私のサザナミインコのぴよちゃんはとっても偏食家でした。
一緒に過ごした14年間、定番の青菜に始まり色々な野菜や果物をあげてみましたが、結局喜んで食べてくれたのはトウモロコシとリンゴと梨だけでした。
ぴよちゃんをお迎えした15年前はまだ珍しかったサザナミインコなので、最初はこれがぴよちゃんの嗜好なのか?サザナミインコの特性なのかが分かりませんでしたが
これは、ただその一心で試行錯誤を繰り返した、当時の私のエピソードです。
サザナミインコのおやつの果物と食べ物は?偏食ぴよちゃんの好物の話
美味しそうに青菜をハムハム、野菜をポリポリ、果物をシャクシャク。そんな可愛いインコの姿を見たことはありませんか?
ケージにもシードや水用のケースと一緒に青菜差しがついています。
私は副食の定番である青菜の小松菜やハコベは、どんなインコにとっても好物だと思っていましたから、最初にぴよちゃんにあげたのも小松菜の葉っぱでした。
私はワクワクしながら、青菜をハムハムするぴよちゃんの姿を待ちましたが、ぴよちゃんは初めに小松菜をチラッと見た後は、もうそこに何もなかったかのように振る舞っています。
そう、ぴよちゃんは初めて見たものは、大抵「無いこと」にしてしまうのです。
それが視界に入っているのは間違いないのに、決して目を合わせようとしません。
そうやって毎日与えられる小松菜の葉っぱは一切齧られることもなく、ケージの中にそのまま残っていました。
そして2週間が過ぎようというある日、ついに感動の瞬間がやってきました。
ぴよちゃんが小松菜を食べているではありませんか!
「やったー!」喜んだのもつかの間、よくよく見ると葉っぱの部分はそのままです。
「どういうこと?」さらによく見ていると…なんとぴよちゃんは茎をシャクシャクと美味しそうに食べているのです。
菜挿しに葉を入れる時、グラグラしないように短くカットした茎も入れていたのですが、ぴよちゃんが気に入ったのはその茎の方でした。
「なぜ?茎だけ?」放鳥時にも葉と茎の両方をあげるのですが、食べるのは茎の方だけ…。
サザナミインコが好きなおやつは何?偏食ぴよちゃんが愛したものは?
そんなわけで、しばらくは小松菜の茎のみをひたすら食すぴよちゃんでしたが、やはり緑黄色野菜も食べて欲しいと思い、豆苗、ブロッコリー、人参、カボチャ、トマトなどをあげてみました。
しかし、ブロッコリーを少し食べてくれた以外は ほとんど口をつけることもありませんでした。
サザナミインコとトウモロコシとの運命の出会い
そんなある日、ぴよちゃんは運命の出会いをしました。
トウモロコシ…ぴよちゃんが生涯変わることなく愛したおやつです。
いつもは初めての食べ物を警戒して「なかったこと」にするぴよちゃんでしたが、トウモロコシは違いました。
あげた途端に近寄っていって、あっという間に5~6粒を完食したのです。
そんなふうに喜んで食べるぴよちゃんを見たのも初めてだった私は、驚き、そしてやっとぴよちゃんの好きな食べ物がわかった喜びを噛みしめました。
サザナミインコのぴよちゃんが食べるものは3つに限られた!最終的には野菜は全滅
実はその頃のぴよちゃんは少し元気がなかったので、心配になって病院で診てもらいました。診断は
その時、食事についても色々たずねてみました。
先生からこう言われたこともあって、小松菜は毎日じゃなくてもいいかなぁ…と思っていた頃のことです。
それからは毎日、朝と夜の放鳥の時にトウモロコシを5~6粒ずつあげていましたが、小松菜はほとんど食べなくなりました。
その後も季節の野菜や果物をあげてみましたが、野菜は全滅、果物は梨とリンゴだけは食べてくれ流ようになりました。
これはお迎えして2年後くらいの話で、この後の約12年間、ぴよちゃんは飽きることなく毎日トウモロコシに駆け寄り、美味しそうに食べ続けたのです。
サザナミインコのおやつをケージに戻る「帰宅トレーニング」に応用してみよう
ぴよちゃんがトウモロコシを大好きなことはわかりましたが、次の問題はそれをどのくらいあげていいのか?でした。
夏には生を茹でたものもあげましたが、ぴよちゃんの場合は冷凍トウモロコシも大好きだったので(むしろこちらの方が好きだった)ほとんど毎日あげていました。
サザナミインコの大好きなおやつを帰宅トレーニング(ケージに戻るしつけ)に利用した
