セキセイインコの飼い主の寄稿です
私の愛鳥はセキセイインコ(オス・1歳)です。
それまでケージに手を少し入れ「おいで」と言うとすぐに乗ってくれていた手乗りインコだったのですが、ある日を境に手を怖がるようになり、放鳥する時には仕方なく追いかけて捕まえなければいけなくなりました。
思い当たる原因は5日間の旅行です。
その時にインコを知人に預けていたのですが、それが原因で手乗り崩れになったのではないかと考えられました。
セキセイインコが手を怖がる!手乗り崩れの直し方8週間チャレンジ
子どもの頃からずっとインコを飼っている友達にこのことを相談したところ、こう言われました。
おそらく預け先の人が過剰に触ったせいかもしれないね。だけどひどい事はされていないはず。もしひどい事をされていたとしたら、敵意をむきだしにして噛みついてくるから。
預かってくれた人に悪意はないのかもしれないけど、知識もない状況で 興味半分でよそのインコにかまいすぎたのかもね。だからはインコはヒトの手が怖いものだと思い込んで、何だかわけがわからないままに人間不信になっているんだと思うよ。
できるだけインコにかまわずにそっとしておく(1週間)
なるほど…と思った私は、その意見を前提として(もし違ったら他の方法を試すつもりで)まずはセキセイインコをそっとしておくことにしました。
できる限り構わないでそっとしておく
餌と水換えは手早く済ませる
粟の穂を遊び食べできるように適宜そっと差し込むだけ
そんな事を一週間ほど続け、セキセイインコが自分から外に出たがる様子を見せるまで 必要最小限の接触しかしないようにしていました。
放鳥してほしがるインコに寄り添う作戦(1週間)
そんな生活を1週間しばらく続けていると、セキセイインコはようやく外に出たがる様子を見せ始めました。
ケージの出入り口でインコが私を呼んだので、それに応えて私はそっとケージの扉を開けてみました。
しかしやはりインコの方から手に乗ってくる様子はなく、ケージの外に出て一人遊びをして過ごしていました。
それからさらに一週間ほど、インコが出たがる時に出して寝る前に帰らせる事を続けましたが、これではらちが明かないと思い、そろそろ次の段階に移ろうと思いました。
インコを頭の上に乗せてみる作戦(1週間)
私のインコは手を怖がるようになっていたのですが、完全に飼い主を拒絶していたわけではなかったので、私はインコを優しくつかんで頭の上に乗せることにしました。
もともと高いところが好きなセキセイインコは頭の上に乗りたがる子が多いので、頭の上にとまってもらうことにしたのです。
ただ、これは嫌がられる可能性があったため、細心の注意を払って行動することに決め、一定のルールを設けました。
インコがすぐ逃げたがるようなら深追いはしない。
迷っている様子なら頭に乗せてみる。
頭の上でくつろいでいるようなら、しばらくそのままにしておく。
光りものを利用して肩の上のひとり遊び作戦に誘導(2週間)
私にはもうひとつ考えていた作戦がありました。それは「光りもの」をうまく利用すること。
光りものは次の段階に進んだら使う小道具に決めていました。
そして次の段階とは肩に乗ってもらうことです。
じゃらじゃらとキラキラのビーズがついているピアスをつけてインコに見せ、頭上から肩に降りてくるように誘導する作戦です。
うちのセキセイインコは光りものが大好きなので、
そうやって様子を見ていると、案の定、私のインコはピアスに関心を寄せて肩に移動してきたのです。
あとはこちらの思惑通りにとんとん拍子に進み、肩の上でピアスをつついて、喜んで遊ぶようになりました。
なんとか肩まで移動はできましたが、まだヒトの手を嫌がる様子が見られたため、文字通り「好きにさせていた」という感じです。
セキセイインコが一人でおしゃべりしながらピアスで遊んでいる姿を見ていると「一緒に遊びたい!!」…との欲求に駆られましたが、そこはひたすら我慢を決め込みました(正直それが一番つらかったですが)
