手乗り崩れの直し方!セキセイインコが8週間でベタ慣れに戻った方法

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もくじ

手乗り崩れの直し方!セキセイインコが8週間でベタ慣れに戻った方法

手乗り崩れとは、文字通り インコの手乗り状態が崩れること。今まで手に乗っていたインコが人の手を怖がるなど、精神的に不安定になった状態を指します。

手に乗らない。飼い主を威嚇したり噛んだりする。そもそも飼い主に近づこうとしないなど、インコが飼い主との信頼関係が壊れたことがひと目でわかりやすい態度に出ます。

雛のころから挿し餌をして大切に育ててきたインコでも、残念ながら手乗り崩れになります。

長い期間インコをかまわないで放置していれば次第に手乗り崩れになってくるのは当然なのですが、ほんの些細な原因から手が怖くなって、飼い主に近づけなくなる子もいるのです。

インコが手乗り崩れになる原因とは?

手乗り崩れになる一般的な原因はいくつかあります。

不適切な触れ合いやトレーニング

インコが手に乗る際に怖がらせたり、無理に乗せようとするとインコの信頼を損ない、手乗り崩れの一因となります。

インコは急に動く手や指を警戒する傾向があります。急に指を差し出すなど、インコにとっての「急な大きな動作」に驚いた時にも、インコは手が怖くなり、手乗りを拒むようになります。

過度な撫で方や触り方でインコが疲れてしまったり、ストレスを感じることもあります。それがインコにとって「うざい」と感じる体験であれば、次第に手乗りを嫌がるようになります。

環境変化のストレス

突然の環境の変化やストレス要因があると、インコは手に乗ることを嫌がるようになる場合があります。

インコの健康上の問題

疲れや病気によって体調がすぐれないと、インコも手に乗ることを避けるようになあります。

手乗り崩れを放置するとどんなリスクがあるのか【想像よりも深刻です】

手乗り崩れは、飼い主とインコの信頼関係に影響を及ぼすだけでなく、インコの健康面や行動にも悪影響を及ぼす可能性があります。

不安やストレスの増加

インコは群れで生活する動物であり、孤立することでストレスを感じることがあります。

手乗り崩れが放置されると、インコが不安や孤独感を感じてメンタルを病み、毛引きなどの問題行動に走ることがあります。

社会性の減少

手乗り崩れが進行すると、インコの社会性が低下し、人なつっこくなくなる可能性があります。

これは、飼い主や他の家族とのコミュニケーションが円滑でなくなり、ストレスを引き起こす原因となります。

パニックや攻撃的な行動の増加

手乗り崩れが進行すると、インコは不安やストレスからパニックを起こしたり攻撃的になることがあります。これは、インコ自身だけでなく周囲の安全にも影響を及ぼす可能性があります。

インコの攻撃的な行動の増加は不安やストレスを強く感じているサインであり、放置すれば飼い主や他の家族への攻撃が起こります。

運動不足や肥満

手乗り崩れが進行すると、運動不足による肥満が起こる可能性があります。

インコは本来、自然界で活発に飛び回る生活を送る動物ですので、適度な運動が重要です。

健康問題の発生

運動不足や肥満に伴い、健康問題が発生するリスクが上がります。

手乗り崩れの放置はインコの精神的な健康や身体的な健康に影響が及ぶ可能性があるため、「かまってやらなかったんだから仕方がないな」であっさり片づけられるほど軽い問題ではありません。早めの対策とケアが必要です。

