【大阪ドラム缶遺体事件】一審・二審で死刑判決!鈴木勝明の裁判

 
大阪ドラム缶遺体事件 鈴木勝明

2004/12/3 大阪ドラム缶遺体事件

 


 

2004年12月3日頃、鈴木勝明(当時37歳・建設作業員・大阪府堺市)は和泉市の浅井さん方で、浅井建治さん(当時74歳・元カーペット製造販売会社 社長・大阪府和泉市)と妻・きよさん(当時73歳)の頭部を鈍器で殴って殺害し、高級腕時計ロレックス2個と乗用車1台、240万円相当を強奪し、車のトランクに2人の遺体を乗せて逃走した。

12月4日、夫妻の乗用車がなくなっており、会社事務所で血痕が見つかり、それが何者かにふき取られた痕跡があったため、長男が警察に捜索願を出した。

その頃、鈴木勝明は、奪ったロレックスを泉佐野市内の質店で現金50万円で換金(質入れの金額を自ら50万円と指定していた。)

12月7日に、鈴木勝明は阪南市の貸ガレージを借り、1ヶ月分の賃料と保証金の計62000円を支払い、シャッターの鍵を受け取った。

その後、浅井建治さんの携帯電話を使って「夫婦で金沢の温泉にいる」と成りすましメールを送り、2人が生きているように偽装した後、ホームセンターでドラム缶を購入。

鈴木勝明は浅井夫妻の遺体をのこぎりでバラバラにしてドラム缶に詰めて密閉し、貸ガレージの中に放置した。

鈴木勝明は貸しガレージのシャッターの鍵を返却せず、駐車場の管理者はそれきり鈴木と連絡が取れなくなっていた。
 
 
2009年11月25日、貸ガレージに新しい借り主が決まったため、管理者がシャッターを開けて中に入り、ドラム缶と遺体を発見した。

鈴木勝明が借りて1カ月分の賃料を払った後、シャッターの鍵を返却せずに音信不通のまま ガレージは5年ほど放置されていた。

そのことから鈴木勝明が捜査線上に浮上し、11月27日に浅井社長宅からロレックスや車を盗んだ窃盗容疑など複数の余罪で逮捕された。

11月26日、大阪府警は、ドラム缶の遺体が2004年に行方不明になった浅井建治さんと妻・きよさんと断定した。

司法解剖の結果、死因はいずれも頭を鈍器のようなもので殴られたことによる脳挫傷で、死亡時期は2004年12月頃と推定。

遺体はともに頭の骨が折れていたほか、きよさんは左胸や右太ももも骨折し、遺体の一部に刃物のあとがあることも判明した。

鈴木勝明は窃盗と夫妻の遺体遺棄を認めたが、殺人容疑は否定し、連絡先を知らないヤミ金の知人の2人の男が浅井さん夫妻を殺害したのだと主張した。

そのとき、死体遺棄・損壊罪は すでに3年の公訴時効が成立していた。

物証がないことから捜査は難航したが、府警は状況証拠などから鈴木勝明の単独犯行と断定し、2009年12月3日に強盗殺人容疑で鈴木勝明を逮捕した。
 
 
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【大阪ドラム缶遺体事件】裁判

2013/6/26 一審 大阪地裁・裁判員裁判~死刑

2013年5月20日の初公判で、鈴木勝明被告は「絶対にしていない。別の2人が殺害したと思う」と述べ「夫婦を殺害したヤミ金融業者の男2人から遺体の処理を強要された」とし、無罪を主張した。

2013年6月10日の論告で、検察側は ◆事件前年の2003年、鈴木勝明被告が浅井さん宅の新築工事で出入りしていた ◆貸ガレージを借りていた ◆事件直後に浅井さんの腕時計を質入れした・・・などの状況証拠を挙げ「鈴木被告が犯人であることは明らか」と主張。

さらに「反省しておらず、残虐で冷酷な犯行で、更生は不可能だ」として死刑を求刑した。

弁護側は「凶器が特定されていないなど夫婦を殺害した証拠はなく、検察の立証は不十分だ」として無罪を主張。

最終陳述で鈴木勝明被告は「ご遺体を損壊し、遺棄したことに関与したのは事実。本当に申し訳ないと思っている」と死体を遺棄したことを初めて認めたが「殺害は絶対やっていません」と主張した。
 
