オカメインコの飼い主さんの寄稿です
オカメインコの爪切り失敗で小鳥の病院をはじめて受診した体験談
我が家の愛鳥(オカメインコルチノー・男の子)がケガをした際の、病院での診察・私が行ったこと・そして病院代などについてお伝えします。
うちの子は2010年産まれのルチノー、タンタン(一羽飼い)です。
子供の頃から私の周りには常に何らかの小鳥がいる環境で育ったこともあり、私にとって一番親しみやすいペットはなんといっても小鳥でした。
初めての爪切りでタンタンに怪我をさせてしまった…
ある日、いつものようにタンタンと遊んでいた私は、自分の手や腕が無数の赤いひっかき傷だらけになっていることに気づきました。
普段は何より「小鳥と遊ぶこと」だけに集中していることや、自分はケガをしたとしても小鳥にはケガをさせたくないという意識が強かったのでこれに気づくのが遅れた感じでしたが、さすがにそのときの傷だらけの手や腕を見たときは「これはなんとかしなくちゃ」と思ったのです。
引っかき傷の原因はタンタンの爪が伸びすぎていたことでした。
実はお迎えしてから タンタンの爪を一度も切ったことがなかったのです。
これまでは 止まり木に紙やすりのようなカバー形状のグッズ(→本当は鳥にはあまりよくないものらしい)をかぶせたり、止まっているうちに自然に爪の伸びすぎを防ぐという「セメントパーチ」と呼ばれるものを使って、爪の伸びすぎをしのいでいたのです。
でもさすがにそれだけでは爪の手入れは足りなかったようでした。
そこで私はタンタンのお迎え後 初めて愛鳥の爪切りに取り組んだのでした。
まずはネットで検索をかけ、病院に行かなくても小鳥の爪を切ることが出来る方法を確認しました。
当時は小鳥の爪を切るのに最適なグッズを持っていなかったため、小刻みに角度調整ができる人間用の爪切りを使用することにしました。
タンタンが怖がらないように、タオルで軽く目隠しをしながら保定して爪切りを開始したものの、ただでさえ臆病なオカメインコだけに、暴れて大変なことになったのです。
そんなこんなでなんとか爪切りを終えたときには、私もタンタンもグッタリとしてしまっていました。
自分では深爪には注意をして切っていたつもりでしたが、あまりにもグッタリとしているタンタンの足元を見ると、爪の先から血が出ていることに気づいたのです。
あわてて小麦粉を塗ってあげたりしたものの、タンタンの爪切りのショックとぐったり状態はその日1日続いてしまい、不安になった私は翌日病院に連れて行くことを決意しました。
爪切りの失敗を動物病院へ問い合わせてみた
「小鳥専門」の動物病院というのは、どこでも非常に少ないのが現状だと思います。
我が家の周りにもあるのは一般的な動物病院のみ。
しかしネットで調べてみたところ、電車・バスを乗り継いで2時間弱の場所に、小鳥専門のクリニックがあることがわかりました。
クチコミによるといつも混んでいることで有名な病院のようでしたが、愛鳥の一大事に そんなことを気にしてはいられません。
私は躊躇せず、すぐにその小鳥専門クリニックに問い合わせの電話を入れました。
どんな状況なのかを話したところ、翌朝1番に予約を入れていただくことができました。
電話では 愛鳥の怪我の経緯・現在の状況・病院に連れて行くまで何をすればいいか、ざっくりとした予算などについてを事前に伺うことができたので、少しだけ安心できました。
幸いにしてタンタンは緊急を要するほど弱ってはいませんでしたが、
…ということも教えていただきました。
小鳥専門の動物病院を訪れるのは初めてだったので、治療費がどの程度かかるのか予想がつかない不安も正直にお伝えしたところ、受付の方はこちらの意を汲んでくださり おおよその目安を教えていただいたのも助かりました。
小鳥の病院の受診当日の流れ
我が家から小鳥専門のその病院へは、バス→JR→地下鉄→路線乗り換え→地下鉄と乗り継いでいかねばなりませんでした。
我が家には車がないので、タンタンにはまずプラスチックケースの中に入ってもらい、ケースの両脇にはホッカイロを貼って保温できるようにしました。
その上から厚手のバスタオルで包んであげて、公共交通機関に乗れるサイズのレジバッグに入れて病院へ向かいました。
病院到着後はまず問診票に記入して(タンタンの誕生日・鳥種・性別・お迎え日・お迎え場所・どんな症状で来たか・どんな治療を希望するか・どんな交通機関で来たか…等) 待合室で順番待ちです。
来院する前は不安でいっぱいでしたが、それぞれの愛鳥を連れてきている飼い主さんとお話したりすることで、だいぶ気持ちが和らいでいきました。
そしていよいよタンタンの順番が来ました。
担当してくださったのは、とても話しやすい雰囲気の女医さんでした。
どんな状況でケガをしたか、どこが気になるかということを聞いた直後に、すぐに体重測定・フンの検査・触診を開始。
触診の段階で「骨が折れている心配はないでしょう」とのお話でした。
グッタリしつつも 見知らぬ環境でタオルに包まれながらギャーギャー暴れるタンタンを見て、診察が終わるまでは本当に心配でしたが、診断結果は
貧血解消のためのお薬と炎症止め(2種ともくちばしの横から流し込んであげるタイプ)
それにプラスして爪切りを自宅でする際に必要な「小分けの止血剤」をいただいてきました。
診察の終盤には、普段のお世話の仕方や気をつけたほうが良いことについてもレクチャーしていただくことができました。
■止血剤を常備しておくこと
■小回りの利くDIY用の小さなニッパーのようなもので爪切りすること
■爪切りがどうしても難しいようであれば 無理せず病院へ連れて来たほうがよいこと
■今まで良かれと思って使っていた「紙やすりのような形状の止まり木につけるカバー」は小鳥の肝臓にたまってしまうことがあるため 止めること
■野菜を受け付けない鳥さんには、ネクトンのようなサプリメントが有効であること
このような小鳥の専門家ならではのお話をいろいろと伺うことができました。
気になる小鳥の病院代!診察費用は?
病院に行く前に大体の費用についてもお聞きしていたのですが、その際には、
・レントゲン 5,000円~
・血液検査 10,000円~
・・・というようなざっくりとした説明でした。
そして実際のお会計はというと、
・フンの検査 1,000円前後
・炎症止めと貧血解消剤5日分 2,000円
・止血剤 500円
合計で7,000円前後のお支払いとなりました。
事前に鳥類専門動物病院を探しておくことは大事!
幸いにしてタンタンは日を追うごとにどんどん元気が戻っていき、3日間ほどで心配がない状況になり、通院は1回で終わらせることが出来ました。
今回の経験を通して身にしみたのは、やはりこういうときのために 事前に「鳥類専門」の動物病院を探しておくことの大切さです。
実は以前、近くの総合動物病院にタンタンを健康診断に連れて行ったことがあったのですが、その際の診察で言われたことはほとんど当たっていませんでした。
たとえば、わかりやすいワキワキ歩行をしているのにもかかわらず「この子は女の子でしょう?」と言われたりしたんですよね。
鳥類を専門に診て下さる先生は少ない現状ではありますが、多少遠かったとしても、一人でもホームドクター的な先生を見つけておくことは、本当に大切だと感じた出来事でした。
子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人で、これは鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)に役立つ情報や体験談を集めたコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新します。