セキセイインコの飼い主の寄稿です
実家で飼っていたそら(オス)は、
今まで飼っていた中で
いちばん長生きしたインコでした。
毎日放鳥してもらって
自由に飛び回って遊ぶのが日課でした。
11歳になってからは
飛ぶ速度が落ちたり
ケージ外に出てくる
回数が減ってきましたが、
毎日楽しく過ごしていました。
セキセイインコの老化現象と老衰症状!大往生の見送り体験談
私がそらの異変に気付いたのは
ケージの中での過ごし方が
いつもと少し違うことが
きっかけでした。
いつも止まり木に止まっているのに
その時は床にペタッと体をくっつけて
うずくまっていました。
今までそのような姿は
見たことがなかったので
とても不安になりました。
異変を感じてすぐに、
私は動物病院へ
そらを連れて行きました。
全体を診察していただいた
診断結果は「老衰」でした。
老齢になってくると寝る時間が増え、脚力や握力が弱ってきます。これらの徴候は急になることがよくあります。昨日まで元気だったのになぜ?となりますが老化の影響は徐々にというよりも突然ガクッとくることが多いです。特に鳥は老化が遅く高齢になって急に様子が変わるので油断しないようにしましょう
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 15, 2021
スポイトで飲ませるタイプの
栄養剤を処方され、
病気ではないので、
栄養を補助してあげる以外は、
何も処置できることはありませんでした。
セキセイインコの老鳥ケージレイアウトに変えて余生を過ごしやすいように
セキセイインコは6歳くらいから
老鳥期に入るということです。
セキセイインコの11歳は
高齢である認識はもっていましたし、
羽毛にも相応の老化現象が見られたものの
いつも元気いっぱいのそらに対して
「老鳥」の意識を持ったことがなかったのです。
とはいえ、落ち込んでばかりもいられません。
そらの余生を快適に過ごしてもらうように
準備することにしました。
まずは老鳥用のケージレイアウトに
変更することにしたのです。
まだそれほど寒い季節ではなかったのですが、
防寒対策としてケージに
保温電球ヒーターを設置しました。
止まり木とフンきり網を取り外して
床をバリアフリーにし、
ヒーターから離れたところに
餌と水を置きました。
老鳥でも餌は食べられたし好物には少し口をつけてくれて…
ケージレイアウトを変えてからは
なるべくそらの近くで
家族みんなで一緒に過ごすようにしました。
そらのお世話は
私と母と妹で行っていたので、
順番で誰かが近くで付き添って
あげるようにしていました。
そして、疲れない程度に
そらをケージから出し、
掌に乗せて話しかけたりするなど
触れ合う時間を持ちました。
人の手からどこかに移動するような元気が
そらにはもうありませんでしたが、
そんな弱っている時でも
「おはよう」「●●ちゃん」と
おしゃべりをしていました。
食欲は全くなくなったわけではなくて
ボチボチ食べているといった感じでした。
そらが好きだったレタスを
近くに置いてみたら
少しですが口をつけてくれました。
誰かがいつも近くにいてあげること。
残された最後の日々に
この2つを徹底しました。
セキセイインコの老衰症状に最期の1週間まで気づかなかったけれど…
愛鳥への寄り添いから1週間後の夜、
そらは母の手の上で
虹の橋を渡っていきました。
私がそらの訃報を知って
慌てて帰宅してみると、
うっすらと目をあけて眠っている
そらがいました。
いつも私が帰宅するとそらは
「おかえり」ではなく
「おはよう」と言ってくれていたので、
何も話さなくなったそらを見ていると
とても悲しくて寂しくて
どうしようもなくなりました。
そらは老衰で11年の生涯を閉じましたが、
私たち家族はみんな
それまでのそらへの行いで
後悔したことはありません。
晩年のそらはうずくまって
休んでいることばかりでしたが、
苦しんで鳴くようなことや、
嘔吐・下痢などもなかったので、
老衰で自然に逝くことが出来たのは
よかったと思っています。
苦しみが少ない大往生…最期の時をゆっくり一緒に過ごせたから悔いはない
…と獣医さんから伺いました。
私が異変に気付く前日まで
そらは部屋の中を元気に飛び回って
遊んでいたので、
年齢を考えれば確かに
「老鳥」なのですが、
私の中には「老」という意識が
全くありませんでした。
セキセイインコの老衰症状を目の当たりにして…
本当に突然すぎてびっくりしましたし、
…と思うところもあるのですが、
そらとの最期の時をゆっくりと一緒に
過ごせたことは良かったと思っています。
永遠の別れは悲しすぎて
涙が出ますが、
これは人間でいうところの
PPK(ピンピンコロリ)なのでしょう。
そらは苦しむことが少なく、
闘病生活も短く、
天命を全うして
静かに旅立って行けたので
大往生だと思います。
私は初代のセキセイインコが
病気になった時に、
当時の家の近くに動物病院がなくて
慌てた経験があります。
電話で問い合わせをしたときに
「一応連れてきてください」と言ってれた
病院に駆け付けたのですが、
鳥の医療知識がない先生で、
本を見ながら診察していました。
その子は結局
原因不明で翌日に亡くなりましたが
…という後悔が
数十年経った今でも
心の奥底に残っています。
インコを飼っている方には
愛鳥が若くて元気なうちに、
頼りにできる「鳥を診察できる動物病院」を
見つけておくことをおすすめします。
大切なかわいいインコとのお別れは
とても悲しいですが、
後悔のないお別れがその子へのいちばんの恩返しになると思うのです。