副食ですから、食べたいだけあげるわけにはいきません。
ぴよちゃんの体重は52〜54gでしたが、1日2回の放鳥時に5~6粒程度なら大丈夫だろうと考えました。
3粒を放鳥時に食べるシードやペレットの皿に入れて、残りはケージに帰る時にお気に入りの止まり木の上に乗せてあげます。
この方法のいいところは「帰宅」トレーニングになったことです。
放鳥時にケージになかなか帰りたがらない時の「最後の一押し」として、大好きなおやつの利用はとても有効な手段でした。
1回に5~6粒しかもらえないので、ぴよちゃんもそのことをすぐに学習しました。
サザナミインコがトウモロコシが好きすぎる!皮までしゃぶりつくされると心が揺らいだが…
ぴよちゃんは芯と皮を食べることはなかったですが、皮は最後の最後までしゃぶりつくしていました。
ずっとモグモグしゃぶっている時もあり、それが透けて見えるほどの薄い膜になるとようやく手離していました。
そんなぴよちゃんを見ているといじらしさに胸が痛みましたが、好きだからといっておやつをたくさん上げるわけにはいきませんから、そこは「ぴよちゃんのため!」と私も心を強くして頑張りました。
サザナミインコがトウモロコシの次に好きだった梨は与えてはいけない果物!?
トウモロコシの次に好きだったのは梨、その次がリンゴでしたが、梨はインコにあげないほうがよい果物だと 数年後に知った時は驚きました。
※リンゴのタネは絶対にインコにあげないこと。バラ科の果物のタネは有毒です。
果物をほとんど食べない我が家のセキセイもリンゴだけはほんの少しですが噛ります🍎
— フユコ (@robocyojin) June 29, 2022
リンゴ、梨、桃、プラム、サクランボ、アンズ、梅、ビワなどの種にはアミグダリンが含まれており、食べると体内でシアン化物という毒に変化し中毒を起こします。中毒を起こすと呼吸困難、嘔吐、徐脈、意識消失など見られます。食べてはいけないと書かれていることがありますが果肉は食べて大丈夫です。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 25, 2020
梨の実がもつ石細胞(梨特有のシャリシャリ食感)がインコにとって消化不良を起こす原因となる説をネットで見ました。
私はぴよちゃんに旬の時期に数回、それも実の部分を少量しかあげていなかったので特に問題は起きませんでした。
石細胞は食べても害はないので、与えても大丈夫ですよ。海外では否定的な見解は出されていません。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 26, 2020
しかし梨の種には毒があるので食べると呼吸困難を起こすなど、インコにとっては危険な食べ物なのだということです。
梨もリンゴもバラ科の果実なので 種に毒性がありますから、インコに食べさせてはいけません(※梨もバラ科なのでタネが有毒)
サザナミインコに何をあげる?どのくらいあげる?を考えるのは飼い主の大事な仕事
ぴよちゃんをお迎えした頃、サザナミインコについて何か知ろうと思っても情報不足で、知りたい情報が載っているページにたどり着けませんでした。
インコの飼育書も買いましたが、情報の量と内容は限られており「梨はインコによくない」も書いてありませんでした(むしろリンゴと同様に食べてもいい果物と書かれていた気がします)
ぴよちゃんが14年の天寿を全うしてお空に帰ってから空いた時間が増えた私は、鳥飼いさんのSNSや動画サイトを見る機会が増えました。
その中にはインコのおやつをとても大切なものと考え、試行錯誤を繰り返している方もいて「こういう情報をあの頃見ていたらなぁ…」と思うこともよくあります。
副食やおやつは栄養面においても大切ですが、鳥さんにとっては楽しみとなる要素もたくさん持っています。
現在はサザナミインコの情報はたくさんありますし、他の種類のインコであってもサザナミインコの参考となる情報もたくさんありますから、そんなネット上の情報も参考にしながら、愛鳥のおやつを試行錯誤をすることは飼い主さんにとっても楽しい時間となるでしょう。
愛鳥の楽しそうな様子を見ることは飼い主にとって何ものにも代えがたい「至福のひととき」に違いないです。
サザナミインコの食について参考になるツイッター
