オカメインコに限らず 小鳥を飼っていると「この子にお友達やパートナーを作ってあげたいな」と思うことがあるでしょう。
飼い主との1対1の濃密な関係もいいのですが、インコ同士のコミュニケーションや自然な表情などが見られる、複数飼いならではの楽しみが多頭飼いの醍醐味です。
また留守しがちな家庭の場合、ひとりぼっちでさみしくないようにしてあげたい思いを抱くのもあるあるです。
でも多頭飼育が飼い主の思惑通りにいくかどうかは、ある種の賭け。やってみないことにはわかりません。
とはいえ、先住鳥と新入りの出会いをスムーズにするコツはありますので、ここではそれを紹介します。
多頭飼いする場合は同種が推奨されています。他種同士では社会的交流が上手くいかないことが多く欲求不満を起こします。同種の場合でも1羽ずつ人が育てると鳥同士のコミュ力が下がることが報告されています。多頭飼いする場合は同種と同居しながらさし餌するかハンドリング自然育雛を行いましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 13, 2020
反対に安定した関係性が築かれないと喧嘩やいじめ、嫉妬などで非常にストレスフルな生活を送ることとなります。多頭飼いをする場合は、なるべく同種とし、ヒナの時から2羽以上で育てるか、親に育てて貰いながら触って馴らすなどをして鳥の社会性を身に付けさせることを意識しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 8, 2020
オカメインコの多頭飼い!複数飼いや2羽目のお迎えは慎重に進めよう
オカメインコは
とても臆病な鳥ですから
いきなり新しい子をお迎えして
双方を近づけると
それだけで
ストレスになることがあります。
コンタクトコールを聴かせて少しずつ慣らしていく
ヒトと同じように
インコにも社交的な子もいれば、
一人遊びが好きな子もいます。
もしすでに新しい子を
迎えることが決まっているなら
YouTubeなどで
鳴き声(コンタクトコール)を聞かせ
事前に慣れさせておくのもいいです。
すでに飼い主が恋人の鳥は2羽目を迎えると三角関係に!?
性成熟した大人の鳥さんが
飼い主をパートナーと認識…
つまりインコが人に恋している場合
2羽目をお迎えすると
三角関係が勃発する場合があるので
注意が必要です。
先住鳥が新入りを仲間として
気に入ってくれればいいですが
すでに飼い主が恋人!と決めている場合は
厄介なことになる可能性があります。
2羽目と仲良くなれば良いですが、すでに人をペアと認識していると三角関係になりストレスになることもあります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 17, 2021
人を自分のペアだと思っていた場合は、予想以上に嫉妬をしている可能性があります。
危険かどうかは鳥さんの性格によると思います。よく観察して危険性がないかどうかを見極めてください。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 9, 2020
1つのケージで飼えないかも!?と覚悟してから2羽目をお迎えして
先住鳥と新参鳥の
相性が合えばいいですが
インコ同士の相性が悪いと
けんかが多発したり
オカメパニックが頻発して
負傷することもあります。
インコ同士を会わせてみて
どうしてもうまくいかない…等の最悪の場合、
別々のケージで飼わなければ
いけないケースもあります。

多頭飼育を検討している方は、
そこまでの覚悟を決めてください。
それでも受け入れる
覚悟を決めてから
新しい子を迎えてください。
実際にお迎えするまでは
多頭飼育がどうなるかは不明です。
吉と出るか凶と出るかは
そのときまで誰にもわかりません。
インコの多頭飼いの初めの一歩は防疫!病気の感染を防ごう
多頭飼いでいちばん
注意しなければならないのが
先住鳥との相性と
思われるかもしれませんが
その一歩手前で
強く意識しておくべきこと…
「防疫」が最重要です。
ちょっと面倒ではありますが
病気の感染リスクをいちばんに考えましょう。
新入り鳥が持ち込む(かもしれない)病気の
先住鳥への感染を防ぐために
最初は別ケージを用意するのが理想です。
どんな事情でお迎えしたとしてもケージを分けて、
更に別室に隔離して飼育するのがおすすめです。
初期段階での健康診断はもちろん
どのくらいの期間隔離するのかなどは
獣医の指示に従ってください。
こちらはオカメインコのオス同士のペアのコンタクトコールです。互いの姿が見えないと鳴き、見えると鳴き止みます。この2羽は雛の時から一緒で、同居しており、とても仲良しです。環境にもよりますが、飼い鳥では同性のペアは珍しくありません。同性同士で交尾をすることもあります。 pic.twitter.com/tpANzX4tmg
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 28, 2021
鳥たちを隔離していても
姿は見えなくても声は聞こえるので、
コンタクトコール(呼び鳴き)は交わします。
そこでお互いにどんな反応を見せているのかも
この期間中におおよそ確認できます。
先住インコファーストが鉄則!良い関係を取り持つ絶対条件を厳守する
防疫期間が明けたら
まずは2羽を同じ部屋に連れてきます。
おたがいの存在に慣れてきたら、
手乗りインコであれば
片方ずつ放鳥して
様子を見ましょう。
この時必ず先住鳥を先に放鳥します。
餌をあげるのも、声をかけるのも
先住鳥が優先です。
この優先順位を守るのが大切です。
新しい鳥をむかえても
先住鳥への愛情は変わらないことを
