ぴよちゃんはノーマルグリーンのサザナミインコ(推定オス)はお迎えしてから14年間、ずっとそばにいてくれた大切な家族ですが、マクロラブダス(メガバクテリア症)を発症したことがあります。
これはメガバクテリア発症当時のぴよちゃんの様子、病院で実際にどんな治療を受けたかなど、病気が完治するまでの話です。
サザナミインコのメガバクテリア闘病記!注射と入院治療で完治した話
それはぴよちゃんをお迎えしてから一年半ほど経ったある日の朝のことでした。
いつものようにケージにかぶせていたカバーを外すと…「あれ?」いつもバードテントからのそのそと出てくるぴよちゃんが ケージの床にうずくまっていました。
ぴよちゃんはすぐにこちらに「はっ」と気付くとケージの中に設置してあるハシゴを登り、いつも止まっている鏡のついたお気に入りの止まり木へ移動しました。
特にその動作に緩慢なところもなかったのですが、私は何か違和感を感じました。
その後いつものように朝の放鳥をしましたが、ぴよちゃんは変わった様子もなく遊んでいました。
ところが午後になり、ふと気がつくと また床にうずくまっていたのです。
動物病院に行こうか悩みましたが、その後またすぐにお気に入りの止まり木に戻ったことや食欲もありフンにも異常がないことから、友人に頼んで翌日に病院へ行くことにしました。
急変は翌日に起こりました。
午後になりそろそろ友人も到着する頃、放鳥中のぴよちゃんが突然頭を降りながら、鼻水状の液体を吐き出し始めたのです。
その時の私はどうしてよいかわからず、ただ泣きながらぴよちゃんに声をかけ続けることしか出来ませんでした。
その後、吐き気がおさまったぴよちゃんは私の腕に止まり、まだ涙で濡れている私の目のふちを一生懸命舐めていました。
この時は「本当は具合の悪いぴよちゃんが自分の不調を隠して私を慰めてくれているのかもしれない」と思えて、また涙が止まらなくなってしまいました。
動物病院の初受診!メガバクテリアの注射と入院治療が始まった
早速動物病院に行く準備を始めました。
専用のキャリーケースがなかったので、ペットショップにいた頃から使っていたフタ付きのプラケースに紙を敷いてぴよちゃんを入れました。
その日の糞もラップに包み チャック付きのビニール袋に入れて持っていくことにしました。
診察時にはさらに元気がなくなってきたぴよちゃんの症状を獣医に話し、持参した糞も渡しました。
サザナミインコのフンからメガバクテリアが見つかって
緊張からなのか、いつもは朝と夜の2回の「ため糞」しかしないぴよちゃんが、移動中に小さい糞をしていたので、検査にはその新しい糞を使うことに。
その糞を顕微鏡で見た先生は「ああ、やっぱり」と言い、モニターにその画像を映しながら「この棒状のモノが病原菌です」とメガバクテリアについて詳しく説明してくれました。
メガバクテリアは胃に棲みつき悪さをする真菌で、発症すると嘔吐、軟便、下痢、食欲不振などの症状を引き起こす病気で、その病院でもたくさんのセキセイインコが治療を受けに来ているということでした。
今では笑える話ですが…先生がお話の中で
…と言われた時には、ぴよちゃんのうずくまっていた姿を思い出し
と涙ぐんでしまいましたが、そんな私に対して先生はあっさり
私がその言葉に安心したのと同時に心の中で

先生それを先に言ってください!