サザナミインコの未消化便あるある
サザナミインコに見られた粒便です。サザナミインコは筋胃のすり潰しが弱い傾向があり、シードを主食にするとこのような粒便をするようになります。野生では、フルーツ、乾燥または発芽した種子、虫の幼虫などを食べています。食事は、ペレットを主食にしてフルーツを副食に与えるようにしましょう。 pic.twitter.com/2RskaSwxG6
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 9, 2020
「人の食べ物」とは野菜・果物以外のもの
しかし必ずしも毎回貰えるわけではないとストレスになります。それを知らなければ起こらなかったストレスです。実際に人の食べ物を食べている鳥には毛引きが多いです。安易に人の食べ物は与えないようにしましょう。もし知ってしまったのであれば、人が食べている所を見せないようにしましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 14, 2020
果物は与えても大丈夫です。人の食べ物とは野菜果物以外のものを指しています。
鳥さんの大きさと言うよりは、個体差になると思います— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 15, 2020
残留農薬の影響はわからない
野菜類は農薬残留基準値以下になっていますが、この量が鳥に影響するかは調べられてません。時折野菜をあげたら吐いたと言う主訴で来院することがありますが、それが農薬かどうかは調べられません。実際の調査ではほとんど農薬が検出されないようなので、洗って与えれば問題ないと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 2, 2021
痛風を予防するペレットは?
予防といった意味では、ペレットにはビタミンAが含まれていますので、どのペレットでも予防になると思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 19, 2021
ブドウを与えたら尿が赤くなったケース
2日前からヨウムさんが血尿をするとのことで来院されました。染み込んだ水分尿が赤っぽくなっていました。したばかりは問題なく、時間が経つと赤くなるとのことでした。顕微鏡で見ても血尿をではありませんでした。ブドウを与えたので、その成分が影響したと考えられます。鳥の血尿は、非常に稀です。 pic.twitter.com/bGjpFGAD75
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 13, 2020
サザナミインコはグリットが少ない
サザナミは消化が他種より上手くないと聞きますがグリットも少ないんですか?
ひえあわはおやつ程度なら粒便として出てこないので負担にはなりませんか?
よろしくお願いします— ゆゆ (@yuyu20150510) September 22, 2020
やっぱりもともとが果物食だからなんですね
うんちのチェックをしつつおやつにシードをあげたいと思います
ありがとうございます— ゆゆ (@yuyu20150510) September 22, 2020
イチゴのタネは食べても大丈夫?
イチゴは種ごと食べられます。イチゴの種に毒はありませんが、種だけ食べて吐いた例を見たことがあります。
穀食性の鳥はフルーツをたくさん食べると便が緩くなり、腸内細菌バランスが崩れることがあるので、少量にしましょう。果食性の鳥はたくさん食べても大丈夫です。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 26, 2020

フンの色の勘違いあるある
また、こちらは着色ペレットを主食にしているサザナミインコさんの便です。これも下血と勘違いしやすく、また便で健康状態を確認しにくいので、主食は無着色のペレットを使用し、着色ペレットはおやつやご褒美で使うようにしましょう。 pic.twitter.com/LkmZGBij0P
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 16, 2020