この機会に手乗り崩れを直す方法や予防策をしっかりと理解し、愛鳥との信頼関係を築いていきましょう。

手乗り崩れを防ぐための日常的なケア方法

手乗り崩れを防ぐためには、日常的な肉体的ケア・精神的ケアがとても重要です。

適切な栄養摂取

インコに栄養バランスの取れた餌を与えることで健康を維持します。

適度な運動

インコは適度な運動が必要です。毎日の適度な運動を促すように心がけましょう。

定期的な健康診断

インコの健康状態を把握するために、定期的な健康診断を受けさせることが重要です。

適切な環境整備

インコがストレスを感じづらい適切な環境を整え、リラックスできる環境を提供することも手乗り崩れを防ぐポイントです。

羽毛のメンテナンス

毛引きや問題行動によって羽毛の状態が悪化するとメンタル面も悪化します。それを防ぐのに適度な水浴びと日光浴が有効です。

これらはどれもごく当たり前のケアですが、インコの手乗り崩れの予防をサポートします。

セキセイインコが手を怖がるように!手乗り崩れ直しの8週間チャレンジ【体験談】

セキセイインコの飼い主の体験談

私のセキセイインコ(オス・1歳)はよくなついた手乗りでしたが、ある日を境に人の手を怖がるようになりました。

思い当たる原因は5日間の旅行です。その時にインコを知人に預けていたのですが、おそらくそれが原因で手乗り崩れになったのではないかと考えられました。

インコを飼っている友達にこのことを相談したところ、こう言われました。

預け先の人が過剰に触ったせいかも。もしひどい事をされていたとしたら、敵意をむきだしにして噛みついてくるから、その程度ならひどいことはされてないはず。預かってくれた人に悪気はないかもしれないけど、興味半分でよそのインコにかまいすぎたのかもね。だから手が怖いものだと思い込んで、人間不信になっているんじゃないかな。

【1週目】できるだけインコにかまわずにそっとしておく

なるほど一理あるかも…と思った私は、その意見を前提として(もし違ったら他の方法を試すつもりで)まずはセキセイインコをそっとしておくことにしました。

できる限り構わないでそっとしておく
餌と水換えは手早く済ませる
粟の穂を遊び食べできるように適宜そっと差し込むだけ

そんな事を一週間ほど続け、セキセイインコが自分から外に出たがる様子を見せるまで、必要最小限の接触しかしないようにしていました。

【2週目】放鳥してほしがるインコに寄り添う作戦

そんな生活を1週間続けていると、セキセイインコはようやく外に出たがる様子を見せ始めました。

ケージの出入り口でインコが私を呼んだので、それに応えて私はそっとケージの扉を開けてみました。

しかしインコの方から手に乗ってくる様子はなく、ケージの外に出て一人遊びをして過ごしていました。

一週間ほど、インコが出たがる時に出して寝る前に帰らせる事を続けましたが、これではらちが明かないと思い、そろそろ次の段階に移ろうと思いました。

【3週目】インコを頭の上に乗せてみる作戦

手を怖がるといっても飼い主を完全拒絶していたわけではないので、私はインコを優しくつかんで頭の上に乗せることにしました。

高いところが好きで頭の上に乗りたがるインコが多いので、頭の上にとまってもらうことにしたのです。

ただ、嫌がられる可能性があったため、細心の注意を払って行動することに決め、一定のルールを設けました。

インコがすぐ逃げたがるようなら深追いはしない。
迷っている様子なら頭に乗せてみる。
頭の上でくつろいでいるようなら、しばらくそのままにしておく。

【4~5週目】光りものを利用して肩の上のひとり遊び作戦に誘導

私にはもうひとつ考えていた作戦がありました。それは「光りもの」をうまく利用すること。次の段階に進んだら「光りもの」を利用する小道具に決めていました。

そして次の段階とは、肩に乗ってもらうことです。

光りもののピアスをつけてインコに見せ、頭上から肩に降りてくるように誘導する作戦です。

うちのセキセイインコは光りものが大好きなので

久しぶりにキラキラしたものを見せられて好奇心が勝るようなら、ピアスにつられて自分から肩に降りてきてくれるのでは?