きちんと態度で見せて知らしめます。
このステップを数日かけてきっちり踏んでおくと
先住鳥が新入りにやきもちを焼いて
攻撃することが少なくなります。
オカメインコは人間臭いところがあって、
飼い主のことをよーく観察しています。
自分のわがままを飼い主は
どこまで許容してくれるだろう?とか
自分はセカンドでなく
ちゃんとファーストなのか?とか
何気に観察している
「かまってちゃん」がけっこういます。
中には自分の望みをぐいぐい押してくる
プッシュ力強めのキャラの子もいます。
そういう子には特に
「先住鳥ファースト」が利きます。
「自分がファーストだ」とわかると
インコの飼い主を見る目が変わり、
信頼関係がさらに強固になります。
だから、しつこいくらいに
先住鳥ファーストにこだわってください。
それで先住インコの心も満たされますから。
インコのパーソナルスペース問題!ケージサイズと鳥の習性を要チェック
私が2羽目のオカメインコを飼い始めた頃に
え!?と思ったことがあります。
それはオカメインコは
ラブラブなカップルであっても
ぴったりくっついたりしないこと。
人にパーソナルスペースがあるように、鳥にもあります。これは、鳥種や個体差、親密度によって異なります。ラブバードやウロコインコ、シロハラインコなどは、ペアで体を密着させますが、セイセイやオカメ、ヨウムなどは、ペアでも少し体が離れています。人も鳥も心地よい距離感を保てると良いですね。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 30, 2020
隣同士に並んでいっしょに過ごし
どこに行くにも共に行動するのですが
ペア同士でピタッと密着しないのです。
居住スペースが狭ければ
寄り添って過ごす時に
肩が触れ合うことはあるかもしれませんが、
好んで密着することはあまりないです。
巷では個体差があるかもしれませんが
今うちにいるインコの中には
そういうのはゼロです。
うちで以前に飼ってた文鳥のペアは
常にぴったり密着していたので
鳥のカップルはそういうもの
…と勝手に思い込んでいました。
でも違うんです。
鳥種によってまちまちです。
そう考えると、
オカメインコを2羽飼うのに
465サイズではサイズ不十分かも。
まあ、もともと465ケージは
本来1羽飼いのスペースでしょうね。
ドイツで1羽飼いは推奨されません。ドイツでは日本のような狭いケージで飼うことはせず、鳥部屋を作り同じ鳥種を複数羽で飼うことが多いようです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 18, 2021
「日本の家はウサギ小屋」
(=小さくて狭い)…なんて言われますけど
残念ながらインコの居住スペースも同じですね。
ペアでも一緒にいたくない!?一羽一ケージの方が上手くいく場合もある
2羽以上で放鳥しているときに
一方がもう1羽の所に寄っていっても
何も問題なさそうに見えたり
おたがいに呼びかけるように
鳴く間柄になったら
2羽を少しずつ同時に放鳥したり
同じケージに入れたりしてみましょう。
しかし、ここでも無理は禁物。
まずはおためし同居から始めて
いっしょにいる時間を
少しずつ延ばしていきます。
逆に2羽のけんかが絶えないとか、
一方のストレスが見て取れるならば
いさぎよく同居飼育をあきらめて
別々のケージで飼育した方がいいです。
たとえどんなに仲が良いペアでも
常にいっしょにいることで
ストレスマックスになることがあります。
ヒトといっしょです(汗)
ずーっと変わらずラブラブなんて
めったにありません ^^;
それで飼い主が呼ばれるのか( 艸`*)
— 小鳥 (@buncyou) November 23, 2022
マンネリ関係を回避するには?
なんか独りになりたいな…を緩和するには?
「ワンクッション」の役割を
ヒト(飼い主)が担うこともひとつの方法です。
「飼い主も群れの仲間の一員」の認識を
しっかりインコに植え付けます。
多頭飼いを始めたことで
ペアとしてのパートナー関係や
友達関係みたいな仲間ができたからといって
鳥同士だけでコミュニケートさせるのではなく
「鳥同士で勝手に遊んで」と放鳥するのでもなく
飼い主自らが積極的に「群れ」に
関わっていく心掛けと仕掛けが大切です。
放鳥の度に毎度関わるのが難しければ
数回に1回はインコの遊びに参加して
楽しい時間を共有するところをインコたちに示します。

鳥類には「ボス」は存在しないのが通説なので
飼い主は「群れのリーダー」として関わるのがおすすめです。
新しい遊びを定期的にひねり出して提供するなどして
おもしろおかしく、かつ積極的に
インコの遊びに関わっていきましょう。
飼い主の役割は、不必要なトラブルとストレスを避けることです。一番そばで見ている飼い主さんが良いと思う対処をしてみてください。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 14, 2020
ペアのみの方が有意に常同行動が増えました。ケージ内での同居は1羽になりたくてもなれない時間が長くなりいつの間にかストレスが溜まっていることがあります。そのため基本的にケージ内では1羽にし、ケージの外で交流させることをお勧めしています。但し急に離すとストレスになるので注意しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 17, 2021
ヒトと同様に
インコも同居には相性があります。
相性の合わない相手との同居は
大変なストレスになりますので
ストレスの少ない生活が送れるように
鳥たちの様子をしっかりと見据えながら
焦らずに多頭飼いを楽しんでいきましょう。