ドライフードとはその名の通り「乾燥食品」食材を干したものです。
乾かし具合により「ドライ」と「セミドライ」に分けられ、ドライなら常温保存、セミドライは冷蔵または冷凍で保存します。
我が家では数種類の乾燥野菜を作り、それらをミックスしたものをフォージングやインコの手作りご飯(バードチョップ)に混ぜ込んでオカメインコたちに与えています。
乾燥野菜の作り方!インコとシェアする干し野菜とハーブのおすすめ
インコ用のおやつにも乾燥野菜やドライハーブがたくさん販売されていますが、買うとなると結構いいお値段しますよね。
でも手間と時間かかりますが、インコが食べられる乾燥野菜やドライハーブは簡単にできるのです。
たとえば飼い主用の野菜を少し取り分けて乾燥野菜にしたものを粉砕してふりかけのようにしておけば、毎日欠かさずインコに野菜を提供することができて便利です。
例外としてスパイス的に少量使いするクッキングハーブの一部は最後の方で紹介しています。
乾燥野菜のメリット&うれしいポイント
水分が抜けていることで長期保存が可能になる(ドライのみ。セミドライはこの限りではない)
天日干しすることで素材のうまみ・甘みがぎゅっと濃縮される(ドライフードそのものがだしになる)
栄養価がアップしてヘルシー
フードロスになる
防災用にも利用できる(万一の備え)
野菜を無駄にしなくてすむ=経済的かつエコロジカル
ドライなら野菜がたっぷり食べられる
高価な「完全天日干し」の干し野菜が安価でゲットできる。
インコの手作りご飯やおやつにも使える。
計画的に作って使い回せば、毎日継続的にインコに野菜を与えられる。
乾燥野菜の「干し方」の基本と作り方
季節と天候…最適なのは低湿度の冬。天候と風通しが良い春から初夏。カラっと晴れた夏。ドライにする場合は数日間かかるので、好天が数日続くところを見計らう。
干す場所…日当たりのよい庭やベランダ。太陽が当たり風が抜ける網戸越しの窓辺など。ただしハーブは風通しの良い明るい日陰で(強光に当たると香りの成分が揮発する)
干す時間帯…洗濯と同じで、太陽が出ている時間帯。日が落ちるころに取り込み、夜間は室内に入れる。
- STEP1洗う洗ってしっかりと水気を拭く。灰汁を抜くために茹でる場合もある。
- STEP2切る栄養を丸ごと摂るなら皮をむかない(このあたりはお好みで)必ず大きさを揃えて切る。
- STEP3ざるに並べる切り口を上にして並べる。野菜同士の間に隙間をあける。
- STEP4干す時々上下を返す。
- STEP5完成セミドライ・ドライの目安時間をチェックしておく
- STEP6保存するセミドライはカビやすいので冷蔵庫に。ドライは常温で保存。
- STEP7【飼い主用】料理するセミドライはさっと水洗い。ドライは水につけて戻す(灰汁が強いなら下茹でしてから使う)
- STEP8【インコ用】食事やおやつとしてプラスする乾燥野菜をインコの手作りご飯に加えたり、おやつとして利用する
乾燥野菜の作り方:かぼちゃ系の干し野菜作り
インコはカボチャを食べられます。
pumpkinでもsquashでもOKで、生でも加熱したものでも、種も安全です。
ズッキーニは実だけでなく花も食べられます。
かぼちゃの皮も食べられますが、食べるかどうかは 加熱の有無や個体の好みによります。
生食でも加熱でも調味料や乳製品を一切加えることなく、素材そのものを自然な形で提供します。
カボチャの種はヒマワリのタネほど脂肪分が多くはないですが、一度に大量に与えるのはNG!少量をおやつとして与えるのは問題ありません。
これも好みは個体差がありますね。
うちの子の場合、カボチャのタネが大好きな子もいれば、見向きもしない子もいます。
かぼちゃ
かぼちゃは種とワタを取り除き、薄切りにして「ドライ」にするのがおすすめです。
カボチャは水っぽくてまずいとか 甘くないなど 当たりはずれが結構ある野菜ですが、干すことで甘さが凝縮されほくほく感も増します。
保存期間 セミドライは冷蔵4日間 ドライは常温4週間
かぼちゃはカビやすいので、日当たりと風通しが良い場所で干しましょう。
調理する時には水につけて戻してから使います。
カボチャのタネ
かぼちゃは実だけでなく種も食べられます。
中医学ではかぼちゃのタネを干したものを「南瓜子」と呼んで利用します(咳止め・産後のむくみ解消など)
保存期間 常温で3週間
種とワタを取り除き、しっかりと水洗いしてから干しますが、乾燥するうちにワタが取れやすくなるので、洗う段階で神経質に落とさなくても大丈夫です。
干したタネは表面がしっかりと乾燥して、カラがパリッと楽にむけるようになったら完成です。
そのまま外殻をむいて中身を食べてもOKですが、フライパンでカラ煎りすると香ばしさがでます。