そうやって様子を見ていると、案の定、私のインコはピアスに関心を寄せて肩に移動してきたのです。

あとはこちらの思惑通りにとんとん拍子に進み、肩の上でピアスをつついて、喜んで遊ぶようになりました。

なんとか肩まで移動はできましたが、まだ手を嫌がる様子が見られたため、文字通り「好きにさせていた」という感じです。

セキセイインコがおしゃべりしながらピアスで遊んでいる姿を見ていると「私も一緒に遊びたい!!」…との欲求に駆られましたが、そこはひたすら我慢を決め込みました(正直それが一番つらかったですが)

私はキラキラのピアスを使いましたが、キラキラしたものに興味を持つインコなら、光りものなら何でも使えます。

うちの子はすごくよくしゃべる子で、一度遊びに熱中するとマシンガントークが続きますから、その熱中した状態を保てるように、楽しい遊びに水を差さないように、気を付けて見ているようにしました。

ここでインコにヘタにかまうとこれまでの苦労が水の泡になる可能性もあります。

ピアスをつつかせながらの耳元でのおしゃべり…時にはヘドバンおしゃべりを好きなだけさせてあげることに徹していました。

【次の10日間】本をかじりたいインコの欲求を利用して手に移動させる作戦

肩の上の一人遊びを2週間ほど続けた後、そろそろ次の段階に進むつもりで、私はインコにかじられて
も困らない本を用意しました。

インコは本のページをかじりたがる子が多いですが、それをするためには本を持つ私の手に降りてきてとまらなければいけません。

ここをクリアできれば、また手乗りに戻るのでは?

…と考えた次の一手でしたが、これが思惑通りに事が進みました。

ここまで時間をかけて、一歩ずつ段階をしっかり踏んでいたせいもあり、私の場合はここまでの流れでわりとすんなりいきましたが、とにかくここに到達するまでは絶対に焦らないことを常に意識した方がいいでしょう。

インコが自分からこちらにやって来ない限り、こちらもできる限り行動を起こさない!

私はそう強く心に決めていました。

セキセイインコの性格は様々で、中には自分のしたい事を伝えるのが苦手なインコもいますから、それぞれの段階を1週間以上の時間をかけて、ゆっくりとこなしていくのがいいかもしれません。

本を用意する段階ではピアスを小ぶりのものに変えて、

まだ耳(ピアス)でも遊べるけど…そろそろ本もかじりたいなあ。

…とインコに思わせるように誘導していきました。

うちのインコの場合、肩でのピアス遊びからページかじりに移るまでは10日ほどの時間を要しました。

なかなか手元に降りてくることをしなかったのですが、最後は本のページをかじりたい欲求を我慢できなくなったらしく、インコの方から観念して(?)とうとう自分から手に降りてきてくれました。

その時の私は嬉しくて、心の中で 一人ガッツポーズ!!

それこそ拍手喝采したい気持ちでしたが、ここでも何の反応も示さず、しれっとしてインコを放っておき、読書に集中しているていを貫きました。

最初のころはこちらがほんの少しでも身動きするとサッと逃げてしまっていましたが、3日もすると一心不乱にページをかじっていましたので、インコのかじりたいペースにあわせてなるべく早くページをめくってあげるようにしました。

うちのインコはすでにかじり尽くしたページよりも新しいページをかじるほうが好きな様子でしたから、とことんそれに付き合いました。

【次の10日間】インコの大好物を手で食べさせる作戦でミッション完了!

そこまで進んだ後は手にインコの大好物(うちの子の場合は粟穂)を乗せて食べてもらうことにも成功し、8週間がかりでセキセイインコの手乗り崩れを何とか元に戻すことに成功しました。

