オカメインコはかわいいさえずりが元気のバロメータでもあるのですが、飼い主さんの悩みの1つに「大きな鳴き声」があるのではないでしょうか?
朝に夕に愛鳥の鳴き声が高らかに響くたびに、ご近所に迷惑になりはしないか!?とヒヤヒヤしている方は意外と少なくありません。
とはいえ、鳥は鳴き声でコミュニケーションを取る生き物であり、高い声を上げるにはそれなりの理由もあります。
オカメインコの鳴き声の意味と対策は鳥の気持ちと鳴く理由から考える
オカメインコの故郷はオーストラリアの広大な大地で、危険な敵から身を守って生き抜くために、20~30羽ほどの小さな群れを作って暮らしています。
朝餌を探しに飛び立つ時、ねぐらに帰還する日没前、よく響き渡る声で常に仲間と鳴き交わしながら、大自然の中を飛び回っています。
こちらはオカメインコのオス同士のペアのコンタクトコールです。互いの姿が見えないと鳴き、見えると鳴き止みます。この2羽は雛の時から一緒で、同居しており、とても仲良しです。環境にもよりますが、飼い鳥では同性のペアは珍しくありません。同性同士で交尾をすることもあります。 pic.twitter.com/tpANzX4tmg
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 28, 2021
この鳴き交わしの習性は、飼育下のオカメインコであっても変わりません。
オスの方が大きなよく通る声で、メスの方が控えめな声で鳴きます。
それはコンタクトコールですね。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 7, 2022
鳥は鳴くのが習性なので鳴かないようにすることはできませんが、うるさく鳴くことに何らかの理由がある場合なら対処次第で無駄鳴きを減らすことができます。
鳥の声を「うるさい!」と思っている方は、まずは愛鳥が鳴いている原因を探ってみましょう。
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オカメインコは空腹を訴えて鳴く!「餌がないんだよ!お腹がすいたよ!」
鳥が大声で騒いでいるのは「おなかが空いたよ!」と鳴いているのかもしれません。
エサがない=命の危機ですから、真剣に訴えることもあります。
オカメインコのアラームコール!危険を知らせるアラート鳴き
突然けたたましくわめき始めたら、外に何かがいる、窓から何かが侵入したなど緊急事態ということもあります。
異常がないか、すぐにケージの周囲を確認してください。
多頭飼いで、お薬を与えるために日に何度か捕まえる時にこれらの声を出す鳥の場合は、この声が他の鳥に緊張感を与えてストレスになりますので、声が聞こえないよう別の部屋で捕まえるようにしましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) March 24, 2021
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オカメインコは寂しくて鳴く!ひとりぼっちの不安鳴き(呼び鳴き)
これはいちばんあるあるなのではないかと思います。
常に群れで行動しているオカメインコはひとりぼっちが苦手です。
群れから離れてひとりでいることが危険だと本能で知っているので、危機感から鳴き叫ぶことがあります。
特に家族から隔離された場所にいるオカメインコでひとりぼっちでいることに慣れていない個体の場合は、不安と孤独から必死に飼い主さんを呼び戻そうと鳴くことがしばしばあります。
仲が良い悪いとは関係なく、同じ環境内にいたので仲間と思っています。その仲間がいなくなったので、コンタクトコールを続けていると思います。新しい鳥とは、新たな関係を作ることになります。必ずしも呼び鳴きが収まるとは限りません。新しく鳥を飼うのは、飼い主さんの気持ちで決めた方が良いです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 10, 2020
オカメインコは分離不安から鳴く!親兄弟から早くに引き離されてしまった場合など
鳥の社会化期は生後2ヵ月と言われています。
生まれた雛はこの時期、親鳥に依存し、兄弟と触れ合って、守られている安心感の中で、生きるために必要なことを学びます。
そのため、あまり早く親兄弟から離されてしまった個体は安心感を持つことができないのです。
ヒトでも機能不全家族に育ったアダルトチルドレンは大人になってもメンタルが不安定なままなことが多く、心を病む人が少なくありませんが、ある意味それに似た状態といえます。
オカメインコは分離不安が原因ですぐに怯えたり攻撃的になったりと、精神的に不安定なことがあります。
鳥が不安から飼ん主を呼んでいるなら、優しく声をかけて安心させてあげましょう。
人の不在時は動かず食べなくなります。分離不安の対策は自分が鳥の親と思うことです。親の役割は子を自立させ1人でも生きていけるように教育することです。親鳥ほどの子離れをする必要はないですし飼い鳥にはお世話が必要ですが、永遠の3歳児のようには捉えずもう大人であることを意識してみて下さい。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 11, 2020
呼び鳴きを無視していると、鳥は飼い主さんを呼ぶのをあきらめて心を閉ざしてしまうこともありますし、それが毛引き症など新たな問題行動のきっかけとなります。
愛鳥のためになるべく時間を作って触れ合い、愛情をそそいであげたいものですね。
オカメインコはかまってほしい時に鳴く!「カキカキしてほしい!」等の訴え鳴き
よく人に慣れ、落ち着いたオカメインコでも、飼い主さんにかまってほしい時は呼び鳴きします。
鳥に呼ばれるたびに飼い主がケージにダッシュしていると、鳥が「呼べば飼い主が来てくれる」と学習してしまいます。
こんな時、飼い主さんは呼び鳴きに反応せず、しばらく我慢して待つことが必要ですが、この状況からガン無視を貫き通すのはマイナスです。
静かになった時に愛鳥のもとに行き、アイコンタクトしながら「いい子だね」とほめてあげましょう。
「出してー」「お腹空いたー」などの意図があります。注意喚起は人の気を引くのが目的なので鳴いたら人が見た、来た、返事をした、出してくれた、ご飯くれたといった反応をすると呼び鳴きが強化されます。強化されると反応がない時にストレスになるので注意喚起には反応し過ぎないよう注意しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 13, 2021
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オカメインコはつまらない時に鳴く!退屈・運動不足等の欲求不満やストレス解消鳴き
退屈だったり運動不足などでエネルギーが有り余っていると鳥は大きな声で鳴いて欲求不満を解消することがあります。
安全なかじるおもちゃや壊してもいいおもちゃを与えて、インコがひとり時間を楽しめるように工夫しましょう。
運動不足には水浴びをさせると、体力も消耗し、気分もすっきりします。
鳥のストレスの多くは分離不安や退屈です。どんなに大きなお家に住んだとしても、常に注目する相手と注目される相手がいなければ満たされないのかもしれませんね。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 10, 2021
鳥の分離不安の改善方法は研究されていませんが、犬と同じように日々のストレスが解消されて満足することが改善につながるかもしれませんね。運動とコミュニケーションの時間を増やすことから始めてみましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 12, 2021
オカメインコは発情鳴きもする
オスは発情すると、首を振りながら、高らかにラブソングを歌います。
鳥は飼い主をパートナーと見なして発情することもごく普通にあり、相手が応えてくれるまで延々と歌い続けます。
過剰な発情を抑えるために、高脂肪食にならないよう栄養を管理し、

愛鳥へのボディタッチは控えめにして、後頭部をカキカキする程度にとどめましょう。
くちばしも触ってはいけません。インコの性感帯になり得るパーツだからです。
オカメインコは騒がしい環境だと騒音に参加して鳴くことがある
野生のオカメインコは、群れの仲間と常に会話しながら生活しています。
そのせいか周りが騒がしいと、群れの中にいると勘違いして騒音に参加してしまうことがあります。
そういう場合はケージを落ち着いた環境に移すと静かになることもありますので試してみてください。