八王子スーパーナンペイ事件 捜査が難航した理由

八王子スーパーナンペイ事件

この事件はモノ取りじゃねえ!

事件現場の「スーパーナンペイ大和田店」は事件の3年後に廃業して、現在その地は駐車場になっている。

1995年7月30日の夜、ナンペイの事務所2階で、女性三人が射殺体で見つかった。

パート従業員の稲垣則子さん(当時47歳) 高校生アルバイトの矢吹恵さん(17歳) 前田寛美さん(16歳)

ナンペイ閉店時間が午後9時。

稲垣則子さんが知人男性に電話したのが9時15分(通話記録より)

通行人が銃声を聞いたのが9時17~18分頃。

稲垣さんの知人男性がナンペイ事務所下に車で到着したのが9時20分過ぎ。

ここから導き出された犯行可能な時間は2分半から長くても4~5分。

犯人のためらいがまったく感じられないほどの短時間に三人の命が奪われた事実から、犯行の目的が金銭なのか、それを装った殺人なのか…すでにそこから捜査陣の見解が分かれた。

ただ、事件から数年後に捜査指揮を担当した捜査幹部OBの一人は 現場と捜査資料を見て「この事件はモノ取りじゃねえ!」と感じたという。

捜査一課OB
ナンペイは大通りから離れた静かな住宅街の中にあり、下見を繰り返せばセキュリティの甘さは見抜けたはず。
 
わざわざコロシ(殺人)を犯してまでタタキ(強盗)のヤマを踏む必要はあったのか?
 
この事件はモノ取りじゃねえ!
 
 
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稲垣則子さんの交友関係

捜査の軸足を強盗から殺人としたときに、はじめに考えられたのが稲垣則子さん(47歳)の交友関係だった。

稲垣さんはかつて地元の高級クラブの売れっ子ホステスだったので、彼女の周りには常に複数の男性の影があったという。

中でも、不倫関係の清算を巡ってもめていた会社社長の男性は、関与の有無を徹底的に洗われている。

また暴力団関係者との交流も含めてかなり捜査をしたのだが、その筋もクロにはならなかった。

初動捜査に見落としはなかったか!?

via:大島てる(事件現場:八王子市大和田町四丁目)

八王子スーパーナンペイ事件の捜査がここまで難航したのはなぜなのか?

あれだけ凄惨な事件現場を目の当たりにした捜査員が捜査の手を緩めるはずはない。

ただ、当時は一連のオウム事件国松長官狙撃事件のほうに捜査一課の捜査員の大部分が駆り出されていたのは事実である。

八王子には遠方から土地勘のない捜査員が駆り出されて 捜査に当たっていた。

そういった当時の事情から 捜査一課OBはこう回想している。

捜査一課OB
後年、捜査に加わり捜査資料を読み返したとき、「未了」「未決」案件が多いことに驚いた。
 
当日は午後九時まで盆踊り大会が開かれていたのに、本当に目撃者はいなかったのか?
 
業者やスーパーに出入りする者をすべてつぶしたのか?
 
稲垣さんの交友関係は完璧に追えたのか?

当時であれば入手できた証言や資料がもっとあったのではないか、と言いたいのだと思う。

現場周辺で目撃されていた不審車両で、シロクロがつけられなかった車が3台もあったという。

スーパーナンペイの東側、南側、西側に、それぞれ一台ずつ白色の乗用車が停車していたが、それが確定できなかった。

この捜査一課OBが捜査に加わった数年後には、車検証の廃棄や廃車処分となっていて、当時の所有者の裏取りができなかったという。

銃弾の線条痕から過去の射殺事件、強盗殺人などとの関連を調べ、犯人につながる情報を追ってフィリピンや中国まで捜査員を派遣してきたが、いずれも真相にはたどり着けなかった。

法改正によって殺人罪の公訴時効が廃止されたため、時効成立による捜査終結はなくなったが、初動捜査の蹉跌はかなり痛かったと思う。

>>ナンペイ事件(大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件)警視庁HP

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