鈴木勝明被告は、浅井さん宅の新築工事中に妻・きよさんの腕時計を盗んだなどとして3件の窃盗罪と1件の住居侵入罪でも起訴されていた。

これらの事件については裁判官だけで審理され、2013年5月15日にすべて有罪とする部分判決が言い渡されていた。

2013年6月26日、大阪地裁は鈴木勝明被告の単独犯行と認定し、鈴木被告に死刑を言い渡した。

大阪地裁
鈴木被告は夫婦の遺体を遺棄し、300万円の借金返済のため 夫婦の腕時計を質店で換金した。
遺体遺棄の方法は凄惨で犯人でなければしない手口であり、鈴木被告が犯人でないという説明は、もはやできない。
 
夫妻を殺害したとするヤミ金融業者男2人は見つからなかった。架空の人物だ。
さらに夫妻を鈍器で殴って即死させ、遺体をドラム缶に隠匿し、約5年間、平然と生活していた。反省せず、更生の可能性もない。
 
極刑を望む遺族の心情は尊重されるべきだ。
犠牲者2人以上の強盗殺人の裁判では、残虐性などの事情があれば極刑が選択されており、今回もこれに相当する。

被告側はこれを不服として即日控訴した。
 
 

2014/12/19 控訴審・大阪高裁~被告側控訴棄却・一審判決支持で死刑

2014年12月19日、二審・大阪高裁は、鈴木勝明被告を死刑とした一審・大阪地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

大阪高裁
鈴木被告は遺体を遺棄し、被害者から奪った腕時計を質に入れて換金し自分のために使っており、被告の犯行とすることに不合理な点はない。
第三者が犯行に関与したとはいえない。
非人間的で冷酷な犯行で反省の態度もない。
2人の命が奪われたことを考慮すれば、極刑をもって臨むほかない。

被告側はこれを不服として即日上告した。
 
 

2017/11/7 上告・最高裁~第一回公判…口頭弁論

2017年11月7日、最高裁は弁護側と検察側双方の意見を聞く弁論を開き、弁護側は改めて無罪を主張して 即日結審した。

検察側
第三者が殺害に関与したことを示す証拠はなく、被告側の主張は責任を免れるための弁解だ。
強固な殺意に基づく残虐で冷酷な犯行であり、死刑が妥当。
弁護側
大阪府警が夫婦宅の敷地で採取した血痕や毛髪を紛失しているため(※)第三者の犯行の可能性を立証する機会が奪われた。
凶器も見つかっていない。
被告は無罪である。

※大阪府警捜査一課と和泉署は、夫婦の失跡当時に採取した血痕と毛髪を部分的に抽出して鑑定していたが、いずれも夫婦のもので第三者の関与をうかがわせる証言などもなかったため、残りは鑑定しなかった。
事件性は低いと判断して捜査を中断したが、夫妻の遺体発見後に捜査一課が証拠品を再確認したところ、失跡当時に「採取」との記録があった未鑑定の毛髪と血痕の一部など計約10点が見当たらないことが発覚した。弁護側はこの部分を突いて、鈴木勝明被告の無罪を主張している。
  
 

2017/12/8 最高裁・判決公判~死刑確定!


 


 

鈴木勝明被告(50再)に対し、最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は12月8日、被告の上告を棄却する判決を言い渡しました。

戸倉三郎裁判長
強固な殺意が認められ、2人の生命を奪った結果は重大。
事件後に被告が夫婦の腕時計を換金していること、ガレージを借りて遺体を入れたドラム缶を隠したことなどから、被告を犯人と認定した一審・二審判決は正当で是認できる。
 
被告は借金の返済などをしなければならない状況にあり、殺害直後に被害者の腕時計を換金して返済に充てていることなどを総合すると、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に強盗殺人を行ったことが証明されている。
 
2人の頭部を鈍器で殴打するなど、殺害態様は冷酷かつ悪質。
刑事責任は極めて重大で死刑はやむを得ない。

 
 
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