セキセイインコの飼い主の寄稿です
私の愛鳥のセキセイインコ(オス・空)はつい先日亡くなりました。
享年17歳。晩年、大きな病気を3つ抱えて治療していました。
セキセイインコの腫瘍は治る?17歳の尾脂腺腫瘍・肝疾患・斜頸の話
うちの子は元々は綺麗な水色と青色のインコでしたが、肝臓疾患で頭の部分からじわじわと青色が減っていき、次第に全身が少しずつ色が抜けていきました。
肝臓の治療を始めたのが、2020年春頃です。
斜頸にもなりました。
頭が真っ直ぐにできなくなり、常に傾いている(首をかしげているような状態です)に気づいたのが2021年春頃。
なんとなく違和感があり、かかりつけの病院を受診して斜頸と診断されました。
これは神経からくるものらしいのですか、治療法はないためお薬もなく、見守って行く事になりました。
もう1つの病気は尾脂腺腫瘍で、尾羽の辺りに小さな出来物ができました。
それに気がついたのは2022年7月末のことでした。
セキセイインコの肝臓疾患とイエローフェザー
こちらはオカメインコのノーマルのイエローフェザーです。粉綿羽が伸びて、風切羽も細くなっています。ルチノーでは蛍光イエローのような色になりますがノーマルではこのような色になります。換羽毎に徐々に変化すると気づかない飼い主さんもいます。原因は肝機能障害や高脂血症であることが多いです。 pic.twitter.com/aYheggVemQ
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 26, 2021
正常に戻るのは、換羽の時に正常な羽が生えてくるということです。変形・変色した羽自体は、正常に戻ることはありません。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 17, 2022
肝臓疾患については、飲み薬とビタミン剤が処方されました。
ビタミン剤は液体で、粉薬は飲水に1包、同様にビタミン剤も1滴入れて、混ぜて毎日あげていました。
肝疾患の治療はすぐに効果が出るわけではなく、元の羽の色に戻るまで2年半程かかりました。
鳥種によって異なります。ラブバードは肝疾患ですとレッドフェザーになります。セキセイインコとオカメインコは、肝疾患でイエローフェザーになります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 27, 2022
お薬をきちんと飲んでもらうために、小松菜等の水分が取れるおやつも我慢してもらっていました(飲水量のコントロール)
お薬は約2ヶ月分出ましたので、2ヶ月おきに通院して状態を見て、薬の量を調節してもらうという流れです。
15~17歳と高齢だったこともあり、また状態が悪化しないように薬の濃度を薄くして投薬はずっと継続していました。
セキセイインコの斜頸はなぜか自然に治り…
こちらは斜頸が見られる15歳のコザクラインコです。ラブバード類は老齢性の平衡感覚障害が多く、頭部のグラつきや痙攣が出ることもあります。この症状は大脳と小脳の動脈硬化によって起こることが多いです。予防は雌の発情、肥満による高脂血症に気をつけ、定期的な血液検査を行うことが推奨されます。 pic.twitter.com/83fIV3owTN
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 11, 2021
鳥も長寿になれば、老齢性疾患は増えていきます。この仔は斜頸と毛引きがありますが、食欲元気はあります。
幸せかどうかは本人にしかわからないことですので、私たちは鳥の目を見て感じたことをしてあげると良いと思います。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 12, 2021
斜頸は神経からくるもので治療法がないとの説明を受けました。
インコを見守ってあげることしか出来なかったのですが、斜頸と診断されてから約1年で徐々に首の傾きがなくなってきました。
そしてうちの場合は最終的には完治したので、治療法はなくとも治る可能性はある病気ではないかと思いました。
斜頸の原因として平衡感覚器の炎症や脳炎であれば効果が出るかもしれませんが、診察なしで意見は出せませんのでご了承ください。また薬容量も分からないので大丈夫かどうかも残念ながら分かりません。ご心配でしたら担当した先生に聞いてみると良いと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 3, 2021
セキセイインコの尾脂腺腫瘍は治る?漢方薬の効果は期待できる?
