サザナミインコの飼い主の寄稿
これは誤飲が原因で一時期危険な状態になったぴよちゃんが、手術を経て元気になったときの話です。
ぴよちゃんは当時8歳。その異変は6月の夕方の放鳥中に突然起こりました。
サザナミインコの誤飲事故!?そのうの異物除去手術【ぴよちゃん8歳】
ぴよちゃんが、突然吐き始めたのです。頭を振りながら鼻水状のよだれを吐き出していましたが、しばらくすると吐き気はおさまり、自分からケージに帰っていきました。
一夜明けて翌朝、ひと目で元気がないとわかる状態になってしまったぴよちゃんは、朝から床にうずくまっていました。
動作は鈍くどこから見ても元気がありません。ため糞は水っぽく濃い緑色で量が少なく、ひと目で絶食便だとわかりました。
触診や、採血、レントゲン、便の検査などひと通りした検査の診断は

そのうと食道の間に何かが詰まっている
流動食の強制給餌と経過観察のために入院することになったものの…
最初の治療方針は、ぴよちゃんの様子を観察しながら

流動食を強制給餌して栄養と水分の補給をしながら、水分を流し込むことで 詰まっているものが食道に落ちることを期待する
…というもので、そのためにすぐに入院することになりました。
夕方に再び病院を訪れたときには、ぴよちゃんは少し元気になっているように感じました。

今は吐き気もおさまっていて、流動食を少しずつ与えています。でも、まだそのうの異物は下に落ちていないので危険な状況です。今夜はこのまま流動食の強制給餌を続けて様子を見ましょう。
…ということになり、私は不安な気持ちのまま、再び家に帰りました。
インコのそのうの切開手術!?こんな小さい鳥にも手術が出来るんだ…と驚き
翌朝、再びぴよちゃんに会いに行くと、また元気がなくなってきているのが見て取れました。
レントゲン写真を見せてもらったのですが、そのうの異物はそのままで、

鳥は犬や猫のように内視鏡が出来ない、つまり鳥に入る内視鏡用のファイバーがないんです。鳥用のファイバーがあれば食道へアプローチも出来るしファイバーの先から水を流すことも出来るのですが…

このままそのうと食道の間に詰まったものが落ちなければ、ぴよちゃんはいずれ死んでしまう。これ以上出来ることがないなら、家に連れて帰って最期までずっと一緒にいてあげた方がいいのでは…!?
そんな最悪のイメージをしていた私に先生は

このままだと、この子は死んでしまうと思います。そこでご提案なのですが…ただ、これは本当に飼い主さんの考え方次第だと思うので…
私は、この続きはきっと

この苦しい状態からこの子を解放してあげることも、選択肢のひとつかもしれません。
こんな言葉が続くのだろうと思い、それを聞く覚悟を決めていたのですが…

手術してみませんか。

ええっ!?
想像していなかった先生の提案に私の思考は一時ストップ。

ちょっと待って。こんな小さい鳥に手術ができるの!?
先生は、あっけにとられている私の様子を「飼い主は手術に否定的」と勘違いしていようでした。

手術が必ず成功するとは言えませんし、どこまでするか(金銭負担と時間の融通)は飼い主さんによって違います。それは当然のことなので…云々

飼い主さんが獣医に出来る可能性を選択しなかったとしても、それは仕方のない場合もあります。つまり手術しなかったとしても「愛情がない」というレベルの話ではありません。
そんな意味のことまで話す先生を見て

うわあ…先生はきっと「飼い主は手術なんて無理!と考えているんだろう」って思ってるんだ。それは勘違いなんだけどなあ。
…と思った私は、すかさずぎょっとした理由を慌てて釈明しました。

いえ、そうではなくて、鳥に手術が出来るとは思わなかったので驚いてしまって…
手術をするならまだ体力を温存できている「今」がチャンスだ!
先生の言う手術は、

そのうを切開した後、溜まっているものを取り除き、細いチューブを使って食道の入り口に水(生理食塩水)を流し込み、詰まったものを落として取り除く
…というものでした。
私はこれまでの経験から、この先生はリスクについては非常に慎重で、過剰と思えるほど丁寧に説明をする方だと知っていました。
その先生が「必ず大丈夫であるとは言えないけれど」…と言いながらも、異物を取り除くこと自体にはほとんど不安を持っていない様子でした。むしろリスクは麻酔をかけること。
小さい鳥に麻酔をかける=小さいので麻酔の量も限られる=たくさんの麻酔は使えない=手術にかけられる時間は数分間=小さい体への負担が大きい…ということでした。
私はすぐにきっぱりと先生に言いました。

