セキセイインコの飼い主の寄稿です
セキセイインコをお迎えして半年が過ぎようとした頃、ケージの環境や飼い主には慣れてきたようだけど、なんだかインコとの距離を感じる日々が続いていました。
ただ放鳥するのではなく、セキセイインコと一緒になって遊んで、もっと関係性を良くしたいという気持ちが強くなってきた時に、クリッカートレーニングに出会いました。
トレーニングを通してインコとのコミュニケーションがもっと充実した体験と、トレーニングを成功させるコツを紹介します。
クリッカートレーニングでインコとの遊びと芸と強い絆をゲットした話
一人餌になったばかりのセキセイインコのオスをお迎えし、手や肩を出せば自分から乗ってきてくれたり、少しずつおしゃべりが上手になってきたり、人間との暮らしにも慣れてきた様子でした。
しかし、放鳥時間になってケージのドアを開けても、一人遊びが好きなのか、なかなか外に出てきません。
また、インコに顔を近づけても「イヤ!」と飛んで行ってしまい、インコの頭を指でかいてあげようとすれば強くかまれてしまう状態で、インコと深い関係を築けていませんでした。
そこでもっとインコと触れ合える時間を作って関係を深めたいと思い、インターネットやインコの飼育本で情報収集を行いました。
そこで「クリッカートレーニング」と出会い、実際にトレーニングを始めました。
インコのクリッカートレーニングのやり方!まずはコミュニケーションをとるところから
クリッカートレーニングとは、クリッカーと呼ばれる、押すと「カチッ」と音が鳴る道具を使ったトレーニング方法です。
ペットが正しい行動をしたときに音を鳴らし、ペットが大好きなおやつなどのごほうびを与えることで、ペットは「音が鳴る=良いことがある」と認識します。
これを繰り返すことで、クリッカーの音が「正しい行いをした」という合図になり、ペットが人間からの指示を明確に理解することができるようになります。
インコのクリッカートレーニングを「握手」から始めてみた
早速インターネットでクリッカーを購入し、ごほうびとしてインコが大好きなシードを用意していざ挑戦です。
まず手始めに、飼い主の手にはすでに慣れていたことから、インコの足と飼い主の指を使って「握手」を覚えてもらうことにしました。
- STEP1インコの片方の足元に指を差し出す
- STEP2片足を指に乗せることができたら、すかさず「すごいね!」と声をかけ、クリッカーを鳴らす
- STEP3ごほうび・おやつを与える
- STEP4指に両足で乗ってしまったら1からやり直し
- STEP51~4を繰り返す
クリッカートレーニングの難易度を上げていき「ターン」「トンネル」もできるように
最初のうちは、両足で指に飛び乗って「ごほうびはくれないの?」と首をかしげていました。
しかし、毎日少しずつトレーニングを繰り返すうちに、「片方の足を指に乗せたらごほうびがもらえる」と理解したようで、足元に指を差し出せば片足で「握手」が自然とできるようになりました。
トレーニング開始から1週間もすれば、指を差し出さなくても自ら片足を指に乗せて、ごほうびをねだるようになりました。
「握手」を習得した後は、その場でくるっと回る「ターン」や、指と指の間をくぐる「トンネル」など、少しずつトレーニングの難易度を上げていきました。
トレーニングのコツは「明確な指示を出す」と「ほめる」
トレーニングの時に意識したことは、「明確に指示を出す」「できた時にしっかりほめる」ことです。
先ほどの「握手」を例にすると、正しい行動は「片足を指に乗せること」です。
何もない状態から片足を指に乗せてもらうためには、足を乗せてもらうための指示が必要です。
今回の場合、「足元に指を差し出す」ことがきっかけとなり、片足を乗せることができたら正解=音が鳴る、と指示を伝えることが大切です。
「インコが頑張っているから…」と、両足で乗った時にもクリッカーを鳴らしたりごほうびをあげたりしていると、インコにとって何をしたら正解になるのかわからなくなってしまいますので、気を付けましょう。
クリッカートレーニングはインコとのコミュニケーションを増やすことが目的
そして、このトレーニングの最も大切なことは、インコとのコミュニケーションを増やすことが最大の目的です。
ただ技や芸を覚えさせるだけでは全く意味がありません。
飼い主の気持ちが伝わったら「すごいね!」「えらいね!」とたっぷり声かけをすることで、インコも愛情を感じて嬉しい気持ちになることでしょう。
もちろん、トレーニングが上手くいかない時にインコを叱ることは絶対にNGです。
より良い関係を築くためにトレーニングしているので、怒るとインコとの関係性を悪化させてしまいます。
そもそもクリッカーは「ほめるしつけ」に利用するアイテムですので、褒めれば褒めるほどトレーニングやしつけが入ります。
インコがこちらの指示を理解していないと気づいたら、指示の方法を変えてみるか、トレーニングを一旦中止して、別の機会にチャレンジしてみましょう。
早く遊ぼうよ!クリッカートレーニングを通じてセキセイインコが積極的になった
トレーニングを開始して1カ月経った頃には、我が家のインコは合計10種類の技ができるようになりました。
さらに、放鳥時間の少し前になると
…とケージの出口付近に待機して呼び鳴きをするようになりました。
ケージから勢いよく飛び出してトレーニングの準備を進めている最中にも、うちの子は自ら顔のそばまで寄ってきて、飼い主に羽づくろいをするような仕草まで見せるようになりました。
クリッカートレーニングを通じて、インコが積極的に飼い主と関わるようになり、インコとの絆はさらに強いものとなりました。
もし、「インコともっと仲良くなりたいな」とお悩みの方は、一度実践してみてはいかがでしょうか。