コガネメキシコインコの飼い主 私のペットはコガネメキシコインコという中型インコです。名前はぼんちゃん。あまりおしゃべりは得意ではありませんが、人とコミュニケーションを取るのが好きな種類です。
コガネメキシコインコは寿命的には15~20年くらいは生きる鳥でしたが、飼い主の過失で早7年で死なせてしまいました。
ペットロスカウンセリングを受けてインコの死の悲しみを乗り越えた!
温度管理はきちんとしていたつもりでしたが、私のちょっとした不注意から鳥たちを寒さに当ててしまいました。そのせいでぼんちゃんは体調を崩し、なかなか回復することができず、どんどん痩せていって衰弱死してしまったのです。
私はぼんちゃんが亡くなったことをなかなか受け入れられないまま、1ヶ月ほどは何もせずボーっと毎日を過ごしていました。
その間仕事には行っていたのですが、トイレで何も考えず座っている時や電車に乗る時、食事をしているとき、眠るために目を瞑っているとき、
…という後悔の念が心の中を支配してきて、次第に抑うつ状態に陥り、思考回路が停止したような状態になりました。
その頃から眠れなくなり、食欲がどんどん落ちてきて食べものが喉を通らなくなったのです。
その様子をそばで見ていた家族からは
…と言われていたのですが、最初のころは「病院に行くほどではない」…と思っていたので断っていました。
しかしあまりにも眠れなくなってきたことから次第に仕事にも支障が出てきました。体調がすぐれずに病欠が続いたため、私は思い切って心療内科の受診を決断しました。不安だったので家族に同行してもらいました。
精神科と心療内科の違い
精神科と心療内科は共にメンタルヘルスを扱う診療科ですが、実際には違いはほとんどありません。精神科はうつ病、パニック障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害など、心療内科は摂食障害、緊張性頭痛、過敏性腸症候群などを得意としていますが、精神科での摂食障害の治療や、心療内科でうつ病が日常に行われています。患者さんにとって精神科よりも心療内科という名前のほうが受診しやすいため、精神科医が精神科だけでなく心療内科を標榜したり、うつ病などの患者さんが受診しやすいように心療内科医が心療内科だけでなく精神科を標榜することがあると聞きます。
精神症状が主体なら精神科、身体症状が主体なら心療内科への受診が望ましいと思いますが、どちらを受診してあまり変わらないと思います。通院のしやすさ、医師の経歴や人柄、治療方針などで医療機関を選ぶことが望ましいと考えます。
引用元:精神科と心療内科の違い
心療内科を受診しても即座にうつ病と診断されることはありません。ペットロス症候群からの「抑うつ状態」で診断書をもらい、睡眠薬と軽い精神安定剤を服用するようになりました。
睡眠薬の効果で眠れるようにはなりましたが、やはり頭から亡くなったインコのことが離れません。このつらさについては家族にも頻繁に話を聞いてもらっていましたが、家族は話を聞くプロではないため正直なところ上手い受け答えができません。
…とメンタルヘルスについて甘く考えていました。
しかし心の病みはそんなに簡単に解決するようなものではありませんでした。そんな沈んだ毎日を過ごしていたところ、主治医から
…との話をいただいたため、主治医を通して専任のカウンセラーを紹介してもらうことになりました。
心理カウンセリングと認知行動療法の同時進行により頭の中の霞が晴れてきて…
心理カウンセリングではまずは自分の心情を汲み取るための心理テストを受けました。
さらに亡くなったインコのことを考えるあまり認知の歪みが発生しているとのアドバイスを受けて認知行動療法も同時に受けました。
カウンセラーと共に認知行動療法を行うことで、
当時はどういうことを考えたか
今冷静に考えて同じことが起きたらどうするか
…などを時間をかけて考えることができました。
カウンセリングを受け続けていくうちに、自分の頭の中の霞が晴れていくようなそんな気分になってきました。
同時にクリアに物事を考えられるようになって少しずつ精神状態が元に戻ってきたことを実感できました。
私の家にはもう一羽コガネメキシコインコがいるのですが、その子が同様の事態で命を落とさないように充分に気をつけていかなければいけないこと。気をつけるためには何をしていけばいいのか?…などを冷静に かつ具体的に考えられるようになりました。
ここまできて ようやく半年ぶりにグラグラと不安定だったメンタルが回復していった…そんな実感を得られたのです。
「ありがとう」が「ごめんね」を上回ることがペットロス克服のめやすのひとつ
次第に前向きな気持ちになっていく自分に気がついたときになって初めて亡くなった子への感謝の気持ちが溢れ出てきました。「ありがとう」の気持ちが「ごめんね」を上回ったと感じたときに、
…とペットロス克服を現実のものとして受け止めることができました。
そこにたどり着くまでに最終的に8カ月の時間を要しました。
ペットロス症候群、通称「ペットロス」は「言葉」としてはよく耳にしますが、こんなに症状が重いものだなんて、待望のコガネメキシコインコを飼い始めたときには考えたこともありませんでした。
精神が不安定になるとどうなってしまうのか?自分がその状況に陥るまでそれすら全く想像もできなかったのです。
私は自分の体験から、ペットを亡くしてペットロスの自覚がある方や、それを数か月も引きずっている方には、きちんの心の専門家に相談することを強くおすすめします。
ペットロスを甘く見るのはやめてください。短時間に自力で立ち直れたり乗り越えられるなら、それはそもそも「ペットロス」ではありません。単なる喜怒哀楽の「哀」にすぎません。
ペットロスは自分の力だけではどうにもできない「心の病」と受け止めない限り、真の克服は難しいものです。