確かにこのままだとこの子は死んでしまうかもしれません。そして手術をするなら体力が残っている「今」であることもわかります。一刻も早く手術した方がいいことも、手術中・手術後に亡くなるかもしれないリスクも理解して承知した上で、それでも私は先生に手術をしていただきたいです。

分かりました。では手術は今日の午後します。
そう言った後で申し訳なさそうに

手術代をいただくことになりますが…〇万円なんですが…
その金額は私には(信じられないくらい)良心的なお値段でした。
そのうの切開手術成功から3日間の入院を経て退院へ
その日の夕方、病院から電話がありました(事前に手術の立ち合いは難しいと言われていたので)
無事手術が終わってぴよちゃんも元気との知らせを聞き、私は急いで病院に向かいました。
ケースの中のぴよちゃんはすっくと立ち上がっており、その生き生きとした表情や動作から元気になったことがひと目で分かりました。
その姿がただただ嬉しくて、先生には感謝の気持ちしかありませんでした。
その後はシードと流動食を併用し、3日間の入院を経て、無事退院となりました。
うちに帰ったぴよちゃんはすぐ自分のケージに戻ったのですが、その時の光景は今もはっきり覚えていますし、思い出すと涙が出ます。
ぴよちゃんは一目散にお気に入りの止まり木にいくと、何度も何度も愛おしそうにその止まり木に顔をすり寄せたのです。
頬ずりするぴよちゃんを見たのは、このときが初めてでした。
退院前に先生から何度か

強制給餌の体制や温度管理などが万全なので確かに病院の方が安心かもしれませんが、食が進まなくなるなどホームシックの影響も考えると…この子は早めに退院した方がいいかもしれませんよ。
…と言われた意味が、そのときにやっと分かりました。
「それは100%飼い主の責任です」
今回のトラブルの原因は「誤飲」でしたが、誤って飲み込んでしまった「異物」が何だったのかは、手術により流れ落ちてしまったので分からなかったそうです。
先生にそのうと食道の間に何かが詰まっていると聞いた時、けっして「私のせいじゃない」という気持ちからではなくて「異物が何か?」がわからなかった私は

本当に思い当たるものは何もないんです。
…と言ってしまったのです。
ここまで8年間のおつきあいやそれまでの関わりから、私が先生に対して常に「教わろう」という姿勢でいたことは、おそらく先生はお分かりだったと思いますが、それでも患者(ペット)ファーストのスタンスを決して崩さない先生は私にこう言いました。

それでも何かを飲み込んだことは事実なんです。そしてそれはペットのせいではなくて100%飼い主さんの責任です。
その言葉に私はハッとして

確かにその通りだ…

でも仕方ないんですよ。どんなに気をつけていてもあることなんです。
そう言われたとき、先生がただ単にお客さん(飼い主)を慰める…つまりきれいごとだけを言う獣医でなくて本当によかった…と思いました。
このことがあってから、これまで「ずっと大丈夫だったこと」にも気を配るようになりました。
それでも100%完璧に安全な環境を作ることは出来なかったと思いますが、それに近づけようという気持ち、過信してはいけないという気持ちは持ち続けられたと思います。
何より先生に助けてもらった命、ぴよちゃんが頑張り続けてくれた命を、軽々しく考えられるはずもありません。
事故は気づかぬうちに、それも一瞬で起こります。飼い主さんには自身で考えうる限りの対策を講じてからケージを開けて欲しいと思います。
そして放鳥中は愛鳥から目を離さないこと。当たり前のことかもしれませんが、毎日のこととなるとついつい気も緩みます。
「自分自身で共に暮らすことを選択した」鳥さんと、少しでも長く一緒に過ごすための「習慣」として、日々この意識を繰り返して持ち続けていきましょう。
サザナミインコのフンにびっくり!モンブラン溜めフンはサザナミあるある【ぴよちゃん12歳】
これはぴよちゃんが12歳の時に溜めフンにびっくり仰天したエピソードです。
異様な形状に度肝を抜かれた私は小鳥の病院で検査してもらいましたが、先生からはこう言われました。

