大久保清事件は、4人の犯罪心理学者をもってしても「犯行動機は謎」と言われて裁判が終了している「特殊事案」です。
大久保清は妻にも嘘八百!闇の深さが心理学者も理解不能な件
心理鑑定人にそう言わしめるほどの気性の荒さを見せつけた大久保清元〇刑囚。
当時186日間に渡って極限状況下のサイ〇パスの心の闇に迫ろうと格闘していた心理鑑定人の苦悩は あまり知られていない。
大久保清には徹底的に心理鑑定がなされたが、この事件はプロの目から見ても未だに謎と闇の深さがケタ違いの事案だと言われていて、心理鑑定人はずいぶん手を焼いていたようだ。
捜査本部の取り調べは 大久保清の供述が事実であれ虚偽であれ、大久保自身がある意味「自分のやりたい放題にやれた」「言いたいことを自由に言えた」わけだが、心理鑑定はそうはいかない。
他人から心の奥底までのぞかれたり、見透かされたりするのだ。
大久保清は自分の心の中に立ち入られることをおそろしいほど拒んだという。
心理鑑定の途中でブチギレてテープ録音を切ってしまった…など、激しい抵抗を見せた逸話が数多く残っている。
現実問題として、裁判では犯罪を証明するだけでは不十分。犯罪の理由が「サイ〇パスだから」では通らないのは当然なのだが、「犯罪動機」が絶対に必要不可欠なものだ。
しかしその重要な動機において心理鑑定人たちは首をかしげていてた。
心理鑑定のテストではこんな意外な結果 が出ていたからだ。
正常な人間であり、知能も人並み以上ある普通の人間なら必ず動機があるものだが、それが一向にみつからない…というのである。
【担当刑事のことば】一瀬・荻野両刑事はさらっと言ってのける。
「大久保の〇人動機なんて決まっている。やつはただ〇したいだけだ。けだもののような異常な〇欲を満足させるためには、5カンでも〇人でも、手段は何でもありだ。〇欲〇人であり、快○○人であり、またその犯罪を隠ぺいするための〇人なんだ」と。
via:完全自供
大久保清の妻も夫が嘘をつく理由がまったくわからなかった
心理鑑定には大久保清の元妻も聴取に応じている。
2人が初めて出会った頃、妻(当時20歳)に大久保清(当時27歳)は偽名を使うだけでなく、こんなデマカセを言っていた
約1年の交際を経て 結婚が決まった時には、こんな嘘の上塗りでその場を収めた
大久保清は元妻に当時の自分のゼン科(2犯)を一切伝えずに結婚した。
一男一女をもうけたが、2人目誕生後に大久保清が恐〇事件を起こし、その時に初めて夫のゼン科を知らされた。
2人は結婚までの約1年の交際期間中、肉〇関係はおろか、手を握ることすらなかった…と元妻は証言している。
元妻は外でのデートを断っていたので、週に3回ペースで大久保清が元妻の自宅に通っていたことや、外で会う時には元妻の友人を同席させていたせいでそうなったらしい。
元妻は結婚してすぐに 今まで聞かされていたことが全て嘘だとわかったが、なぜそんな嘘をついたのか?理解に苦しんだという。
大久保清の「動機が存在しない」腑に落ちない謎
心理鑑定人はさらに大久保清の人間像を探るために、〇体関係を持ちながらも56されずにすんだ2人の女性に聞き取り調査を行ったそうだ。
19歳(デート回数5回 うち関係が3回)と17歳(デート回数11回 うち関係が2回)
その聞き取りでは、大久保清はいたってノーマルで、異常な〇的嗜好は見られなかったという。
心理鑑定の世界は素人には理解が難しい部分があるのだけれど…
心理鑑定的に見ると、大久保清の徹底した秘密主義は「自分の何を守りたかったのか?」の部分が謎なのだという。
それで大久保清事件には「動機が存在しない」という腑に落ちない謎が 今でもまだそこに残されたままになっているのだ。
4人の犯罪心理学者たちは「大久保清」という人間の「性格」は明らかにしたが、「動機」という深層を完全に解明することはついにできず、心理状態鑑定書にはこう記載するしかなかった
判決文 父の性的放縦、母の利己的で冷血な血を受け発揚性、自己顕示性、無情性を主徴とする極めて亢進した色情衝動を伴う異常性格者であって、すでに小学生時代から短気で乱暴で同級生とは融和せず、小学校四年生頃からその言動に性的放縦の萌芽が顕れ、六年生頃にはしばしば女生徒にいたずらをして問題を起こすという性行不良の児童であった。
via:死刑囚の最後の瞬間
前橋地裁は1973年2月22日、〇刑判決を言い渡した。 大久保が控訴しなかったため、刑が確定。 大久保の知人を介して、獄中インタビューに成功している。
判決を受けた瞬間、なにを思ったか。
覚悟していた。特別の感動はなかった。 べつになんともなかったよ。その晩だってよく眠れたしね。 社会は〇刑にしなきゃならないだろうし、俺自身も〇に値すると思っている。遺族は「1度でもいいから謝罪してほしかった」といっているが…。
深く申しわけないと感じている。 だからこそ、犯行の事実を率直に認めているんだ。 しかし、国家権力が設定した裁判は、俺を〇刑にする儀式じゃないか。 そんな場所で頭を下げれば、権力に屈服したことになるから謝罪しなかっただけなんだ。裁判長も「多少の疑問は残る」とのべているように、犯行の動機が明確になっていないのだが…。
女への恨みが爆発したんだ。 前のとき、女のうそっぱちを支持したのは警察や裁判所だ。 おかげで3度も女にだまされて刑務所へいれられた。 だから俺は人間じゃなくなっちゃったんだ。凶獣になったんだよ。 極限に追いつめられたこの心は、俺自身にしかわからねえ。控訴はしないつもりと聞いているが。
控訴のつもりはない。 長生きしたくないんだよ。〇にたい。 そうすりゃこの苦悶からぬけ出せるし、遺族へのわびにもなるだろう。via:アサヒ芸能1973年3月8日号
現代なら…反社会性パーソナリティ障害?多重人格?解離?離人症?統失?病理が明らかになれば刑が軽くなったりするし、〇刑でないなら場合によっては心理カウンセリングや認知行動療法で、時間をかけて犯罪者の認知の歪みを正していくケースもあるかもしれない。
しかし、にべもない言い方だが、様々な心理療法や治療法が存在しても、そんなものはサイ〇パスには通用しない!…と私は根拠なく思ってしまう。
だから正直、つい先日 熊谷の事件で無期〇役が確定したのも、個人的には納得できない。
有名なヒッチコック映画の「サイコ」…これにはそのままの流れを汲んだ内容の「サイコ2」「サイコ3」の続編があって、いずれもアンソニー・パーキンスが主演している。
これを観ると…がんばっても正真正銘のサイコは治らないのかな…と思う(映画だけど)
身もふたもない言い方だけど…心の闇(病み)はやっぱり難しくて、闇が深くなる前に引き返せないと、元に戻って来られないのを感じてしまう。
精神をヤんだら自然治癒なんて無理。時間が解決するほど、ヒトのメンタルは単純もタフでもない。
ペットロスも パニック障害も 発達障害も うつ病も全部同じこと。
こころが壊れる前に専門家に早めに相談して対処するのが正解と思っている。
