インコ用アクリルケースに防音効果なし?鳥の保温と安全を確保する話

こんにちは。このブログの中の人 yamaki です。

今回はインコの飼い主にはなじみがあるであろう「アクリルケージケース」(以下 アクリルケース)のお話です。

巷にはアクリルケースに対して「良いことしか書いていない」鳥ブログが非常に多いので 正直 違和感を覚えることが多々あります。

自作のアクリルケースや、アクリル以外の素材を使ってアクリルケースもどきを自作して紹介している鳥ブログを見ても、その安さや簡易さなど ほんの一面のメリットしか紹介しておらず、中には

この使い方ではヤバいんじゃね?火事になるよ!

…と思うものもかなりの数 あります。

そこでこの機会に自分が知っている事実と それに対する個人的見解をぶっちゃけておこうと思います。

誤解があるといけないので先にお断りをしておきますが

私は市販品のインコ用アクリルケースをすぐれものだと思っているので商品自体を否定する意思はゼロです。『インコ飼いなら一家にひとつ持っているほうがいい!』と思うくらい優れたアイテムだと考えています。

ですが、市販のアクリルケースも使い方を誤れば 諸刃の剣 そして飼い主の情けもぐればあだとなる 今回はそういうお話をします。

画像引用元:アクリル工房

インコ用アクリルケースに防音効果なし?鳥の保温と安全を確保する話

インコアクリルケース防音

そもそもインコ用「アクリルケース」とは?

ここでいうところのインコ用アクリルケースとは「小鳥をそのまま入れる鳥かご」ではありません。

小鳥の入った鳥かごを丸ごとそのまま収容するアクリル製のケースを指しています。

アクリル製のケースは透明度が高いので、部屋の雰囲気を崩さず インテリアの邪魔にならず、ケージをただ室内に置くだけよりも格段に見栄えが良いので人気があります。

中にいるインコも外がクリアに見えるため、視覚的にはストレスを感じづらいですし、飼い主とのコミュニケーションも取りやすいことはメリットです。

インコ用アクリルケースは保温+ストレスレスな環境を鳥に提供する

インコアクリルケース防音

生まれた国や暮らしていた地域によって インコの気温への耐性は異なりますが、室内で飼っている飼い鳥であれば保温は基本的に必要です。

たとえばオカメインコの場合、健康な成鳥であれば 温帯地域(北海道以外)なら耐寒性にはほとんど問題がなく過ごせます。

無加温でひと冬を無事に過ごせることも珍しくはありません。

ですが、そんな健康体の成鳥でも 急激な冷え込みなどの「寒暖の差」には体調を崩してしまう個体がたいへん多いです。

そのため季節の変わり目や寒暖の差が大きすぎる時には 保温が必要になる場合もあります。

また 老鳥になると調整能力が落ちていきますので、雛鳥ほどではないにしても 保温による温度調整が必須になります。

そういった場合には保温状態をキープする目的で インコ用アクリルケースを利用する方が多いです。

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インコ用アクリルケースはアクリル板で覆われているため、プラケースや水槽と同様に 保温対策に適しています。

インコが日常を過ごしているケージを丸ごとアクリルケースに収納できるので、小さなプラケースや水槽に移動させられるよりも だいぶ鳥のストレスが軽減されます。

アクリルケースの中に 内部の気温に見合ったワット数のペットヒーター(保温電球)とサーモスタットを設置することで、ケース内の温度を一定にキープできるため安全・安心です。

ただしアクリルは意外と耐熱性が弱いので、ヒーターを取り付けるのであれば少し大きめのワイドタイプや 電球のワット数の調整が必要となります。

インコ用アクリルケースは防音効果が高い…は本当か?

インコアクリルケース防音

インコ用アクリルケースは、問題行動のひとつに挙げられる「呼び鳴き」や声が大きめのインコの鳴き声に対して「一定の」防音効果はありますが、完全なものではありません。

アクリルケースに入れれば確かに甲高い声は多少は軽減されますが、完全な防音は期待できないと思っていた方が間違いないです。

「防音するならアクリルケース!」と あたかもアクリルケースが鳥の鳴き声問題を完全解決するかのごとく勧めている鳥ブログがたくさんありますが、決してそんなことはありません。

問題行動とは  鳥の種類や声の大きさ  飼い主が鳥の声を「悩み」として認識している度合い・・・などよって受け止め方が個々人で違うものです。

よって、アクリルケースの利用から「防音対策がうまくいった!」という人もいれば「思っていたほど静かにならないじゃん!」という人もいます。

一般的なインコ用アクリルケースやアクリルキャリーのアクリル板の厚みは概ね5ミリ前後ですが、この厚さでは防音効果は2~3割といったところで「防音」というよりは「減音」効果という方が正しいかもしれません。