私はキラキラのピアスをつけましたが、キラキラしたものに興味を持つインコなら光りものなら何でも使えます。
うちの子はすごくよくしゃべる子で、一度遊びに熱中するとマシンガントークが続きますから、その熱中した状態を保てるように、楽しい遊びに水を差さないように気を付けて見ているようにしました。
ここでインコにヘタにかまうと これまでの苦労が水の泡になる可能性もあります。
ピアスをつつかせ、耳元でのおしゃべり…時にはヘドバンおしゃべりを好きなだけさせてあげることに徹していました。
本をかじりたいインコの欲求を利用して手に移動させる作戦(10日)
肩の上の一人遊びを2週間ほど続けた後、そろそろ次の段階に進むつもりで、私はインコにかじられても困らない本を用意しました。
インコは本のページかじりたがる子が多いですが、それをするためには 本を持つ私の手にとまらないといけません。
…と考えたのですが、思惑通りに事が進みました。
ここまで時間をかけて段階をしっかり踏んでいたせいもあり、私の場合はこの流れはわりとすんなりいきましたが、とにかくここに到達するまでは焦らないことを常に意識した方がいいでしょう。
私は強くそう心に決めていました。
セキセイインコの性格は様々で、中には自分のしたい事を伝えるのが苦手なインコもいますから、それぞれの段階を1週間以上の時間をかけて、ゆっくりとこなしていくのがいいかもしれません。
本を用意する段階では ピアスを小ぶりのものに変えて、
…とインコに思わせるように誘導していきました。
うちのインコの場合、肩でのピアス遊びからページかじりに移るまでは10日ほどの時間を要しました。
なかなか手元に降りてくることをしなかったのですが、最後は本のページをかじりたい欲求を我慢できなくなったらしく、インコの方から観念して(?)とうとう自分から手に降りてきてくれました。
その時の私は嬉しくて、心の中で 一人ガッツポーズ!!
それこそ拍手喝采したい気持ちでしたが、ここでも何の反応も示さず、しれっとしてインコを放っておき、読書に集中している呈を貫きました。
最初はこちらがほんの少しでも身動きするとサッと逃げてしまっていました。
ですが3日もすると一心不乱にページをかじっていましたので、インコのかじりたいペースにあわせて なるべく早くページをめくってあげるようにしました。
うちのインコはすでにかじり尽くしたページよりも新しいページをかじるほうが好きな様子でしたから、とことんそれに付き合いました。
インコの大好物を手で食べさせる作戦(10日)でミッション完了!
そこまで進んだ後は 手にインコの大好物(うちの子の場合は粟穂)を乗せて食べてもらうことにも成功し、8週間がかりで セキセイインコの手乗り崩れを何とか元に戻すことに成功しました。
今ではまるで何事もなかったかのように呼べばすぐ飛んできてくれるようになり、ホッとしています。
私の場合は、たった5日間他人に預けたことで失った信頼を取り戻すのに8週間(約2ヶ月)の月日を要したのです。
そのことを考えるにつけ、想像以上にインコは賢い生き物であることがよくわかりました。
先代のオオハナが持て余されて手放された子でした。手乗り崩れと言われていましたがお迎え翌日には手に乗り、出だしは好調かと思いきやいきなり咬んできたり。本人が人を信じたい気持ちと信じられない気持ちの間で葛藤しているのが分かりました。お迎え2年後には全く噛まない良い子になっていました。
— syana (@syana59114303) December 16, 2020
一度信頼関係が壊れて手乗り崩れになると、飼い主さんはかなり焦ると思いますが、時間をかければ必ず手乗り崩れは直せます。
そのコツはインコのきもちを考えてその目線に立ち、辛抱強くインコのペースに合わせてあげることです。
手乗り崩れに悩んでいる方は、ぜひ真似してやってみてください。