今ではまるで何事もなかったかのように呼べばすぐ飛んできてくれるようになり、ホッとしています。

私の場合は、たった5日間他人に預けたことで失った信頼を取り戻すのに8週間(約2ヶ月)の月日を要したのです。

そのことを考えるにつけ、想像以上にインコは賢い生き物であることがよくわかりました。

一度信頼関係が壊れて手乗り崩れになると、飼い主さんはかなり焦ると思いますが、時間をかければ必ず手乗り崩れは直せます。

手乗り崩れを直すコツは インコのきもちを考えてその目線に立ち、辛抱強くインコのペースに合わせてあげること

手乗り崩れに悩んでいる方は、ぜひ真似してやってみてください。

オカメインコが環境ストレスから手乗り崩れになった【体験談】

オカメインコの飼い主の体験談

友人が結婚して海外へ行くことになり、彼女が飼っていた3歳のオカメインコ(メス)クルミを我が家にお迎えすることになりました。

クルミとは何度も会ったこがあるので「私の手にも乗ってくれたことがあるし、平気平気~♪」とどこか軽い考えだったのです。でも、現実はそう甘くはありませんでした。

慣れない環境に戸惑ったのか、それとも元々の性格なのか、クルミを飼い始めてすぐに「これは困った!」と思いました。

クルミは私の手に乗ってくれないどころか、とにかくやたらと人に噛み付いてくるのです。

ケージの掃除をしようと手を入れれば噛む。放鳥しようと思ってケージの扉を開けて手を入れてみてもやはり噛む。威嚇をするようにけたたましく鳴く。

友人の頼みとはいえ、クルミを譲り受けた事を後悔しました。

オカメインコの手乗り崩れと噛み癖に困惑する日々が始まり…

クルミが来てからというもの、私の手はしょっちゅう傷だらけだったのです。

これでは長く一緒に生活をする事はかなり厳しいな。

…と思った私は、友人にさり気なく噛み癖について聞いてみたものの

そんなことは一度もなかったわ。

…と意外な返答が。

確かに彼女の家に遊びに行った時にも、クルミはとても大人しかったことや、私の手にも乗ってくれたことを思い出しました。

クルミを引き取ったものの…これではこの先、仲良く暮らしていく自信がない。

私は精神的にまいってしまいましたが、一度引き受けた以上、何とかしなければいけません。

そこでこのことをオカメインコを飼っている知人に相談することにしました。

「本当に困っているのはオカメインコの方でしょうね」

私の母の友人の息子さんがオカメインコを飼っていて、私の話を親身になって聞いてくれました。

私はクルミの現状を伝えて、いかに自分が困っているのかをとうとうと話し続けました。

その話を彼は黙って聞いていましたが、話し終わった時、彼の口からは思いがけない言葉が飛び出したのです。

本当に困っているのはクルミの方でしょうね。

ギョッとしている私に、彼はこう続けました。

クルミにしてみたら、飼い主がいきなりいなくなり、たいして知りもしない人の家に連れてこられただけでも、かなりのストレスになっているはずですよ。

さらにオカメインコはとても繊細で臆病な性格をしていることを指摘しながら

オカメインコってケージを新しいものに取り替えるだけでも大変ですからね。環境がガラリと変わったら、相当なストレスを抱えていると思いますよ。体調を崩さないだけでも幸いですよ。

確かに、ある日突然、知らないところに連れてこられたクルミにとっては、まさにストレスフルな「未知なる世界」だったはず。

そこに思い当たった私は、自分の事ばかりでクルミの事は何ひとつ考えてあげられなかったことに気づきました。

確かにそうですよね。じゃあ、私はどうしたらいいのでしょう?

まずは環境を静かにして、クルミを落ち着かせたらいいんじゃないですか?はじめの一歩はそこからですよ。

彼のアドバイスを受けて、私は早速家具の配置を変えました。

クルミのケージの周辺にできるだけテレビの音などの雑音が届かないようにソファで壁を作り、観葉植物を買ってきてクルミのケージの周辺に置いてみました。

信頼関係がないうちに「早く仲良くなりたい」はインコにとって「ありがた迷惑」

自分でできる範囲で、自分なりにクルミのための環境を整えた後に、もうひとつ最大の難題が残っていました。それは何よりも大切な「互いの信頼関係」です。私とクルミの間に信頼関係が築けなければなんの意味もありません。

これまでも私は「早くクルミと仲良くなりたい!」と思って、できるだけ触れ合う時間を作るようにしていました。でも、実はそれはクルミにとっては単なる「いい迷惑」ありがた迷惑でしかなかったことに気づきました。