アクリルケースもピンキリであり、値段が安いものはアクリル板の厚みがさらに薄いので、当然ながらさらに防音効果は低くなります。

そこでさらなる防音効果を重視したい場合には、アクリル板が8ミリ以上の厚いものを 奮発して特注した方が良いでしょう。

インコアクリルケース防音

ただし生体を入れるケースですから 当然通気口としての空気穴が複数開けられています。

よってどんなに厚いアクリルケースであっても「完璧な」防音は無理ですが、扉の形状をおかもち式にすることで防音効果を多少は上げることができます。

さらに高い防音効果を求めるのであれば、ウレタンスポンジ製の吸音材や防音シートを併用してください。もちろん酸欠事故を防ぐために通気口付近を絶対にふさいではいけませんが。

アクリルケースに鳥を入れてみたら、中で反響する自分の声に鳥自身がびっくりして、前よりずいぶん静かになった。

…という事例もありますので、アクリルケースに減音効果があることは事実でしょう。

いずれにしても、まずは一定期間アクリルケースを使ってみないことには 吉と出るか凶と出るかは 誰にもわかりません。

 

インコ用アクリルケースは防塵効果が高いがメリット・デメリットは表裏一体

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オカメインコや白色オウムを飼っていて空気中に舞う脂粉に悩まされている方もいるのではないでしょうか。

そもそも気管支系が弱かったりアレルギーを持っている人は ペットを飼わない方がいいですが、インコを飼い始めてからアレルギーを発症することもあります。

そういった場合はアクリルケースが防塵面では有効ですので、空気清浄機と併用して対策してみるのもひとつの方法です。

またアクリルケースは鳥の羽や餌カスの飛び散り防止にもなるので、普段の掃除がラクになるというメリットもあります。

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…と、良いことばかりを挙げてきましたが、ここで一度 鳥の立場に立って想像してみてください。

締め切られ密閉されたアクリルケース内の空気はどんな感じですか?あなたはそんな空間にずっといつづけられますか?

アクリルケースは複数の空気穴が空いていますから 通気口をふさがなければ酸欠の事故が起こることはほとんどありませんが、当然 中の空気は淀んでいます。

そんな中で インコはずっと自分の脂粉を吸い続けているわけです。

それによって鳥でも鼻・喉などの粘膜に影響を及ぼしたり、呼吸器系を病む確率が高まります。

だから、アクリルケースはよほどの事情がない限り保温目的以外では使わない方が良い…と私は考えています。

鳥なんだから大丈夫!…なんて思いますか?鳥も人も汚れた空気を吸い続けたら病むことは同じですよ。

アクリルケースに入れるなら、部屋の空気を入れ替えるのと同じく、ケースの中も定期的に換気してあげる必要があります。

 

インコ用アクリルケースの保温は取扱説明書を入念に読み込んでから使うべし!

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そもそも人間の体感による暑い・寒いと、インコの体感は異なります。

鳥の体温は40~42℃もありますし、哺乳類と鳥類では呼吸や放熱のシステムが全然違いますから、同じ保温方法でいいはずはないのです。

たとえば鳥用パネルヒーターが設置されれば 「寒い!」と感じているインコなら寄り添うでしょう。

しかしこれひとつで保温は大丈夫!などと思ったら それは大きな間違いです。

元々パネルヒーターは単体で使用するものではなく、他のヒーターと組み合わせる補助的な保温用具に過ぎません。

春・秋に利用するにはパネルヒーター単体でもOKですが、冬は絶対に無理です。

止まり木そのものがヒーターになっている保温商品もありますが、インコにとっては低温やけどの可能性があるだけで保温としては不十分。これは人間の感覚と思い込みだけで商品化されたものですね。

鳥の体を覆う羽毛で断熱されているので 外から熱を加えたところで保温の効果は低く、インコの保温はあたたかい空気そのものを呼吸で体内に取り入れないと効果がありません。

さらに鳥類は足から放熱する生き物なので 人間の床暖房的保温法は鳥にはよいものではありません。

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鳥の保温に最も適した保温器具は保温電球です。

保温電球は周囲の空気を素早く広範囲であたためるので 鳥の保温の理にかなっている上に 複数羽飼育にも対応できるので便利ですが、アクリルケースとの併用時に使い方を誤ると危険です。

アクリルは意外と耐熱性が低く燃えやすい物質で、65℃で変形してきます。

アクリルの着火温度は400℃で 燃焼速度は遅いものの、木材と同等の燃焼性があります。

つまり高温源(ヒーター)に近づけることが御法度であり、その認識を持たずに使うのは危険です。

こんな風に書くとドン引きする人もいるかもしれませんが、ヒーターが「悪」なのではありません。

ペットヒーターによる火災は 飼い主の不注意や誤った使い方をしたことによるものが圧倒的多数です。

安さを重視して小さすぎるアクリルケースを選ぶと 保温用のヒーターを取り付けられないことがあるので、大きさ選びは重視する必要があります。

設定温度に合わせてヒーターのON・OFFを自動で切り替えてくれるサーモスタットを併用することや、100ワット電球の使用は推奨されていないなど、アクリルケースの使用には一定の制約があります。

取扱説明書をしっかりと読み込み、内容を把握したうえで安全に利用してください。

 

