インコを保温する目的で ビニールカバーやビニールクロス、園芸用のビニール製簡易温室などの塩化ビニール樹脂をインコケージのカバーに使う人がいます。
これはインコにとって命を奪われるかもしれないリスキーな行為です。
インコのビニールカバーの危険性!そのにおいが鳥の命を奪う
ヒーターの熱により
ビニールから揮発性物質(有害物質)が
発生する可能性がゼロではなく、
その有害物質を吸えば
インコが亡くなることもあります。
ビニールの種類・品質・経年
これまでの使い方次第で
リスクはケースバイケースですから
一概に「危険!」とは言い切れませんが
それでも安易に
「ビニールでカバーして鳥の保温をしよう」
などとは考えない方がいいです。
ビニール1枚で暖は取れない!保温効果もたかが知れているレベル
そもそもビニール1枚の話…
そこにヒーターをいれたところで
保温効果はたかが知れています。
はっきり言ってしまえば
「気休め」程度のものです。
その上にタオルやブランケットをかけたところで、
こちらも保温的にはたかが知れていますが…
いやいや、それ以前に、ヒーターのそばに
可燃性のものを近づけること自体が
アウトな行為です…やってる人多いですが。
HOEIのおやすみカバーでさえ取説で
「カバーの変形や火災の原因になりますので、
暖房器具との併用はお避けください」と
警鐘を鳴らしています。
うちはそれやっても火事になったことなんてないし
…なんて甘く見ていたら
火災に遭うリスクが高まりますよ。
ペットヒーターが原因の火災や焼けこげ事故、
そのガスを吸って鳥が死んだ…という事案は
毎年後を絶たないのが現実です。
ビニールハウスの昼夜の寒暖差は20℃以上になることも【落鳥の原因】
ケージを園芸用のビニール簡易温室に入れた場合。
冬でも暖かい日の昼間に
強い日差しが差しこめば
保温器具をオフにしていても
密閉されたビニール温室の中は
高温蒸し風呂状態になります。
でもその数時間後の
夕方から夜間にかけては
鳥が膨羽しなければいられないくらいに
冷え込んだとしたら・・・
たぶんその寒暖差は20℃以上。
夜間は冷え込むからと保温電球をつけたら
ビニールから有害ガスが出る可能性がゼロではない…。
それでもビニールカバーを愛鳥に使えますか?
知っていたら、無理ですよね。
「正しい」保温とは
寒暖の差を作らずに
一定の温度をキープさせること。
ジェットコースターのように
気温が上下させてしまっては、
鳥がすぐに体調を崩すのは明白です。
これはヒトだって耐えられませんよ。
安定剤は紫外線から保護して透明性と耐候性を与えます。これらは熱がかかると揮発しやすいため、購入してすぐにヒーターと共に使用すると事故が起こりやすくなります。購入したらビニール臭が減少するまで屋外で陰干しし、近くにヒーターをつけても強い臭いが出ないことを確認してから使いましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 7, 2021
全て慎重に使うとよいと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 8, 2021
ツイッターの通り、
ビニールは「全て慎重に使う」が鉄則です。
そもそも不快なにおいがするものを「安全である」と思えますか?
ビニールは
結構におうものがありますよね。
あなたもそのにおいを不快だと思っているのなら
「これは安全なのか!?」と心配しながら
大切なインコに使うのはナンセンスではないですか?
しかも揮発性物質は目に見えないので…
においの有無だけに頼るのは怖いですよ。
小鳥が毒物に反応して逝ってしまうのは
それこそあっという間のことですから。
インコの保温にはアクリルケージケース+保温電球がおすすめな理由
人間の体感による暑い・寒いと、
インコの体感はだいぶ異なります。
鳥の体温は40~42℃もありますし、
哺乳類と鳥類では呼吸や放熱のシステムが
全然違いますから、
同じ保温方法でいいはずはないのです。
たとえば鳥用パネルヒーターが設置されれば
「寒い!」と感じているインコなら寄り添うでしょう。
しかしこれひとつで保温は大丈夫!などと思ったら
それは大きな間違いです。
インコの冬の保温に最も適しているのはアクリルケージケースの使用
その一方で アクリルケースは
幼鳥・病鳥・老鳥の保温において
温度を28~30℃にキープしなければいけない時に
アクリルケースのサイズ選びとヒーターの使い方を間違わない限り
もっとも安全かつ確実に保温ができるアイテムです。

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寒暖差が大きい時節の若鳥~成鳥の一時隔離スポット
負傷や病気の治療中の鳥の看護病棟
老鳥介護のセカンドハウス
幼雛期から老鳥期まで、年間を通してアクリルケースの使いみちはたくさんあります。
いざ!という時のために
アクリルケースをひとつ用意しておくのは
愛鳥家の賢い選択です。
インコのパネルヒーターはそもそも春・秋用!冬向きではない
元々パネルヒーターは
単体で使用するものではなく、
他のヒーターと組み合わせる
補助的な保温用具に過ぎません。
春・秋に利用するには
パネルヒーター単体でもOKですが、
冬は絶対に無理です。
止まり木そのものがヒーターになっている
保温商品もありますが、
それはインコには低温やけどの可能性があるだけで
保温としては不十分。
これは人間の感覚と思い込みだけで
商品化されたものでしょう。
インコ向きではありません。
インコの保温には熱源よりも「暖かい空気」そのものが必要
鳥の体を覆う羽毛で断熱されているので
外から熱を加えたところで保温の効果は低いです。
インコの保温は
あたたかい空気そのものを
呼吸で体内に取り入れないと
効果がありません。
さらに鳥類は足から放熱する生き物なので
人間の床暖房的保温法は
鳥にはよいものではありません。
インコの保温用品はアクリルケースと保温電球がベストな組み合わせ
鳥の保温に最も適した保温器具は
保温電球です。
保温電球は周囲の空気を素早く
広範囲であたためるので
鳥の保温の理にかなっている上に
複数羽飼育にも対応できるので便利ですが、
アクリルケースとの併用時に
使い方を誤ると危険です。
アクリルは意外と耐熱性が低く
燃えやすい物質で、
65℃くらいで変形してきます。
アクリルの着火温度は400℃で
燃焼速度は遅いものの、
木材と同等の燃焼性があります。
つまり燃えやすい…
だから高温源(ヒーター)に近づけることが
御法度なのですが、
その認識を持たずに使うのは危険です。
こんな風に書くと
ドン引きする人もいるかもしれませんが、
ヒーターが「悪」なのではありません。
ペットヒーターによる火災は
飼い主の不注意や誤った使い方をしたことに
よるものが圧倒的多数です。
安さを重視して小さすぎるアクリルケースを選ぶと
保温用のヒーターを取り付けられないことがあるので、
大きさ選びは重視する必要があります。
設定温度に合わせてヒーターのON・OFFを
自動で切り替えてくれるサーモスタットを併用することや、
100ワット電球の使用は推奨されていないなど、
アクリルケースの使用には一定の制約があります。
アクリルケースの取扱説明書をしっかりと読み込み、
内容を把握したうえで
安全に利用してください。