こちらはセキセイインコの尾脂腺腫瘍です。最近摘出手術が多くなっています。触らせてくれない仔の場合、大きくなるまで気づかないことが多く、腫瘍を齧って嘴や羽に血が付くことで来院するケースがほとんどです。セキセイの他にオカメインコにもよく見られますので、お家でも時折チェックしましょう。 pic.twitter.com/3CgBA1s3Yr
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 13, 2021
セキセイインコですと7歳以上で発生率が上がります。また肥満していると、もっと若くても発生することがあります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 14, 2021
尾脂腺腫瘍は治療薬はなく、麻酔して外科手術で腫瘍を切除する方法があると説明されました。
ただし手術をしてもまた再発する可能性もあることや、麻酔や出血を伴う手術はリスクが大きいこともお聞きしていました。
尾脂腺腫瘍の診断時には私のインコは16歳でしたから「高齢であることから命の保証は出来ない」とも説明されて、外科手術はやめました。
腫瘍が小さく その根元が細ければ、糸で腫瘍の根元を縛り、しばらくそのままの状態にして腫瘍を壊死させて取り除く…そんな方法もありました。
しかし私のインコは荒鳥に近く、普段から餌や水を取り変えるだけでもビビって避けてしまうことから、なるべくストレスをかけることは控えたいと思い、その方法も断念しました。
もう一つの方法として獣医から漢方薬を提案されました。
…と説明されたとき、
…と考えて漢方薬治療をやってみることにしました。
漢方薬はいつもの肝臓の薬に追加で入れているので、味は更にまずかったと思いますが、私のインコは毎日頑張ってそれを飲んでくれていました。
漢方薬を飲み始めの頃の腫瘍の大きさは、小指の第1関節分位の長さで、根元は細かったのです。
それが漢方薬を飲み始めて2ヶ月ほどで腫瘍がカサカサに乾燥し始めました。
ある日、いつも通りケージの掃除をする時に
…と思ったら腫瘍が取れていてびっくり。
ですが、腫瘍の根元は残っていたと思われます。
2ヶ月くらい経ってから再び同じ場所に小さな腫瘍ができて、またじわじわと大きくなってきて、前回の腫瘍の1.5倍ほどになりました。
根元ががっしりとしていたので、たぶん糸で縛って取るような手法も取れない太さだと思います。
漢方薬のおかげか 一度は腫瘍は乾燥して自然に落ちましたが、おそらく尾脂腺腫瘍は再発しやすいのでしょう。
若ければ手術で切除できるとはいえ、甘くみてはいけない病気です。
尾脂腺のチェックポイントは、羽を除けて尾脂腺の形状をしっかりと確認することです。羽根の隙間から覗くだけだと大きくなるまで見逃す可能性があります。
月一のチェックで良いと思います。うまく見られなければ定期的に病院で診てもらうとよいと思います。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 14, 2021
私のインコは腫瘍に栄養をとられてしまうことで、1ヶ月で体重が5gほど落ちてしまい、2日前に亡くなりました。
尾脂腺腫瘍については うちの子に若さや体力があったなら、外科手術を選択したと思います。
毎回酸素吸入とお薬、ビタミン剤、糞便検査等(たまに爪切り)で、通院する度に大体7~8千円かかりました。
私のインコは心臓の状態もあまり良くないうえに 人に慣れていないので診察するだけでパニックになりましたが、最期まで懸命にがんばってくれました。
毎日癒しを与えてくれた愛鳥に、今は感謝しかありません。
当院でも漢方薬は使いますが、効果の確認は困難です。使った場合と使わなかった場合を比較できず、そのような研究もないのです。免疫を上げて腫瘍に対する抵抗力をつけるために補助的に使うものです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 3, 2021
市販のものでは他にはないですね。
サプリよりも、栄養バランスがしっかり取れていることが大切なのでペレットが主食になってると良いと思います。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 3, 2021