サザナミインコの飼い主の寄稿です
これはサザナミインコのぴよちゃんが13歳の頃のお話です。
すっかりおじいちゃんインコの仲間入りしていたある日、ぴよちゃんのクリクリおめめが夜なのに輝いていることに気づきました。
輝いているように見えたのは瞳が白くなっていたからです。
動物病院で診てもらった結果、白内障との診断が下りました。
インコの白内障!老鳥との暮らし方・ケージレイアウト・バリアフリー
13歳になったサザナミインコのぴよちゃんは、止まり木から落ちたり、私の腕から落ちたりと、足指の掴む力が弱くなり、ヨボヨボとした感じで歩くことが多くなっていました。
そんなぴよちゃんのために、ケージのレイアウトや止まり木をそろそろ見直そうか…と思い始めていた矢先、ぴよちゃんの目が妙にキラキラしているように見えたのです。
…とよーく見てみると、光っていると思った黒目の真ん中が白くなっているではありませんか!
病院で診てもらわなくては!と思いましたが、ぴよちゃん自身が目を痛がったり痒がってかく様子も見られなかったので、週末にかかりつけの病院に連れて行くことにしました。
サザナミインコの白内障…動物病院の検査で診断が下りて
ぴよちゃんの目を主治医の先生に診ていただいたところ、案の定
…と言われ、その場ですぐ検査となりました。
検査方法は人間のそれと全く同じで、専用の目薬をさして、しばらく経ってから検査をするというもの。
検査の結果はやはり「白内障」に間違いありませんでした。
インコの白内障の治療法は?
「白内障」と診断されたものの、飼い主には何か出来ることはあるのだろうか?と思った私がそのことを先生に伺ったところ、
…とあっさり言われました。
目薬をさすには毎回ぴよちゃんをつかまえて保定しなくてはいけません。
普段ぴよちゃんを掴むことをしない私は、掴まれたときのぴよちゃんのストレスを考えると、正直なところ先生のその言葉にホッとしました。
もちろん点眼で白内障が治るのであれば話は別ですが。
老鳥インコのケージレイアウトを急に変更するのは危険
先生が言うには、インコの中には全盲になってしまう子もいるけれど、どこに何があるかを体で覚えているので、視力を失ってもそのままにしておけば適応できる場合が多い…とのこと。
それを聞いて、私は「なるほど」と納得しました。
先生のアドバイスを受けた後、私は一部の止まり木を、位置はそのままで少し細いものに変えてみました。
するとケージ内の移動がスムーズになり、ぴよちゃんが誤って落ちることもなくなりました。
先生の言うとおり、あまり大掛かりな変更をしないことが正解だったのです。
老鳥との暮らし方・ケージレイアウト・バリアフリー…正答は1つではない
ぴよちゃんの白内障はその後それほど進行しなかったこともあって、止まり木の変更以外のケージレイアウト変更やバリアフリー化を考える必要はありませんでした。
ところがその後にシニアインコを飼っている人たちの老鳥用ケージレイアウトを見て「なるほど〜!」と参考になった点をいくつか発見しました。
居住空間を下げるのではなく底上げする
私は下に落ちた時の衝撃を和らげるために、止まり木やバードテントを下げることを考えていましたが、その方は逆に底上げをすることで 同じ効果を実現していたのです。
これはまさに目からウロコでした(笑)
老鳥が落下しづらい環境を整える
また、別の方はステップ(インコが上に乗ってしまえる台)を大きくして、その上である程度の移動ができるようにしていました。
また、はしごと止まり木の位置を変えることで 落下しにくい環境を作っている人もいました。
愛鳥に少しでも快適に過ごしてほしいと真剣に考えている飼い主さんの愛情と発想力には感心するばかりでした。
インコが快適かどうかは飼い主の観察眼と推量に委ねられている
人間と同じで、老鳥インコの状態も様々で、しかもそれらの情報はとても少ないです。
なにより、どんなに愛情を示してくれてもインコはしゃべること(状況を伝えてくれること)ができません。
それゆえ、飼い主はインコの動きや餌の食べる量や糞の状態などから、インコが快適に暮らしているのかを判断するしかないのです。
そしておそらくは、どの飼い主さんも「これが正解」「これがベスト」とは思っておらず、日々試行錯誤を繰り返しているのだと思います。
「老鳥インコと暮らす」が意味すること
シニアインコになったぴよちゃんが白内障と診断された時、はっきりと言葉で言われたわけではないのですが、先生の見る「ぴよちゃん」が変わったのでは?と感じました。
幼鳥の頃は「大事に育てれば、まだまだ先は長いから…」と色々なアドバイスをいただいたように思うのですが、今回の受診でいただいたのは「変えないことが大切」というアドバイスだけでした。
私が少しは一般相応の飼い主として認めていただけるようになったからかもしれませんが(笑)私には
…と強く感じたのです。
そして私自身もぴよちゃんが白内障と診断されてから、また少しヨボヨボになり、一段とベタベタに甘えるようになった愛鳥との時間を無意識に惜しむようになっていた気がします。
ぴよちゃんは14歳で あっという間に虹の橋を渡ってしまったので、老鳥介護や看病をすることも、それで苦労することもありませんでしたが・・・
シニアインコと暮らすということは、必要であれば身体のお世話をしながら(実際のお世話の加減はとても難しいと思います)赤ちゃんに戻った「甘えん坊」インコを、ただただかわいがる(褒め言葉と大好きだよの言葉も忘れずに)ことに尽きるのではないでしょうか。
