セキセイインコの飼い主の寄稿です
私の悩みはセキセイインコの呼び鳴きでした。
セキセイインコ(オス・ピー太郎)を飼っていて、これはピー太郎が1歳になる少し前のお話です。
飼い始めたばかりの頃のピー太郎は小さなキャリーケースに入れて世話をしていましたが、できるだけそばにいた方がいいと思い、頻繁にキャリーを移動したりしていました。
セキセイインコの呼び鳴きに4つの対策で「うるさい!」を解決した話
やがてピー太郎も大きくなり、もうそんなに心配はいらないだろうと考えてから 鳥カゴに入れてリビングに置くようになりました。
それからというもの、私の姿が見えないとものすごい呼び鳴きをするようになりました。
私がお風呂やトイレに入っていて姿が見えない時に、甲高い呼び鳴きが聞こえてきます。
呼び鳴きに驚いて私は何度もケージのところに駆けつけるのですが、心配する飼い主をよそに、本人は何もなかったような顔をして止まり木に止まっています。
慌てて駆けつけて損したな…などと思いながらも、また呼び鳴きが聞こえてくると やはり私は放っておくことができずに駆けつけてしまいます。
その日は1日中この繰り返しでほとほと困りましたが もっと心配になったのはご近所との問題です。
ピー太郎の甲高い声は周囲にもかなり響いていていましたから どうやら近所にもつつぬけていて 迷惑をかけていたようでした。
これではいずれご近所トラブルに発展するかもしれない!…と私は不安になりました。
ですが、犬ならともかく、セキセイインコを躾けるなんてとても無理だろうと思いました。
そこで外部に呼び鳴きが聞こえないように、納戸として使っている北向きの部屋にケージを移動させることにしました。
それで呼び鳴きが完全に聞こえないとか収まったということではありません。
しかもそこは日当たりが悪くて 小鳥が日常を過ごすには少しかわいそうなところだと感じていたのですが、その時の私にはほかになすすべが思いつきませんでした。
セキセイインコの呼び鳴きがうるさい!ひどい!で頭を抱えて…
我が家はピー太郎の前にもセキセイインコ(オス)を飼っていたことがありましたが、その子はとても静かでおとなしかったので、鳴き声が心配になる事など一度もありませんでした。
そのため呼び鳴き問題をどうしたらいいのか 私には見当がつきませんでした。
そこでセキセイインコを飼ったことがある友人にそのことを相談すると
…と言われました。
確かに、そうかもしれません。早く落ち着かせなくては!と思うあまり、ついつい駆けつけてしまうのです。
この言葉にハッとした私は、その行動を改めることにしました。
最初は心情的につらいものがありました。
まるで悲鳴のような鳴き声で「早く来て!!」と言われているようで、何度も駆けつけたくなったのです。
…と自分に向かって何度も言い聞かせました。
セキセイインコの呼び鳴きをシカトしたら急におとなしくなったけれど…
呼び鳴きしてもシカトを繰り返していたところ、やがてピー太郎は呼び鳴きをしなくなりました。
家族全員がホッとして「良かったね」と言っていましたが、実はそんな単純な話では済みませんでした。
今度はピー太郎がしょんぼりと、元気をなくしてしまったのです。
あまり餌を食べなりなり、羽根も抜け落ちてきて見た目が少しみすぼらしくなり、私が呼んでもそばまで来てくれなくなりました。
呼び鳴きしても私や家族が駆けつけてこないことをピー太郎なりに悩んだのでしょうか?
他に原因が考えられなかったので、シカトが食欲不振や羽根が抜ける原因になったとしか思えませんでした。
それに気づいた私は 一体どうすればいいのだろう?と悩みました。
かかりつけの獣医にも相談したのですが、明確な答えはもらえませんでした。
…と初めて知りました。
セキセイインコの呼び鳴きはなぜ?鳥の気持ちと飼い主の言動に沿った4つの対策
私と家族は何度もピー太郎に対する言動について振り返ってみて、4つの対策を取ることにしました。
呼び鳴きしてもインコを怒らない・叱らない
まず思いついた問題点は、直近で呼び鳴きで駆けつけた時に ピー太郎を強く叱ってしまったことでした。
…と考えた私は、ピー太郎が呼び鳴きをしても怒らない・叱らないことに決めました。
ケージから離れる時にインコに声掛けをする
次にリビングにピー太郎のケージを戻し、呼び鳴きしていない時にそばに行って声掛けをするように心がけました。
それでピー太郎も元気が出てきたのか、自然と食欲も出てきたのです。
良かった…とホッと胸を撫で下ろしたのも束の間。やはりそこからまた呼び鳴きが始まりました。それも以前よりもかなり激しく。
それでも駆けつけても叱らず 普段通りに声をかけるようにしました。
さらにリビングから離れる時は一言声をかけてから離れるようにしてみました。たとえば、
最初は「こんなことを言ってもわかるわけないんだけどな…」と思いつつ。
しかしそんな声掛けをしただけなのに、ピー太郎は鳴かずに待っているようになったのです。
言葉が分かるはずはないので、気持ちが伝わったのか?
人間でも家族の誰かが黙って外出すれば不安になることはあるのだから セキセイインコも同じなのでは?…と感じたことが声掛けをやってみようと思ったきっかけでした。
飼い主が戻ってくるかどうかわからなければ、インコだってやはり不安になるんじゃないか、と。
それからは 必ずピー太郎に声をかけてから部屋を出るようにしました。
外出時にテレビをつけたままにする
外出する時にテレビを消さないようにしてみました。
家族がリビングにいる時にはテレビを必ずつけています。
これは私の想像に過ぎませんが、テレビの音が消えることもピー太郎の不安に繋がっているような気がしました。
セキセイインコにおもちゃを与えたら呼び鳴きがなくなった
もうひとつ困っていたのが夜の呼び鳴きでした。
夜間、不意にピー太郎が目を覚まして呼び鳴きが始まることがあったので、ケージの中におもちゃを入れてみたのです。
すると こちらが驚くくらいてきめんに呼び鳴きがおさまりました。
夜にそっと見てみると鳥のオモチャに寄り添って寝ていたので、どうやらおもちゃを気に入ったようでした。
いろいろ試行錯誤して1ヶ月後には、ピー太郎は人がいなくても呼び鳴きをしなくなりました。
…とようやく理解ができたようで、家族全員でホッと胸をなでおろしたのです。
元々群れで暮らす習性のセキセイインコですから どの鳥でも「ひとりぼっちでいることへの漠然とした不安」を「本能」として 多かれ少なかれ抱えているはずです。
そこに加えて飼い主がいつもそばにいることを刷り込んで習慣化してしまった…これがピー太郎の呼び鳴きの原因です。
インコの呼び鳴きにはいろいろな理由があると思いますが、飼い主が感情的になるのがいちばんやってはいけないことだと痛感しました。
どんなときにも平常心で接すること、飼い主がインコの心に寄り添ってあげることの大切さを感じた出来事でした。