散骨でも故人と同様の散骨セレモニーを行えます。
海洋散骨なら「自然に還してあげたい」「散歩で通った海に連れていってあげたい」「大好きだった祖母と一緒に供養してあげたい」などの飼い主の希望が叶えられます。
ペット散骨を請け負う海洋散骨業者の種類
ペットの散骨の方法には ペット散骨を専門で行う散骨業者の海洋葬 故人とペット両方の散骨を取り扱う散骨業者の海洋葬 この2つがあります。
ペット専門の散骨はペット霊園やペット葬儀社が行っているケースがほとんどですが、ペットと飼い主と一緒に散骨したい場合は、共葬プランを提供している海洋散骨業者を選択します。
また、セレモニーの進め方や散骨証明書の発行は散骨業者によって異なるので、事前にしっかりと確認しましょう。
「個別散骨」のセレモニーの場合、縁者が集まり、沖合の散骨ポイントをクルーザーで周遊しながら散骨・献花・献水し、乗船した家族でペットや故人を偲び、思い出を語り合うスタイルが多いです。
ペットの遺骨を海洋散骨にする時の注意点
海洋散骨は人と同様にペットでもできますが、それは「節度を持って適切に行う」場合のみ。そして考え方が違う人たくさんがいることを理解して行う必要があります。
遺族の同意を取り付ける
海洋散骨業者には飼い主とペットを一緒に散骨するプランもありますが、遺族がこれを了承しない場合があります。海に散骨する行為自体に反対する人もいれば、ペットと故人を一緒にやるのはいかがなものか?ともの申す人もいるでしょう。
宗教上の思想や慣習から、動物を人間と同じように扱うことに嫌悪を感じる人がいるのが現実です。そういった場合は、ペットと故人の散骨を明確に分けて 別々に行えばいいでしょう。
ペット散骨は故人の散骨と区別して船をチャーターする「個別散骨」にすることも、合同散骨または代行散骨にすることもできます。
遺族が人とペットの共葬に難色を示さないのなら、亡き飼い主とペットの遺骨を一緒に散骨するプランを選んでもいいでしょう。
この希望を遺言書に残したり、散骨業者に生前予約を入れておく人もいますが、自分亡き後に散骨が実行されるかどうかは遺族次第。事前に「散骨OK」との遺族の了承を得ておかないと、実行してもらえないことがあります。
遺族に事前に確認を取り、トラブルにならないように注意してください。
遺骨を全部散骨する必要はない!分骨して手元供養するのもOK
海洋散骨では遺骨を全部撒かなければならないわけではありません。遺骨の一部を少量取り分けて、手元供養することも可能です。
手元供養することで、亡くなった後もいつもペットを身近に感じることができます。
自宅に置けるてのひらサイズのミニ骨壺とペット用祭壇(仏壇)でメモリアルコーナーを作れば、毎日ペットに手を合わせたり、祷りを捧げることができます。
このような 写真が入ったオリジナルの位牌を作る方もいます。
身に着ける手元供養の方法もあります。遺骨をペンダントや指輪などに入れれば、いつも一緒にお出かけできます。
近年はデザインや素材なども様々なバリエーションがあり、おしゃれかつ日常使いしやすいものも多くあるのでおすすめです。
ペットの散骨プランがある海洋散骨業者
ペット散骨ならシーセレモニーがおすすめ!ペットと飼い主が一緒に自然に還れる
海洋散骨ガイドラインに則って適切な散骨をする場合、沖まで船で出て散骨を行うことになりますから、海洋散骨業者に依頼することになります。
海洋散骨業者の海洋散骨であれば、ガイドライン・法律・マナーに抵触することなく、安全に散骨を行えます。
ペット単独の海洋散骨よりも、ペットの遺骨を大切に手元供養しておき、飼い主が亡くなった後にいっしょに海に散骨する方が多いです。
そんな海洋散骨におすすめの業者がシーセレモニーです。
ペット散骨を飼い主と一緒にやりたいなら、オプション費用を追加すれば故人と一緒にできるシーセレモニーのペット散骨プランがおすすめです。
散骨ポイントの位置情報を記載した散骨証明書が発行されますので、命日や年忌などの節目に散骨ポイントまで赴く 年忌法要クルーズ(メモリアルクルーズ)を行う方もいます。
海を見るたびに故人やペットを思い出し、祷りを捧げることは、お墓参りと同等の供養になります
そんな考え方から、海洋散骨を選ぶ人が増えてきています。
お骨が手元に亡くなってしまうことに不安を覚える人もいるのですが、全ての遺骨を海に撒いてしまう必要はありません。少し手元に残して、自宅供養すればいいのです。
こんな感じで 一部を手元に残して小さな骨壺に入れ、自宅で供養を続けていいのです。
家の中に祷りを捧げる拠り所を設ける手元供養と海洋散骨を併用すれば、寂しさは薄れるのではないでしょうか。
そう考えると、海洋散骨に対する心理的なハードルはだいぶ下がるのではないかと思います。