それでケージの掃除以外の時間はあまりケージのそばにいかないようにしてみました。

それでも声だけはしょっちゅうかけるように心がけていました。これは大切なことだと思ったからです。

それからしばらくの間も、クルミは声を掛けられるたびにその瞳に警戒の色を浮かべていました。

ところがひと月、ふた月が経過するうちに次第に家族の顔を覚えて新しい環境に慣れてきたのか。クルミに声をかけるとこちらに反応を示し、首を傾げながら言葉に聞き入るような素振りを見せ始めました。その時に私は

あ、これは私の声をちゃんと聞こうとしてくれてるんだ。

…と感じたので、さらに頻繁にクルミに声をかけるようにしていきました。

するとケージ掃除の時にクルミから発せられている警戒感が少なくなってきていることが、日に日に感じられるようになってきたのです。

噛むおもちゃの封印を解いた途端にオカメインコが落ち着きを取り戻した

クルミとの距離が確実に縮まってきたことを感じた私は、試しに網越しに指を近づけてみました。すると案の定 噛んできたので

まだダメなんだなあ。困ったな…

…と思いながら友人に近況報告をしていたら、彼女の口から思わぬ言葉が出てきました。

インコのオモチャを クルミの荷物の中に入れてあったはずだけど。

オモチャ?そんなのあったっけ?

あわてて友人からクルミを譲り受けた箱を改めて確認してみると・・・入ってました、確かにたくさんのインコのおもちゃが!

早速、ケージにいくつかのおもちゃを入れてみると、クルミが嬉々としてオモチャを噛んだり、突いたりして遊び始めました。

あれ?もしかして、大好きなオモチャを封印されたから機嫌が悪かった?お気に入りで遊べなかったから、よけいにストレスが溜まっていたのだろうか!?

そのオモチャを入れてからはクルミはかなり精神的に落ち着いてきました。

手を差し出しても噛むことがなくなり、そろりそろりとてのひらに乗ってくれたのです。

そこで私は思い切ってクルミの背中をそっと触ってみたところ…

あ、噛まれなかった!クルミが触らせてくれた!

そんなクルミと少しずつ、でも確実に距離が縮まってきていて、手や肩に乗ってくれたり、長時間放鳥しても大丈夫なくらいまで仲良くなれました。

手乗り崩れを直すのに大切なことは、オカメインコの性格を考えて、できるだけストレスを感じなくてすむ状況を作ってあげることだったのです。

信頼関係を築くのはその次で、少しずつインコのペースに合わせて歩み寄っていくのが正解だと思います。

くちばしのトラブルからセキセイインコの手乗り崩れの理由に気づいた【体験談】

セキセイインコの飼い主の体験談

私はセキセイインコ(3歳・オス・ルー)を飼っています。

ルーは何にでも興味を持つ好奇心旺盛なインコでしたが気難しい面があり、食べ物でも気に入らないものは二度と口にしないような頑固な一面がありました。

セキセイインコのくちばしが白くてひびが入っている…これはやばいのでは!?

ある日、知り合いから「セキセイインコのケージの中にブランコとか鏡を入れた方がいいよ」と言われました。

そこで小さなブランコと鏡をケージ内に入れてみたのですが、このことが後のトラブルの火種となりました。

ルーは突然自分のテリトリーに入ってきた鏡やブランコを許せなかったようです。毎日のようにそれらをクチバシで突いては、首を上下に動かして攻撃していました。

最初は私と母はその光景を微笑ましく見ていて「そのうち慣れるよね」と考えていましたが、そんなことはありませんでした。

ルーが鏡やブランコをつつく音が夜中にも聞こえてくるくらい、執拗な攻撃が続いたのです。

これはただ事ではない!と思い、慌てて鏡とブランコをカゴから出していた時、ルーを見ていた母が
悲鳴をあげました。

ルーのくちばしにひびが入っている!

