我が家で時々作っている粟穂の発芽シード。
これは芽をボーボーになるまで育てた半野菜状態で、天井から吊り下げてインコのおもちゃとして与えた発芽粟穂です。
「食べられるおもちゃ」ですね。
インコのおやつのおすすめに発芽粟穂!野菜的な小鳥の食べるおもちゃ
アワは鳥の餌の中でももっとも人気がある穀物のひとつです。
粟穂は粒をばらさずに収穫したままの姿なので、インコたちのウケも上々。
「うちの鳥は粟穂が嫌いで食べない」的な話をあまり聞いたことがないですね。
自然の中で餌を採る状況下をインコたちに彷彿させるので、粟穂を与えることは一種のフォージング(フォレイジング)でもあるでしょう。
でも乾燥シードを食餌とは別の「おやつ」として、そのままで好きなだけ食べさせるのは肥満の元。
おやつは1日給餌量の10%程度が理想値です。
それに概して飼い鳥は運動量が不足気味なので、おやつは少しでも低脂肪・低カロリーにしたいもの。
そのためにはシードを発芽させて脂肪分を分解させて、低脂肪に変換させてから食べさせる方法がおすすめです。
発芽シードの方が乾燥シードよりおいしい・嗜好性が高いのはゆるぎない事実
乾燥シードのままの粟穂でも鳥たちの大好物ではありますが、発芽させたシードはそれよりももっと鳥たちに好まれるのです。
私は昔、ネット上の某所で「濡れた餌をあげるなんて気持ち悪い!」と言われてイラッとしたことがありますが(笑)そう思っているのはヒトだけです。
まだ完全に挿し餌を卒業していない一人餌練習中のヒナでさえ、発芽シードをこのように むしゃむしゃ喜んで食べます。
うちのオカメインコたちは、主食を3形態…発芽シード・乾燥シード・ペレット…で食べていますけど、乾燥シードに見向きもしない子も結構います。
朝ご飯はこの中の発芽シードしか出ませんが、夕ご飯やフォージングのおやつタイムに乾燥シードとペレットを同時に出しても、乾燥シードを一切食べずにペレットしか食べない子も複数いるのです。
オカメインコも年齢を重ねてくると、たぶん体にやさしい食べ物や自分のお腹に合っているものがわかってくるんだと思います(こういうことは、たぶんヒトより賢いw)
野鳥の食生活では、飼い鳥が食べているような「乾燥状態の」シードを食するのはごくわずかです。
アルカロイドを含む完熟前の未熟な青い実を食べたり、完熟したこぼれ種が地面に落ちて発芽スイッチがオンになった穀物を食べたりすることがほとんど。
野生が過酷なことはもちろんですけれど、野鳥たちはその季節にゲットできるいちばんおいしい実りを選んで食べているのです。
つまり「野鳥の方が飼い鳥よりもずっとおいしい食事をしている」ということです。
そう考えると 飼い鳥用のシード(タネ)は、ある意味「人工的」な餌であると言えなくもないですね。
発芽シードを作ると餌の良し悪しが浮き彫りになる
乾燥シードの中には死んでいるタネも多くあります。
私がキヌアで発芽シードを作り始めた当初、人気があるオーガニックのものを選んでも、どうにも発芽しないいくつかの商品に遭遇しました。
発芽しないといっても、そもそも「ヒトが食べる」目的で販売しているヒューマングレードのキヌアです。
「発芽」を目的としている商品ではないので、そこには何ら問題はありませんが…
…と感じていました。
雑穀も擬雑穀も、ヒトはそれを「なま」で食べるわけではないです。
でもインコに与える餌は生食するのが多いですから「餌が生きていること自体に価値がある」「長寿のカギを握るのは酵素だ」と私は考えています。
発芽シードの栄養価は乾燥シードを上回る!タネに起きる変化とは?
種子の胚乳に蓄えられた脂肪分が分解されて成長エネルギーに変換されるとき、種の中では栄養価が爆発的に高まっています。
いちばんわかりやすい例でいうと、ブロッコリースプラウトやブロッコリースーパースプラウト…大人気ですから日常的に食べている方も多いですよね。
なぜわざわざ発芽して間もないもの(スプラウト)を食べるのでしょうか?
そこでしか得られない特筆すべき健康効果を丸ごといただくためです。
ブロッコリースプラウトならスルフォラファンを摂るために、せっせとスプラウトを食べているはず。
そしてそれはインコもまったく同じこと。
爆上がりした「生きている」フレッシュな栄養素を丸ごといただいて、免疫力を向上させたり、体力をつけたり、病気に負けない丈夫な体をつくるために、わざわざ手をかけて発芽シードやスプラウトを作って与えるわけです。
発芽シードはビタミン・ミネラル・アミノ酸・酵素・食物繊維が爆上げされる
種子の段階では存在しなかった微量栄養素を、発芽を始めたタネが自分で合成するのです。
特に多く増加することがわかっているのはビタミンB2、ビタミンE、アミノ酸、酵素、食物繊維、カルシウム、鉄分などです。
高まるのは栄養価だけではなく、おいしさもグーンとアップします。
胚乳が炭水化物に変わる過程で甘みが増していくことから、鳥の嗜好性が高まるわけです。
ねこくさ感覚で与えるおやつでないのなら葉を育てる必要はない
この記事で掲載している発芽粟穂の画像は、芽が成長した時点のものですが、インコに与える場合はここまで葉と根を伸ばす必要はないです。
芽が角のようにツンと出てきた時点で発芽シードは完成です。
芽を伸ばすのはビジュアル的にはおいしそうに見えますが、せっかく種の中で高まった栄養素がどんどん葉と根の成長に奪われていきます。
つまり栄養面を考えたら、時間をかけたものを与えるのは得策ではありません。
ただ、主食(=発芽シード)ではなくて野菜の代わりにマイクログリーンを育てて与えるのが目的であれば、少し長めに育ててもいいと思います。
しかし、種が常に濡れた状態をキープしているものですから、カビや変質に十分に気を付ける必要があります。
私はいちばんはじめにGSEで充分殺菌をしてから、1日3回の水洗いをしています。
うちのオカメインコの朝ごはんの主食は365日ずっと発芽シードです。
だからおやつにまで発芽シードを与える必要はなく、粟穂を少し余分に育ててマイクログリーンで与えています。
一種の「ネコクサ」みたいな感じですが、野菜代わりというわけはなく、かじったりつついたりして遊ぶ「食べられるバードトイ」と考えています。
もちろん遊ぶだけではなくて、おいしく食べていますよ。
楽しく遊んで、おいしく食べて、栄養満点!
発芽粟穂は一粒で3度おいしい、インコのおやつ兼おもちゃです。
発芽シードはタネの良し悪しで仕上がりにこれだけの差が出る
発芽粟穂の発芽率は当然タネの良し悪しに大きく左右されるので、よーいどん!で同時に育て始めても、発芽や成長の度合いがさまざま。
穂が大きく充実しているものとそうでないものとでは、勢いの差がこのとおり 一目瞭然です。
粟穂はいろいろなサイズや出来の良い・悪い粟穂をミックスして販売されているので質は運次第ですが、いいものを作りたければ やはり良い素材を選ぶことが基本でしょう。
どんなものでも品質は「お値段なり」…「お値段以上」なんてものはほとんどありません。
鳥が一度に食べる量なんて微々たるものです。
愛鳥にはできるだけ良質な餌を選んで与えてあげたいですね。
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