オカメインコがなつきすぎ!と感じるほど懐いてくれる愛鳥との暮らしは、多くの飼い主さんの憧れではないでしょうか。でも、なかなか思うようになついてくれない、せっかくの信頼関係が崩れてしまったという悩みを抱える方も少なくありません。
オカメインコは本来臆病な性格をしていますが、適切な接し方で育てると驚くほどなつく鳥なのです。ひなの頃からの育て方はもちろん、成鳥になってからでも、正しい方法で接することで信頼関係を築くことができます。
この記事では、オカメインコと深い絆を結ぶための具体的な方法を、実践的なポイントを交えて詳しく解説していきます。
べた慣れオカメインコとの関係を長く保つための秘訣
手乗り崩れを防ぐための具体的な対策
ケージの出し入れをスムーズにするトレーニング方法
これらの方法は、長年の経験と実績を持つ飼い主さんやブリーダーが実践している効果的なアプローチです。焦らず、愛情を持って接することで、愛鳥との素晴らしい信頼関係を築くことができます。正しいアプローチで、あなたの愛鳥とより深い絆を育んでいきましょう。
オカメインコがなつきすぎ!雛から育てるベタ慣れインコのつくり方
オカメインコは気が小さくて
臆病な性格をしていますが、
一度人との信頼関係が築けると
「なつきすぎ!」と思うくらい
ベタベタになつく鳥です。
その信頼関係を築くためには
少しずつ段階を踏んでいくことと
あわてずに時間をかける意識が必要です。
そもそもオカメインコはたいへん賢いので
ヒトが自分の仲間であるという認識を持てば
他の人ともフレンドリーな関係を
保てる子が多いです。
よくなついた手のりにするためには
雛のうちから人の手で挿し餌をして
育て上げますが
これは飼い主本人が「自分の手で」
挿し餌をして育てなくてはいけない
…ということではありません。
「育ての親」がペットショップ店員であろうが
ブリーダーであろうが
「人の手」で愛情をこめて大切に育てられた雛は、
その後に飼い主が別の人に変わることがあろうが
挿し餌を卒業して育った中雛以上の鳥であろうが
ベタ慣れオカメインコになる確率が高いです。
オカメインコがべたなれになるかどうかは
個体差だけで決まるわけではありません。
「三つ子の魂百まで」といいますが、
オカメインコなら、たぶん生後3か月くらいまでの
「育ての親」の影響を強く受けているのでは?と思います。
ただそれがずっと続くわけではなくて、
次の飼い主が雛に接するときの
「態度」や「気の長さ」「飼育知識」にも
べたなれの度合いはかなり左右されると感じます。
本物の信頼関係を築くには、時間がかかります。
こちらの飼い主さんも
愛鳥との信頼関係を築き上げるまで7~8年くらいかかったと回想しています。
実はかけひき上手で空気を読むインコ…うまく誘導するには
べたなれオカメインコにする基本は
雛から挿し餌で育て上げることです。
鳥類は初めて見た相手を親鳥と認識します。
いわゆる「刷り込み」ですね。
雛の時から世話をすることで
親鳥と同じような距離感で
接してくれるようになります。
羽毛が生えそろわない小さな雛は
3~4時間ごとに給餌する必要がありますが、
繰り返し人の手に接することで
べた慣れになる確率が上がります。
初対面の雛鳥は
ほとんどの個体が手を警戒しますが、
挿し餌のときに触れ合うことで
自然に警戒心を解いていきます。
飼い主からの挿し餌を受け入れた雛の
警戒心が解ければ
ヒトの手を「ご飯をくれる好きなもの」
…と思ってもらえます。
我が家生まれのオカメインコ雛たちは
生後2~3週目ほどで
親元から離して挿し餌を始めますが、
親から離されると
ものすごい威嚇をしてきます。
体を小刻みに左右に揺らして
シャーッ…と強烈に怒られるんですが…
それでも挿し餌は
きっちりと食べるんですよねえ
ガツガツとね(笑)
一度挿し餌をすると
次はもう威嚇することはなくて
お腹がいっぱいになって満足すると
「この人は自分の世話をする下僕だ」
…と理解するらしく
目に浮かべていた警戒の光が消えるのが
ひと目でわかります。
順調に生育している雛鳥はみんなそんな感じなので、
べた慣れオカメの作り方の根本的方法は、超簡単なんです。
ベタなれオカメインコとの関係を維持していくにはコツがある
べたなれオカメインコは作れる!…と書きましたが
その蜜月状態をずーっと長いこと
キープしていくのは難しい。
インコの一歩先を行く配慮と努力が
求められます。
それは鳥の心の機微や
インコのきもちを敏感に捉えること。
インコの思いを裏切らない心遣い。
…という感じでしょうか。
一度べたなれの手のりになっても
成鳥になってから
遊んであげることがなくなると
一応なついてはいるし
大切な家族との認識もあるものの
手には乗らない状態になることが
少なくありません。
いわゆる「手乗りくずれ」です。
ほんの些細なことでも、手乗り崩れは普通に起こります。