慌てて確認すると、確かにヒビが入っています。連日、鏡やブランコを突ついたから?と私も動転しました。クチバシは再生に時間がかかるので

もしこのまま餌を食べられなくなったら大変だ!

…と思うと怖くなってきました。

さらに、よく見るとクチバシが妙に白っぽいのです。それが何かもよくわからなくて、私たちはパニックになり、小鳥の病院へルーを連れて行くことにしました。

動物病院でくちばしのひびよりも深刻な問題が浮上して…

その動物病院の獣医師はとてもおおらかな人で、慌てふためいて嘴のひびのことを話す私にニコニコしながら「これは大丈夫」と言ってくれました。

ヒビが入っていますが、さほどひどくはないから 心配はいりませんよ。これが折れていたら大変なことですが、小さなヒビなので安心してください。

ところが、白いクチバシについて尋ねると、先生の表情が一変しました。

この子はどういう環境で飼われていますか?

ケージは玄関に置いています。

餌は?食べている量は?

ここ数日は食べる量が減っていました。そういえば、昨日は餌もほとんど食べてなかったような…。

先生はしばらく考えてから、こう言いました。

おそらくストレスが原因のビタミン・ミネラル不足だと考えられます。

鳥にストレスですか!?

セキセイインコはとても神経質な生き物なんです。群れで暮らす習性があるので、孤独に弱い一面があります。音や光にも敏感で、強いストレスを感じると餌を食べなくなることが普通にあるんですよ。

玄関は人の出入りが激しく、チャイムが鳴ったりしますし、郵便配達や宅配業者の人がガサガサと音を立てたりもします。

ルーにとって玄関はいい環境ではなかったんだ。

事の重大さに、ここではじめて気づきました。

そういえば、ケージを玄関に移動してから、ルーは手に乗らない荒鳥になってしまった。手乗り崩れになったのは、きっとこれが原因だったんだ…。

そういう状況のところで 鏡やブランコが入ってきたから、さらにストレスが高まったのでしょうね。とにかく、まずは栄養剤を飲ませて様子をみましょう。

私はインコの事をなにも知らないで飼っていたんだ。

「セキセイインコの気持ちを考えてあげてください」と言われてハッとした

セキセイインコの気持ちを考えてあげてください。

先生からそう言われた時、私はハッとしました。これまでの私はセキセイインコの立場で物事を考えていなかったことに気づかされたのです。

帰宅後、私はルーのケージをリビングに移動しました。鏡やブランコをはずしたこともあり、それ以降のルーはすぐに落ち着きを取り戻して、今まで通りに餌を食べるようになりました。

白いクチバシは、先生が言うようにビタミン・ミネラル不足が原因だったようです。栄養剤を1週間飲ませたら良くなりました。

セキセイインコは遊ぶことが大好きだと言われていますが、全てのセキセイインコがそうではなく、それぞれに異なる性格や個性があります。

環境の変化に戸惑ったり、それが元でストレスを抱えてしまうインコもいる…それがよくわかりました。

インコにもそれぞれに個性や嗜好がある。それをしっかり意識して育てることが大切なんだ。

…と再認識させられた出来事でした。

手乗り崩れのセキセイインコが抱えたトラウマに歩み寄りを続けた【体験談】

セキセイインコの飼い主の体験談

セキセイインコ(3歳・こむぎ)は友人の友人が飼えなくなったために我が家で譲り受けた子です。

元々は手乗りインコでしたが、うちでお迎えした時には完全に「手乗り崩れ」になっており、警戒心が強い様子を見てほとほと困り果てていました。

こむぎは人を見れば逃げるし、指を出せば容赦なく噛まれます。

元々は手乗りなんだから肩になら乗ってくれるかも。

…と挑戦してみるも、こちらに近寄る気配すら見せません。

家族は「この子は懐かない性格なんだね」と困ったように笑っていましたが、私にはそうは思えませんでした。

確かにインコにも個性や性格はありますが、こむぎの場合は「人に関わるのが嫌」というより「人への警戒心」から自分を守っているように見えたのです。

手乗り崩れのセキセイインコは人間恐怖症のトラウマを抱えていた!

