30代女性の寄稿 これは私が東京都内の某市で学童保育のアルバイトをしていた時の話です。
…と言う友人の勧めと、ちょうど引っ越しした関係もあって新しく仕事を探していた私にはピッタリな話だと思い、私はこのバイトを始めました。
座敷わらし的心霊体験談!学童保育で見かけた男の子の正体は?
この学童は家から徒歩で通える好条件だったので早速連絡を取り、足を運んでみることにしました。
「お試しから」ということで、初めは午後の2時から5時までの3時間のアルバイトで、特に難しいものではありませんでした。
子どもたちがやってくるまでにその日のシフトの確認し、大体が1時間交代になっており、室内遊びの後、庭遊び、その後におやつタイムがあり、お家の人がお迎えに来るまで面倒を見る…といった内容でした。
シフトが終わる時間になると、職員の部屋で1日の振り返りと反省会を 正規職員の方と一緒に行います。
その学童でのアルバイトを1ヶ月くらい続けた頃、あの不思議な出来事に遭遇しました。
一人でコソコソかくれんぼしている男の子に遭遇して…
それはいつも通り室内遊びと庭遊びを終えて、子どもたちがおやつを食べる休憩の時間のことでした。
子どもたちはおやつタイムの間、遊ぶ部屋の隣にある和室へ移動し、時間を過ごします。
おやつタイムは正規職員の方が2名で面倒を見て、その他のアルバイトの人は遊ぶ部屋の掃除や廊下の掃除を手分けして行うことになっていました。
そしてその日の私の担当は廊下掃除でした。
いつもどおり、廊下の突き当たりにある図書コーナーの本を整理して、廊下に掃除機をかけているときのこと。
よく子どもたちがかくれんぼの時に隠れている廊下の陰になっているような所を掃除していると、おやつの時間なのに、掃除機をかけているわたしの後ろの方に人の気配を感じたのです。
ちらりと目の端に映ったのは 小学2年生くらいの男の子がコソコソとかくれんぼしているような雰囲気です。
この掃除の時間は 子どもたちと離れて一息つきながら作業を進められるので 私にとっての小休憩の代わりになっていました。
なのでちょっとイラッとしてしまって、その男の子にちょっとキツめに
…と声をかけ、それと同時に後ろを振り返りました。
でも気配は確かに感じたのに、後ろには誰もいませんでした。
…と思い、いつも子どもたちが隠れそうな所もいろいろと探したのですが、男の子は見つかりませんでした。
…と思い直し、その時はそれ以上は特におかしいとは思わずに 掃除を終わらせました。
とうとう見つからなかった男の子が確かにその場にいたことがわかり…
そしてその日の業務が終了し、職員の反省会の時間となりました。
その日の私は2時から6時のシフトとなっており、正規職員も数名が同時に帰宅する時間となっていたため、いつもより大勢での反省会となりました。
…という管理職の方のいつもどおりの質問に「あ、そういえば…」と掃除の時間の男の子のことを思い出したのです。
普通の日常会話としてさらっと話したのですが、正規職員で長くそこに勤めている2人の表情が強張りました。
夜中の警備時間にも男の子は目撃されていた
職員の方が廊下の陰を指さしました。
まさに、わたしが立ち止まって男の子に声をかけたあたりでした。
そうたずねると、2人の職員の方が顔を見合わせて話し始めました。
その話を聞いて私は背筋が凍りつきました。
自分に霊感があるかなんて これまでの人生で考えたこともなかったですし、そういった体験をしたこともありません。
ですがそのとき ふと
…という思いが頭をよぎりました。
夜間警備員さんも私も その男の子を目撃したり気配を感じることはあっても、霊障のような悪いことが起こることはありませんでした。
つまりこの出来事には一瞬背筋がぞっとしましたが、自分的にはあの男の子にまったく邪気を感じてはいなかったので、自分の中で「仕事だから」と割り切ることにして 学童保育のアルバイトはやめませんでした。
その後もあの学童で数年間働きましたが、私があの男の子を感じたのはその1回限りでした。
その学童は今でも同じ場所で運営されていて、不幸な事故や子どもの怪我などがあったという話も一切聞かないので、あの男の子は学童施設の「座敷わらし的な存在」なのではないかと感じました。
私が仕事をやめてから数年経ちますが、もしかしたら今もそこで、かくれんぼしている男の子がいるかもしれません。