ちやほやかわいがるのが雛のうちだけで、
だんだんかまわなくなってくれば
当然 手のり崩れになる確率は高まります。
毎日顔を見たり声をかけたり
コンスタントにお世話をしていても、
「手に乗る」行為から離れていると
ヒトの手を怖がるようになります。
元々が手乗りインコなので
荒鳥のような警戒心マックスにはなりませんが、
人の肩や頭の上には乗れるけど
手は怖くて乗れない…
そういうケースが多いです。
オカメインコを手乗りくずれにしないためには
定期的な放鳥とふれあいを欠かさないこと。
しかしそれも飼い主の都合によって
日によって接し方が変わるのはダメです。
いつも同じ時間に、いつも変わらぬ態度で接する
これが理想です。
忙しい現代人がこのように
立ち回るのは難しいですが
鳥たちは「いつも同じ」を求めています。
オカメインコやセキセイインコのように
大きな「群れ」で暮らす習性の鳥たちは
物理的にも心理的にも
「いつも近くにいること」を求めます。
いつも声が届くところにいて
相手の行動を観察・把握しながら
生活しています。
インコとってはそれが当たり前なので
自分に対して「無関心」になられるのは
非常につらいことです。
オカメインコはとても賢い鳥なので
成長と共にコミュニケーションスキルを
どんどん上げていくため
飼い主もそれに応えるべく
インコの心理を読み解く努力が必要です。
そのためには「声を掛ける」「ほめる」
「ふれあう」などの「当たり前」を
毎日意識すること
欠かさないことが大切です。
「手を怖い」と思わせないための帰宅トレーニングのすすめ
放鳥すると鳥がなかなかケージに戻ってくれない
戻りたがらなくて逃げる
…などの困った経験がある方は
多いのではないでしょうか。
飼い主の言う通りにならない時に
鳥を追い回したり
無理やり掴んでケージに戻す
…を繰り返すことは
互いの信頼関係にひびが入る原因にもなります。
人間の事情が最優先なのはごもっとも
ですが…
「信頼関係にひびを入れる行為をしている」
そんな自覚がないままに
インコを怖がらせたり不信感を与えている人が多いです。
鳥に対しても
犬や猫と同じように
最低限のルールを守らせるために
「しつけ」が必要です。
しつけは「頭でわからせる」ではなくて、
条件反射を利用するトレーニングにすれば
鳥にストレスをかけなくてすみます。
ケージの中にお気に入りのおもちゃを入れて
誘導するとか
ケージに戻ったら特別なおやつを出す
条件付けをするとか
ご飯の音でケージに入れるように誘導するとか
お腹を空かせるタイミングを見計らって
ベストな時間帯に放鳥する
…など、ごくごく自然な形で、
さらにインコに圧力をかけない工夫が必要です。
オカメインコは臆病で神経質だからこそ
べたなれの度合いの個体差が大きいです。
そのため、その子に合った接し方を
常に飼い主が模索しながら工夫していくことが大切です。
その基本が
「手は怖くないもの」
「大好きなもの」
「安心するもの」
…と覚えてもらうこと。
これらがオカメインコを
べた慣れにさせる戦略の中で
もっとも大切で
最初に取り組むべきポイントです。
特にストレス耐性が低い鳥は手を避けやすい傾向があります。見分け方は、掴まれた時に強く暴れたり噛んだりする場合はストレス耐性が低く、掴まれてもじっとしていたり、噛んだりしない場合はストレス耐性が強い傾向があります。ストレス耐性が低い鳥は回避傾向が強いので、接し方に注意をしましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 21, 2022
オカメインコは賢くて感情豊かな鳥、
しかもそれぞれに個性がありますが、
インコあるあるについても
基本事項を把握しておくと
インコの心理を理解しやすいです。
オカメインコを愛情たっぷりのべた慣れにする方法と心得【総括】
雛からの人の手による育成が信頼関係構築の基本
挿し餌による育成で警戒心を自然に解消
育ての親は飼い主でなくても良好な関係構築が可能
生後3か月までの接し方が将来の性格に大きく影響
定期的な触れ合いと放鳥で手乗り崩れを防止
毎日同じ時間帯での世話と接触が重要
飼い主の無関心な態度が信頼関係を壊す要因
コミュニケーションは声かけ、褒める、触れ合いの3点が基本
ケージへの帰還は強制ではなく自然な誘導が効果的
手は「安心できるもの」という認識づけが最重要
個体差に応じた柔軟な接し方の工夫が必要
インコの群れ習性を理解した継続的なケアが大切
しつけは圧力ではなく条件反射を活用
オカメインコとの信頼関係づくりは、一朝一夕には実現できません。しかし、この記事でご紹介した方法を実践することで、愛鳥との絆を確実に深めることができます。
焦らず、そして愛情を持って接していけば、きっと素晴らしい関係を築くことができるはずです。より詳しい飼育方法や悩み解決については、当サイトのインコカテゴリーの関連記事もぜひご参照ください。