異常はない…というほかない。
当時のぴよちゃんはカーペットの上を走れば何もなくてもつまずくことが多くなり、くちばしの上の羽はまだらにグリーンから黄色に変色(白髪化?)しているし…さすがにおじいちゃんになると、ぴよちゃんの容姿にもだいぶ老化が目につくようになっていました。
サザナミインコのりぶちゃん、10歳8ヶ月齢です。このような品種かのような羽ですが、頭部の黄色い羽は、いわゆる白髪です。サザナミインコは、老齢性の白髪が出やすい傾向があります。人と同じく頭から白髪になるのが興味深いですね。 pic.twitter.com/PmB4PA1cjA
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 29, 2020
レオちゃん、12歳8ヶ月齢です。 pic.twitter.com/vONgxB17lo
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 30, 2020
ぴよちゃんのモンブランケーキみたいな溜めフンにびっくり
そんなある日の朝のこと。ぴよちゃんが床の上にした溜めフンを片付けようとティッシュを持った手を近づけた私が、何気なく溜めフンを見た瞬間、思わず叫んでしまいました。

えっ?えっ??え〜っ!何これ!?
フンの形も大きさも色も健康そのものでしたが、異常だったのはフンの形状でした。
モンブランケーキの上に乗っている細い紐状の部分のような、今までに見たことがない溜めフンだったのです。
ぴよちゃんの溜めフンに寄生虫がいるのでは!?
その溜め糞に絶句した私が真っ先に心配したのは、

もしかして、寄生虫がいるのではないか!?
すぐに白い浅い小皿にフンを入れ、少し水を注いでから慎重に楊枝の先でそれをほぐしてみました。
すると驚いたことにフンはほぐしても紐状の形のままほぐれていきます。
しかも形状は異常なのに、とても状態がいいフンなのです。
すぐ病院に連れて行こうか悩みましたが、ぴよちゃんの食欲や様子に全く異常が見られなかったため、少し様子を見ることにしました。
同じようなフンをしているサザナミインコがいないかとネットで情報を探しましたが、そのときには何もわかりませんでした。
数日経ってもぴよちゃんの紐状のフンは続きましたが、本人はいたって元気そのもの。
とはいえ、この異様な溜めフンの原因がわからないまま放置するのは心配で、小鳥の病院に連れて行くことにしました。
小鳥の病院でも「異常なしというほかない」と言われて…
病院受診の当日、移動中の少ないフンではこの形状は再現されないと思い、その日の朝の溜めフンを小さい容器に入れて持参しました。その前日にはフンの写真も撮っておきました。
病院では持参した溜めフンと移動中の小さいフンを検査してもらいましたが、結果は異常なしでした。
こんな形状のフンをしたことがないから最初は寄生虫を疑ったことなど、これまでの経緯を先生に話しました。
先生もぴよちゃんのフンを「特異な形状である」と認めながらも