メガバクテリアの治療を投薬にするか注射にするか
その後に先生は メガバクテリアに対する治療の考え方と、治療方法に投薬と注射の2つの選択肢があることを説明してくれました。
ぴよちゃんの場合、飲み水に薬を入れる飲水投与または保定して直接口に投与する自宅での投薬か、病院での皮下注射かのどちらかになると言われました。
その後、先生から2つの治療方法による違いについてさらに詳しく伺い、今の症状がより早く改善する見込みがあり、治療全体の期間も短くて済むことが期待できそうな注射による治療を選びました。
その時の先生の説明はとても詳しく、治療内容については使用する薬剤の効能だけでなく、これまでご自身が扱ってきた症例に加え、獣医師会や学会から得たデータや情報から裏打ちされたものであることが分かる、とても納得のいくものでした。
連日の通院は無理なので1週間入院させることに決めて
ただ、当時仕事が忙しい時期だった私にとって、通院のために頻繁に休みを取るのは難しい状況でした。
そんな状況からどうすべきか悩んでいた私に先生は
…と提案しました。
入院すれば24時間完璧な温湿度管理のもと、何かあればすぐ先生に診ていただける環境が整っており、昼夜問わず様子を見てもらえます。
正直なところ、日中ひとりぼっちのぴよちゃんを家に置いていくことに不安だった私は、そこですぐに入院を決めました。
そこから1週間、なんとか仕事を片付けて、毎晩入院したぴよちゃんに会うため、動物病院に通いました。
…と先生から聞いていたのですが、その翌日にはぴよちゃんの動きや顔つきから明らかに具合がよくなっていることが分かり、
…と思いました。
1週間の入院を経た後、なんとか予定通りに通院することもできて、3週間後には検査してもメガバクテリアが見られなくなりました。
そして翌週もう一度検査をして真菌の消失を再確認し、メガバクテリア症の治療終了となりました。
幸運だった動物病院と医師との出会いとお迎え後の健康診断の大切さを痛感して
時折SNSなどで、近くに鳥を診てくれる病院がなくて車で何時間もかけて通っている…とか、予約制で緊急時に診てもらえない…など、動物病院の様々なお悩みを目にすることがあります。
私の場合は近くに動物病院が多くあり、その中に鳥を診察できる病院が何軒かある かなり恵まれた環境だったので、どの病院を選ぶかがいちばんの課題でした。
動物病院選びで外せなかった項目は…
その時に私が動物病院を選ぶために参考にしたのは次の項目です。
②移動手段と移動時間
③診察時間(夜間診療の可否についても)
そしていろいろ調べた結果、この病院を選んだ理由は
②電車での通院が可能で駅からも近く、自宅から1時間未満で到着できる。
③土、日曜日も診療している。可能であれば診察時間外でも対応してくれる。
こうして初めてお迎えした愛鳥のために初めて選んだ動物病院で、信頼を寄せることができた獣医に出会えた私は 運のいい飼い主なのだと思います。
インコをお迎えする前の動物病院決めと1日も早い健康診断が大切
今回ぴよちゃんの病気とその治療を通して思ったのは、事前に病院を探しておくことと初期の健康診断がいかに大事かということでした。
お迎えをしたペットショップでは雛のお渡し前に健康診断をしてくれるサービスがありましたが、それは目視と触診による基本的な身体検査のみでした。
また、お迎え前に読んだ飼育書にも病気に関する記事が載っていて、その中にメガバクテリアもありましたが あまり詳しい表記はなく、当時の私はメガバクテリア症(マクロラブダス感染症)をあまり気にかけていませんでした。
当時の私がメガバクテリアの存在と雛鳥の罹患率の高さ、その感染原因の多くが給餌による母子感染であることを知っていれば、ぴよちゃんをお迎えした時すぐに病院で検査をしていたと思います。
そうすれば あんな激烈な発症を起こさずに 飲み薬だけで治療ができたかもしれません。
まだ信頼できる動物病院が決まっていない方へ。
健康診断は愛鳥の健康管理が目的ですが、いざという時に駆け込める病院を見つけるための事前調査という目的を果たす機会と考えて 早めに動物病院を実際に訪れてみるのも一案ではないでしょうか?
私は分かっていてもそれを実践できませんでしたが、ぴよちゃんはメガバクテリアを抱えていても1年半は元気で過ごせていたことが幸いでした。
病気の早期発見と情報収集のために…何より少しでも多くの幸せな時間を愛鳥さんと過ごすためにも、信頼できる動物病院を見つけて 年に1度は健康診断をした方がよいと思います。