老鳥ケージレイアウトとバリアフリー!インコの白内障体験談
サザナミインコの飼い主の寄稿
これは私のサザナミインコの
ぴよちゃんが13歳の頃のお話です。
ある日、ぴよちゃんの目が
夜なのに輝いていることに気づきましたが、
それは瞳が白くなっていたせいでした。
当時は止まり木から落ちたり、
足指の掴む力が弱くなり、
ヨボヨボ歩くことが多くなっていたので
ケージのレイアウトや
止まり木をそろそろ見直そうかと
思い始めていた矢先のことでした。
…とよーく見てみると、
光っていると思った黒目の真ん中が
白くなっているではありませんか。
これは白内障?
目を痛がったり痒がる様子はありませんでした。
ぴよちゃんの目を主治医の先生に
診ていただいたところ、案の定
…と言われ、
その場ですぐ検査となりました。
検査方法は人間のそれと同じで、
専用の目薬をさして調べます。
検査の結果はやはり
白内障の診断がおりました。
インコの白内障の治療法は?目薬で白内障は治る?
白内障のインコに対して
飼い主ができることはあるのか?
…と思い、先生にたずねると
…とあっさり言われました。
ヒトと同じで目薬は白内障の進行を
遅らせるもののようです(2023時点)
鳥の白内障を治すことは難しいです。人では人工レンズに交換する手術をしますが、鳥ではできません。進行を遅らせる目薬はあります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 28, 2020
目薬をさすには、その都度
インコを保定しなくてはいけませんが
治癒する効果がないのなら
目薬をさす必要はないのではないか。
ぴよちゃんを掴むことをしたくない私には
掴まれたぴよちゃんのストレスを考えると
先生のその言葉にホッとしたのです。
お家でできることは、ストレスの低減、バランスの取れた食事、発情と食事量の管理になると思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 11, 2020
老鳥ケージレイアウトをあわてて変更するのは危険な行為
こちらは両眼が白内障になったコザクラインコです。多くは老齢性で起こります。視力は白濁の程度やその他の眼の病気の有無によります。視力がほとんどなくなっても徐々に見えなくなった場合は、普通に生活することが多いので、ケージ内のレイアウトを変えない方がいいです。上手く生活できていないよう… pic.twitter.com/mVhVxveBCu
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 18, 2023
インコの中には全盲になる子もいるけれど、
どこに何があるかを覚えているので、
ケージ内をそのままにしておけば
視力を失っても適応できる場合が多いとのこと。
今まで3羽、白内障で全盲になってしまった子達をお世話した事があります。
鳥さん達は生きる事に前向きで、
飼い主がしっかりとサポートすれば、他の子達にもまけないくらいに元氣で居てくれる事を学びました。— 🕊️鳥飼さろめ️🕊️ (@Salome4938) October 2, 2021
白内障は水晶体内のタンパク質が変性して白く濁る病気です。鳥では老齢や糖尿病で起こることが多いです。濁りが強くなるほど視力は落ちていきます。視力が低下しても、ケージ内の餌入れや水入れの位置を変えなければ、日常生活は問題ないことが多いです。予防は栄養バランスと雌の発情抑制、運動です。 pic.twitter.com/OKBYuBjUkR
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 27, 2020
私は「なるほど」と納得し、
一部の止まり木の位置はそのままに
少し細いものに変えてみました。
するとケージ内の移動がスムーズになり、
止まり木から落ちやすかったぴよちゃんが
誤って落ちることがなくなりました。
位置を変えずに、大掛かりな変更を
しないことが正解だったのです。
老鳥ケージレイアウト・バリアフリー・暮らし方…正答は1つではない
ぴよちゃんの白内障はその後に
それほど進行しなかったこともあり、
止まり木の変更以外には
ケージレイアウト変更や
バリアフリー化を考える必要は
ありませんでしたが、
ネットで老鳥を飼っている人たちの
老鳥用ケージレイアウトを見て
「なるほど〜!」と参考になった点を
いくつか発見しました。
ケージ内居住空間を下げるのではなく底上げする
私は下に落ちた時の衝撃を和らげるために
止まり木やバードテントの位置を
下げることを考えていましたが、
ある飼い主さんは逆に底上げをすることで
同じ効果を実現していました。
この逆転の発想は目からウロコでした。
老鳥が落下しづらい環境を整える
別の飼い主さんはステップ
(インコが上に乗ってしまえる台)を大きくして、
その上で移動ができるように
改造していました。
はしごと止まり木の位置を変えることで
落下しにくい環境を作っている
飼い主さんもいました。
愛鳥に少しでも快適に過ごしてほしい!
…と真剣に考えている飼い主さんたちの
愛情と発想力には感心するばかりでした。
老鳥ケージレイアウトの最適解は飼い主の観察眼に委ねられる
インコはしゃべること
(状況を伝えること)ができないので
飼い主はインコの様子を観察して
快適に暮らしているのかを
判断するしかありません。
だからおそらくどの飼い主さんも
「これが正解だ」「ベストだ」とは思っておらず、
もっと良い方法はないだろうか?と
多くの人が日々試行錯誤を
繰り返しているのではないかと思います。

白内障と診断された時、
先生の見る「ぴよちゃん」が
変わったのでは?と
私は感じました。
幼鳥の頃は
大切に育てればまだまだ先は長いから…と
いろいろなアドバイスをいただいたのですが、
今回の受診では
「変えないことが大切」とのアドバイスだけ。
その時の私には
…と感じられたのです。
私自身も白内障と診断されてから、
さらにベタベタに甘えるようになった
愛鳥とともに過ごす時間を、
無意識のうちに
惜しむようになっていた…と思います。
ぴよちゃんは14歳のときに
あっという間に虹の橋を渡ってしまったので、
老鳥介護や看病で苦労することは
なかったのですが
シニアインコと暮らすことは、
必要であれば身体のお世話をしながら
赤ちゃん返りした甘えん坊インコを
ただただかわいがることに
尽きるのではないでしょうか。
そのためには幼鳥の頃から
インコの様子を見守りながら
日々、鑑識眼を育んでいくことが
大切だと思います。