ズッキーニ
保存期間 セミドライは冷蔵1週間 ドライは常温4週間
ズッキーニは1センチ厚さの輪切りにして、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ってから干します。
太さや質によって水分量が違うので、様子を見ながら好みのタイミングで引き揚げます。
干してもやさしい味はそのままで、雑味は出ません。
乾燥野菜の作り方:さつまいもはスーパーフード(干しいも作り)
さつまいもは生のまま干すのではなく、一度蒸したものを干す「ほしいも」がおすすめです。
ドライにすると色が濃く沈み、硬くなりますが、糖分が多いサツマイモであれば蜜がにじみ出てきたり、白く粉を吹くことがあります。
保存期間 セミドライは冷蔵4日間 ドライは常温4週間
ビタミンCは熱に弱いですが、サツマイモの場合はでんぷん質に守られているので、長時間干しても問題ありません。
サツマイモが好きなインコは多いですが「太るから」と敬遠することも多いのでは。
ですが、サツマイモの中にはニンジンよりもβカロテン(ビタミンA)を多く含む品種もあるので、栄養価的にあなどることなかれ。
普段よく食べている可食部が黄色い品種ではなくオレンジ色のサツマイモはニンジンよりもβカロテン含量が上です。
さつまいもはカロリー的には白米とほとんど同じですが、低GI食品なので血糖値をあげにくいです。
さつまいもはカルシウムがジャガイモの17倍、カリウムはトマトの2倍以上、ビタミンB群も多く含まれます。
さつまいもは加熱してもビタミンCが失われず、ビタミンEも豊富に含まれ、ビタミンCとEを同時に摂取できる貴重な食材でもあります(ビタミンCはEと一緒に摂ると相乗効果がある)
さつまいもには食物繊維が豊富に含まれます。
一度に大量に食べなければ、ヒトにとってもインコにとっても、さつまいもはかなり完全栄養食品に近いスーパーフードであることがわかります。
ちなみにβカロテンが9mg以上のサツマイモの品種には「ジェイレッド」や「サニーレッド」があります。
皮つき生のにんじんは7mg前後なので、レッド系のさつまいもはかなり優秀であることがわかります。
インコの病気を予防し健康をキープするにはビタミンAが絶対に必要なので

「さつまいもでビタミンAを摂る」方法は試してみる価値はあるのではないでしょうか。
特に野菜をあまり食べないインコにはおすすめです。
乾燥野菜の作り方:ペッパー系の干し野菜作り
ヒトが食べるところの乾燥野菜としてのピーマン・パプリカは種とワタを取り除きますが、これらはインコの大好物なので、捨てずに与えて大丈夫です(むしろ本体よりこちらの方が好きな子も多いくらい)
bellpeppers chillipeppers sweet peppers いずれもインコに与えてOKです。
ピーマン
保存期間 セミドライは冷蔵で1週間 ドライは常温で4週間
ピーマンはドライにしても柔らかいので梅雨時期はカビに注意!ドライでも冷蔵か冷凍保存にする方が良い。
ドライのピーマンは灰汁が強まるので、調理前にしっかり水につけるか、下茹でするのがおすすめです。
全体にしわが出て切り口が乾燥して丸まってきたらセミドライの完成。
さらに上下を返して干し、しわしわで丸まって小さくなったらドライの完成。
すぐに使いたい時は、細切りにして2~3時間干すだけでもOK
パプリカ
保存期間 セミドライは冷蔵で3日間 ドライは常温で4週間 パプリカはドライにしても柔らかいので梅雨時期はカビに注意!ドライでも冷蔵か冷凍保存にする方が良い。
ピーマンと違って干しても味にくせが残らないので使いやすい。
パプリカは厚みがあるので、細切りにして乾燥させた方がよいです。
パプリカの切り口が乾燥して、全体にしわが出てきたらセミドライの完成。
さらに上下を返して干し続け、水分が抜けてしぼんだらドライの完成。
パプリカは水分が残りやすい傾向があるので、冷凍保存の方がおすすめです。
とうがらし
とうがらしが大好きなインコは多く、鳥は辛みを感じないため、ぼりぼり食べても大丈夫です。
保存期間 セミドライは冷蔵1週間 ドライは常温で半年~1年
水洗いしてしっかり水気をふきとり、そのまま干すだけ。
乾いた唐辛子を手で持って振ってみて、中のタネがカサカサ音を立てたらドライの完成。
乾燥野菜の作り方:とうもろこしと「ひげ」の干し野菜作り
実だけでなくひげ(コーンシルク)もドライにして利用でき、干したとうもろこしは雑穀や乾燥豆的な感覚で使えます。
ドライコーンはふつうにインコのおやつとして売ってますよね。
保存期間 セミドライは冷蔵5日間 実はドライは常温4週間 ひげはドライで3か月間
