ロリキート(ヒインコ)の飼い主の寄稿です
我が家で飼っているカラフルで人懐っこいロリキート(モコモコ)は娘の大親友でした。
そんなインコが逃げてしまい、もう二度と会えないと諦めた3か月後に思いがけなく再会できたエピソードです。
インコが逃げた!諦める3か月後に思いがけない再会を果たした体験談
ある日私が帰宅すると
娘がワンワンと泣いています。
どうしたの?と聞いてみると
娘がかわいがっているインコが逃げてしまったとのこと。
餌入れの容器とケージを誤って倒してしまい、
それに驚いてケージから飛び出したモコモコが
窓から逃げて行ってしまったそうです。
お世話をしようとしたときのミスなので
仕方がありませんが、
これは幼い娘にとっては親が想像する以上の
大きな事件だったのです。
もちろん鳥を逃がしてしまった
精神的ショックも大きかったですが、
それ以上に娘が
…と思い込んでしまったことが
よけいに問題をこじれさせていました。
ケージの転倒と鳥のロストで二重のパニックとショックを受けた幼い娘
ロリキートは一般的なインコとは
エサの種類がまったく違っていて、
固形物を食べることがありません。
野生のロリキートは果実や花粉、
花の蜜を食料にしているそうですが、
それはまるで舌で果汁のエキスを飲む?というか
食べるといった感じです。
そのため、まず大変なのは
エサをこまめに用意する必要があることです。
また餌が流動食のため
軟便なのでケージが汚れやすく、
こまめに掃除しなければいけません。
娘はケージの掃除をした時に
それが重くて倒したのだと思います。
モコモコは少し窓が開いていても
逃げることがないぐらいなついている子だったので、
勢いよくケージを倒してしまったことで
モコモコもかなりびっくりしたのと同時に
怖かったのではないかと思います。
それでバーッと勢いよく飛んで行ってしまったのでしょう。
娘はケージの転倒と
モコモコがいなくなってしまった二重のショックで、
これまでにないような大きな声で泣いていたのです。
逃げてしまったことに関しては仕方がないにしても
…と残念な思いがこみ上げてきました。
しかし鳥類で帰巣本能があるのは
ハトや渡り鳥くらいなのでは?
群れで移動したり、
一か所に留まらないインコには
帰巣本能はほぼないと考えられます。
だからインコが逃げたら
諦める人が多いのでしょう。
それは頭ではわかっていても、
言葉では上手く表現できない「モヤモヤ感」で
家族一同がいたたまれない気持ちに
なってしまったのでした。
大きなケージを倒したにもかかわらず
娘に怪我がなかったことは不幸中の幸いでしたが。
ロストから3か月間インコ探しに真剣に取り組むことに決めて
モコモコがいなくなったことは
我が家的大事件でしたが、
それよりも幼い娘の精神的なショックの方が
私は心配でした。
知り合いにカウンセラーがいるので、
思い切って心理カウンセリングの専門家に
この件について相談することにしました。
その時にアドバイスされたのは
このアドバイスを受けて
再度家族みんなで話し合った結果、
これからもしばらく無理のない範囲内で
モコモコの捜索を続けていくことに決めました。
その目安はおおむね3か月くらいまでと
考えていました。
そしてまず最初に取り掛かったのは、
インコのロストのSNS拡散です。
ロスト情報を拡散してみると
びっくりするぐらいの大量のコメントが届きました。
これだけを精査するだけでひと苦労でしたが、
同じようにインコや犬猫とはぐれてしまった人達と
ネット上で交流出来たことはメリットでした。
なぜなら娘が多くの人たちからの
コメントやアドイスを見聞きすることよって、
少しずつ心がケアされていったように思えたからです。
あの時のことは
皆さんの温かい言葉や心遣いに
「ありがとう」と感謝の言葉しかありません。
残念ながらあの時の拡散によって
モコモコを見つけることはできませんでしたが、
SNSの凄さを私はこのときに改めて実感しました。
その後も私は娘と一緒に
モコモコ探しを続けていました。
3か月を目途に全力で探すことを決めていましたが
そもそもロリキートは餌からして珍しい鳥なので、
正直に言うと「もう二度と会えないだろうな」
…となかば諦めかけていました。
鳥類は1日食べられないだけでも
命の危機に瀕しますが、
ロリキートはとても消化能力が高いインコなので、
エサを与えないとすぐに倒れてしまいます。
しかも果物などの柔らかいものでなければ
食べることができない特殊な事情のインコです。
逃げたのが田舎の畑が広がる地域でしたら
うまくいけば自然の中で生き抜くことが
できるかも知れませんが、
都心部ではそもそもエサがありません。
鳥の迷子は2~3日で見つかれば
助かるかもしれないと思いましたが、
モコモコのケースでは
8割方「難しいのでは?」と考えていたのです。
しかし娘をペットロスの辛さから
1日も早く救い出すためには、
しばらくは家族総出でモコモコ探しを
諦めずに続けようと決めていたのです。
ロストから3か月ぶり!インコとの奇跡的な再会を果たして…
モコモコが逃げてから3か月が経過したある日、
私たちの目前に思わぬ光景が飛び込んできました。
自宅から徒歩圏内にある八百屋さんで
色鮮やかなロリキートが鳴いていたのです。
鳥に向かって名前を呼びかけると
その鳥は大興奮して
鳥かごの中で飛び跳ねています。
それは間違いなくモコモコでした。
八百屋の店主によると
我が家から逃げたその日に
モコモコがここまで飛んでやってきて
試食の果物を食べているところを
見かけて保護したそうです。
そう思うくらい、
モコモコは元気いっぱいで
ケージの中で踊っていました。
とても人懐っこい子なので
モコモコとの別れは店主も寂しそうでしたが、
再会を果たした娘の喜ぶ顔をみて
「良かったね」と言ってもらえました。
まさかこんなハッピーエンドな
展開が待ち受けていたなんて
想像もしていませんでした。
家族一丸となって続けていた迷子の愛鳥探しは
精神的につらい思いもありましたが、
私にとっては家族の絆がさらに深まった
貴重な体験でもありました。
今回の経験を通して
ペットに対する愛情が強すぎると
ロスした時のショックが大きいことが
身にしみてわかりました。
ですが、ペットを家族の一員として
お迎えして暮らすことは
人生経験として大きなプラスになることは
間違いありません。
この貴重な体験から
幼い娘もそれをきちんと学び取っただろうと
私は思っています。