こむぎが逃げてばかりで全然懐かないことを元の飼い主に伝えてもらうと、元飼い主曰く

以前、息子(未就学児)が悪気なくインコを握るように掴んでしまったことがあって…それ以来 人から逃げるようになってしまったんだ。

そう伝えられたことで、こむぎが私たちを避ける理由がわかったのです。

長年セキセイインコを飼っている友人にその相談をしたところ、

まずは、あなたたち家族がこむぎにとって「害を与える人間ではない」ことを理解してもらう必要があるよ。

確かにそのとおりだ。こむぎは人間に近づいたら また怖い・痛い思いをすると考えているんだから。

それからの私は、ケージは開けっ放しにして、こむぎを家の中で自由に飛び回らせることにしました。

かまいたい気持ちがありましたが敢えて手出しは一切せず、とにかく自由にさせるだけ、そして何があってもスルーするように心掛けました。

そんな日々が続く中で、こむぎに少しずつ変化が見られました。人に近い距離に止まることが
増えて来たのです。それでも私は一切手を出すことはなく、必要最低限のお世話だけすることに決めて

私たちはこむぎに危害を加えるつもりなんてないんだよ。

…と無言のアピールを続けました。

それでも、餌をあげる時や何かをしてあげるときには、「こむぎ、餌を置いとくね」といった感じで、必ず名前を呼ぶことに決めていました。

声かけだけは欠かさぬように常に意識していたところ、こむぎは名前を呼ばれたときに反応を見せるようになってきました。

【3か月後】セキセイインコの本気噛み・威嚇噛みが甘噛みに変わり始めてきた

私はその後もしばらくの間同じことを繰り返しながら、辛抱強くこむぎに向き合っていました。

そんなある日、こむぎが近くに来た時に、たまたま指を差し出してみたのです。

するとこむぎは最初こそはガブッ!と噛んできたので「やっぱり噛むよね~」…と思いつつ、我慢してそのまま手を差し出していると、こむぎはようやく「この人は自分に危害を加えない」と分かったようで、それ以降は強く噛む回数が減っていきました。

そして本気で噛まなくなった頃には家族の肩に乗るようにもなりました。

ここにくるまで3か月くらいかかりましたが、こむぎが私たち家族にようやく心を開いてくれた時にはとても嬉しかったです。とはいえ、敢えてそこは可愛がりすぎないように努めました。

今はまだこちらから触っていくのは早すぎる。あくまでこむぎのペースで近づいて来れるように、こむぎが近づきたい様子の時のみ なでたり触るようにした方がいい。

そう考えたからです。

【6か月後】セキセイインコの方から家族に近づいてくるようになった

こむぎが我が家にやって来て半年が経過した頃、何も言わなくてもこむぎのほうから家族の元に近づいてきて、甘えてくるようになりました。

向こうから甘えて来たタイミングでこむぎに声をかけると、心なしか嬉しそうな表情に見えるのです。

今でも時々は噛まれることはありますが、以前のように警戒心からくる威嚇噛みではなく、甘え噛みであることが伝わるので、家族がそれを怒ることがなくなりました。

インコは飼い主の愛情が伝われば自分から心を開いてくる賢い生きもの

インコにもいろいろな性格や個性、癖を持った子がいます。元々なつきづらい性格だったり、何らかのトラウマを持っている場合、インコの心を開くのは大変です。

でも寛大な心と愛情を持って接していけば、時間はかかってもその気持ちが必ずインコに伝わります。

そしてようやく懐いて心を許してくれた時の嬉しさは、言葉に表せないほどの感動があります。

インコが手乗り崩れになってしまっても 愛情を持って接することで 必ず心を許してくれる日が来る。

私は自分の体験を通してそう思うのです。

コザクラインコの手乗り崩れを克服した体験談

サザナミインコの反抗期(一時期手乗り崩れ)→「飼い主の心得」誕生→信頼関係構築まで7~8年

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