アクリルケースのまま日光浴はできない!アクリルは紫外線に弱いもの

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窓ガラスと比べるとアクリルのほうが紫外線の透過率は低いため、アクリル越しの日光浴の効果は期待できません。

そもそもアクリルは紫外線に弱いので 室内で使う鳥用紫外線ライトを当てるわけにもいきません。

アクリルは紫外線で劣化(黄変)が早く進みますから 直射が当たらない所にケースを設置する必要がありますし、アルコールや薬品類にも弱い性質があります。

経年により変質・変色もしますし、伸縮素材でもあるので水濡れや水洗い・温度差や湿度差の大小により扉部分が反ってしまうこともあります。

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冬の室内で窓ガラス越しの日光をインコに当てるのでは明るい光を浴びているだけで、本当の意味での「日光浴」にはなっていません。

インコを日光浴目的でキャリーケースに入れて外に連れ出すとか、網戸越しに日光浴させるなど、紫外線が浴びられていることを常に意識しながら日光浴をさせる必要があります。

室内で紫外線ライトを使うなら アクリルケースからケージを出して疑似日光浴をさせればいいですね。

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オカメインコの日光浴はスパイラルライトを使うか網戸越しがおすすめ!日光浴の時間はどのくらい?日光浴は卵詰まりの予防策のひとつでもあります。

鳥類は飛ぶために骨がスカスカで軽いのが特徴なので、パニックを起こしたときに骨折する危険性が高いのです。

日光浴不足は骨折はもちろん卵詰まりなどの原因にもなり得ますから、定期的な日光浴をさせることで 鳥体内でビタミンDを生成するサポートをしてあげる必要があります。

どうしても愛鳥に日光浴させることが難しい場合は、室内でUVB紫外線ライトを使うのがおすすめです。

ただしライトは鳥の真上から照射するようにしてください。ケージの横にセットして横から光を当てるのは厳禁です。

ビニールを使う「なんちゃって保温」では寒いうえにインコが死ぬ可能性もある!

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冬場になるとビニールカバーとかビニールクロス、園芸用のビニール製簡易温室などをケージの保温に使う人がいると思います。

この方法でヒーターを使うのはリスキーであることを知っていますか?

ヒーターの熱によりビニールから揮発性物質(有害物質)が発生する可能性がゼロではなく、その有害物質を吸えばインコが亡くなることもあります。

ビニールの種類・品質・経年・これまでの使い方次第でリスクはケースバイケースですから 一概には言えませんが…それでも安易に「ビニールでカバーして鳥の保温をしよう」などとは考えない方がいいです。

そもそもビニール1枚の話…そこにヒーターをいれたところで 保温効果はたかが知れているというか、はっきり言ってしまえばそれは「気休め」程度の保温でしかありません。

その上にタオルやブランケットをかけたところで、こちらも保温的にはたかが知れていますが…いやいや、それ以前に、ヒーターのそばに可燃性のものを近づけること自体がアウトです。

「うちはそれやっても火事になったことなんてないし…」なんて甘く見ていたら痛い目に遭うかもしれません。

ペットヒーターが原因の火災や焼けこげ事故、そのガスを吸って鳥が死んだ…という事案は後を絶たないのが現実です。

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例えば ケージを園芸用のビニール簡易温室に入れた場合。

冬でも暖かい日の昼間に強い日差しが差しこめば 保温器具をオフにしていても 密閉されたビニール温室の中は高温蒸し風呂状態になりますが、その数時間後の夕方から夜間にかけては 鳥が膨羽しなければいられないくらいに冷え込んだとしたら?

想像するに、たぶんその寒暖差は20℃以上。

夜間は冷え込むからと保温電球をつけたら そこから有害ガスが出る可能性がゼロではない…。

それでもビニールカバーを愛鳥に使えますか?無理ですよね。

「正しい」保温とは寒暖の差を作らずに 一定の温度をキープさせること。

ジェットコースターのようにこれほどまでに気温が上下させてしまっては、鳥がすぐに体調を崩すのは明白です。

ツイッターで海老沢先生が仰っている通り、ビニールは「全て慎重に使う」が鉄則です。

 

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ビニールは結構におうものがありますよね。

あなたもそのにおいを不快だと思っているのなら「これは安全なのか!?」と心配しながら 大切なインコに使うのはナンセンスではないですか?

しかも揮発性物質は目に見えないので…においだけに頼るのは怖いですよ。

小鳥が毒物に反応して逝ってしまうのは それこそあっという間のことですから。

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その一方で アクリルケースは 幼鳥・病鳥・老鳥で 温度を28~30℃にキープしなければいけない時に アクリルケースのサイズ選びとヒーターの使い方を間違わない限り もっとも安全かつ確実に保温ができるアイテムです。
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アクリルケースの選び方と注意点はこちら
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幼雛期から老鳥期まで、年間を通してアクリルケースの使いみちはたくさんあります。

いざ!という時のために アクリルケースをひとつ用意しておくのは 愛鳥家の賢い選択だと思います。

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