どうしてこういう形状になったのかは分からないのですが…ただ、このフンには全く異常がなく、寄生虫の存在や、寄生虫が体内にいることを示すものも、何も検出されません。
「う〜ん」と先生と私は互いに顔を見合わせるばかりでした。
今回、フンの検査と一緒に採血やレントゲン検査もしましたが、結果はすべて良好とのことでした。
結局このときには異様な溜めフンの原因は分からずじまいでしたが、フンの内容に問題がないことと、健診の結果もよかったので、再び様子を見ることにしました。
その後もぴよちゃんはずっと細い紐状のフンをしていましたが、元気に過ごしていました。
「あのモンブラン溜めフンだ!」サザナミあるあるで答えが見つかった
14歳でぴよちゃんが亡くなってから、たまたまサザナミインコのブログを見ていた時「サザナミあるある」と掲載されていたブログの写真に目が釘付けになりました。
それは昨年の私が探し求めていたモンブランみたいな大きな溜めフンの答えだったのです。
その飼い主さんにとって糞のその形状は日常的なもののようで、ブログではフンの大きさについて言及されているだけでした。
私はしばし呆然としてそれを見つめていました。もしその時にぴよちゃんが生きていたら、そのブログ主にコメントしていたかもしれません。
私はインコの体重を毎日計らないかなりズボラな飼い主でしたが、ぴよちゃんが1日にほぼ2回しかしない溜めフンの量・色・形にはいつも注意を払っていました。
これまで数回あったぴよちゃんの大ピンチのサインには、必ずフンの異常があったからです。
インコは体調不良を他者に隠しますが、糞だけは嘘をつけません。インコのフンは体調を確認できる
健康のバロメーターなのです。
フンの異常にひと目で気が付くくらい、日ごろからしっかり観察することを、インコの飼い主さんにはおすすめします。
サザナミインコの溜めフンの習性を利用すればトイレのしつけができる
不思議インコといわれるサザナミインコのぴよちゃんは、そのトイレスタイルもやっぱり変わっていました。
ぴよちゃんは1日に2〜3回「ため糞」を、ほとんどの場合、放鳥時にケージの外でしていました。
そのためぴよちゃんのケージのトレーに敷いた紙が汚れていないことがほとんどで(よくかじるのと衛生面から一日一回は変えていましたが)なんてお利口さんなのでしょう!…と思っていました。
しかも糞を「する場所」も「するタイミング」のパターンもほぼ決まっていました。
パターン1 ケージから出てすぐ、ケージの前の床で後退りしながらする。
パターン2 放鳥が終わる前に、ケージの底のトレーをキッチンで掃除する時に必ず一緒についてきて、水道の細長い蛇口に止まって、お尻を下げながらする。
パターン2のケースを逃すとその後にそのままケージに戻ってしまうことになるので、トイレ(ぷー)の機会を失ってしまいます(それはよくない!)
そんな時は、飼い主の私は蛇口に何度もぴよちゃんを乗せ直しながら「ぴよちゃん、ぷー」「ぴよちゃん、ぷー」と連呼して、ぷーを促したものでした(笑)
反対にぴよちゃんが絶対にぷーをしなかった場所があります。
それはバードテントの中と、放鳥時のほとんどの時間を過ごしていた、足を伸ばして座った私の上にかけたベビー毛布と私の腿の隙間です。
それが「大好きな場所ではぷーはしない!」という理由だったとしたら、私の腿の隙間でやらないことをとても嬉しく思うのですが(笑)
サザナミインコの白内障!老鳥ケージレイアウトとバリアフリー【ぴよちゃん13歳】
ある日、ぴよちゃんの目が夜なのに輝いていることに気づきましたが、それは瞳が白くなっていたせいでした。
当時は止まり木から落ちたり、足指の掴む力が弱くなり、ヨボヨボ歩くことが多くなっていたので、ケージのレイアウトや止まり木をそろそろ見直そうかと思い始めていた矢先のことでした。
どうして目がこんなにキラキラしているんだろう?…とよーく見てみると、光っていると思った黒目の真ん中が白くなっているではありませんか。
これは白内障?目を痛がったり痒がる様子はありませんでした。
ぴよちゃんの目を主治医の先生に診ていただいたところ、案の定

白内障だと思いますが、検査をしてみましょうね。
検査方法は人間のそれと同じで、専用の目薬をさして調べます。検査の結果はやはり白内障の診断がおりました。
インコの白内障の治療法は?目薬で白内障は治る?
白内障のインコに対して飼い主ができることはあるのか?…と思い、先生にたずねると

何か治療をしたいなら目薬になると思いますが、私はそれにはあまり効果がないと思っています。
そうあっさり言われました。

それよりも、もうお年寄りのインコなので、こういう状況(片目の視力が落ちている)を理解して穏やかに暮らせるように、飼い主さんが工夫してあげてください。
ヒトと同じで、目薬は白内障の進行を遅らせるもののようです(2023時点)
鳥の白内障を治すことは難しいです。人では人工レンズに交換する手術をしますが、鳥ではできません。進行を遅らせる目薬はあります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 28, 2020
お家でできることは、ストレスの低減、バランスの取れた食事、発情と食事量の管理になると思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 11, 2020
目薬をさすには、その都度インコを保定しなくてはいけませんが、

治癒する効果がないのなら、必ずしも目薬をさす必要はないのではないか。
ぴよちゃんを掴むことをしたくない私には、保定で掴まれたぴよちゃんのストレスを考えると「目薬をさしてもあまり効果はない」と言われた先生のその言葉に、少しホッとしたのです。
老鳥ケージレイアウトをあわてて変更するのは危険な行為
こちらは両眼が白内障になったコザクラインコです。多くは老齢性で起こります。視力は白濁の程度やその他の眼の病気の有無によります。視力がほとんどなくなっても徐々に見えなくなった場合は、普通に生活することが多いので、ケージ内のレイアウトを変えない方がいいです。上手く生活できていないよう… pic.twitter.com/mVhVxveBCu
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 18, 2023