とうもろこしは芯を残したまま輪切りにするか、実をばらしてざるに並べて干します。
切らずに皮を縛って吊るして干すのもOK ドライにした後に実はぽろぽろと外せます。
ひげはそのままか適当な長さに切り、1本ずつにはばらしづらいので、ある程度束ねた状態で干しても大丈夫です。
干してから煎じて「とうもろこしのひげ茶」(コーンシルクティー)にできます。
トウモロコシのひげ茶には強力な利尿作用があるので、漢方の生薬として、糖尿病、むくみ、高血圧などに効果が期待できると言われています。
乾燥野菜の作り方:にんじんの干し野菜作り
ニンジンは干すことで甘みが増してコリコリ食感になるため、生では食べないインコでもドライなら食べることがあるかもしれません。
保存期間 セミドライは冷蔵1週間 ドライは常温4週間
ニンジンの葉もドライにできますが、葉ものは乾燥すると灰汁が増すため、個人的にはインコには生を少量与えるにとどめています。
乾燥野菜の作り方:バジルのドライ
βカロテンが特に豊富なことから免疫力を高め、抗酸化作用が高いハーブです。
葉をばらさずに、葉を数枚つけたままの茎ごと乾燥させます。
保存期間 常温で3か月
バジルの香り成分には鎮静作用や抗菌作用もあります。
干すことでさわやかな香りがより濃厚になりますが、ガンガン日に当てすぎると香りの成分が揮発するので加減してください。
乾燥野菜の作り方:タイムのドライ
生のタイムはにおいが強烈なため魚や肉の臭み消しに利用しますが、乾燥させるとマイルドになります。
葉をばらさずに、葉を数枚つけたままの茎ごと乾燥させます。
保存期間 常温で6か月
タイムの香り成分は殺菌作用や防腐作用があり、免疫力の向上や風邪予防にも効果が期待できます。
茎から葉をしごいてはずしてから保存します。
乾燥野菜の作り方:ローズマリーのドライ
ローズマリーは嗅いだだけで脳がしゃきっとする感覚があり、記憶力や集中力をアップさせる効果があります。
味も複雑で、苦みと甘みを兼ね備えており、独特で豊かな香りが臭み消しのハーブとして人気です。
葉をばらさずに枝のまま干します。
保存期間 常温で6か月
ローズマリーには血行促進作用・リラックス作用・抗酸化作用が強いので、料理以外にも利用できて重宝するハーブです。
干していてもあまり状態が変わらないように見えるローズマリーですが、茶色っぽく変化してだんだん細くなってきたらドライの完成です。
葉を枝からしごいてはずして保存します。
乾燥野菜の作り方:温州ミカンの皮(陳皮)のドライ
一般的にみかんはインコに与えてはいけない果物とされていません。
ただ個人的には酸性が強いものをインコに与えたくないので、私はオレンジ系のフルーツの果実をオカメインコに一切与えていません。
我が家ではミカンの果実はインコに与えていませんが、温州ミカンの皮を干した陳皮はドライシードに混ぜて与えたりします。
陳皮は漢方で使われる生薬のひとつで、身体を温める作用があります。
インコ用にも商品化されていて
肥満防止 血流改善(体を温める) 肝機能の改善 リラックス効果 健胃 整腸効果
陳皮の作り方は簡単。むいた温州みかんの皮をザルに並べて干すだけです。
保存期間 常温で6か月
みかんの皮のかおり「リモネン」にはお湯に溶けやすいので、お茶にしたりお風呂に入れたりもできます。
陳皮をお茶やインコの食用に利用するなら、みかんは無農薬やノーワックスにこだわった方がいいことは言うまでもありません。
1 陳皮3片(1.5グラム)と水200mlを弱火で5分煮て 2 ほうじ茶小さじ1杯を入れて火を止め 3 ふたをして2分蒸らして 4 濾す。
乾燥野菜作りに必要な道具は?切る・干す・保存におすすめのツール
乾燥野菜を失敗なく作るための必須条件は「太陽の光」と「風」なので、日光を遮らず風通しの良い「ざる」が最適ですが、もっと手軽にネットを使ったり、ピンチハンガーで吊るしてもOKです。
野菜を切るための道具
上手な乾燥野菜作りのポイントのひとつはサイズを切りそろえること。
これは野菜から均等に水分を抜くための絶対条件なので、千切りするならスライサーやピーラーを使った方がいいです。
乾燥野菜を干すための道具
乾燥野菜作りは一般的には平置きにして太陽の光をたっぷり浴びさせるのが理想なので、やはりイチオシは「ざる」ですが、風で飛ばされやすいものは一夜干しネットが便利です。
最近はネット付き(フード付き)のざる もあるんですね。
乾燥野菜を保存するための道具
出来上がった乾燥野菜は保存容器・保存袋・保存瓶などに入れて保存します。
シリカゲルや珪藻土を入れておくとカビの発生防止になります。
個人的にはフレッシュロックがイチオシです。