サザナミインコの飼い主の寄稿です
これは15年前に私がお迎えした当時はほとんど情報のなかったサザナミインコの食事についてのお話です。
サザナミインコの餌はペレットとシードどっち?未消化便を防ぐには?
いきなり結論ですが、現在ではこのように考えられています。
サザナミインコはシードの未消化便が多い
その理由として、ペレットは単体でインコに必要な栄養が摂れる総合栄養食であること。さらにサザナミインコの食性が果食性または穀食性と言われていますが、明確には不明であることが挙げられます。
果食性であるなら餌は種子ではなく柔らかい果実であるために、シードをうまく消化できないことがあります。
シードは未消化便(シードの粒が糞の中に入っている状態)として排泄されることもあります。サザナミインコはペレット食の方が向いていると言われる所以です。
サザナミインコに見られた粒便です。サザナミインコは筋胃のすり潰しが弱い傾向があり、シードを主食にするとこのような粒便をするようになります。野生では、フルーツ、乾燥または発芽した種子、虫の幼虫などを食べています。食事は、ペレットを主食にしてフルーツを副食に与えるようにしましょう。 pic.twitter.com/2RskaSwxG6
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 9, 2020
サザナミはグリットが少ないか、持っていないことが多いです。おやつのシードは、消化が出来ていれば大丈夫です。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 22, 2020
15年前に私がぴよちゃんをお迎えした時は あまり「サザナミインコ」の情報はなく、当時参考にされていたのは飼育数も情報量も多いセキセイインコでした。
そういう状況下でのぴよちゃんの最初のごはんは、お迎えしたペットショップで食べていたオリジナルのペレット(多分ズプリームフルーツブレンド)とミックスシードをブレンドしたものでした。
ペレットとシードのミックス食で14年の天寿を全うしたサザナミインコ
当時のぴよちゃんはシード→ペレットの順(好きなもの順)で食べていましたが、ペレットも食べてはいました。
最初のブレンドフードを食べ終わり、次にどうしようかと考えたときに、ショップから同じ物を取り寄せることも検討したのですが、当時の私はカラフルなペレットに抵抗がありました。
そのため色々と調べて選んだのは、ハリソンのアダルトライフタイ スーパーファイン(ペレット)で、そこにミックスシードを5対5で混合して、主食として与えることにしました。
その後にも餌について何度か見直す機会はありましたが、ぴよちゃんはハリソン以外のペレットは食べてくれませんでした。
そこでペレットはハリソンを単体で、シードは無農薬のミックスタイプのものをベースに、時折オーツ麦や蕎麦の実などを足すというスタイルを続け、ぴよちゃんは14年の寿命を全うしたのでした。
食生活について主治医から教わったこと~インコの食の楽しみを優先してもいい
ぴよちゃんがメガバクテリアを発症した時に診ていただいた先生には、その後何度もお世話になりました。
その度に、小鳥の病気や健康に関することだけでなく、飼育書には載っていない飼育環境についてのお話や、実際に導入するとよい機器などについてもたくさん伺うことができました。
食事についても色々と相談させていただきましたが、初めて診ていただいた時は先生もサザナミインコは初めてと言い、その後すぐに他の獣医師から情報収集をして下さったそうなのですが、それでもサザナミインコの情報は少ないとのことでした。
ペレットとシード…どっち?と言われれば「サザナミインコにもペレットをおすすめします」
そんな状況を説明してくださった後で、先生からは
…と言われました。
…とお話したところ、
…とあっさりダメ出しをされてしまいました。
確かにペレットはほぼ残っている感じだったので
…と言われたので、私は「う〜ん…」となってしまいました。
ペレット食がシード食より長生きするデータはない
健康のためにはペレットに移行した方がよいのは分かっていたのですが、美味しそうにシードや粟穂を食べるぴよちゃんからそれらを取り上げることには抵抗がありました。
何より日中は仕事で家にいることのできない私は、ぴよちゃんにペレットだけを与えて出かけることに不安があったのです。
悩んでいる私を見て先生は
そう言った後で、
「???」となった私に
サプリで栄養不足を補うなら食の楽しみを優先してもいい
え!?…と思っている私に
…と言って下さったのです。
この先生のアドバイスから
サプリメントを利用することで、ペレットと同等とはいかなくても、栄養バランスを整える事は出来そうだ。
…と思えて、当時の私はとても心が軽くなったものでした。
今の私がサザナミインコの餌を選ぶならペレット主体の混合食に好物の楽しみをプラスする
もし今の私が再びサザナミインコをお迎えするとしたら、メインの餌はペレットにすると思います。
理由は、 サザナミインコが種子食により消化不良を起こす可能性がある…といったサザナミインコの特性によるところが大きいからです。
実際に私はぴよちゃんの糞の中にシードの粒が入っている、いわゆる「未消化便」を何度も見たことがあったのです。
現在の私は在宅ワークなので、1日の餌の総量を決めて それを2~3回に分けて与えることも可能になっていますし、様子を見ながら餌の内容の調整をすることが出来るので、摂取量が減ってしまうかも…といった移行時の不安も減らせます。
そして餌の中身はペレットをメインとし、シードや麦、ハーブなどを少量混ぜるというスタイルになるでしょう。
おやつとしては、粟穂、青菜、トウモロコシ(ぴよちゃんの大好物だった)果物などで変化と楽しみの要素を加え、健康管理の視点から ペレットの給餌量次第でサプリメントも利用する可能性があると思います。
老鳥にペレット切り替えが難しいとは限らない~食の好みは変わることもある
ぴよちゃんはずっとペレットとシードの混合食だったのですが、誤嚥が原因で手術をしてからは ペレットを好んで食べるようになりました。
その頃からペレットだけを浅い小皿に入れてあげるようにしたのですが、その小皿が空になることも多くなり、逆にシードは自分から残すようになりました。
老鳥になってからは「好き」の順番が変わったのですが、これは嬉しい誤算でした。
…という意見を多く見かけます。
ぴよちゃんの嗜好が変わった理由は今でもわかりませんが「老鳥だから無理だろう」の決めつけは必要ないと思います。
その時々で鳥自身に食べたいものを選ばせて、足りない栄養素を補う工夫は飼い主さんが凝らせばいいのです。
私は14年もの間にぴよちゃんからたくさんのご褒美(うれしいこと・楽しいこと)をもらいました。
そのほとんどを捨てることになると分かりながら「少しでもぴよちゃんにいいものをあげたい」思いでずっと買い続けていたペレット…8年経ってやっとたくさん食べてくれるようになった時はとてもうれしくて、これもぴよちゃんからの「ご褒美」だったと思うのです。
