奨学金で自己破産!親の使い込み体験談~24歳で870万円の借金苦
これは私と私の両親(両親は離婚) 妹…の4人が弁護士を通して自己破産をしたときのエピソードです。
私…27歳男性
母…53歳
妹…24歳 医療系の専門学校に進学
離婚した父…63歳
新聞奨学生として4年間住み込みで働きながら大学を卒業して…
第一志望大学に合格したものの、母子家庭の我が家には大学資金の用意はなく、私は新聞社が運営する新聞奨学生制度を利用して大学に進学しました。
新聞奨学生は朝の3時前後に起きて朝刊配達をし、事務作業から夕刊配達までバイトのスケジュールが組まれ、業務がかなりきついことでも有名です。
一応、国が運営する奨学金も借りましたが、
…と決めていました。
もしも新聞奨学生制度をリタイヤするようなことになったらこのお金を使おうと考え、奨学金が振り込まれてくる通帳を母親に預けて大学に通っていました。
私は新聞奨学生として大学の近所の新聞販売店に配属され、販売店の寮に住み込み、働きながら大学に通い始めました。
朝は2時半に起きて7時頃まで朝刊を配達した後、8時過ぎまで事務仕事。その後大学に行って講義を受け、15時には寮に戻ってきて夕刊の準備。
17時頃まで夕刊の配達をして18時頃まで事務仕事。その後、また大学に戻って続きの講義を受講する…といったハードな生活を送っていました。
新聞販売店の方々が良い人たちだったので、4年間リタイアすることなく 新聞店での仕事を続けることができました。
1円も手を付けずにいた奨学金400万円が親に使い込まれていた!
私の3歳年下の妹は、私が大学3回生の時に4年制の医療系専門学校に進学しました。
その翌年、私が大学を卒業して就職と同時に一人暮らしを始めると、国の奨学金の返済が始まりました。
私が借りた奨学金は400万円程でしたが、私は1円も使っていませんから、そっくりそのまま返済しようと考えていたのです。
ところが通帳を預かっていた母親がそれを自分の生活費や妹の学費に全額使い込み、通帳残高が0になっているのを目にした時には愕然としました。
私と母親との間で大きな喧嘩となりましたが、私はすでに就職が決まっていましたし、
…と考え直し、仕方なく私がその返済をしていくことになりました。
妹の奨学金を私名義で契約!24歳にして870万円の借金を背負う
妹が専門学校を卒業した年、私にとって驚愕の新事実が発覚しました。
母子家庭の場合、もう1つ国から借りられる奨学金があるのですが、それが私名義で契約されていたのです。
母は私に内緒で、私の名義で500万円借りていました。そして当然、私の元に追加で500万円の奨学金の返済請求が来るわけです。
妹が学生の間は、母が妹の奨学金を流用してその返済をしていたようでしたが、それでも返済されていたのはたったの30万円。残りの返済がまだ470万円残っていました。
母に使い込まれた奨学金400万円+後に発覚した妹の奨学金470万円…私は24歳にして、自分の身に覚えがないところで、870万円の借金を背負わされていたのです。
離婚した両親と私と妹、家族4人そろって自己破産へ
妹はこれとは別に自分名義でも奨学金を借りていました。
卒業後には当然 妹も奨学金の返済が始まったのですが、そこで妹がひと言…
私は最初はそれに反対しましたが、
…と思い直し、さんざん悩んだ末に、自分も自己破産する決意を固めました。
当時の私は会社の部署が異動になって残業がなくなり、収入が激減していたのです。
私と妹の奨学金の一次連帯保証人は母親だったので、母も自己破産することになりました。
二次連帯保証人は父親になっていましたが、父は離婚をしていたので、私たちの奨学金のことすら知りませんでした。
私たち3人が自己破産をしたことによって その負債が二次連帯保証人である父親の方に移行したので、父には私の870万と妹の400万、総額で1270万円の請求が行きました。
父から私のところに電話がかかってきてひどく怒られましたが、その後に母から、父も自己破産したと聞きました。
私には妹が卒業するまでの数年間、きちんと奨学金を返済していた実績がありましたから、私と母の自己破産の手続きはスムーズに進みました。
しかし妹はあまりにもすぐに自己破産を申請したため、家庭裁判所に何回か呼ばれて、さんざん怒られていたようでした。
自分を恥じることはひとつもないがお金の問題はもうこりごりだ!
その数年後に私は結婚しました。
自己破産について妻にはすべて話していますが、結婚したときにはまだ自己破産の記録が残っていたので、家を借りるのにも妻の名義にするしかありませんでした。
7年が過ぎて自己破産の記録も消えたとき、私は初めてキャッシュカードを持つことができました。肩身の狭い、長い道のりでした。
私は大学進学に最大限の努力をしてきましたし、自己破産は私の作った借金ではないですから、自分を恥じることはひとつもありません。
しかしもう金輪際 お金の問題はこりごりであり、これからも今までと同様に、堅実に生きていきたいと考えています。
【親ガチャはずれ】親が奨学金を使い込みバイト代を無心…返してもらえる?
奨学金やバイト代を無心したり、勝手に使い込んだりする親に対して、返金を要求することは可能なのでしょうか。田中真由美弁護士の解説をお届けします。
●ー親にお金の返済を求めることはできるのでしょうか。
親子間のお金のやりとりも、原則的には一般的なお金のやりとりと同じルールに則って考えることになります。返済を求めることができるかどうかは、お金を「贈与した」ものなのか、「貸した」ものなのかなど、その趣旨によって異なってきます。
たとえば、バイト代を親に送るように言われて送ったという場合は、法律的には「贈与」、つまり「無償であげた」ということになります。この場合は、親に返済を請求することはできません。一方で、「お金を貸して」と言われて貸したという場合には「消費貸借」、つまり「後で同額の金銭を返還する」という契約を結んだことになります。この場合、返済を請求することができます。
●今回の大学生のケースのように、親の口座を奨学金の振込先として指定していたところ、奨学金を使い込まれた場合はどうなるのでしょうか。
このような場合、親は、子の金銭という「他人の財物」を横領したことになります。横領は刑法上の犯罪にあたりますが、母と子は「直系血族」なので、刑が免除されます(刑法255条、244条) ただしこの場合でも、民事上の請求として、親に対して損害賠償を請求することは可能です。
引用元:biglobeニュース 2021/02/05
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