これは勘違いしてしまう飼い主さんが多いのですが…視力が弱くなったからといって、急にケージのレイアウトを変えるのはやめてくださいね。

最近掴む力がだいぶ弱くなってきていたので「ケージ内のレイアウトを変えたほうがいいのかな」と考えていたところだったのですが…

止まり木を細くするくらいならいいですが…レイアウトを変えてしまうと、せっかく覚えているケージ内の感覚が活かせなくなってしまうので、視力が落ちてきた子にはそれはよくないですよ。
インコの中には白内障で全盲になる子もいるけれど、どこに何があるかを覚えているので、ケージ内をそのままにしておけば、視力を失っても適応できる場合が多いとのこと。

飼い主さんが「よかれ」と思ってレイアウトをガラリと変えてしまうと、インコはどこに何があるのかわからず、環境に適応できなくて食欲が落ちたり怪我をしてしまったりと、さらに悪い結果になってしまうことがあります。
今まで3羽、白内障で全盲になってしまった子達をお世話した事があります。
鳥さん達は生きる事に前向きで、
飼い主がしっかりとサポートすれば、他の子達にもまけないくらいに元氣で居てくれる事を学びました。— 🕊️鳥飼さろめ️🕊️ (@Salome4938) October 2, 2021
白内障は水晶体内のタンパク質が変性して白く濁る病気です。鳥では老齢や糖尿病で起こることが多いです。濁りが強くなるほど視力は落ちていきます。視力が低下しても、ケージ内の餌入れや水入れの位置を変えなければ、日常生活は問題ないことが多いです。予防は栄養バランスと雌の発情抑制、運動です。 pic.twitter.com/OKBYuBjUkR
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 27, 2020
私は先生の言葉に「なるほど」と納得し、一部の止まり木の位置はそのままに少し細いものに変えてみました。
するとケージ内の移動がスムーズになり、止まり木から落ちやすかったぴよちゃんが誤って落ちることがなくなりました。
位置を変えずに、大掛かりな変更をしないことが正解だったのです。
老鳥ケージレイアウト・バリアフリー・暮らし方…正答は1つではない
ぴよちゃんの白内障はその後にそれほど進行しなかったこともあり、止まり木の変更以外にはケージレイアウト変更やバリアフリー化を考える必要はありませんでしたが、ネットで老鳥を飼っている人たちの老鳥用ケージレイアウトを見て「なるほど〜!」と参考になった点をいくつか発見しました。
ケージ内居住空間を下げるのではなく底上げする
私は下に落ちた時の衝撃を和らげるために止まり木やバードテントの位置を下げることを考えていましたが、ある飼い主さんは逆に底上げをすることで同じ効果を実現していました。
この逆転の発想は目からウロコでした。
老鳥が落下しづらい環境を整える
別の飼い主さんはステップ(インコが上に乗ってしまえる台)を大きくして、その上で移動ができるように改造していました。
はしごと止まり木の位置を変えることで、落下しにくい環境を作っている飼い主さんもいました。
愛鳥に少しでも快適に過ごしてほしい!…と真剣に考えている飼い主さんたちの愛情と発想力には感心するばかりでした。
老鳥ケージレイアウトの最適解は飼い主の観察眼に委ねられる
インコはしゃべること(状況を伝えること)ができないので、飼い主はインコの様子を観察して快適に暮らしているのかを判断するしかありません。
だからおそらくどの飼い主さんも「これが正解だ」「ベストだ」とは思っておらず、もっと良い方法はないだろうか?と、多くの人が日々試行錯誤を繰り返しているのではないかと思います。
白内障と診断された時、ぴよちゃんへの先生の見る目(対応の仕方)が変わったのでは?と私は感じました。
幼鳥の頃は大切に育てればまだまだ先は長いから…といろいろなアドバイスをいただいたのですが、今回の受診では「変えないことが大切」とのアドバイスだけ。
その時の私が感じたのは

先生は「限りある残された時間を穏やかに静かに過ごすことを第一に考えている」に違いない。
私自身もぴよちゃんが白内障と診断されてから、さらにベタベタに甘えるようになった愛鳥とともに過ごす時間を、無意識のうちに惜しむようになっていた…そんな気がします。
ぴよちゃんは14歳で、あっという間に虹の橋を渡ってしまったので、老鳥介護や看病で苦労することはなかったのですが、シニアインコと暮らすことは、必要であれば身体のお世話をしながら、赤ちゃん返りした甘えん坊インコを、ただただかわいがることに尽きるのではないでしょうか。
そのためには幼鳥の頃からインコの様子を見守りながら、日々 鑑識眼を育んでいくことが大切だと思います。