デジタル遺品のパスワード解除で1000万円出てきた話
30代男性の寄稿 私と兄は既に独立し、実家は両親の2人暮らし。去年まで父方の祖父(88歳)が同居していましたが、今年1月に亡くなりました。
祖父が他界して必要に迫られて着手したのが、その時に初めて知った「デジタル遺品整理」です。
葬儀が無事終わり、日常に落ち着きを取り戻したある日、母から連絡がありました。
そう思った私はすぐにサービス停止を両親に促しましたが、インターネットに疎い両親にはそれは無理難題でした。
そこで私が急いで実家に戻って実家のパソコンを覗いてみたのですが、検索履歴から察するに、どうやら祖父がU-NEXTを登録して楽しんでいたようでした。
その場で私がU-NEXTのサービス利用停止手続きをし、とりあえずこの件は落着しました。
「おじいちゃんは株をやっていたかも…」
これで大丈夫だ!…と思い実家を後にしようとすると 再び母親から呼び止められました。
確かにパソコンに残っていた履歴の中には、株式投資をしているのでは?と考えられる検索履歴が数多く見受けられました。
お金大好き!貯金大好きだった祖父の性格からすると、株式投資をやっていた可能性は高いと考えられました。
もしや おじいちゃんは株式投資に大金をつぎ込んでいたんじゃね?…みたいな雰囲気になり、笑みを浮かべつつ目をギラつかせる私達家族(笑)
でも、祖父がどこの金融機関に口座を開いてどんな金融資産を所有していたのかはおろか、IDやパスワードを誰も知りません。
せめてどこの金融機関に口座があるのかさえわかれば何とかなりそうなものの、それすらまったくわかりませんでした。
祖父のことだから、もし株式投資していたら、結構まとまった金額を投資していたはず。
しかし、当時の私達家族には、その事実を知る術を持ち合わせていませんでした。
デジタル遺品のパスワード解除とデータ取り出しを依頼
この件をネットに詳しい友人に相談すると
…とアドバイスをもらい、自分なりにデータの取り出しと修復作業について調べてみたところ、それらを請け負ってくれる業者を発見しました。
証券など電子資産の確認費用は2万円、パソコンのパスワード解除費用は18000円〜35000円でやってくれるとのこと。
ここは思い切って業者にパソコンのデータ取り出し作業を依頼することにしました。
亡き祖父が愛用していたパソコンのデータ取り出し作業を業者に依頼しよう!と決意したにもかかわらず、私には少しのためらいがありました。
故人のパソコンに触れてデータを開示することはやはりデリケートな問題。そういう作業が初めてのことで、私はかなり緊張しました。
もしかしたら大金が出てくるかも?との淡い期待と、人生初のパソコンのデータ取り出し作業場面に遭遇する緊張感が交錯し、心臓がバクバク波打ちました。
しかし思い切ってマレリークに連絡したところ、業者の対応は明るく丁寧・親切だったのでほっとしました。こちらの要件を伝えると
これがいわゆるデジタル遺品整理 あくる日に出張作業を依頼しました。
出た!祖父名義のネット証券口座と1000万円相当の株式
デジタル遺品整理業者のスタッフは1人で我が家にやってきました。きちんとした身なりにハキハキとした丁寧な受け答え、親切な対応と、しっかりとしたマナーに好感が持てました。
問題のパソコンがある部屋に移動してもらい、スタッフのデータ取り出し作業がスタートしました。
パソコンの前に座り、テキパキとした華麗な手捌きで、パソコンのキーをカチャカチャと小気味良く操作するスタッフの姿は、私達家族にとっては作業というよりは、エンターテイメント的なパフォーマンスのように映り、皆が興味津々に見入っていました。
私達は早速その内容を確かめてみると…やはり予想通り。祖父はsbi証券に口座を持っていたことが判明。
スタッフが取り出したパスワードとIDで口座を確認すると、なんと!日本円換算にして1000万円相当の株を祖父は所有していたのです。内訳は誰もが知る、某自動車メーカーと某商社の株式です。
まさに棚からぼた餅!まあ少しはあるとは思っていましたが、まさか1000万円もの株を持っていたなんて!
スタッフの作業時間は約15分ぐらい。素早い作業風景に「おお~」と見惚れてる間に、あっという間に終わってしまいました。
ここで発生した料金はトータルで約5万円。最初はちょっと高いな!とのイメージがありましたが、結果的に業者に依頼して大正解でした。
様々なデジタル遺品があふれている昨今は、私たちのような体験をする人はたくさんいると思います。
あなたが知らないだけで、祖父母や両親にも秘密の隠し口座があるかもしれませんよ。
相続が発生した際には、くれぐれもデジタル遺品整理だけは怠らないでください。