こちらの続きです

インコと仲良くなるためには、その遊びが本能からくるものか、それとも習性からくるものかを
飼い主が常に意識しながら、インコの遊びに寄り添う必要があります。
インコに嫌われたのは遊び方が悪いせい!ベタ慣れインコは作れる話②
習性は鳥種によっても異なりますので
ここではセキセイインコと
オカメインコを例にしていきます。
インコ・オウムは孤独と分離不安に弱い!だから呼び鳴きが多い
基本的に彼らは
群れで生活する鳥です。
1羽でいることは通常あり得ない…
つまり孤独な環境下にいるだけでも、
漠然とした不安を抱えてしまうわけです。
セキセイインコやオカメインコを
最初から1羽飼いしていたとしても
「孤独への不安」は
習性から来ているものなので
飼い主の努力だけで
払しょくできるものではありません。
孤独の不安につける薬はありません。
飼い鳥はひとりぼっちで
お迎えされることが多いので、
インコの分離不安は
ある意味仕方がないことです。
オカメインコやコザクラインコは分離不安を起こすことが多く、1羽飼いの場合は、常に家に人がいることが推奨されます。ただしこれはこれは個体差があるので、お迎えしてみないと分かりません。お迎えするには、こちらに鳥を合わせるのでなく、鳥に人が合わせる準備もできることが推奨されます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 8, 2021
そんな状況下でストレスを抱えすぎたり
どうにもできなくなってくると、
インコが毛引きや自咬などの
自損行為に走ることが少なくないので
注意が必要です。
インコが抱えてしまうさまざまな不安を
少しでも紛らわすためには
その子に合うと思われるいくつかの対策を、
少しずつ時間をかけながら、
インコ目線に準じることを忘れずに
講じていくしかありません。
例えば…
フォージング・日光浴・水浴び・散歩等を定期的かつ積極的に取り入れること。
飼い主との密なコミュニケーションを日課にすること(ながら放鳥厳禁!)
「いつも飼い主がそばにいるわけではない」と少しずつ自然に理解させること
インコの孤独解消のために安易に多頭飼育に走るのはおすすめできない
「単羽飼育では寂しかろう」と
安易に2羽目をお迎えする方もいますが、
それが結果オーライになるかどうかは
実際に飼ってみるまではわかりません。
反対に安定した関係性が築かれないと喧嘩やいじめ、嫉妬などで非常にストレスフルな生活を送ることとなります。多頭飼いをする場合は、なるべく同種とし、ヒナの時から2羽以上で育てるか、親に育てて貰いながら触って馴らすなどをして鳥の社会性を身に付けさせることを意識しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 8, 2020
鳥同士の相性が悪ければ
強者が弱者をいじめて
怪我をさせたり、
最悪のケースでは
死なせてしまうこともありますし、
当然、ケージをもうひとつ
用意する必要が出てきます。
この場合、2羽を別居させさえすれば
争いや孤独感の排除などについては
表向きは、一定の解決と見なせます。
飼い主さんがそれで「良し」とするなら
それで問題はないでしょう。
しかし「こんなはずではなかった!」
と考える可能性が高い方は
上述のようなトラブルは決して少なくないので、
複数飼育の決断は
慎重にした方がいいでしょう。
【オカメインコの多頭飼い】複数飼い・2羽目お迎えは慎重に進めよう
インコに孤独を感じさせないための鳥のおもちゃはケースバイケース
孤独を感じないようにするために
おすすめのインコのおもちゃは
鏡がついているものや
ブランコなどの動きのある系です。
寄り添い系の鳥のおもちゃも
ひとりぼっちの不安を紛らわすには
便利なアイテムです。
ただし鏡のおもちゃでは、
それに映る自分の姿を自分とは思わずに
パートナー(恋人)と思い込むことがあるので、
お年頃の鳥には
おもちゃが発情を誘発してしまうことがあり
必ずしもおすすめできるとは限りません。
利用は自己責任と
ケースバイケースです。
鏡で遊ぶ時間を減らして、フォージングや他の遊びを増やすなどの工夫が必要です。発情対策は食事量の調整と運動を中心に行うことをお勧めします。この考え方は先生によって異なります。鳥目線で生活を考えると、食事を制限された上に楽しみを取られたらQOLが下がると思うのです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 3, 2021
おもちゃに愛着を持つのは人だけではありません。鳥さんもお気に入りのものは大切にしています。中には人が触ると怒る仔もいます。雛の時からおもちゃと一緒に過ごさせると愛着を持ちやすいです。1羽飼いの鳥さんは、お気に入りのものがあると人が居ない時に寄り添うことができるのでおすすめです。 pic.twitter.com/BTWtCQAlNb
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 23, 2020
おもちゃを取り上げても発情が止まることはありません。また発情が精巣腫瘍を起こすというエビデンスはありません。発情は、食事制限で抑え、おもちゃは入れたり外したりして様子を見ながら使いましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 24, 2020
個体差があるので、やってみなければ分かりません。発情は0か100かではなく、強くならないようにする必要がありますが、おもちゃが明らかにトリガーになっている場合には、常に入れておくわけにはいかないかもしれません。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 24, 2020
「群れたい!」インコの習性からくる欲求を満たす飼い主の許容と寄り添い
おもちゃを使わないのなら
飼い主が毎日一定時間を決めて、
鳥と密なコミュニケーションを取ることが
習性や本能からくる欲求を
満たす方法として有効です。
つまり飼い主の存在と寄り添いで
インコの「群れていたい」欲求を
満たしてあげるのです。
短時間でもいいので
コミュニケーションを取ることを
ルーティーンにするのが、
インコのメンタルに寄り添う
最良の方法です。
これを繰り返すと
インコは賢い生き物なので
…を理解するようになります。
それだけでも少しずつ
インコのメンタルが安定してきますが
時間がかかることは覚悟してください。
セキセイインコの呼び鳴きに4つの対策で「うるさい!」を解決した話
このときにやってはいけないことは
飼い主の一方的な都合をインコに押し付けること
これはインコには通じません。
言葉が通じる相手ではないので。
通用しないだけならまだしも、
インコにストレスを与え、
下手をすると不信感までも
植え付ける結果となります。
短時間でもいいので
一度決めたルーティーンは
欠かさないことが大切です。
インコのフォージングを活用して「退屈」ストレスから解放してあげる
とはいえ、忙しい現代人が
一定のルーティーンを毎日
厳守することはとても難しいので
こういう工夫 をしたり、
鳥さんは、餌の時間、放鳥の時間、帰宅の時間などいつも同じ時間だと比較的正確に覚えていますね。体内時計があるのでしょうね。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 13, 2021
はい、ストレスになる可能性があります。期待外れは、人でも大きなストレスになります。
期待させないために、わざと毎日時間をずらしている方もいます。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 13, 2021
インコが夢中になれる遊び、
特にフォージングを数パターン用意して
飽きないようにローテーションを組んで
インコの退屈な時間を潰してください。
インコにさまざまな方法で
フォージングの機会を提供することが
しあわせインコを作る
一番有効な方法であり
飼い主の重要な任務です。
インコのフォージングには
色々なやり方がありますが
うちの子に合う方法を見極めるのも
飼い主の仕事です。

むなしい「かごの鳥」生活が続けば
インコの心は病んでしまいますが、
フォージングをうまく利用できれば
インコのこころと体の問題行動のほとんどが
快方に向かうことは間違いありません。